数秘学と六六六と五六七・三三三・七七七

1.数秘と聖書における数

2.数秘学(Numerology)

3.王仁三郎の六六六

4.王仁三郎と333と777

5.666、本来は616


1.数秘と聖書における数

●創世記での数

1日目 光
2日目 空と水
3日目 海と陸と草木
4日目 太陽と月と星
5日目 鳥と魚
6日目 虫と獣、人間
7日目 休み   (安息日 ユダヤ教 土曜日 キリスト教 日曜日)

●3 天的神聖さ

●4 地的全体性  東西南北四方

●6 不完全を象徴

●7 完全な数  3+4

天地を支配する神の完全(神的完全)を象徴する

(1)天地創造の日数

(2)太古で認めることのできた惑星の数  月、水星、金星、太陽、火星、土星
   これらの星が順次宇宙を支配するという思想により、7日が一つの周期と考えられた。

(3)月の満ち欠け  満月、下弦、新月、上弦とおよそ7日ごとのサイクルになっている。

(4)黙示文学では7は完全な数

ヨハネの黙示録

1.序文  7つの教会への手紙

2.玉座の巻物7つの封印がされており、これを受け取る子羊には7つの角と7つの眼があり、それは神が地上に遣わしておられる7つの霊である。このあと7人の天使が7つのラッパを吹いていよいよ神の裁きが行われる。7つの災害を携えた7人の御使いが現われて、神の怒りの7つの鉢が傾けられ、バビロンの破壊が始まる。

(5)7は数としては特異なもので、他の数のように、それの倍数を発見するための便法が何もない。また正7角形だけは、定規とコンパスだけでは作図ができない。この扱いの難しさから、7は特別に神秘性を与えられたか。

12  3×4

人間的な全体性、総体性、統体性を示す。

イスラエルの12部族も、12使徒もその意味。

●13 十三日の金曜日

(1)12進法で数えるとき、十三番目は「はみでたイヤな数」とされた。

(2)イエスと12人の弟子を語るとき、イエスを密告したユダが13人目だったところから13を不吉な数とした。

(3)金曜日はイエスが処刑された日。

●40  苦しみと忍耐の期間

(1)ノアの箱舟の大洪水は40日、40夜続いた。

(2)モーゼがエジプトを出て流浪するのは40年。

(3)エゼキルが捕われていたのが40年。

(4)イエスが荒野で苦しい修行を40日する。

●666  獣の数字

6は不完全を象徴していてキリスト教では獣の数字、666が3つ重なるのは悪魔の数。

古代へブル語のアルファベットは数字を表していたが、ヘブル語の666はキリスト教徒を迫害したネロ皇帝を表す、という説が有力。

参考に、反ユダヤ主義の本から666の部分を抜き出してみた。

黙示録13・11-18

この刻印はその獣の名、または、その名の数字のことである。ここに、知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くがよい。その数字とは、人間をさすものである、そして、その数字は666である。

とあり、666は反キリストを表す数字であるとのことだ。

聖書には、世紀末に獣(反キリスト)が世界を支配し、キリストに最後の戦いを望むと予言されているそうだ。

黙示録13・1-2

わたしはまた、一匹の獣が海から上がってくるのを見た。それには角が10本、頭が7つあり、それらの角には10の冠があって、頭には神を汚す名がついていた。わたしの見たこの獣はひょうに似ており、その足はくまの足のようで、その口は獅子の口のようであった。龍は自分の力と大いなる権威とを、この獣に与えた.。


2.数秘学(Numerology)

