論考資料 麻邇宝珠


神霊界 1918/02/01 大本神歌

 聯合の国の味方と今迄は、成て竭せしカラ国の、悪魔邪神が九分九厘、
モウ一厘の瀬戸際に、旗を反すと白露の、其振舞いの非義非道、凡ての計画を狂はせて、勝つ可き戦争の負げ始め、永びき渡る西の空、黒雲晴るゝ暇も無く、独り気儘の仕放題、印度の海も掠め取り、茲にも深き経綸為し。次いて浦塩日本海、我物顔に跳梁し、卜ン/\拍子に乗り出して、神の御国を脅迫し、モウ一ト息と鳴戸灘、渦巻き猛る荒浪に、大艦小船残り無く、底の藻屑と亡ぶるも、綾の高天に最と高く、空に聳えし言霊閣、天火水地と結びたる、五重の殿に駆け登り、力の限り声限り、鳴る言霊の勲功に、醜の鳥船軍艦、水底潜る仇艇も、皆夫れぞれに亡び失せ、影をも止めぬ惨状に、曲津軍も慄のきて、従ひ仕え来る世を、松と梅との大本に、世界を救ふ艮の、神の稜威ぞ尊とけれ。

敷島新報第三〇号 大正五・五・一一

天火水地は神なり。天火水地結は神の妙機なり。
祭政一致、神人一致、顕幽一致、霊肉一致、上下一致の大本は和合より生ず。和合は真の信仰を生み、信仰は大和合を生ず。和合は進歩なり、発展なり。併し現代人の宗教信仰は退歩なり地獄なり分裂なり、而して途に虚偽に陥る。


霊界物語

物語01-3-23 1921/10 霊主体従子 黄金の大橋

 さうしてこの竜宮の第一の宝は麻邇の珠である。麻邇の珠は一名満干の珠といひ、風雨電雷を叱咤、自由に駆使する神器である。ゆゑに総ての竜神はこの竜宮を占領し、その珠を得むとして非常な争闘をはじめてゐる。されどこの珠はエルサレムの珍の宮に納まつてゐる真澄の珠に比べてみれば、天地雲泥の差がある。また竜神は実に美しい男女の姿を顕現することを得るといへども、天の大神に仕へ奉る天人に比ぶれば、その神格と品位において著しく劣つてをる。また何ほど竜宮が立派であつても、竜神は畜生の部類を脱することはできないから、人界よりも一段下に位してゐる。ゆゑに人間界は竜神界よりも一段上で尊く、優れて美しい身魂であるから神に代つて、竜神以上の神格を神界から賦与されてゐるものである。
 しかしながら人間界がおひおひと堕落し悪化し、当然上位にあるべき人間が、一段下の竜神を拝祈するやうになり、ここに身魂の転倒を来すこととなつた。

物語01-4-30 1921/10 霊主体従子 黄金畔の戦闘

 このとき東北の天より雲路を分け火を噴きつつ進みきたる竜体がある。これは乙米姫命であつた。命は大八洲彦命の眼前に現はれ、麻邇の珠を渡し何事か耳語して、また元のごとく東北の天にむかつて帰還した。ここに大八洲彦命は麻邇の珠を受取り、応援軍なる田子彦と牧屋彦に預けた。すると田子彦、牧屋彦はにはかに態度一変し、敵の稲山彦についてしまつた。
 稲山彦は、大虎彦と獅子王の応援ある上に麻邇の珍宝を手にいれ、勇気は頓に百倍し大八洲彦命を散々に打ち悩めた。

物語01-4-32 1921/10 霊主体従子 三個の宝珠

 神山の上に救はれた大八洲彦命は、天より下りたまへる木花姫命より真澄の珠を受け、脚下に現はれた新しき海面を眺めつつあつた。見るみる天保山は急に陥落して現今の日本海となり、潮満、潮干の麻邇の珠は、稲山彦および部下の魔軍勢とともに海底に沈没した。稲山彦はたちまち悪竜の姿と変じ、海底に深く沈める珠を奪らむとして、海上を縦横無尽に探りまはつてゐた。九山の上より之を眺めたる大八洲彦命は、脚下の岩石をとり之に伊吹の神法をおこなひ、四個の石を一度に悪竜にむかつて投げつけた。悪竜は目敏くこれを見て、ただちに海底に隠れ潜んでしまつた。
 この四つの石は、海中に落ちて佐渡の島、壱岐の島および対馬の両島となつたのである。
 そこへ地の高天原の竜宮城より乙米姫命大竜体となつて馳せきたり海底の珠を取らむとした。稲山彦の悪竜は之を取らさじとして、たがひに波を起しうなりを立て海中に争つたが、つひには乙米姫命のために平げられ、潮満、潮干の珠は乙米姫命の手にいつた。乙米姫命はたちまち雲竜と化し金色の光を放ちつつ九山に舞ひのぼつた。この時の状況を古来の絵師が、神眼に示されて「富士の登り竜」を描くことになつたのだと伝へられてゐる。
 乙米姫命の変じた彼の大竜は山頂に達し、たちまち端麗荘厳なる女神と化し、潮満、潮干の珠を恭しく木花姫命に捧呈した。
 木花姫命はこの神人の殊勲を激賞され、今までの諸々の罪悪を赦されたのである。これより乙米姫命は、日出る国の守護神と神定められ、日出神の配偶神となつた。
 ここに木花姫命は大八洲彦命にむかひ、
『今天より汝に真澄の珠を授け給ひたり。今また海中より奉れる此の潮満、潮干の珠を改めて汝に授けむ。この珠をもつて天地の修理固成の神業に奉仕せよ』
と厳命され、空前絶後の神業を言依せたまうた。大八洲彦命は、はじめて三個の珠を得て神力旺盛となり、徳望高くつひに三ツの御魂大神と御名がついたのである。


物語02-1-7 1921/11 霊主体従丑 天地の合せ鏡

 稚桜姫命は金竜にまたがり、大八洲彦命は銀竜に、真澄姫は金剛に、芙蓉山より現はれいでたる木花姫命は劒破の竜馬にまたがり、あまたの従臣を率ゐて天馬空を駆けりて、高砂の島に出で行きたまひ、新高山に下らせたまふ。

 この高砂の神島は国治立命の厳の御魂の分霊を深く秘しおかれたる聖地であつて、神国魂の生粋の御魂を有する神々の永遠に集ひたまふ経綸地で、神政成就の暁、この聖地の神司の御魂を選抜して使用されむがための、大神の深き御神慮に出でさせられたものである。故にこの島は四方荒浪をもつて囲み、みだりに邪神悪鬼の侵入を許されない。天地の律法まつたく破れて、国治立命御隠退ののちは邪神たちまち襲来して、ほとんどその七分どほりまで体主霊従、和光同塵の邪神の経綸に全く汚されてしまつた。されど三分の残りし御魂は、今に神代のままの神国魂を抱持する厳正なる神々が、潜んで時節を待つてをらるるのである。稚桜姫命はこの中央なる新高山に到着し、あまたの正神司を集め、神界の経綸をひそかに教示しおかれた。

