うろーおにうろー
裁判記録(14)
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裁判記録
○大本に於ての立替立直しの実行者
○立替立直しの方法
○大本信条、大本規程、大本規約
○ミロク大祭
○立替立直をする時期
○昭和三年の三月三日の意味
○ミロク菩薩
○幹部
○八王八頭
原文はカタカナ書き。カタカナはひらがなに改めた。
また、読点を適宜句読点に改め、なるべく短い段落となるように改行した。内容のまとまりごとに標題を付加した。
争点 大本に於ての立替立直しの実行者
午後
(
ごご
)
一時三十七分開廷
裁判長
出口
王仁三郎
(
おにさぶらう
)
、
大本
(
おほもと
)
に
於
(
おい
)
ては
此
(
こ
)
の
立替立直
(
たてかへたてなほし
)
しの
実行者
(
じつかうしや
)
は誰か。
答
神様
(
かみさま
)
です、
それは
神様
(
かみさま
)
がすると
仰
(
お
)
つしやるのですから、それを
詰
(
つま
)
り、
霊代
(
たましろ
)
たる出口に知らすと
云
(
い
)
ふのでありますから。
さうして、
其
(
そ
)
の教を伝へて、教が伝はつて皆の心が改良して来たら、
所謂
(
いはゆる
)
立替立直
(
たてかへたてなほし
)
しになるのですから、
実行者
(
じつかうしや
)
は
矢張
(
やつぱ
)
り
神様
(
かみさま
)
です。
問
立替
(
たてかへ
)
は
神様
(
かみさま
)
がやる、
立直
(
たてなほ
)
は人間がやると
云
(
い
)
ふ意味ですか。
立替
(
たてかへ
)
も
立直
(
たてなほ
)
も
両方
(
りやうはう
)
とも
神様
(
かみさま
)
と
云
(
い
)
ふ意味ですか。
答
どつちも
神様
(
かみさま
)
でなければ
出来
(
でき
)
ませぬですな。
問
神がやると
云
(
い
)
ふのは何かね。「
大本神諭
(
おほもとしんゆ
)
の天之巻の神が表に現はれて三千世界の
立直
(
たてなほし
)
をする」と、
之
(
これ
)
を言ふのか。
答
さうです。
問
之
(
これ
)
を
根拠
(
こんきよ
)
にして
云
(
い
)
ふのか。
答
さうです、「表に現はれる」と
云
(
い
)
ふことは、「
今迄
(
いままで
)
は
押込
(
おしこ
)
められて
居
(
を
)
つたが、それが許されて表に現はれる」と
云
(
い
)
ふのは。
神界
(
しんかい
)
の表に現はれると
云
(
い
)
ふことです。
さうして、それが
其
(
そ
)
の教を
弘
(
ひろ
)
められたら、
所謂
(
いはゆる
)
世界が……皆の精神が直つて来れば
此
(
こ
)
の世の中の改良も
出来
(
でき
)
ると
云
(
い
)
ふ意味です。
表に現はれると
云
(
い
)
ふた所で、何も神ですから人間の
身体
(
からだ
)
見
(
み
)
たいに──人間
見
(
み
)
たいなものが出て来るのではないのですから……。
問
之
(
これ
)
は
王仁三郎
(
おにさぶらう
)
を中心にして、
大本
(
おほもと
)
の
役員
(
やくゐん
)
信者
(
しんじや
)
の
協力
(
けふりよく
)
に
依
(
よ
)
つて、
立替立直
(
たてかへたてなほし
)
をするのぢやないのか。
答
それは
違
(
ちが
)
ひます、
迚
(
とて
)
もそんなことをするやうな力のある者は一人も
居
(
を
)
りやしまへぬ。
此
(
こ
)
の天之巻の神が表に現はれて
云
(
い
)
ふたことは、「神が人間を
霊代
(
たましろ
)
として、神の
霊代
(
たましろ
)
たる人間が
此
(
こ
)
の世の
立替立直
(
たてかへたてなほし
)
をする」と
云
(
い
)
ふ意味ぢやありませぬ。
それは
違
(
ちが
)
ひます。
神様
(
かみさま
)
が
為
(
な
)
さるのです。
此
(
こ
)
のことを、人間の口を
藉
(
か
)
りて、人間の手を
藉
(
か
)
つて、世界に知らせるのです。
知らせると、神も
改心
(
かいしん
)
し、人も
改心
(
かいしん
)
し、
皆
(
みな
)
が
改心
(
かいしん
)
し、世の中が善良になつて来る。
問
之
(
これ
)
は
王仁三郎
(
おにさぶらう
)
の予審の四十回にさうなつて
居
(
を
)
るが、「神が現はれてすると
云
(
い
)
ふことが、神が人間を
霊代
(
たましろ
)
として、
霊代
(
たましろ
)
たる人間があるんだ」と
云
(
い
)
ふやうに
説明
(
せつめい
)
して
居
(
を
)
りますね。
答
それは、「さうぢやないか」と
仰
(
お
)
つしやるから
仕方
(
しかた
)
ありまへぬもの。
さう
云
(
い
)
はなければ
堪
(
た
)
りまへぬもの。
問
それから、
火之巻
(
ひのまき
)
の四十五頁に、「出口、
上田
(
うへだ
)
が三千世界の世の
立替
(
たてかへ
)
の
御役
(
おんやく
)
であるぞよ」と
云
(
い
)
ふのは……。
答
それは
矢張
(
やつぱ
)
り
立替
(
たてかへ
)
の
御役
(
おんやく
)
を以て教へをするのですもの。
問
お前さんが「三千世界の
立直
(
たてなほし
)
をする役であるぞよ」と……
之
(
これ
)
は人間がするのですか。
答
さうですとも、
立替
(
たてかへ
)
をする
為
(
ため
)
に教を弘めるのが人間の……。
問
それぢや人間ぢやないか。
答
それは
神様
(
かみさま
)
が懸つてやらせるのですから……