数秘学には、歴史的背景の違いからくる2種の大きな伝統がある。

「ヘブライ-カバラ」と呼ばれるユダヤの伝統と、ピタゴラスが開発したといわれるギリシャの伝統だ。

1から10までの数の意味を表にしてみた。

ゲマトリア 概略
1 雄牛,畜牛,富を意味するヘブライ語のアレフ.王冠,生命の樹における頭を意味するケーター.畜牛,富を意味するギリシャ語のアルファ.銀のモミ,誕生の木,自己を意味するケルト語やオガム語のアルム.フィボナッチ級数のF1とF2.単子.第一の原因,すなわちprimum・mobile.一次元の点.現在.火,ウェスタ,偉大な白い炎,モーゼが見た燃える灌木.クロノス.アポロ.アトラス.唯一の神.最初の存在.創造の卵,世界的な卵.ネテル.主コン・チキ・ヴィラコカ.アゾト.哲学者の石.独立.創造性.両性具有と半陰陽者.権威.指導力.物質的富.隠遁. 白あるいは水晶の明るさ、白く熱い炎
2 家,家族,血統を意味するヘブライ語のベート.ホクマ,あるいは生命の樹における知識.ギリシャ語のべ一タ.フィボナッチ級数のF3.ケレス.ディアナ.レアー.アフロディーテ.ヴィーナス,性的魅力と覚醒.自然の競争者,陰と陽.不一致,不調和.反一キリスト.女性.感受性.気転,外交.寛容.物質への精神の降下.沈黙と秘密.眠れる王女. 水の青、深い青
3 ラクダ,全ての自然,生物を意味するヘブライ語のギーメル.生命の樹におけるビーナー,すなわち知性.ギリシャ語のガンマ.フィボナッチ級数のF4.最初のピュタゴラス数(男性).ピュタゴラスの三つ組,3-4-5の最初のもの.サトゥルヌス.鉛.プルートン.ガイア,地球.ヘカテー.ケルドヴィン,ブリギット,リヒアンノン.三体の女神.イシス,オシリス,ホルス.ブラーマ,シヴァとヴィシヌ.ギリシャの三人の運命の神モイラ,三人の北欧の運命の女神ノルヌ.運命.キリスト教の三位一体.三原色.肥沃性.創造性.世代と再生.妊娠.青春期,完全性.充足と成功.死からの復活.啓蒙. 生物の緑、植物の緑
4 テントのはねぶた,あるいは扉,比喩的には権威を意味する,ヘブライ語のダーレト.生命の樹におけるヘセド,すなわち愛.三角形を意味するギリシャ語のデルタ.ユーピテル.錫.四元素,土,空気,火,水.バッカス.メルクルス.秩序.四つの風.四つの羅針盤の点,望楼.ミカエル,ラファエル,ガブリエル,ウリエル.安定性.修練.実際性.家庭的性.現実世界.現世的.指導.愛国心.社会奉仕.愛の保護.献身. 土の褐色
5 生命の樹におけるゲブラーすなわち,力.ギリシャ語のエプシロン.フィボナッチ級数のF5.結婚のピュタゴラス数.ピュタゴラスの三つ組,5-12-13の最初のもの.ヴィーナス,あるいはイシュタル,マールス.鉄.五線星形.プラトン的立体.ケルトの母音の生命周期.ナヴァホ族の五つの世界.五感.シーク教徒の五つの神聖な持ち物.精髄,肉からの復活した精神.聖トーマス以前と昇天におけるキリスト.波から昇るヴィーナス.奇妙さ.衝動性,不安定性.急進主義.精神的エネルギー. 血の赤
6 U,V 最初の完全数.釘,あるいは爪を意味するヘブライ語のヴァヴ.比喩的には海と肥沃性と結びつけた.チファレト,すなわち生命の樹における美.モーゲン・ダヴィデ.ピュタゴラス体系における結婚.太陽.金.ゼウス,ユーピテル.アムピトリーテー,大洋.男の創造の日とキリストの受難.赤い花.ワインと酩酊.聖体.結婚.調和.祈り.整然性.寛容.公共奉仕.耐航性と嵐からの保護. 金色、太陽の色
7 Z,S 槍や武器を,比喩的には物質的所有,宗教的権威を意味するヘブライ語のザイン.生命の樹におけるネツァツク,すなわち勝利.供え物を意味するギリシャ語のゼータ.ピュタゴラスの三っ組,7-24-25の最初のもの.ヴィーナス.銅.ケルトの半神,あるいは戦いの英雄.軍事的あるいは肉体的武勇.アポロとアテナ,知識,性的魅力,カリスマ.王位.ミトラの七つの門.煉獄の七つの水準.列の終わり,尖端,変化に対する時.人生の七つの年代.精神性,瞑想,精神的指導性.直観.大局的視野,超越主義.超然性. 王家の紫
8 CH,H(無声音) 囲い込むこと,比喩的には弁別の境界を意味するヘブライ語のヘト.生命の樹におけるボド,すなわち光輝.フィボナッチ級数のF6.三次元空間の八つの領域.ガイア,地球,偉大な母.キュベレー.マグナ・マーテル.メルクルス.水銀.楽園.生産力,母性,繁栄,幸運.均斉.神聖で世俗的な法則や裁判.偉大な木,森林.水晶. 黄褐色のオレンジ
9 T,TH 蛇,比喩的にはエネルギー,特に性的エネルギーを意味するヘブライ語のテト.生命の樹におけるイエソド,すなわち基礎.ピュタゴラスの三つ組,9-40-41の最初のもの.サトゥルヌスの正方形.銀.宇宙のエネルギー,神の意志.高度な魔術,祈祷,境界を作ったり解き放つこと,魔術的変化.ミルデイン(マーリン).祈り.癒し.不完全性,長く待つこと.忍耐,同情,自己満足,メランコリア.大洋の緑.竜. 銀、真珠の色、月の色
10 手,しばしば神の手,運命を意味するヘブライ語のヨッド.生命の樹におけるマルクート,すなわち王国.ギリシャ語のイオタ.完成のピュタゴラス数.テトラクチス.ウラヌス.ウラニウム.完成,充実.全創造.救済.永遠性.高貴さ.完全.閉鎖. 淡い青、空の青