 ここにこの島の正しき守り神、真道彦命は岩石を打ち割り、紫紺色を帯びたる透明の宝玉を持ちだし、これを恭々しく稚桜姫命に捧呈された。この玉は神政成就の暁、ある国の国魂となる宝玉である。
 つぎに奇八玉命は海底に沈み日生石の玉を拾ひきたつて捧呈した。この玉は神人出生の時にさいし、安産を守る宝玉である。この玉の威徳に感じて生れいでたる神人は、すべて至粋至純の身魂を有する霊主体従の身魂である。そこで真鉄彦は谷間へ下りて水晶の宝玉を取りだし、これを稚桜姫命に捧呈した。この玉は女の不浄を清むる珍の神玉である。ここに武清彦は山腹の埴を穿ちて黄色の玉を取りいだし恭しく命に捧呈した。この玉は神人の悪病に罹れるとき、神気発射して病魔を退くる宝玉である。つぎに速吸別は頂上の巌窟の黄金の頭槌をもつて静に三回打ちたまへば、巨厳は分裂して炎となり中天に舞ひのぼつた。空中にたちまち紅色の玉と変じ、宇宙を東西南北に疾走して火焔を吐き、ついで水気を吐き、雷鳴をおこし、たちまちにして空中の妖気を一掃し、美しき紅色の玉と変じ、命の前にあまたの女性に捧持させてこれを命に献つた。この玉はある時は火を発し、ある時は水を発し、火水をもつて天地の混乱を清むるの神宝である。

 稚桜姫命の一行は、馬上はるかに海上を渡りて地の高天原に帰還したまへるとき、天の八衢に鬼熊の亡霊は化して鬼猛彦となり、大蛇彦とともに命の帰還を防止し、かつその神宝を奪取せむと待ちかまへてゐた。ここに稚桜姫命は紅色の玉を用ひるは、いまこの時なりとしてこの玉を用ひむとしたまひし時、木花姫命はこれをとどめていふ。
『この玉は一度使用せば再び用をなすまじ。かかる小さき魔軍にむかつて使用するは実に残念なり。この魔軍を滅ぼすはこれにて足れり』
と懐より天の真澄の鏡をとりだして鬼猛彦の魔軍にむかつて逸早くこれを照らしたまうた。魔神はたちまち黒竜と変じ、邪鬼と化して、ウラル山目がけて遁走した。
  天地の真澄の鏡照りわたり   醜の曲霊も逃げうせにけり
 稚桜姫命一行は無事帰還された。さうしてこの玉を竜宮島の海に深く秘めおかれた。さきに木花姫命より大足彦に賜はりしは国の真澄の鏡である。天地揃ふて合せ鏡という神示は、この二個の神鏡の意である。また五個の神玉は海原彦命、国の御柱神二神の守護さるることなつた。
 


物語24-4-15 1922/07 如意宝珠亥 諏訪湖

思へば深し諏訪の湖
千尋の底に永久に       鎮まりゐます竜姫よ
心平らに安らかに       吾が願ぎ事を聞し召せ
天火水地と結びたる      言霊まつる五種の
珍の御玉
を賜へかし      三五の月の御教は
いよいよここに完成し     三千世界の梅の花
一度に開く常磐木の      松の神世と謳はれて
海の内外の民草は       老いも若きも隔てなく
うつしき御代を楽しまむ    あ丶惟神惟神
御霊幸倍ましまして      十歳にも足らぬ初稚が
万里の波濤を乗り越えて    世人を救ふ赤心に
曳かれて此処まで出で来たる  思ひの露を汲めよかし
神は吾らの身辺を       夜と昼との別ちなく
守らせ給ふと聞くからは    神政成就の御宝
厳の御霊のいち早く      吾らに授け給へかし
謹み敬ひ願ぎまつる      

神代の古き昔より       鎮まりゐます竜姫よ
御国を思ふ一筋の       妾が心を汲み取らせ
三五教の神の道        岩より堅く搗き固め
神界幽界現界の        救ひのために海底に
隠し給ひし五つみたま     天火水地と結びたる
大空まがふ青き玉       紅葉色なす赤玉や
月の顔水の玉         黄金色なす黄色玉
四魂を結びし紫の       五つの御玉
を吾々に
授けたまへよ矗々に      吾はとくとく立ち帰り
国治立大神が         神政成就の神業の
大御宝と奉り         汝が御霊の功績を
千代に八千代に永久に     照らしまつらむ惟神

紺碧の湖面はたちまち十字形に波割れて、湖底は判然と現はれたり。ほとんど黄金の板を敷き詰めたるごとく、一塊の砂礫もなければ、塵芥もなく、藻草もない。あだかも黄金の鍋に水を盛りたる如き、清潔にして燦爛たる光輝を放ち、目も眩むばかりの荘厳麗美さなりき。波の割れ間よりかすかに見ゆる金殿玉楼の棟実に床しく、胸躍り魂飛び魄散るがごとく、赤珊瑚樹は林のごとくにして立ち並みゐる。珊瑚樹の大木の下を潜つて、しづしづと現はれ来たる玉の顔容月の眉、梅の花か海棠か、ただしは牡丹の咲き初めし、婀娜な姿にまがふべらなる数多の女神、黄金色の衣を身に纏ひ、黄金造りの竜の冠を戴きながら、長柄の唐団扇を笏杖の代はりに左手に突きつつ、右手に玉盃を抱え、天火水地結の五色の玉を、おのおの五人のことさら崇高なる女神に抱かせながら、玉依姫命はしづしづと湖を上がり、五人が前に現はれたまひて、言葉静かに宣りたまふ。

物語25-4-16 1922/07 海洋万里子 真如の玉

高座の白木の扉を左右に引き開け、現はれ出でし崇高無比の女神は、五人の侍女に天火水地結の五色の玉を持たせて梅子姫の前に現はれ給ひ、前に立てる侍女の手より、自ら紫の玉を手に取り上げ、初稚姫に渡し給ふ。初稚姫は恭しく拝受し、これを宝座に控へたる梅子姫の手に献る。梅子姫は莞爾として押し戴き給ふ時、金襴の守袋を一人の侍女来たりて献る。梅子姫はこれを受け取り直ちに玉を納め、そのまま首に掛け胸の辺りに垂れさせられ、合掌して暗祈黙祷し給ふた。梅子姫の姿は刻々に聖さと麗しさを増し、全身玉のごとくにかがやく。
次に玉依姫は侍女の持てる赤色の玉を取り、玉能姫に相渡すを玉能姫は押し戴き、蜈蚣姫の手に恭しく渡す。次に玉依姫は侍女の持てる青色の宝玉を取り、これを玉治別に授け給ふ。玉治別は押し戴き直ちに黄竜姫に渡し、次に侍女の持てる白色の玉を取り久助に渡し給へば、久助は恭しく拝戴し友彦の手に渡す。また侍女の持てる黄色の玉を玉依姫みづからお民に渡し給へば、お民は押し戴きテールス姫に渡す。おのおの一個の玉に対し金襴の袋は添へられた。さうしてこの玉の授受には玉依姫神をはじめ、一同無言の間に厳粛に行はれける。
玉依姫は一同に目礼し、奥殿に侍女を伴なひ、一言も発せず悠々として神姿を隠し給ふ。梅子姫外一同も無言のまま竜宮の侍神に送られ、第一、第二、第三の門を潜り諏訪の湖辺に着く。
このとき金の翼を拡げたる八咫烏十数羽飛び来たり、梅子姫、黄竜姫、蜈蚣姫、友彦、テールス姫、玉治別、初稚姫、玉能姫、久助、お民の十柱を乗せ、天空高く輝きながら万里の波濤を越えて、つひに由良の聖地に無事帰還せり。