立替
(
たてかへ
)
ぢやありまへぬ、政権を握るのぢやありまへぬもの。
問
政権のことぢやない……。
答
それは
私が
神様
(
かみさま
)
に使はれまして、さうして
神様
(
かみさま
)
の教を弘めると
云
(
い
)
ふ意味なのです。
さうして、世の中が
段々
(
だんだん
)
其
(
そ
)
の教が弘まつて来たならば、改良が
出来
(
でき
)
ると
云
(
い
)
ふ意味なのです。
結局
(
けつきよく
)
は、
神様
(
かみさま
)
に使はれると
云
(
い
)
ふ意味です。
それが
立替立直
(
たてかへたてなほし
)
の意味です。
問
神様
(
かみさま
)
に使はれると
云
(
い
)
ふ意味だな。
人間がやるんだな、
霊代
(
たましろ
)
として──。
答
さうです。
問
神様
(
かみさま
)
の
霊代
(
たましろ
)
として人間たる
上田
(
うへだ
)
がやるのですね。
答
教を弘めて弘まつたらさうなると
云
(
い
)
ふのです。
まだならないですけれども──。
問
弘める役は……。
答
……私ぢやと
云
(
い
)
ふのです。
問
それから
此
(
こ
)
の
火之巻
(
ひのまき
)
の四十二頁に、「世の
立替立直
(
たてかへたてなほし
)
は
人民
(
じんみん
)
の
肉体
(
にくたい
)
を使ふて
致
(
いた
)
さねばならぬことであるから
云々
(
うんぬん
)
」と
云
(
い
)
ふことが書いてあるがね、
之
(
これ
)
は
人民
(
じんみん
)
と
云
(
い
)
ふのは
普通
(
ふつう
)
信者
(
しんじや
)
と
云
(
い
)
ふことに訳して
居
(
を
)
りますが……。
答
人です。
問
之も
矢張
(
やつぱ
)
り
人民
(
じんみん
)
、人間の
肉体
(
にくたい
)
を以てやらなければ
出来
(
でき
)
ないと
云
(
い
)
ふ意味ぢやないのか。
答
併
(
しか
)
しです、人をして言はしめ
悟
(
さと
)
らしむるのでありますから、それで人間に懸つて人間に語り、人間に言はさにや
出来
(
でき
)
ぬと
云
(
い
)
ふ意味です、神が
直
(
じ
)
き/\に言うたかつて誰にも判りまへぬから、
霊代
(
たましろ
)
と
云
(
い
)
ふ
機関
(
きくわん
)
を
拵
(
こしら
)
へて、さうして書かしたり言はしたりして聴かすと
云
(
い
)
ふことです。
問
人間も使ふのだな。
答
さうです、人間がいるのです。
問
信者
(
しんじや
)
だな。
答
此処
(
ここ
)
で人間と
云
(
い
)
ふたら
我々
(
われわれ
)
です。
信者
(
しんじや
)
です。
問
信者
(
しんじや
)
と
協力
(
けふりよく
)
してやると
云
(
い
)
ふ意味だな。
答
立替
(
たてかへ
)
をする役と
云
(
い
)
へばさうです。
私が教をすると
云
(
い
)
ふと、皆寄つて来て、さうして
一緒
(
いつしよ
)
こたに、
信者
(
しんじや
)
も
一緒
(
いつしよ
)
こたに世の中が改良
出来
(
でき
)
ると
云
(
い
)
ふのです。
世界と
云
(
い
)
ふものが
全部
(
ぜんぶ
)
信者
(
しんじや
)
にならなければ
出来
(
でき
)
るものぢやありませぬ。
問
自分が
其
(
そ
)
の役だから、
信者
(
しんじや
)
もそれに
手伝
(
てつだい
)
すると
云
(
い
)
ふのだな。
答
さうです。
争点 立替立直しの方法
問
立替立直
(
たてかへたてなほし
)
はどう
云
(
い
)
ふ
方法
(
はうはふ
)
でするのですか。
答
どう
云
(
い
)
ふ
方法
(
はうはふ
)
と
云
(
い
)
ふことは、
神様
(
かみさま
)
がやるので、人間はそれを
聴
(
き
)
いて知らすだけですわ。
今迄
(
いままで
)
の精神を改良すれば、心の
立替立直
(
たてかへたてなほし
)
です。
詰
(
つま
)
り、言ふたら、人間建築と
云
(
い
)
ふ……
今日
(
こんにち
)
の
言葉
(
ことば
)
のそれなんです。
問
ちよつともう一遍。
答
人間の建築と
云
(
い
)
ふことを、今のハイカラが言ひまつしやろ。それ見たいなもので立派な人間を
拵
(
こしら
)
へると
云
(
い
)
ふ意味なのです。
立替立直
(
たてかへたてなほし
)
は、それは人間が……。
問
人間と
云
(
い
)
ふより世の中を……。
答
それは、人間が
出来
(
でき
)
なければ、世の中の
立替
(
たてかへ
)
なんと
云
(
い
)
ふものは
出来
(
でき
)
まへぬから──世の中には人間と
云
(
い
)
ふものがあるのです。
問
併
(
しか
)
しね、
宜
(
よ
)
いか、
此
(
こ
)
の
王仁三郎
(
おにさぶらう
)
の四十一回の一
問答
(
もんだふ
)
に
依
(
よ
)
ると、
此
(
こ
)
の
手段
(
しゆだん
)
方法
(
はうはふ
)
に付て
色々
(
いろいろ
)
言つて
居
(
を
)
るが、「
陣曳
(
じんびき
)
さす」とか、「
往生
(
わうぜう
)
さす」とか……。
答
そんなことは……。
問
一番
終
(
しま
)
ひには、
戦争
(
せんさう
)
をするやうなことをずつと書いてあるが、
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ
手段
(
しゆだん
)
に
依
(
よ
)
つて
兵糧
(
ひようろう
)
のことまで書いて
居
(
を