簡単なところでは、次の表のような意味を表す。

目的、行動、野心、積極果敢、指導力
均衡、受身、受容
柔軟性、朗らかさ、利発
着実、耐久、退屈
冒険、不安定、精力絶倫
信頼性、調和、家庭愛
神秘、知識、孤独
物質的成功と世俗的なしがらみ
偉業、霊感、霊性

●ゲマトリア

ゲマトリアとはアルファベットを数に対応させる方式で、色々なゲマトリア方法がある。

例えば下図の方法を用いると、次のようにアルファベットを数字に変換することができる。

数秘学のアルファベットを数字に変える方法

 

方法
 あなたの名前数を決めるには、フル・ネーム(姓名)の各文字の数値を合計し、次に、その答となった数の各桁の数を合計し、という具合に同じことを繰り返して、合計が10以下の数になるようにする。その数があなたの本質的な性格を表すものなのである。

例  KARL VON HABSBURG = 6 6 6              

KARL VON  HABSBURG
2193 465 81212397
2+1+9+3=15 4+6+5=15 8+1+2+1+2+3+9+7=33
1+5= 1+5= 3+3=

●年号を数に変換する

下記の方法の他にも方法がある。

軌道数

1965年10月3日生まれの人の場合

(1)まず、生年、月、日の数字の和を算出する。

      1965+10+3=1978

(2)その和の
各桁をそれぞれ足していく。

      1+9+7+8=25

(3)答えが一桁になるまで、その和の各桁を足すことを繰り返す。

      2+5=7

軌道数は 「」 となる。

数の意味については、上の表を参考にして欲しい。


3.王仁三郎の六六六

五六七と書いて、ミロクと読む。

5+6+7 = 6+6+6

王仁三郎はミロクの意味ではこの五六七を使っている。

なお、大本教を研究している人の中には「弥勒(みろく)」を「破壊をもたらすもの」と解釈する人もある。

ところで、666はキリスト教では「ヨハネの黙示録」で現われる獣の数字で、とても悪い意味を持つ。

「物語64上-4-19 山河草木卯 祭誤」では666の獣の意味で出てきますがが、通常、王仁三郎は六六六を悪い意味では使っていないようだ。ここでは王仁三郎の六六六について検討する。