物語25-5-17 1922/07 海洋万里子 森の囁

駒彦『何をいふても神様の容器に造られたこの肉体、天津神、国津神、八百万の神が出入り遊ばす駒彦の肉の宮、チヨコチヨコ日の出神もおいで遊ばすなり、竜宮の乙姫さまもチヨコチヨコみえますぞよ。真の乙姫はこの頃は駒彦の肉の宮に宿換へをいたしたぞよ……とおつしやつて、結構な玉を見せて下さいますワイ。ここにも現に天火水地結の五つの玉が、ヤツパリ……ヤツパリぢやつた。マア言はぬが花ですかいな』

物語26-1-1 1922/07 海洋万里丑 麻邇の玉

表題が麻邇の玉であり重要な章であろう

三千世界の梅の花       一度に開く五大洲
豊葦原の瑞穂国        中にも分けて神恩の
恵みあまねき中津国      メソポタミヤの楽園と
ならびて清き自転倒の     大和島根は磯輪垣の
秀妻国と称へられ       七五三の波清く
風穏かな神守の        島に名高き真秀良場や
青垣山をめぐらせる      霊山会場の蓮華台
この世を清むる三つ御魂    四尾の峰の山麓に
国治立大神は         厳の御霊を分け給ひ
国武彦と現はれて       五六七の神世の来たるまで
無限の力を隠しつつ      花咲く春を松の世の
磯固く築きかため       空澄み渡る玉照彦の
神の命や玉照姫の       神の命を日月の
神の使になぞらへて      金剛不壊の如意宝珠
黄金の玉や紫の        稀代の宝玉集めまし
豊国主の分霊         言霊別の魂の裔
言依別を教主とし       錦の宮に千木高く
下津岩根に宮柱        太知り建てて伊都能売の
幽玄微妙の神策を       仕組み給ひし雄々しさよ
言依別や玉能姫        初稚姫の三つ御魂
ひそかに神の宣勅       頸に受けて永久に
玉の在処を秘めかくし     三つの御玉の出現を
遠き未来に待ち給ふ      神素盞嗚大神の
深遠微妙の御経綸       
梅子の姫を竜宮の
宝の洲に遣はして       黄竜姫を楯となし
天火水地と結びたる      青赤白黄紫の
五つの玉を諏訪湖の      玉依姫の御手より
初稚姫や玉能姫        玉治別を始めとし
久助お民の五つ身魂      研き澄まして水晶の
輝きわたる宝玉を       授け給へば五柱
心を清め身を浄め       おし戴いて梅子姫
黄竜姫や蜈蚣姫        テールス姫や友彦の
研き澄ました神司       無言のままに手に渡し
玉依姫の御前を        しづしづ立ちて三つの門
くぐりて帰る諏訪湖の     金波ただよふ磯端に
帰りて湖面に合掌し      感謝のをりから中空を
照らして下る八咫鳥      黄金の翼をうち拡げ

十曜の紋の十人連       背に乗せつつ久方の
天津御空を勇ましく      雲霧分けて下りくる
自転倒島の中心地       綾の高天の空近く
帰り来たるぞ目出たけれ    言依別は神界の
知らせによりて杢助や     その他あまたの神司
八尋の殿に招き寄せ      五つの玉の中空を
翔けりて下る瑞祥を      祝ぎ奉り歓迎の
準備をなさむと遠近に     派遣しおきたる神司
使を馳せて一所に       集めて事の詳細を
包み隠さず示しける      一つ洲より中空を
掠めて聖地に降りくる     十の身魂を迎へむと
数多の人々引きつれて     由良の港へすくすくと
列を正して出で向かふ     あ丶惟神惟神
御霊幸はへましませよ。
 言依別命は杢助を始め、音彦、国依別、秋彦、波留彦、佐田彦、夏彦、常彦その他の面々を引きつれ、東助に留守を頼み、聖地を立つて舟に乗り、由良川を下りて由良の港の秋山別が館に立ち向かひ、梅子姫一行の八咫烏に乗りて帰り来たるを待ちうけることとなつた。
 八咫烏は梅子姫、初稚姫、玉能姫、玉治別、黄竜姫、蜈蚣姫、友彦、テールス姫、久助、お民といふ順に、秋山彦の館に羽撃き勇ましく、広き庭前に降つてきた。歓呼拍手の声は天地も揺ぐばかりであつた。館の主人秋山彦、紅葉姫は恭しく無言のまま目礼しながら、言依別命を先頭に、杢助以下の神司と共に、梅子姫の一行を奥の間に案内し、一同の労苦を謝した。かねて用意の五個の柳筥に、一々玉を納められ、神前に安置され、一同うち揃ふて感謝祈願の祝詞を奏上し、をはつて直会の宴は開かれた。次の間より襖押し開けしづしづと五十子姫を先頭に立て、神素盞嗚大神、国武彦命と共に一同の前に現はれ給ひ、いよいよ神政成就の基礎確立せることを喜びたまひ、かつ一同の至誠至実の活動を感賞したまひ、別室においてゆるゆる休息せよと宣示し、またもや一間の内に姿を隠し給ふた。言依別命、秋山彦夫婦は後に残り、一同は別館において再び慰労の宴に列し、歓声湧くがごとく四辺に聞こえてきた。
素盞嗚尊は四辺に人なきを見すまし、国武彦命と何事か諜し合はせ給ひ、五十子姫をこの場に招き、無言のまま、言依別、秋山彦、紅葉姫と共に、柳筥を次の間に運ばせ、更めて同じ形の柳筥を元の神前に飾らせ給ふた。
この御経綸は国武彦命をはじめ梅子姫、五十子姫、言依別命、秋山彦夫婦よりほかに絶対に知る者はなかつたのである。

物語26-1-2 1922/07 海洋万里丑 真心の花(一)

天火水地結の竜宮の麻邇の玉の無事、秋山彦館に安着せし歓喜と、感謝をかねたる荘厳なる祭典は無事終了し、直会の宴は盛んに開かれ、いよいよ五個の神宝は聖地を指してにぎにぎしく由良がを遡り送らるることとなつた。それについては一同由良の港の川口に出て御禊祓を修し、ふたたび神前に立ち帰り祭典を行ひ、美はしき神輿を造り、これに納めて聖地へ、水に逆らひ、金銀色の帆に風を孕ませ上ることとなつた。