)
るが、
兵糧
(
ひようろう
)
の準備のこと迄書いて
居
(
を
)
るやうだね。
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ
強制
(
きやうせい
)
手段
(
しゆだん
)
を採つて
立替立直
(
たてかへたてなほし
)
をするやうに書いて
居
(
を
)
るやうだが、
事実
(
じじつ
)
……。
答
いやもう判つて
居
(
を
)
ります。さう
云
(
い
)
ふことをずつと並べられたりしたことを覚えて
居
(
を
)
ります。
此
(
こ
)
の
兵糧
(
ひようろう
)
を
蓄
(
た
)
めて置かなければいかぬと
云
(
い
)
ふことは、外国との
戦争
(
せんさう
)
が起るから
兵糧
(
ひようろう
)
を蓄めて置かなければならぬと
云
(
い
)
ふのです。
之
(
これ
)
は前から言ふて
居
(
を
)
る。
問
戦争
(
せんさう
)
は外国との
戦争
(
せんさう
)
か。
答
外国との
戦争
(
せんさう
)
です。日本と外国との
戦争
(
せんさう
)
があるから、
兵糧
(
ひようろう
)
を貯へて置かなければいかぬと
云
(
い
)
ふことを前から言ふて
居
(
を
)
るのです。
問
外国とか。
答
外国です。
問
「東京に
攻
(
せ
)
め
掛
(
か
)
ける」と
云
(
い
)
ふのは……。
答
それは東京に外国が
攻
(
せ
)
め
掛
(
か
)
けて来るのです。東京にそんなことが起る
場合
(
ばあひ
)
があるのです。
之
(
これ
)
は東京へ
攻
(
せ
)
め
掛
(
か
)
けるのぢやから、外国から東京へ……ロシヤでも
何時
(
いつ
)
東京へ
攻
(
せ
)
めて来るかも知れぬから防空演習もやつて
居
(
を
)
る。
さう
云
(
い
)
ふことを
予言
(
よげん
)
したのであります。
なんで
大本
(
おほもと
)
が東京へ
攻
(
せ
)
めて行きます。
攻
(
せ
)
めて行くだけの力もありやへぬ。
問
「
根本
(
こんぽん
)
から
立直
(
たてなほ
)
して世界が一つに良くなるとか、東京へ
攻
(
せ
)
め
掛
(
か
)
けるぞよ」と
云
(
い
)
ふのは……。
答
えゝさうです。
問
さうですとは……。
答
それは、
世界を洗濯するには、大戦争なければ、世界の大洗濯は
出来
(
でき
)
ない。
戦争
(
せんさう
)
が一遍なけひは
出来
(
でき
)
ぬ。
それから、「世界の洗濯が
出来
(
でき
)
ると。
其
(
そ
)
の替り、洗濯の大戦争の時には東京へ
攻
(
せ
)
め
掛
(
か
)
けて来て、
一旦
(
いつたん
)
は日本も
敵
(
かな
)
はぬ所迄行くぞよ」と書いてあるのです。
「綾部
(
あやべ
)に
天子
(
てんし
)
は
守護
(
しゆご
)
してあるぞよ」とあるのは、東京へ
攻
(
せ
)
めて来るから
綾部
(
あやべ
)
へ御かくまひしなければならぬのかと思つて
神様
(
かみさま
)
に
聴
(
き
)
くと、「
此
(
こ
)
の
天子
(
てんし
)
と
云
(
い
)
ふのは、
綾部
(
あやべ
)
に
日天子
(
にちてんし
)
と
月天子
(
がつてんし
)
が
居
(
をつ
)
て教へをする」と
云
(
い
)
ふことを
聴
(
き
)
いたのです。
東京へ
攻
(
せ
)
めて来るから、
教祖
(
けうそ
)
が、「天皇陛下を
此処
(
ここ
)
へ御かくまひせにやいかぬ」と
云
(
い
)
ふやうなことを言つて
居
(
を
)
るのです。
綾部
(
あやべ
)
から東京へ
攻
(
せ
)
めて行くなんと
云
(
い
)
ふことは、書いても
居
(
を
)
りまへぬし、思ふても
居
(
を
)
りまへぬ。
問
中々
(
なかなか
)
色々
(
いろいろ
)
なことを書いて
居
(
を
)
るね。
「一つの道に入る」とか、まあ、「
最後
(
さいご
)
には
攻
(
せ
)
め
掛
(
か
)
ける」とか、「
兵糧
(
ひようろう
)
を準備して置く」とか
云
(
い
)
ふやうなことになつて
居
(
を
)
るが、どう
云
(
い
)
ふことになるのだ。外国の
戦争
(
せんさう
)
のことか。
答
外国から
攻
(
せ
)
めて来ると
云
(
い
)
ふことは、東京へ
攻
(
せ
)
め
掛
(
か
)
けると
云
(
い
)
ふことです。
問
「
往生
(
わうぜう
)
さす」とか、「一つの道」とか
云
(
い
)
ふことは、
之
(
これ
)
はどうだ。
答
之
(
これ
)
は、
詰
(
つま
)
り、
悪魔
(
あくま
)
を
往生
(
わうぜう
)
させると
云
(
い
)
ふ意味です。
今日
(
こんにち
)
で
云
(
い
)
へば、蒋介石であらうが、張作霖であらうが皆城を明渡して
居
(
を
)
るのです。
問
「一つの道」と
云
(
い
)
ふのは。
答
一つの道と
云
(
い
)
ふのは神の道一つになりと
云
(
い
)
ふことです。
又
(
また
)
、
或
(
あ
)
る意味に
於
(
おい
)
ては、
幽冥
(
いうめい
)
界に行くと
云
(
い
)
ふこともあります。殺されて……張作霖も
矢張
(
やつぱ
)
り殺されました。
問
「城明渡し」と
云
(
い
)
ふことは。
答
城明渡しと
云
(
い
)
ふことは、すつかり、満州を張作霖が取られ、
或
(
あるひ
)
は蒋介石が取られたりさう
云
(
い
)
ふことを
云
(
い
)
ふのです。
問
「さう