(1) 伊都能売神諭(1)   神諭へ

ここでは、天地の創造神として五六七の大神と六六六の大神をあげている。

ただし、この神諭の五六七、六六六の使い方はあいまいなので、実際の意味は分らない。


(2) 伊都能売神諭(2)   
神諭へ

ここでは、六は獣の数であることは書かれている。だから、王仁三郎は六の悪い意味は知ってはいたが、王仁三郎の思想では六は悪い数字として扱ってはいなかったようだ。

次の文章で五、六、七の数字の意味を書いているが、難しい。

 天も水(み)(六)中界も水(み)(六(み))下界も水(み)(六)で世界中の天地中界三才が水(み)(六(み))計りで在りた世に一番の大将神の御位で御出遊ばしたので六(み)(水(み))を三つ合せてミロクの大神と申すのであるが、天の水(みず)の(六(み))の中からヽ(ぽち)の一霊が地に下りて五(いづ)(火(ひ))と天が固まり地の六(み)(水(み))にヽ(ぽち)の一霊が加はりて地は七(なゝ)(地成(なな))となりたから、世の元から申せば、ミロクは六六六(みろく)なり、今の世の立直しの御用から申せばミロクは五六七(みろく)と成るのであるから、六百六十六の守護は今までのミロクで、是からの、ミロクの御働きは五六七(みろく)と成るので在るぞよ。

六六六で、3つのロク=ミロクだが、縦書きにすると、最初の六は天、最後の六は地となり、天から一つ減らして、地に1つ加えたのだ。これが、天からぽちの一霊が地に下がりての意味。

 は天の数で火と云ふ意義であつて、火の字の端々に○を加へて五の○となる。火は大の字の形で梅の花、地球上の五大洲に象どる。
 は地の数で水と云ふ意義であって、水の字の端々に○を加へて六の○となる。火は人の立つ形で水は獣類の形であるぞよ。火は霊系、天系、君系、父系。水は体系、地系、臣系、母系であるぞよ。火は高御産巣日の神が初り、水は神御産巣日の神が初まりで、火はカの声、水はミの声、之を合してカミと申すぞよ。
 は地成の数で、土也成の意義であつて、土は十と一の集りたもの、十は円満具足完全無欠両手揃ふ事で、一は初めの意義であるぞよ。十は物の成就、一は世界統一、一人の事である。世の終いの世の初りがミロクの世であるぞよ。また土は地球と云ふ意義で土也、成事である。


(3) 「新月のかけ」

「大正6年6月6日に、聖師の出生の因縁と使命について、聖師御自身の帰神によって啓示された。」

とあるだけだ。

(4) 京都地裁裁判記録より

 大本の所謂ミロク神政の成就と云ふことは如何なることを──言ふのですか。
答 それは、神様の教が愈々公然と天下に布教出来るやうになることをミロク神政成就と言ふたのです。
 さうして又一方には……。
問 ちよつと……神様の教が何だ。
答 神様の教が公然と許されるやうになつた暁がミロク神政が成就したことになる。
 それで私の詰り……。
問 もう少し敷衍して──ちよつとまだ解り難い。神様の教が──。
答 詰り是は神と云ふものは愛の神様です。
 ミロクと云ふことは浅野正恭なんかは、六、六、六を三つ合せてミロクと言つて居りますけれども、ミロクと云ふことは、印度ではマイトレーヤと云ひ、蒙古ではアイダリプロハラ、支那では弥勒と云ひ、詰りミロクと云ふことは愛、神は愛なり、仁愛と云ふことをミロクと訳した。
 此の神様の教が天下に拡まつて来たら、所謂日本の神様の教が拡まつて来たら、私は日本の神様の教を俟つて、総て宗教界も云々と云ふやうに言つて居りますけれども、本当は日本の総ての天津神、八百万の神様は皆愛の神様です。
 仏法で言ふと、皆総ての神様は観音様と言つて居る所もありますし、弥勒さんと言うて居る如くに、こちらではミロクの神と云ふことを一方では八百万の神を一緒にして大本皇大神と称して居る。それでそれがミロクさんです。
 ミロクさんと云ふのは愛の神さん、特定の神ぢやありませぬ。
 ミロクの世となると人も全部がミロクになると云ふのが、是が愛の世の中です。愛の教が立つて行くのがミロク神政成就で、それで是が公然と……。
問 愛の神様の教が立つて行くことを言ふのか。
答 皆がそれを信ずるやうになつて、始めてミロクの世が完成したのだ。
 世界一般の人が教を信ずるやうになつて来てミロクの世が樹立したことになるのです。