物語26-2-6 1922/07 海洋万里丑 大神宣

 素盞嗚尊は儼然として立ち上がり、荘重なる口調をもつて歌は
せ給ふた。
『豊葦原の国中に       八岐大蛇や醜狐
曲鬼とものはびこりて     山の尾の上や川の瀬を
醜の魔風に汚しつつ      天の下なる民草を
苦しめ悩ますこの惨状を    見るに見かねて瑞御魂
神素盞嗚と現はれて      八十の猛の神司
八人乙女や貴の子を      四方に遣はし三五の
神の教を宣べ伝へ       山川草木鳥獣
虫族までも言霊の       清き御水火に助けむと
ウブスナ山の斎苑館      後に残して八洲国
彷徨ふ折りしも自転倒の    大和島根の中心地
綾の高天の聖域に       この世の根元と現れませる
国治立大神の         国武彦と世を忍び
隠れいますぞ尊けれ      この世を救ふ厳御霊
瑞の御霊と相ならび      天地の神に三五の
教を開き天が下        四方の木草にいたるまで
安息と生命を永久に      賜はむために朝夕を
心配らせ給ひつつ       三つの御玉の神宝
高天原に永久に        鎮まりまして又もはや
現はれ給ふ麻邇の玉      五づの御玉と照り映えて
三五の月の影清く       埴安彦や埴安姫の
神の命と現れませる      神の御霊も今ここに
いよいよ清く玉照彦の     貴の命や玉照姫の
貴の命の御前に        納まる世とはなりにけり

瑞の御霊と現れませる     三五教の神司
言霊幸はふ言依別の      神の命は皇神の
錦の機の経綸を        心の底に秘めおきて
松の神世の来たるまで     浮きつ沈みつ世を忍び
深遠微妙の神策を       堅磐常磐にたてませよ
神素盞嗚の我が身魂      八洲の国に蟠まる
八岐大蛇を言向けて      高天原を治しめす
天照します大神の       御許に到り復命
仕へまつらむそれまでは    蠑蠣蚯蚓と身を潜め
木の葉の下をかいくぐり    花咲く春を待ちつつも
完全に委曲に松の世の     尊き仕組を成し遂げむ
国武彦大神よ         汝が命も今しばし
深山の奥の時鳥        姿隠して長年の
憂目を忍びやがて来む     松の神世の神政を
心静かに待たせまし      竜宮城より現はれし
五つの麻邇のこの玉は     綾の聖地に永久に
鎮まりまして桶伏の      山に匂へる蓮華台
天火水地と結びたる      薫りも高き梅の花
木の花姫の生御魂       三十三相に身を現じ
世人あまねく救はむと     流す涙は和知の川
流れ流れて由良の海      救ひの船に帆をあげて
尽くす誠の一つ洲       秋山彦の真心や
言依別が犠牲の        清き心を永久に
五六七の神世の礎と      神の定めし厳御魂
実に尊さの限りなり      あ丶惟神惟神
御霊幸はへましまして     国治立大神の
厳の御霊はいま暫し      四尾の山の奥深く
国武彦と現はれて       草の片葉に身を隠し
錦の宮にあれませる      玉照彦や姫神を
表に立てて言依別の      神の命を司とし
深遠微妙の神界の       仕組の業に仕へませ
朝日は照るとも曇るとも    月は盈つとも虧くるとも
たとへ大地は沈むとも     厳と瑞とのこの仕組
千代も八千代も永久に     変はらざらまし天地の
初発し時ゆ定まりし      万古不易の真理なり
万古不易の真理なり      この世を造りし神直日
心も広き大直日        ただ何事も神直日
大直日にと見直して      天地百の神人を
救はむための我が聖苦     思ひは同じ国治立の
神の尊の御心         深くも察し奉る
深くも感謝し奉る』

その御姿の尊さよ       いよいよここに五つ御玉
国武彦も永久に        隠れてこの世を守りゆく
玉依姫のおくりたる      麻邇の宝珠は手に入りぬ
あ丶惟神惟神         時は待たねばならぬもの
時ほど尊きものはなし     この世を造り固めたる
元の誠の祖神も        時を得ざれば世に落ちて
苦しみ深き丹波路の      草葉の影に身を凌ぎ
雨の晨や雪の宵        尾の上を渡る風にさへ
心を苦しめ身を痛め      天地のためにわが力
尽くさむ由も泣くばかり    胸もはり裂く時鳥
八千八声の血を吐きて     時の来たるを待つうちに
今日は如何なる吉日ぞや    神世の姿甲子の
九月八日の秋の庭       御空は高く風は澄み
人の心も涼やかに       日本晴れのわが思ひ
瑞と厳との睦び合ひ      八洲の国を照らすてふ
三五の月の御教の       元を固むる瑞祥は
この世の開けし初めより    まだ新玉のあが心
あ丶惟神惟神         天津御空の若宮に
鎮まりいます日の神の     御前に慎み畏みて
国治立の御分霊        国武彦の隠れ神
はるかに感謝し奉る      千座の置戸を身に負ひて
この世を救ふ生神の      瑞の御霊と現れませる
神素盞嗚大神の        仁慈無限の御心を
喜び敬ひ奉り         言依別の神司
この行先の神業に       又もや千座の置戸負ひ
あれの身魂と諸共に      三柱揃ふ三つ身魂
濁り果てたる現世を      洗ひ清むる神業に
仕へまつらせ天地の      百の神たち人草の
救ひのために真心を      千々に砕きて筑紫潟
深き思ひは竜の海       忍び忍びに神業を
仕へまつりて松の世の     五六七の神の神政を
心を清め身を浄め       指折り数へ待ち暮す
あが三柱の神心        完全に委曲に聞し召し
天津御空の若宮に       堅磐常磐に現れませる
日の大神の御前に       重ねて敬ひ願ぎまつる
あ丶惟神惟神         御霊幸はへましませよ』

物語26-2-8 1922/07 海洋万里丑 虎の嘯

三つの御玉は常久に      神のまにまに納まりて
神政成就の基礎を       築き給ひしその上に
厳の御霊と称ふべき      竜宮城の麻邇宝珠
またもや聖地に集まりて    光を放つその上は
神の仕組はいや広に      いや永久に動きなく
現はれ給ふ目のあたり     

物語26-2-9 1922/07 海洋万里丑 生言霊

『この世を造り固めたる    国治立大神と
御水火を合はせ永久に     世界を守り給ひたる
豊国姫の御分霊        助け幸はひ生かすてふ
言霊別の天使         醜の猛びに是非もなく
根底の国に潜みまし      少彦名と現はれて
常世の国の天地を       守り給ひし勇ましさ
言霊別の御分霊        皇大神の御言もて
ふたたびこの世に出現し    三五教の神司
言依別神となり        天地の神の御教を
神のまにまに伝へ行く     四尾の山に隠れます
国武彦の御言もて       錦の宮に仕へます
玉照彦や玉照の        姫の命ともろともに
五六七神政の礎を       朝な夕なに村肝の
心を配り身を尽くし      金剛不壊の如意宝珠
黄金の玉や紫の        珍の神宝を永久に
神のまにまに埋めおき     三千世界の梅の花
一度に開く折りを待つ     時しもあれや素盞嗚の
瑞の御魂の大御神       黄金の洲の秘密郷
金波ひらめく諏訪の湖     玉依姫の常久に
守り給ひし麻邇の珠      いよいよここに現はれて
五づの御魂の功績は      ますます高く輝きぬ
三と五との玉の道       三五の月の御教は
二度目の天の岩屋戸を     完全に委細に押し開き
常世の闇を打ち晴らし     天にます神八百万
地にます神八百万       百の人草草も木も
禽獣や虫族の         生命のはしに至るまで
洩らさず残さず救ひ上げ    上下歓ぎて睦び合ふ
誠の神世を建て給ふ      珍の礎定まりぬ
あ丶惟神惟神         御霊幸はへましませよ。
       ○
神素盞嗚大神が        宣らせ給ひし大神勅
ただ一言も洩らさじと     耳をそばだて言依別の
瑞の命はひたすらに      今日を境と改めて
世人を安きに救ふため     千座の置戸を背に負ひ
仁慈無限の大神の       尊き御心に神習ひ
仕へ奉らむ瑞御魂       神素盞嗚大御神
国武彦の御前に        慎み敬ひ真心を
尽くして誓ひ奉る       朝日は照るとも曇るとも
月は盈つとも虧くるとも    たとへ大地は沈むとも
皇大神に誓ひたる       わが言霊は永久に
五六七の世までも変はらまじ  あ丶惟神惟神
御霊幸はへましませよ』