云
(
い
)
ふことを
目標
(
めあて
)
にせよ」と
云
(
い
)
ふことは。
答
悪神
(
あくがみ
)
を
目標
(
めあて
)
にして
居
(
を
)
るのです。皆
悪神
(
あくがみ
)
が付いて
居
(
を
)
る。
紅卍会でもさう言うて
居
(
を
)
るのです、「十六
悪魔
(
あくま
)
が付いて
居
(
を
)
るのである」と。
張作霖も付いて
居
(
を
)
れば、蒋介石も付いて
居
(
を
)
る。総て
悪魔
(
あくま
)
が付いて
居
(
を
)
る。
其
(
そ
)
の
悪魔
(
あくま
)
が城を明渡したならば
其
(
そ
)
の
肉体
(
にくたい
)
も
一緒
(
いつしよ
)
に亡びるのです。
問
外国のことを、
其
(
そ
)
の
悪魔
(
あくま
)
の……。
答
世界中
(
せかいぢう
)
を
目標
(
めあて
)
にして言うて
居
(
を
)
るのです。日本だけのことぢやないのです。
思想 大本信条、大本規程、大本規約
問
大本
(
おほもと
)
信条
(
しんでう
)
、
大本
(
おほもと
)
規程、
大本
(
おほもと
)
規約と
云
(
い
)
ふのが
此処
(
ここ
)
にあるがね。
さう
云
(
い
)
ふやうに書いてありますね。
之
(
これ
)
は書いてありますね。
之
(
これ
)
は何かね。どう
云
(
い
)
ふことを書いてあるのか。どう
云
(
い
)
ふ目的で定めたのか。
答
詰
(
つま
)
り、
矢張
(
やつぱ
)
り
大本
(
おほもと
)
の正しき道を世界に弘める
為
(
ため
)
に
拵
(
こしら
)
へたものです。
大本
(
おほもと
)
の誠の正しき道を世界に弘める
為
(
ため
)
に
拵
(
こしら
)
へたものです、総て──。
問
大本
(
おほもと
)
規程とか規約とかは。
答
それは、
大本
(
おほもと
)
の、
詰
(
つま
)
り、機構から
信者
(
しんじや
)
の扱ひ方を書いてあるのです。規約とか
信条
(
しんでう
)
とかは……。
問
規定
(
きてい
)
、規約、判つて
居
(
を
)
りませう。
答
規定
(
きてい
)
とか規約とか
云
(
い
)
ふものはああ言ふたら
大本
(
おほもと
)
内の政治をやる所の規則見たいなものです、と私は思ひます。さうやと、規則見たいなものやと思ひます。
問
中に書いてあることはどう
云
(
い
)
ふことを書いてあるのですかね。
答
それは悪いことはちつとも書いてないと思ひます。
今日
(
こんにち
)
はもう覚えて
居
(
を
)
りませぬけれども、
国家
(
こくか
)
の
為
(
ため
)
のことばかりしか書いてないと思ひます。
大本
(
おほもと
)
を弘めることや、
国家
(
こくか
)
の
為
(
ため
)
になることより外にない
筈
(
はず
)
です。
又
(
また
)
、そんな
不逞
(
ふてい
)
や不敬なことも書いてない
筈
(
はず
)
です、それは──。
問
之
(
これ
)
は
大本
(
おほもと
)
信条
(
しんでう
)
の昭和八年旧
正月
(
しやうぐわつ
)
一日に
改正
(
かいせい
)
したのですが、
其
(
そ
)
の第三条の「
我等
(
われら
)
は皇孫命
(
すめみまのみこと
)
が
天照皇大神
(
あまてらすおほかみ
)
の
御神勅
(
ごしんちよく
)
に
依
(
よ
)
り
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
中津国
(
なかつくに
)
に
天壌無窮
(
てんじやうむきう
)
の
宝祚
(
ほうそ
)
を
樹立
(
じゆりつ
)
し給ひ、世界
統一
(
とういつ
)
の
基礎
(
きそ
)
を
確立
(
かくりつ
)
し給へることを
信奉
(
しんぱう
)
す。」
之
(
これ
)
はどう
云
(
い
)
ふ意味だ。
答
それは
其
(
そ
)
の通りであります。
問
皇孫命
(
すめみまのみこと
)
と
云
(
い
)
ふのは。
答
それは瓊々杵
尊様
(
みことさま
)
であります、皇孫
瓊々杵尊
(
ににぎのみこと
)
が
皇孫命
(
すめみまのみこと
)
であります、それが御
延長
(
えんちやう
)
になつて
居
(
を
)
るから
皇孫命
(
すめみまのみこと
)
とも言ひますし、今の天皇でも
皇孫
(
すめみや
)
と
申上
(
まをしあげ
)
げることがあるのです。
さうして、
此
(
こ
)
の
天壌無窮
(
てんじやうむきう
)
の
御神勅
(
ごしんちよく
)
に
依
(
よ
)
つて日本の国を統治し給ひ、世界の
国々
(
くにぐに
)
を統治し給ふと
云
(
い
)
ふことを
我々
(
われわれ
)
は確信すると
云
(
い
)
ふのです。
問
それから、四条の、「
我等
(
われら
)
は皇上陛下が
云々
(
うんぬん
)
」と
云
(
い
)
ふことは。
答
同じことです、皇上陛下も皇孫命も同じことです。
古事記
(
こじき
)
は皇御孫命としてあるから、
古事記
(
こじき
)
を本として皇孫命と
云
(
い
)
ひ、皇上陛下と
云
(
い
)
ふのであります、皇上陛下と
云
(
い
)
ふのは
今日
(
こんにち
)
の人にも判ることであります。
問
此処
(
ここ
)
で言ふ三条、四条に書いてある、皇上陛下とか、それから
或
(
あるひ
)
は皇孫命と
云
(
い
)
ふのは、
之
(
これ
)
は恐多いことだが自分を指すんだと
云
(
い
)
ふことを予審で……。
答
それは私はそんな