浅野正恭という名前が気になるところだ。

(5) 霊界物語 第20巻1編4章

「六六六(みろく)」という章の名前を付けているが、特に六六六については触れられていない。

(6) 神の国 1927/04 六百六十六の獣

悪い意味で使われているのはここだけだ。

宗教が滅ぶということは、既成宗教を否定していた王仁三郎が言えば悪いことではないと思われるが、「宗教が滅ぶれば反乱が起る」というところは、現代に当てはめるとちょっと怖いような気がする。

現代のテロも「宗教」によることになっている。

 バイブルに六百六十六の獣と云ふ言葉があるが、それは三六様に抵抗すると云ふ事である。○○○○の如きがそれである。もし其通りになつたならば宗教は滅びる。宗教が滅ぶれば反乱が起る。六といふ字は神と人とが開くと云ふ字なので、即ち、ゝはカミ、一はヒト、八は開くと云ふ事である。

物語の36巻の余白歌にも六六六の獣が出てくる。

千二百六十日(せんにひやくむそか)の間(あひだ)月汚(つきけが)す     六百六十六匹(ろくぴやくろくじふろくぴき)のけもの     第十五章

(7) 神の国 1928/02 ミロク、ミロク 

入蒙に関する数字。

 大本事件初まつて満三年にして蒙古に行き、又満三年を経て無罪となる、前後七十二ケ月、即ち三十六ケ月と三十六ケ月、ミロク、ミロクである。

(8) 神の国 1929/08 義経と蒙古

王仁三郎の入蒙はジンギス・ハンの死後666年目にあたっている。

 蒙古とは古の高麗の国の事である。百済の国と云ふのは今の満洲で、新羅、任那の両国を合したものが今の朝鮮の地である。之を三韓と云うたので、今の朝鮮を三韓だと思ふのは間違ひである。玄海灘には、散島があつて、それを辿りつつ小さな船で日本から渡つたものである。義経はこの道をとらないで北海道から渡つたのであるが、蒙古では成吉斯汗と名乗つて皇帝の位についた。

 蒙古には百六王があつて汗と云ふのが皇帝に相当するのである。蒙古には又面白い予言があつて、成吉斯汗起兵後六百六十六年にして蒙古救済の聖雄が現はれる、其時は黒鉄の蛇が世界を取り巻き、馬や牛がものを云ひ、下駄の下を通る人間が出来ると云ふのである。正に現代であつて黒鉄の蛇といふのは鉄道が世界を一周すると云ふ事、牛馬がものを云うとは神諭の「今の人間皆四つ足の容器になりて居るぞよ」と云ふのに相当し、下駄の下を通る人と云ふのは小人物を指すのである。又成吉斯汗の子孫母に伴れられて日本に渡り、五十四才の時蒙古に帰り来つて滅び行かんとする故国を救うと云ふ予言もある。

 私の入蒙は恰度その年即ち五十四才にあたり、又成吉斯汗起兵後六百六十六年目に当つて居るのである。かるが故に蒙古人は私を成吉斯汗即ち義経の再来だと信じきつたのである。義経はアフガニスタン、ベルヂスタンにも行き、遂に甘粛にて死んだ。元の忽必烈はその子孫である。元と云ふのは【源】の字音から来るのである。