物語26-3-11 1922/07 海洋万里丑 言の波

『あ丶惟神惟神        御霊幸はへましまして
天地を清むる三五の      神の教への御光は
四方に輝く時来たり      三つの宝珠を始めとし
今また五つの麻邇の玉     経と緯とのお仕組の
錦の機を織りませる      真の神を斎りたる
錦の宮に更めて        鎮まりますこそ尊けれ

物語26-3-12 1922/07 海洋万里丑 秋の色

 由良の港の秋山彦の館より、御船に奉安し迎へ来たりし五個の麻邇宝珠は、玉照彦、玉照姫、お玉の方の介添へにて教主に渡し給へば、言依別命は恭しく推戴き、錦の宮の奥殿に一つづつ納め給ふこととなつた。それより神饌に供したる山野河海の美味物を拝戴し、酒肴その他種々の馳走をこしらへ、一同これをいただき十二分の歓喜をつくし、大神の御神徳を讃美しながら、おのおのわが住家に引き返すのであつた。

物語26-4-16 1922/07 海洋万里丑 三五玉

金剛不壊の如意宝珠      黄金の玉や紫の
三つの御玉の御神業      あらましここに述べておく
天津御神の永久に       現幽神の三界を
永遠無窮に治めます      天壌無窮の神宝は
金剛不壊の宝珠なり      経済学の根本を
岩より固くつきかため     地上の世界を円満に
融通按配治めゆく       金銀無為の政策を
実行いたすは黄金の      厳の宝珠の永久に
変はらぬ神の仕組なり     また紫の宝玉は
天下万民ことごとく      神の御稜威に悦服し
神人和合のその基礎を     永遠無窮に守ります
神の定めし神宝ぞ       そもそも三つの御宝は
天津御神や国津神       天国浄土の政治をば
豊葦原の瑞穂国        五つの洲に隈もなく
神の助けと諸共に       伊照り透らし万民を
安息せしむる神業に      最大必要の宝なり

あ丶惟神惟神         深遠微妙の神界の
万世不磨の御経綸       太き御稜威も高熊の
山に隠せし黄金の       晨を告ぐる鶏や
波問に浮かぶ神島の      常磐の松の根底に
かくし給ひし珍宝       金剛不壊の如意宝珠
天火水地と結びたる      紫色の神宝も
いよいよこの世に現はれて   光を放つ神の世は
さまで遠くはあらざらめ    この世を造りし大神の
水も漏らさぬ御仕組      竜宮城の乙姫が
玉の御手より賜ひたる     浦島太郎の玉手函
それに優りて尊きは      三つの御玉の光なり
あ丶惟神惟神         御霊幸はへましまして
一日も早く片時も       とく速けく世のために
現はれまして艮の       果てに隠れし元津神
坤なる姫神の         経と緯との水火合はせ
神世安らけく平らけく     治め給はむ時はいつ
待つ間の永き鶴の首      亀の齢の神の世を
渇仰翹望なしながら      静かに待つぞ楽しけれ
波に漂ふ一つ洲        黄金花咲く竜宮の
秘密の郷と聞こえたる     果物豊かな玉野原
一眸千里のその中に      青垣山を三方に
いと美はしく繞らせる     金波漂ふ諏訪の湖
玉依姫の永久に        水底深く鎮まりて
守り給ひし麻邇の玉      天火水地と結びたる
青赤白黄紫の         玉の功績を述べつれば
世界統治の礎を        堅磐常磐につきかため
天の下をば安国と       治むる王者の身魂こそ
紫玉の功績ぞ         王者に仕へ民治め
中執臣と勤しみて       世界を治むる大臣の
稜威の活動そのものは     心も赤き赤玉の
天地自然の功績ぞ       国魂神と現はれて
百の民草治めゆく       小さき臣の活動は
臣の位の水御玉        上を敬ひ下を撫で
臣の位をよく尽くし      上は無窮の大君に
下は天下の民草に       心のかぎり身を尽くし
誠を尽くす活動は       水の位の白玉の
天地確定の功績ぞ       神を敬ひ大君を
尊び奉り耕しの        道に勤しみ工業や
世界物質の流通に       ひたすら仕ふる商人の
誠の道を固めゆく       天地自然の功績は
土に因みし黄金の       稜威の御玉の天職ぞ
さはさりながら今の世は    心の赤き赤玉も
それに次ぐべき白玉も     黄色の玉もことごとく
光なきまで曇り果て      何の用なき団子玉
天火水地を按配し       この神玉の活用を
円満清朗自由自在       照らして守るは紫の
神の結の玉ぞかし       紫色の麻邇の玉
今や微光を放ちつつ      心の色も丹波の
綾の聖地にチクチクと     その片光を現はして
常世の暗を隈もなく      照らさせ給ふ光彩は
厳の御霊の神司        瑞の御霊の神柱
経と緯との御玉もて      世界十字に踏みならし
一二三四五つ六つ       七八つ九つ十たらり
百千万の神人の        救ひのために千万の
悩みを忍び出で給ふ      あ丶惟神惟神
御霊幸はへましまして     誠の神の御教に
服従ひきたる信徒よ      綾の高天に古くより
仕へ奉りし神司        変性女子の瑞御霊
またもや副守が発動して    訳のわからぬ気焔吐く
みなみな一同注意して     審神をせなくちやならないぞ
近くに侍る盲信者       甲乙丙丁戊のやうに
迎合盲従はならないぞ     気をつけ召されと鼻高が
少しの学識鼻にかけ      いろいろ雑多の小理屈を
並べて神の経綸を       紛乱せむと企みつつ
副守の悪霊に駆使されて    空前絶後の神業に
外れる人も偶にある      同じ教の信徒は
神の心を汲みとりて      互ひに気をつけ助け合ひ
慢心鉄道の終点に       行き詰りたるアフン駅
何のエキなき醜態を      暴露させないその間に
世人を思ふ真心の       凝り固まりし瑞月が
ここに一言述べておく     あ丶惟神惟神
御霊幸はへましませよ     朝日は照るとも曇るとも
月は盈つとも虧くるとも    たとへ大地は沈むとも
誠の力は世を救ふ       誠を知らぬ智恵学者
この物語見るならば      軽侮の念を起こすあり
脱線文章と笑ふあり      卑近の俗語を列ねたる
半狂乱の悪戯と        初からこなす人もある
冷笑悪罵は初めから      百も承知の瑞月が
神の御言を畏みて       三五教の真相を
学と知識の評釈で       取違ひたる過ちを
直日に見直し聞直し      宣直させて神界の
誠の道を知らさむと      悪罵熱嘲顧みず
口の車の転ぶまに       筆者の筆のつづくだけ
繰返しゆく小田巻の      いと長々と記しおく。