馬鹿
(
ばか
)
なことを……それで私は、「
掛巻
(
かけま
)
くも
畏
(
かしこ
)
きこと」を申されますから
黙
(
だま
)
つて
居
(
を
)
りましたと
云
(
い
)
ひました。
言うとりまへぬ。
問
違
(
ちが
)
ひますかな。
答
それで、向ふから、「
掛巻
(
かけま
)
くも
畏
(
かしこ
)
き」ことを
仰
(
お
)
つしやつたと
云
(
い
)
ふのはさうでございます。
全部
(
ぜんぶ
)
さう
云
(
い
)
ふ
具合
(
ぐあひ
)
に向ふから書いて来られましたから、こんな
問題
(
もんだい
)
が起つて来たのです。
問
まあ
大本
(
おほもと
)
規定
(
きてい
)
、
或
(
あるひ
)
は
大本
(
おほもと
)
規約と
云
(
い
)
ふものを見ても、自分が日本を統治すべき
趣旨
(
しゆし
)
のことが書いてあるやうに
説明
(
せつめい
)
したことが十三回の予審
訊問
(
じんもん
)
調書に書いてありますがね。
同じ様な
趣旨
(
しゆし
)
のことを、
一々
(
いちいち
)
細かくは言ひませぬがね。
答
けれども
其
(
そ
)
の本文を
能
(
よ
)
く常識で読んで
貰
(
もら
)
ひましたら、
能
(
よ
)
くそんなことでないと
云
(
い
)
ふことが判る
筈
(
はず
)
です。
問
判る
筈
(
はず
)
だと。予審で言ふたこととは違ふ。
答
はい、それはずつと読んだら判ることなのです。
天壌無窮 てんじやうむきう 天地とともに永遠に続くこと。
宝祚 ほうそ 天子の位。皇位。
争点 ミロク大祭
問
それから、
此
(
こ
)
のミロク
大祭
(
たいさい
)
のことを
訊
(
たづ
)
ねますがね、被告人
王仁三郎
(
おにさぶらう
)
が自分の五十六歳七箇月に達した時には、ミロク
菩薩
(
ぼさつ
)
として
出現
(
しゆつげん
)
して、ミロク
神政
(
しんせい
)
を
成就
(
じやうじゆ
)
せしむべき旨を
予言
(
よげん
)
して
居
(
を
)
りましたね。
答
さうです。
それは、自分も、
大抵
(
たいてい
)
其
(
そ
)
の
時分
(
じぶん
)
になつたら
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ風になると思つて
居
(
を
)
つたものですから、前からやつて
居
(
を
)
りました。二、三年前からやつて
居
(
を
)
りました。
同じことならば、あの五十六億七千万年と
云
(
い
)
ふことがあるから、五、六、七と
云
(
い
)
ふことを五十六歳七ケ月になつて
丁度
(
ちやうど
)
都合
(
つがふ
)
が好いから、
之
(
これ
)
を五、六、七に因んで
其
(
そ
)
の時にしたいと
云
(
い
)
ふので
、之
(
これ
)
は前から考へて
居
(
を
)
つたのです。
それでこの五と
云
(
い
)
ふことは
此
(
こ
)
のミロクに関係があるのです。五は「いづ」と言ひます、再前申しました「いづ」、五つは「いづ」です、「いづ」は
即
(
すなは
)
ち天皇陛下の
御稜威
(
みいづ
)
です。
六は「むゆ」です。「むゆ」は
草木
(
さうもく
)
の
萠
(
も
)
ゆるが
如
(
ごと
)
く、皇威が
発展
(
はつてん
)
し、皇運が
発揚
(
はつやう
)
する。
之
(
これ
)
が「むゆ」です。
七は「な」と
云
(
い
)
ふこと。「な」と
云
(
い
)
ふことは地球の地の字、地震を
地震
(
ないふる
)
と
云
(
い
)
ふことと同じで、「な」、地が鳴る、
愈々
(
いよいよ
)
此
(
こ
)
の
大地
(
だいち
)
の上は天皇陛下の
御威徳
(
ごゐとく
)
が
萠
(
も
)
え移る。
草木
(
さうもく
)
の
萠
(
も
)
える
如
(
ごと
)
くに、ずつと、
此
(
こ
)
の
地上
(
ちじやう
)
に
垂
(
た
)
れ備はると
云
(
い
)
ふことを、
此
(
こ
)
のことを
御祝
(
おいはひ
)
して
矢張
(
やつぱ
)
り五、六、七を使ふたのです。
それで、五、六、七は「いつ」「むゆ」「なな」です。
問
九年七月一日の
神霊界
(
しんれいかい
)
にも出て
居
(
を
)
りますね。
答
はあ、出してまつしやろさう
云
(
い
)
ふことは──。
問
それから、
役員
(
やくゐん
)
の方には、口頭で、前から言うて
居
(
を
)
つた訳だね。
答
さうです、ミロクの
出現
(
しゆつげん
)
と
云
(
い
)
ふことは……。
問
五十六歳七ケ月になつて
居
(
を
)
るから……。
答
はあ、それで、三年三月三日と
云
(
い
)
ふことを
繰
(
く
)
つて見ると、
丁度
(
ちやうど
)
近いのです。
それで、
此
(
こ
)
の三、三、三のこと、七、七、七のことは前に
申上
(
まをしあげ
)
げましたけれども、まあ一遍御
訊
(
たづ
)
ね下されば、もう一遍
詳
(
くは
)
しいことを
申上
(
まをしあげ
)
げますけれども……
私は、ミロク祭がこんな
問題
(
もんだい
)
になるとは夢にも思ひまへぬ。どうも、こんなことは夢にも思はなんだので、びつくりした位です。
争点 立替立直をする時期
問
ちよつと
訊
(
き
)
き落したが、
大本
(
おほもと
)
信条
(
しんでう
)
を
訊
(
き
)
く前に、
立替立直
(
たてかへたてなほし
)
をする
時期
(
じき
)
は
如何
(
いか
)
に主張して
居
(
を
)