(9) 大本の経綸と満蒙

入蒙に関する数字。

蒙古人はかういふ事を言つてゐる、「黒蛇が世界中を取巻くその時に、いよいよ世の立替があつて弥勒仏が現はれ蒙古の国を救はれる。その時は禽獣草木が人語を囀る」と。今日の世の中は木や草──民草と言へばこれは人間のことであります。木や草がものを言ふ、いはゆる普選になつて蛙切りでも、田子作でも、議員とかなんとかいふものになつて、ものをいふ時になつてゐる。黒蛇といふことは鉄道といふ謎で、已にシベリヤ線が出来て蒙古を取り巻いてしまつてゐる。かういふ予言があり、しかも初めて私が行つた時は六百六十六年目に当つてゐた。六百六十六の獣といふ事がありますが、六六六といふ事は非常に意義のある事であります。六六六はミロクであるから──家を建てるのにも天地上下が揃はないと駄目である。その時から本年は恰度八年になつてをります。六百六十六年──六百七十四年になつてゐる。吾々大本信者は言ふに及ばず、日本国民全体が鉢巻をして大いに考へ、大いに尽さねばならぬ時が来たのでありますから、吾々は世界の戦争が起る、あるひは日本は世界を相手に戦はねばならぬといふ悲壮なる覚悟を要する時だと思ふのであります。
昭和七年二月四日 みろく殿に於ける講演──三月号「神の国』誌

(10) 大本反対運動に対して

物語では、福島久子と思われる虎嶋寅子、飯森海軍中佐と思われる守宮別が、王仁三郎に反対運動を起し、「六六六の獣を使つて、ウヅンバラチヤンダーの肉体の自由まで奪つた」とある。

物語64上-4-19 1923/07 山河草木卯 祭誤

 高城山の峰つづき、小北山の松林を切り開いて沢山な小宮やチヤーチを建てたルートバハーの脱走教があつた。ここの主人を虎嶋久之助といひ、女房は虎嶋寅子といふ。生れつき自我心の強い女であつたが、変性男子の系統といふのを奇貨としてユラリ教といふ変則的なる教団をたて、ユラリ彦命を祀つて、盛んにルートバハーの教主ウヅンバラチヤンダーに反抗的態度をとつてゐる。そして自分は底津岩根の大弥勒、日の出神と自称し、朝から晩まで皺枯声を出して濁つた言霊で四辺の空気を灰色に染めてゐる。ここへ集まる信徒の中には随分いろいろな変り者があつて、中にも最も寅子の信任を得たのは、善しも悪しきも難波江の菖蒲のお花といふ、あまり色の白くない背の低い横太い年増婆アさまである。そして寅子の最も信任してゐるのは守宮別といふ海軍の士官上りの外国語をよく囀る男であつた。寅子は日の出神の生宮と自称しながら、この守宮別と共に宅を外にして曲霊軍の襷を掛け、日の出島の東西南北を隈なく巡教し、軍艦布教までやつてヤンチヤ婆アさまの名を売つた、したたか者である。守宮別は日の出神と腹を合せ、如何にしても変性女子のウヅンバラチヤンダーを社会の廃物となし、自分たちがとつて代らむと苦心の結果、守宮別は四方八方に反対運動を開始し、終には六六六の獣を使つて、ウヅンバラチヤンダーの肉体の自由まで奪つた剛の者である。

4.王仁三郎と333と777

王仁三郎にとって333、三百三十三は瑞霊にちなむ数である。777は大凶悪数としている。

王仁三郎は昭和三年三月三日にみろく大祭を開いている。

『新月の光』(上)によると次のように書かれている。

三三三と七七七

綾部の至聖殿で昭和昭和三年三月三日にみろく大祭を奉仕いたしましたのは、七を重ねるのは大凶悪数でありますから七七七に三三三を加えて十十十として祝ったのであります」

右は聖師がみろく大祭の意義について、昭和十三年の京都地方裁判所で庄司直治裁判長に答えられた言葉である。昭和十二年(西暦1937年、皇紀2597年)の7月7日、盧溝橋の支那事変に対する答えである。世紀も、皇紀も、777と重なるので、333を加えて十十十と神の数として、世界の厄難を救おうとされた。