物語26-4-17 1922/07 海洋万里丑 帰り路

天火水地と結びたる      麻邇の宝珠は竜宮の
乙姫さまの御宝    

物語27-2-5 1922/07 海洋万里寅 玉調べ

杢助『私は素より鈍魂劣器至愚至痴なる身魂の持主でございまして、総務なぞをお勤め申す柄ではありませぬが、神命黙し難く心ならずも拝命いたし、皆様のお助けに依つて御用の一端を勤めさして頂いてをりますは、これも全く皆様の御同情のお蔭と厚く感謝いたします。ついては私も少しく思ふところあつて、神界のために、もう一働き致したうございまするので、後任者を推薦いたしておきました。教主様は今日は急病でお引き籠もりでございますから、御意見を伺ふことはできませぬが、私の後任者として淡路島の東助様を、御苦労に預かりたいと思うて、内々伺ひは出してございます。つきましては、今日は実にお目出たい日柄でございまして、竜宮洲より、お聞きおよびの通り、五色の麻邇宝珠納まり、言依別命様がともかく御主管なされてをられましたが、今日、高姫、黒姫のお取り調べを願ひ、信者一同に拝観をさせよと、教主の言葉でございますから、そのお心算で、ゆつくりと御拝観を願ひます。再び拝観することは出来ぬのでございますから、この際、充分御神徳を戴かれるやうに、一寸一言申し上げておきます
 一同は雨霰のごとく拍手する。杢助は初稚姫、玉能姫、五十子姫、梅子姫を伴なひ、社殿の奥深く進み、黄金の鍵をもつて傍の宝座を開き、各一個の柳筥を、頭上高く差し上げながら、しづしづと八尋殿の高座に現はれ、五個の柳筥は、段上に行儀よく据ゑられた。
 高姫は段上にスツクと立ち、一同を見廻しながら、
高姫『皆さま、今日は誠に結構なお日柄でございます。今までは瑞の御霊の三種の神宝ここに納まり、今日また厳の御霊の五色の神宝無事に納まり、皆様が拝観の光栄に浴さるる空前絶後の第一吉祥日でございます。神様は引つ掛け戻しのお経綸をなさいますから、肝腎の厳の御霊の経を後に出し、瑞の緯を先に出したり、変幻出没究極すべからざることを遊ばすのは、皆様御承知のことでございませう。今日まで三つの御玉を私ども南洋あたりまで、捜索に行つたと申すのは、決して左様な緯役の玉を求めに行つたのではありませぬ。玉には随分モンスターの憑依するものでありますから、この高姫らは三つのお宝を探すやうにみせて、その方に総ての精神を転じさせ、その時に日の出神、竜宮の乙姫の礎になるお方様が、一つ洲に人のよう往かないやうな秘密郷の諏訪の湖に深く秘し、さうして仕組を遊ばしてござることは、最初から吾々両人の熟知するところ、いや仕組んでゐるところでございます。今日初稚姫、玉能姫、黄竜姫、梅子姫、蜈蚣姫その他五人の神司に、この御用をさせたのも日の出神の仁慈無限のお取り計らひと、竜宮の乙姫様の御慈悲ですよ。それが分からぬやうでは、三五教の五六七神政の仕組は到底、分かるものではありませぬ。幸ひに賢明なる英子姫、やや改心のできた言依別命の神務奉仕の至誠が現はれて、竜宮の麻邇の宝珠が聖地へ納まることが出来るやうになり、それを受け取りかつ調べるお役は特にこの高姫、黒姫両人が致すべきものでございます。よつて只今より御玉の改めを致しますから、皆さま、謹んで拝観なさるが宜しい。三つの御玉はどうならうとも私は知りませぬ。今度の五つの御玉こそ肝腎要な大望な御神業大事のお宝、ついては玉治別やその他の半研けの身魂が取り扱つたのですから、少しは穢れてゐないかと心配を致してをるのでございます。身魂相応に玉の光が現はれるのですから、実に恐いものでございますよ。サアサこれから、お民が預かつてテールス姫に手渡した黄色の玉を、函から出して調べることと致しませう。……黒姫さま、ご苦労ながら一寸これへお越し下さい。さうしてお民さま、テールス姫さま、貴女は直接の関係者、ここにお控へなされ』

(中略)

高姫『どんな玉もこんな玉もありますかい。お前の身魂の感化に依つて、折角の玉もこんなことになつてしまつた。……コレ、ジヤンナの土入の阿婆摺女テールス姫とやら、何のざまだ、これは……阿呆らしい、早く改心なされ』
テールス姫『ハイハイ改心をいたします。どうしてマア、こんな玉になつちやつたのだらう、いやなこと』
黒姫『それだから瑞の御霊は憑り易いといふのだ』
玉治別『瑞の御霊は憑り易いと仰有つたが、これは五の御玉ぢやありませぬか』
黒姫『何れも憑り易い身魂だ』
玉治別『そんなら貴女の身魂が憑つたのでせう。どれどれ、私が調べてみませう』
高姫『お構ひなさんな。お前さまのやうな瓢六玉が見ようものなら、ただの玉になつて終ひます』
 群集はワイワイと騒ぎ出した。

(中略)

杢助『この玉は是非調べて頂きたい。神様は吾が子、他人の子の隔てはないと仰有るのだから、神素盞嗚尊の御娘御の梅子姫様と、杢助の娘の初稚姫、依估贔屓したと言はれてはなりませぬから、どうぞこの場でお調べを願ひませう』
高姫『エーエー仕方がないなア。本当にイヤになつちまつた。そんなら、マアマも一苦労いたしませう。……梅子姫さま、お初さま、サア早くここへ来るのだよ』
とやや自棄気昧になり言葉せはしく呼び立てる。言下に梅子姫、初稚姫は莞爾として高姫の側に寄り添うた。高姫は又もや柳筥の蓋をチヤツと開いた。忽ち四方に輝くダイヤモンドのごとき紫の光、さすがの高姫もアツと驚いて二足三足後に寄つた。黒姫は飛び上がつて喜び、思はず手をうつた。一同の拍手する声、雨霰のごとく場の外遠く響いた。
高姫『お初、イヤ初稚姫さま、梅子姫さま、お手柄お手柄。やつぱりお前がたは身魂が綺麗だとみえますワイ。……杢助さま、お前さま中々好い子を持つたものぢや。ヤレヤレこれで一つ安心、後の四つは四足魂に汚されてしまうた。瑞の御魂のやうに憑る麻邇の珠だから、田吾作、久助、お民、友彦、黄竜姫、蜈蚣姫、テールス姫、お節もこれから、百日百夜小雲川で水行をなさい。さうすれば元の玉に還元するだらう。嫌といつても、この高姫が行をさせて、元の光を出さねばをくものかい』
 七人はアフンとして頭を掻いてゐる。そこへ走つて来たのは佐田彦、波留彦両人であつた。
佐田彦『杢助さまに申し上げます。今朝より言依別命様は御病気とおつしやつて、お引き籠りになつておいでなさいましたが、あまりお静かですから、ソツと障子を開けて中へ這入つて見れば、萩の机の上に斯様な書き置きがしてございました』
と手に渡す。杢助開いてこれを見れば、
この度青、赤、黄、白の四個の宝玉を始め三個の玉、三つ四つ併せて都合七個、言依別命都合あつて、ある地点に隠し置いたり。必ず必ず玉能姫、玉治別、黄竜姫その他この玉に関係者の与り知るところに非ず。しかしながら杢助は願ひのごとく総務の職を免じて、淡路の東助をもつて総務となす。言依別は何時聖地に帰るか、その時期は未定なり。必ず我が後を追ひ来たる勿れ
と書いてあつた。杢助は黙然として涙をハラハラと流し、千万無量の感に打たるるものの如くであつた。