つたのか。
答
時期
(
じき
)
はそれは判りまへぬな。神の
御心
(
みこころ
)
で判らぬ。
問
色々
(
いろいろ
)
変つて
居
(
を
)
るやうだね。
答
教祖
(
けうそ
)
の
立替
(
たてかへ
)
……
戦争
(
せんさう
)
が起る位なことは何年頃起ると
云
(
い
)
ふことは言つて
居
(
を
)
りましたけれども、
根本
(
こんぽん
)
の
立替
(
たてかへ
)
と
云
(
い
)
ふやうなことは誰も言ふて
居
(
を
)
りまへぬ。
問
「少くとも、
王仁三郎
(
おにさぶらう
)
の存命中には
出来
(
でき
)
る」と
云
(
い
)
ふやうなことは言つて
居
(
を
)
つたのか。
答
存命中に私の教が独立する位より、それより多く望むことは
出来
(
でき
)
ないのです。私の存命中にどうして、
此
(
こ
)
の
神政
(
しんせい
)
成就
(
じやうじゆ
)
と
称
(
しよう
)
して、
此
(
こ
)
の小さい方の
大本
(
おほもと
)
だけの独立がしたいと
云
(
い
)
ふ意味やつたのです。
問
之
(
これ
)
は予審の四十二回の一
問答
(
もんだふ
)
に
於
(
おい
)
ては、「変つた
色々
(
いろいろ
)
なことを、十年延びた」とか
色々
(
いろいろ
)
なことを言ふて
居
(
を
)
りますね。
答
色々
(
いろいろ
)
なことを言ひました。
問
十年延びたり、
又
(
また
)
延びたり、それから
又
(
また
)
昭和十年とか
色々
(
いろいろ
)
変つて
居
(
を
)
るやうに出て
居
(
を
)
りますね。
答
さうです。
問
併
(
しか
)
し、まあ、
結局
(
けつきよく
)
、
王仁三郎
(
おにさぶらう
)
を中心とする
立替立直
(
たてかへたてなほし
)
であるから、「
王仁三郎
(
おにさぶらう
)
の存命中、九十三歳とか」、まあ、
色々
(
いろいろ
)
なことを言ふて
居
(
を
)
るやうだな。
「近く、存命中は
立替立直
(
たてかへたてなほし
)
がある」と
云
(
い
)
ふことを主張して
居
(
を
)
つたやうに……。
答
さうです、私の存命中には少くともアジヤ
全体
(
ぜんたい
)
位は日本のものになると
云
(
い
)
ふことを思つて
居
(
を
)
つたのです。
又
(
また
)
、ヨーロツバにも行くと思つて
居
(
を
)
つたのです。
之
(
これ
)
は
確
(
たし
)
かになると思ひます。私が
若
(
も
)
しも九十になる迄生きて
居
(
を
)
つたら──。
争点 昭和三年の三月三日の意味
問
昭和三年の三月三日はだね、被告人の五十六歳七ケ月に
相当
(
さうたう
)
するのか。
答
さうです。
相当
(
さうたう
)
するのです。
又
(
また
)
、
此
(
こ
)
の
百姓
(
ひやくしやう
)
の所に内緒で売りに来る暦では、三年三月三日が私の十二日生にちやんと合ふのです。
それから、
伊勢
(
いせ
)
大神宮
(
だいじんぐう
)
さんの暦で見ますと、十日でたつたニ日早いのです。旧で行くとニ日早い。之だけ違つて
居
(
を
)
る。
内緒で売りに来る
重宝
(
ぢゆうほう
)
暦と
云
(
い
)
ふものがある。売れるものだからちよい/\売りに来るのがある。私が内緒で買ふたのではありませぬけれども、誰か買ふてこちらに
呉
(
く
)
れた者があるのです。
それを見ると、十二日になつて
居
(
を
)
るのです。私の生れが十二日ですから……。
問
十二日になつて
居
(
を
)
るのだな。
答
さうです、私が
此
(
こ
)
の間
申上
(
まをしあげ
)
げましたやうに三、三、三と
云
(
い
)
ふ字は
目出度
(
めでた
)
い字ですから……
又
(
また
)
、経論と
云
(
い
)
ふて
仏教
(
ぶつけう
)
の
御経
(
をきやう
)
の中に人寿四千台の時から一万台になり、平均人間の
寿命
(
じゆみやう
)
が
釈迦
(
しやか
)
は人寿平均百歳の時に生れた。
併
(
しか
)
し、それが四十歳、五十歳の時には……七年七月七日と
云
(
い
)
ふ日、
即
(
すなは
)
ち六日から
掛
(
か
)
けて大いなる風、大いなる水、大いなる火、
其
(
そ
)
の時には病気、
戦争
(
せんさう
)
、
之
(
これ
)
が起る。
大惨事
(
だいさんじ
)
か小
惨事
(
さんじ
)
が起る日であると、
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふことが起つて来るのは、
丁度
(
ちやうど
)
此
(
こ
)
の
現代
(
げんだい
)
では
印度人
(
いんどじん
)
は平均
寿命
(
じゆみやう
)
二十歳、日本人は平均
寿命
(
じゆみやう
)
三十七、八歳、ヨーロツパ人で……。
問
まあ
宜
(
よろ
)
しいぢやないか。
答
其
(
そ
)
の位ですから、
愈々
(
いよいよ
)
七年七月七日と
云
(
い
)
ふやうなことが起つて来ては
大変
(
たいへん
)
だから、
之
(
これ
)
に三年三月三日を加へれば十年十月十日と
云
(
い
)
ふやうなことになるから、
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ悪い日を直して良いやうにしたいと
云
(
い
)
ふので三年三月三日を選んだのです。
綾部
(
あやべ
)
では七日……六日からいつも
祈祷
(
きたふ
)
するのです。
神様
(
かみさま
)