霊界物語では何箇所かに三百三十三が出てくる

物語05-3-22 1922/01 霊主体従辰 神示の方舟

かくして神人らの昼夜の丹精によつて、三百三十三艘の立派なる方舟は造りあがつた。さうしてこの舟には残らず果物を積み、または家畜や草木の種を満載された。

霊界物語7巻33章は通算333節となる。1巻から6巻までは1巻50節であるから、6×50+33で、7巻の33章は通算、333節となる。なお、8巻からは50節ではなくなり、それぞれの巻で節数が違ってくる。

とすれば、333節は大きな意味を持っているのであろう。

物語07-7-33 1922/02 霊主体従午 回顧

第三三章 回顧〔三三三〕
 月日の駒は矢の如く、瑞霊に縁ある、壬戌の正月の、神の御稜威を照すてふ、心の帳も七五三の内、睦月五日となりにけり。思へば去年の今日の日は、難波の水の都より、思ひがけなきわざひとに、導かれつつ烏羽玉の、闇より暗き根の国の、門を潜りしその夕、大正日々副社長、高木鉄男氏門前に、送り来りし夜見の庭、月西天に輝けど、心は曇る暗の夜の、牢獄の中に囚はれし、思ひ出深き夕なり。神の恵の幸はひて、奇しき神世の物語、清く流るる和知川の、辺に近き松雲閣、一の巻より説き始め、外山、谷口、桜井、加藤、四人の御子を命毛の、筆を揮はせ綴り行く、心の駒は逸れども、進み兼ねたる口車、やうやう茲に三百三十三節の、歩も慣れぬ神の道、辿り辿りて説き明す、これの霊界物語、言葉の綾や錦織る、秋の最中に筆執りて、心も清き白雪の、地は一面の銀世界、総ての枉を清めたる、錦水亭の奥深く、悩みの身をば横たへて、世人のために言挙ぐる、日の出神の御活動、世の黒雲を吹き払ひ、日出る国の礎を、堅磐常磐に経緯の、神の教を敷島や、煙草に心慰めつ、熊襲の国の醜人に、光眩ゆき水晶の、三つの御魂を与へたる、実にも目出度き物語、花咲く春の三月三日、菖蒲も薫る五月空、いつかは晴れむ胸の闇、黒白も分かぬ闇の夜の、光となるぞ苦しけれ、証となるぞ尊けれ。夢か現か夢ならば、いつかは醒めよ現身の、この世を思ふ赤心の、紅に染めなす紅葉の、妻恋ふ鹿の奥山の、しかと往事を極めむと、先を争ひ来る人の、魂の証と教子が、先を争ひ筆を執る、神の守護も弥深き、これの霊界物語、語り尽せぬ言霊の、清きは神の心かな。嗚呼この神心神心、世人の心片時も、鏡に写れ真澄空、空行く雲の定めなき、昨日に変る今日の雪、神を力に教を杖に、身は高砂の尉と姥、尉と姥との御教を、千歳の松の末長く、守れよ守れ百の人、三千年がその間、守り育てし園の桃、天津御神に奉る、神の化身の西王母が、心の花の開く時、心の花の薫る時。
 世を思ふ心は胸に三千歳の
  神の教を開く今日かな
(大正一一・二・一 旧一・五 加藤明子録)

次の場面は、王仁三郎の回顧録。王仁三郎の高熊山の修行の後、大霜天狗が憑依して、喜楽(王仁三郎)とその友人を、試す場面。

物語37-2-9 1922/10 舎身活躍子 牛の糞

宇一『もし大霜さま、此間の様に喜楽丈が行きますと、不結果に了るかも知れませぬ。私も一緒に連らつて行つたら如何ですか?』
大霜『それも宜からう。それまでに水を三百三十三杯頭からかぶり神言を五十遍上げよ。そうすればこれから丁度十一時半迄時間がかかる、それから行つたがよからう。神は之から引取るぞよ』
 ドスンと飛上り、畳を響かせ鎮まつて了つた。宇一は釣瓶に三百三十三杯かぶる真似をしてゐた。祝詞も神言では長いと云つて、天津祝詞に代へて貰ひ、漸くにして五十遍早口に唱へて了ひ、
宇一『サア喜楽、ソロソロ行かうぢやないか。まだ九時過ぎだが、道々修行したりなんかしもつて行けば、丁度よい時間になるよ。遅いより早いがましだからな』