物語27-2-6 1922/07 海洋万里寅 玉乱

玉照姫『汝高姫、四個の麻邇の玉の所在を尋ね、それを持ち帰りなば、初めて汝を教主に任じ、高山彦、黒姫を左守、右守の神に任ずべし。誠日の出神また玉依姫の身魂なれば、その玉の所在をつきとめ、我が前に奉れ』

物語29-3-11 1922/08 海洋万里辰 日出姫

女神『又後戻りを致さぬ様に気をつけて置く。就いては、汝これより常彦、春彦と共に此原野を東へ渉り、種々雑多の艱難を嘗め、アルの港より海岸線を舟にて北方に渡り、ゼムの港に立寄り、そこに上陸して、神業を修し、再び船に乗り、チンの港より再び上陸して、アマゾン河の口に出で、船にて河を遡り、鷹依姫、竜国別の一行に出会ひ、そこにて再び大修業をなし、言依別命、国依別命の命に従ひ、直様自転倒島に立帰り、沓島、冠島に隠されてある、青、赤、白、黄の麻邇の珠を取出し、錦の宮に納めて、生れ赤子の心となり、神業に参加せよ。少しにても慢神心あらば、最前の如く、鬼神現はれて、汝が身魂に戒めを致すぞよ。ゆめゆめ疑ふ勿れ。余れこそは言依別命を守護致す、日の出姫神であるぞよ。今日迄其方日の出神の生宮と申して居たが、其実は金毛九尾白面の悪狐の霊、汝の体内に憑りて、三五の神の経綸を妨害致さむと、汝の肉体を使用してゐたのであるぞや』

物語29-3-14 1922/08 海洋万里辰 カーリン丸

高姫『コレコレ、一寸御覧なさい、常彦、不思議な魚が居ります。これが噂に聞いた、玉の湖の錦魚といふのでせう。一名金魚とか云ふさうですが、本当に綺麗なものぢや御座いませぬか』
常彦『成程、天火水地結と青赤紫白黄、順序能く縦筋がはいつて居りますな。之が所謂縦魚で御座いませう。あゝ此処にも横に又同じ如うな五色の斑の附いた魚が泳いでゐます。どちらが雄で、どちらが雌でせうかなア』

物語32-2-10 1922/08 海洋万里未 暗黒殿

高子『オホヽヽヽ、玉が見たければ、自転倒島の附近の小島を捜しなさい。さうして麻邇の宝は雄島雌島にかくしてあるぞえ。早く鷹依姫に廻り会ふて、麻邇の宝珠の御用を天晴れ勤め上げ、スツパリ改心致して、玉照彦、玉照姫様に心の底から御仕へ致し、我情我慢を出さぬ様にしなさいよ』
『おいて下さい、お前さま等に意見を受けずとも、チヤンと此高姫が胸にあるのだ。雄島雌島に隠してあるなんぞと、そんな馬鹿を云ふものでない。何奴も此奴も云ひ合はした様に、麻邇の宝珠は、雄島雌島に隠してあると異口同音に言ひくさる。そんな古い文句はモウ聞きあいた。サア約束通り、玉がなければ許してやるから、鷹依姫に面会さしたがよからうぞ。それをゴテゴテ言ふならば、此高姫も千騎一騎の活動だ』

物語33-3-17 1922/09 海洋万里申 感謝の涙

 秋山彦は神文を押し戴き、静かに開いて、四人の前に読み上げた。
 その神文、
『このたび、国治立命、国武彦命と身を下し玉ひ、また豊国姫命は国大立命となり、再び変じて神素盞嗚尊となり、国武彦命は聖地四尾山に隠れ、素盞嗚尊はウブスナ山の斎苑の館に隠れて、神政成就の錦の機を織りなす神界の大準備に着手すべき身魂の因縁である。それについて、稚姫君命の御霊の裔なる初稚姫は、金剛不壊の如意宝珠を永遠に守護し、国直姫命の御霊の裔なる玉能姫は紫の玉の守護にあたり、言依別命は黄金の玉を永遠に守護し、梅子姫命は紫色の麻邇の宝珠の御用に仕へ、高姫は青色の麻邇の宝玉、黒姫は赤色の麻邇の宝玉、鷹依姫は白色の麻邇の宝玉、竜国別は黄色の麻邇の宝玉を守護すべき身魂の因縁なれば、これより四人は麻邇の宝珠を取り出し、綾の聖地に向かふべし。控への身魂は何程にてもありとはいへども、なるべくは因縁の身魂にこの御用を命じたく、万劫末代の神業なれば、高姫以下の改心の遅れたるため、神業の遅滞せし罪を言依別命に負はせて、高姫以下に万劫末代の麻邇の神業を命ずるものなり。……神素盞嗚尊』
と記してあつた。四人は感謝の涙にむせびながら、直ちに手を拍ち、神殿に感謝の祝詞を奏上した。秋山彦は黄金の鍵を持ち出でて、高姫に渡し、
秋山彦『いざ四人の方々、わが館の裏門よりひそかに由良の港に出で、沓島に渡り、麻邇宝珠の四個の玉を、各自命ぜられたるごとく取り出し、ひそかに聖地へ帰り、尊き神業に参加されたし。このこと、聖地その他の神司、信徒の耳に入らば、かへつて四人の神徳信用に関係すること大なれば、一切秘密を守り、大神の御意志を奉戴し、今までの罪を贖ひ、天晴れ麻邇宝珠の神司として、聖地にあつて奉仕されむことを希望いたします。サア早く早く……』
と急き立てられ、四人は喜び勇んで、裏口より秘かに脱け出で沓島にむかつて進み行く。
 このこと玉治別をはじめ、加米彦、テー、カー、常彦、その他の神司、聖地の紫姫、黄竜姫、蜈蚣姫、友彦、テールス姫その他の神司も信徒も永遠に知る者がなかつたのである。
 高姫外三人は素盞嗚尊の仁慈無限のお計らひにて、罪穢れを許され、身魂相応因縁の御用を完全に奉仕させられたのである。