が御集りになつて……。
争点 ミロク菩薩
問
それで昭和三年二月の上旬からミロク
大祭
(
たいさい
)
の準備をして
居
(
を
)
つたのか。
答
して
居
(
を
)
つたと思ひます。
私は直接携はつて
居
(
を
)
りませぬけれども、やつて
居
(
を
)
つたと思ひます。
問
さうか、二月の上旬に、
亀岡
(
かめをか
)
の
光照殿
(
くわうせうでん
)
に
於
(
おい
)
て出口伊佐男、御田村竜吉、大深浩三
等
(
とう
)
に対して、「三月三日にミロク
大祭
(
たいさい
)
を
執行
(
しつかう
)
し自分がミロク
菩薩
(
ぼさつ
)
として諸面
諸菩薩
(
しよぼさつ
)
を
率ヰ
(
ひきゐ
)
て、
此
(
こ
)
の世に
下生
(
げしやう
)
して、ミロク
神政
(
しんせい
)
成就
(
じやうじゆ
)
の
為
(
ため
)
、本格的
活動
(
くわつどう
)
を始めることとする」と
云
(
い
)
ふて話したと
云
(
い
)
ふことは、三十五回の三
問答
(
もんだふ
)
の三千五百十四丁の裏に書いて
居
(
を
)
るがね。
答
それを、私は話したかどうか知りませぬ。
問
準備を命じた、と
云
(
い
)
ふことになつて
居
(
を
)
るがな。
答
それは誰が準備したか知りませぬけれども、
其
(
そ
)
の時に言ふたかどうかそれを覚えて
居
(
を
)
らぬのですわ。
それでも、向ふから「さうぢやないか」と言はれたから、「さうです」と言ふたけれども、大深とか宇智麿とか
亀岡
(
かめをか
)
に
居
(
を
)
つたのが
若
(
も
)
し言ふたら、
其
(
そ
)
の
連中
(
れんちう
)
が近くに
居
(
を
)
つたから、さう言ふたらうと
云
(
い
)
ふ
位
(
くらゐ
)
のことを言ふた……。
問
今見たいな準備を命じたのは
違
(
ちが
)
ひないのだな。言ふた
言葉
(
ことば
)
も
其
(
そ
)
の通りか。
答
それは判りませぬ。
詰
(
つま
)
り、「お祭りはせぬならぬ」と
云
(
い
)
ふことを言ふたのです。
私は
此
(
こ
)
のお祭が別にそんな悪いお祭だとは思ひませぬもの。
問
それでだね……。
答
さうして、別に、ミロクさんとして、私を神さんとして拝めと言ふたのではありませぬもの。
天
(
てん
)
の
神様
(
かみさま
)
を拝む。
争点 幹部
問
ミロク
大祭
(
たいさい
)
のことは
段々
(
だんだん
)
と
訊
(
き
)
くが、
王仁三郎
(
おにさぶらう
)
はミロク
菩薩
(
ぼさつ
)
として
率ヰ
(
ひきゐ
)
て
出現
(
しゆつげん
)
すべき諸面
諸菩薩
(
しよぼさつ
)
は出口伊佐男……。
答
皆十七人ずつとあります。
私判りました。
菩薩
(
ぼさつ
)
と
云
(
い
)
ふのは……。
問
ちよつと待つて、さう早や過ぎては困りますから、出口の頭の良いと
云
(
い
)
ふことは判つて
居
(
を
)
るが、出口元男、出口伊佐男、出口遙、井上留五郎、高木鉄男、岩田久太郎、御田村竜吉、東尾吉三郎、湯川貫一、四方平蔵、梅田信之、中野岩太、湯浅斎次郎、出口慶太郎、桜井同吉、栗原七蔵、西村昂三の十七名と限定しますか。
答
決めました。
問
其
(
そ
)
の
事実
(
じじつ
)
は。
答
はあ、
併
(
しか
)
し、
申上
(
まをしあげ
)
げますが、
其
(
そ
)
の中に別に
之
(
これ
)
は型を十六
神将
(
しんしやう
)
の型をしたのですから、
其
(
そ
)
の中にはまあ、
謂
(
ゐ
)
はば、
宣伝使
(
せんでんし
)
として、
菩薩
(
ぼさつ
)
としての
資格
(
しかく
)
のない者も
沢山
(
たくさん
)
ありますけれども。
それは型を
拵
(
こしら
)
へたのですから……。
問
それは
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
として選んだことは
間違
(
まちが
)
ひありませぬね。
答
それはまあさうです。
問
それ
等
(
ら
)
の十七名は
最高
(
さいかう
)
幹部
(
かんぶ
)
であつて、
大本
(
おほもと
)
の組織
活動
(
くわつどう
)
等に付てはいつでも
協議
(
けふぎ
)
に参与し、
指導
(
しだう
)
する立場にあつた人ですか。
此
(
こ
)
の
人々
(
ひとびと
)
は。
答
さうです。
殆
(
ほとん
)
どさうです。
問
之
(
これ
)
は
間違
(
まちが
)
ひないか。
答
へえ。一人、二人は
違
(
ちが
)
ひます。
さうですね、
中野岩太やとか出口遙やとか、梅田信之やとか、
其処
(
そこ
)
らの人は別に指図も何もしやしまへぬ。指図したつても、それに
服従
(
ふくじう
)
もしまへぬ。
問
それ
以外
(
いぐわい
)
の者は、
大抵
(
たいてい
)
、
最高
(
さいかう
)
幹部
(
かんぶ
)
として
協議
(
けふぎ
)
に
与
(
あずか
)
り、
指導
(
しだう
)
の立場にある人ですかね。
間違
(
まちが
)
ひないね。
答
へえ。
問
それから
此
(
こ
)
の十七名を選んだのは、
此
(
こ
)
の出口元男は被告人の
後継者
(
こうけいしや
)
になるべきものとして、
其
(
そ
)
の外の十六名は十六
神将
(
しんしやう
)
に
準
(
なぞ
)
らへて、ミロクの世になつた
場合
(
ばあひ
)
には
八王八頭
(
やつわうやつがしら
)
と
云
(
い
)
ふて、各部の頭となるべき、と
云
(