アヅモス山で、島に追いやられていた猩々が三百三十三匹として出てくる。

この章の他に続く数でも出てくる。

物語59-4-19 1923/04 真善美愛戌 猩々舟

伊太『ア丶仕方がない。人間の姿をしてゐるのだから、中でも堅牢な船を選むで持つて行くやうにしてくれ。一体猩々の数は何人さまほどゐられるのだらうな』
サーベル『ハイ、三百三十三匹だと思つてをります』
伊太『なるほど、猩々潔白の身魂が三百三十三人ならびに三匹の総司令官となつたのだ、アハ丶丶丶。イヤ先生、どうも有難うございます。これが私の登竜門、出世の門口、移民会社の社長となつて、大活動をいたします。どうぞ巧く凱旋いたしましたら、花火を打ち上げ、里人一同を浜辺に整列させ、伊太彦万歳を唱へて下さいませ。これが何より吾々の楽しみでございますから』

このアズモス山の話は、『スサノオの宇宙へ』では次のように解釈されている。

60巻のアヅモス山は「東山」と漢字が当てられ、麓に「天王の森」があり、多義的である。
 天王の森から追われた猩々は、戦争で東山から満州などの外地に派遣され拘留された人たち、三百三十三匹は瑞霊にちなんでいるから、天皇家に追われたスサノオとその眷属などと想像される。


■三三三はフリーメーソンの数字

加藤将一『石の扉 フリーメーソンで読み解く世界史』(P.235)に三百三十三という数字が出てきます。ウオーターゲート事件を扱った「大統領の陰謀」という映画のセリフについてです。1970年代の映画です。

『新月の光』で「三階級」という言葉は出てきます。スコティッシュ・ライトについては今まで、王仁三郎の文献では見たことがありません。

映画の中で、司法長官がしゃべります。
三百三十三人の諜報部員を調べた」
 この数字どこかで見覚えがありませんか?三、三、三。
 これは最初の三が、フリーメーソンの三階位を表し、後の三十三がスコティッシュ・ライトの三十三階位。ウオーターゲート事件とは、我々フリーメーソンとスコティッシュ・ライトの関与したことだよ、と世界の仲間に知らせたフリーメーソンのマーキングに他なりません。

5.666、本来は616

聖書の獣の数字666が本来は616であったという記事があった。(デーヴィッド・アイクの情報)

666は元は616

聖書で獣の数字であった666は、元来616であった可能性がある。

3世紀にギリシャ語で書かれた新約聖書の写本の断片が残っている。これが現存する写本では最古のものである。この断片は1895年にエジプトの都市Oxyrhynchusの郊外のゴミ捨て場で発見されたが、退色して破壊が進んでいた。これを、最近、学者が新しい画像技術を使って解読した。

McGill University大学のEllen Aitken教授によると、反キリストを表す数字は616を象徴するギリシア文字で書かれていたという。

現在使われている聖書の元本は、このOxyrhynchusの写本より後代のものから訳されているので、写した時のミス、または、政治的または神学的な理由で666にされたものだろうという。

Aitken教授によると、学者はこの数字は悪魔とは関係がなく、誰かの名前を隠したギリシャ語の謎々のようなものと考えている。この666(616)はローマ皇帝ネロを表しているというのが、学者の多数意見であるという。

王仁三郎は六六六をミロクとして使っているので、ミロクを破壊者としてとらえない限りは、666は悪い数としていたのではないと思われる。

ただし、私の知っている範囲では2箇所だけ、六六六を獣の数として使っているところがある。

そこで、六一六もしくは六百十六をDBで検索してみたが、使ってあるところは、章の番号だけしかなかった。この章も特に、獣の数字と関連性があるようには思えなかった。



第1.1版(一部修正)2015/01/02

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