い
)
ふ意味ぢやないのですか。
答
さうぢやありまへぬ。
之
(
これ
)
は
菩薩
(
ぼさつ
)
となつて教の宣伝……教の柱になると
云
(
い
)
ふ意味です。
問
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
ね、あとは十六
神将
(
しんしやう
)
に準らへたのではないのか。
答
十六
神将
(
しんしやう
)
に準へたのです。布教させる
為
(
ため
)
ですわ。
仏教
(
ぶつけう
)
の十六
神将
(
しんしやう
)
は
仏教
(
ぶつけう
)
を弘める
為
(
ため
)
の十六
神将
(
しんしやう
)
です。
問
準らへたことには
間違
(
まちが
)
ひないね。
答
詰
(
つま
)
り祭りですから準へて……。
問
各部門の頭と
云
(
い
)
ふ意味はないと。
答
さうです。
問
頭と
云
(
い
)
ふ意味はないと
云
(
い
)
ふのだね。
答
頭と
云
(
い
)
ふのは、三人程は頭と
云
(
い
)
ふ意味ではありまへぬけれども、教を立てると
云
(
い
)
ふ上からは一方の頭になると
云
(
い
)
ふ……。
問
さうか、十六
神将
(
しんしやう
)
の意味は判らないのだが、十六
神将
(
しんしやう
)
と
云
(
い
)
ふのはどう
云
(
い
)
ふ意味かね。
答
皆
仏教
(
ぶつけう
)
にありますが、皆
何々
(
なになに
)
菩薩
(
ぼさつ
)
、
何々
(
なになに
)
神将
(
しんしやう
)
を何人連れてとか、増長天は八
神将
(
しんしやう
)
を連れて
居
(
を
)
るとか、韋駄
天
(
てん
)
の神は増長天八神の一にして
仏法
(
ぶつぽふ
)
の
守護神
(
しゆごじん
)
なり、と
云
(
い
)
ふやうなことは
仏法
(
ぶつぽふ
)
に書いてある通りで、皆増長
天王
(
てんわう
)
とか、
或
(
あるひ
)
は持国
天王
(
てんわう
)
とか、毘沙門天とか
云
(
い
)
ふ皆一つの仏です。
矢張
(
やつぱ
)
り、それは守り神、
守護神
(
しゆごじん
)
を連れて
居
(
を
)
るのです。十六
神将
(
しんしやう
)
とか、八
神将
(
しんしやう
)
とか皆連れて
居
(
を
)
るのです、それを
守護神
(
しゆごじん
)
と申して
居
(
を
)
るのです。
問
それは、
霊界物語
(
れいかいものがたり
)
のニ編の第一章攻防の配置と題するところ……。
答
どこですか。
問
霊界物語
(
れいかいものがたり
)
のニ編の第一章攻防の配置、
攻
(
せ
)
める方と守る方、それから
霊界物語
(
れいかいものがたり
)
三編一章の
神々
(
かみがみ
)
の
任命
(
にんめい
)
と
云
(
い
)
ふ所に十六
神将
(
しんしやう
)
のことをちよつと書いて
居
(
を
)
るやうだが。
答
さうです、書いてありまつしやろう。
問
覚えて
居
(
を
)
りますか。
答
読むことは読みました。
問
口述
(
こうじゆつ
)
したからか。
答
口述
(
こうじゆつ
)
した時には覚えて
居
(
を
)
りませぬもの、
神憑
(
かむがか
)
りだから。
問
神懸
(
かむがか
)
りだからか。
答
そんなことは別に、
宗教的
(
しうけうてき
)
に
問題
(
もんだい
)
ではないと思ひます。
問
さう
云
(
い
)
ふ所に書いてあるのを読んで見ると判らぬか。
答
頭がもうさつぱり……。
問
十六
神将
(
しんしやう
)
のことだがね。
答
其処
(
そこ
)
の十六
神将
(
しんしやう
)
は、
又
(
また
)
、
違
(
ちが
)
ひまつしやろ。
神界
(
しんかい
)
の十六
神将
(
しんしやう
)
でございませう、神さんの世界の……。
問
書いてあるか知らぬが、今言つた意味だね。
答
えゝ、さうです。
争点 八王八頭
問
この
八王八頭
(
やつわうやつがしら
)
の意味ぢやないのか。
答
八王八頭
(
やつわうやつがしら
)
と
云
(
い
)
ふことは、それは
八岐
(
やまた
)
の
大蛇
(
をろち
)
を
退治
(
たいぢ
)
すると
云
(
い
)
ふのは、頭も八つ尾も八つある──
世界中
(
せかいぢう
)
は
大八洲
(
おほやしま
)
国と言ひます、こちらの国にもあちらの国にも頭があると
云
(
い
)
ふのは……
王と
云
(
い
)
ふのは英国あたりでは、
米国
(
べいこく
)
辺りでは大統領、
之
(
これ
)
は頭です、あちらにも頭があり、こちらにも王がある。
其
(
そ
)
の
八王八頭
(
やつわうやつがしら
)
を
退治
(
たいぢ
)
する
時節
(
じせつ
)
が来たと
云
(
い
)
ふのです。日本
以外
(
いぐわい
)
の
各国
(
かくこく
)
の
主権者
(
しゆけんしや
)
です。
問
それはに十五回の一
問答
(
もんだふ
)
に言ふて
居
(
を
)
るね。
「
八王
(
やつわう
)
と
云
(
い
)
ふのは外国の統治者。
八頭
(
やつがしら
)
と
云
(
い
)
ふのは
宰相
(
さいしやう
)
のことだ」と
云
(
い
)
ふ……。
答
なんですか。
問
外国の統治者は
八王
(
やつわう
)
、
宰相
(
さいしやう
)
、大臣は
八頭
(
やつがしら
)
だと申して
居
(
を
)
りますが、それと同じことか。
答
まあさう
云
(
い
)
ふことです。
併
(
しか
)
し、王と出して
居
(
を
)
りますのはちよつと
違
(
ちが
)
ひますわ。
前
次