物語33-3-18 1922/09 海洋万里申 神風清

 明くれば九月八日、高姫、鷹依姫、黒姫、竜国別の四人は嬉々として、麻邇の宝珠を捧じ、錦の宮の八尋殿指して帰り来たり、ただちに神殿の前に進み、各玉を捧持して、無言のまま控へてゐる。紫姫はこの体を見て、ただちに三柱の大神司に奉告した。
 ここに玉照彦、玉照姫、英子姫、紫姫は礼装をととのへ、四人の前に無言のまま現はれ、玉照彦は高姫の手より青色の麻邇の宝珠を受け取り、玉照姫は黒姫の手より赤色の宝珠を受け取り、英子姫は鷹依姫の手より白色の宝珠を受け取り、紫姫は竜国別の手より黄色の麻邇の宝珠を受け取り、頭上高く捧げながら悠々として錦の宮の神前に進み、案上に恭しく安置され、再び八尋殿に下り来たり、高姫外三人の手を取り、殿内に導き感謝祈願の祝詞を共に奏上し、八人相伴ひて、教主殿の奥の間さして進み入り、たがひに歓をつくして、無事の帰国とその成功を祝し玉ふたのである。
英子姫『皆様、ずいぶん御苦労でございましたなア。神界の御経綸は到底、人間どもの量り知るところでございませぬ。ただ何事も神様の御命令に従ふより外に途はございませぬ』
高姫『ハイ、有難うございます。私もあまり神様のお道を大事に思ふあまり、言依別命様の行り方を見て、大神様の御経綸を妨害し、再び天の岩戸をとざす悪魔の所為と思ひつめ、いろいろ雑多と誤解をいたし妨害のみいたして参りました。今日となつて顧みれば実に恥づかしうございます。私の改心が遅れたばかりで、皆様にいろいろの御苦労をかけ騒がしました。言依別の教主様も、私のために大変な御艱難を遊ばし、実に申し訳がございませぬ。大化者だとか、体主霊従の身魂だとか、世界悪の映像だとか、いろいろ雑多と言ひふらし、邪魔ばかり致してきましたが、顧みれば私こそ悪神の虜となり、知らず識らずに体主霊従の行ひをなし世界悪の根本を敢てしながら、人の事ばかり喧しく申し上げてきました。私の迂愚迂濶、今さら弁解の辞もございませぬ。大化者といふことは、決して悪い意味ではございませなんだ。あまり人物が大き過ぎて、吾々の身魂では測量することができなかつたために、訳の分からぬ教主だと思ひ、大化者だといつて罵つたのでございました。仁慈の深き、たうてい吾々凡夫の知るところではないことを、深く深く身に沁み渡つて感じましてございます。なにほどあせつても、身魂の因縁だけの事より出来るものではございませぬ。どうぞ今までの不都合をお許し下さいまして、身魂相応の御用を仰せつけ下さいますれば、有難う存じます』
英子姫『そのお言葉を聞いて、妾も安心いたしました。玉照彦様、玉照姫様、さぞお喜びでございませう。第一、国治立大神様の御化身国武彦命様、神素盞嗚大神様は貴女の御改心をお聞き遊ばして、さぞ御満足に思召すでございませう。あなたの御改心ができて、身魂の御因縁が御了解になれば、三五教は上下一致して御神業に参加し、五六七神政の基礎が確実に築き上げられることと喜びに堪へませぬ』
高姫『ハイ、何から何まで、ご注意下さいまして有難う存じます』
黒姫『私はもはや何にも申し上げることはございませぬ。ただ感謝より外に道はございませぬ。どうぞ万事よろしく、今後とても不都合なきやう、ご注意を願ひます』
鷹依姫『私も高姫様に聖地を追ひ出され、いろいろと艱難苦労をいたしまして、一時は高姫様をお恨み申したことさへございましたが、今となつて考へてみますれば、何事もみな神様のお仕組で、曇つた魂を研いて、神界の御用に立ててやらうとのお取りなしであつたことを、今さらのごとく感じました。実に申し上げやうもなき有難き瑞の御霊の思召し、言依別命様のお心遣ひ、お礼は口では申し上げられませぬ』
と嬉し涙にかき暮れる。
竜国別『神恩の高き深き、感謝の外ございませぬ。どうぞ万事不束な者、よろしくお願ひいたします』
 玉照彦、玉照姫は四人に向かひ鎮魂を施し、悠々として、わが居間に帰り玉ふた。
 高姫は初めて今までの我を払拭し、青色の麻邇の宝珠の玉に対する神業に参加することを決意し、金剛不壊の如意宝珠の御用の吾が身に添はざることを、深く悟ることを得たのである。
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 ここに金剛不壊の如意宝珠の御用を勤めたる初稚姫は、初めて錦の宮の八尋殿の教主となり、紫色の宝玉の御用に仕へたる玉能姫は生田の森の神館において、若彦(後に国玉別と名を賜ふ)と夫婦相並びて、生田の森の神館に仕ふることとなつた。
 また黄金の玉の神業に奉仕したる言依別命は、少名彦名神の神霊と共に斎苑の館を立ち出で、アーメニヤに渡り、エルサレムに現はれ、立派なる宮殿を造り、黄金の玉の威徳と琉の玉の威徳とをもつて、普く神人を教化したまふこととなつた。
 また梅子姫は父大神のまします斎苑の館に帰り、紫の麻邇の玉の威徳によつて、フサの国の斎苑館に仕へて神業に参加し、高姫は八尋殿に大神司をはじめ紫姫の部下となつて神妙に奉仕し、黒姫、鷹依姫、竜国別もそれぞれの身魂だけの神務に奉仕し、神政成就の基礎的活動を励むこととなつたのである。
 これらの神々の舎身的活動の結果、いよいよ四尾山麓に時節到来して、国常立尊と現はれ、現幽神三界の修理固成を開始し玉ふことを得るに至つたのである。これが即ち大本の教を、国祖国常立尊が変性男子の身魂、出口教祖に帰神し玉ひて、神宮本宮の坪の内より現はれ玉ふた原因である。
 また、言依別命の舎身的活動によつて、黄金の玉の威霊より変性女子の身魂、高熊山の霊山を基点として現はれ、大本の教を輔助しかつ開くこととなつたのである。あ丶惟神霊幸倍坐世。

物語60-1-1 1923/04 真善愛美亥 清浄車

チルテル『酒のイヅミのアヅモス山の   ヨーイセソーラセ
パインや樟の繁茂せる     梢に鷹が巣をつくる
鳥の司の禿鷲さまが      千羽万羽と子を生んで
スマの中空に舞ひ遊ぶ     ヨーイセソーラセー
みみづく梟や山鳩が      またも梢に巣をくんで
バーチルさまの万歳を     祝ふも目出たき夏の空
ヨーイセソーラセ       千歳の鶴は舞ひ遊び
八千代の亀は舞ひ遊ぶ     前代未聞の盛典に
敵と味方の隔てなく      天火水地も結び合ひ
世界を一つに相丸め      三五教やバラモンの
神の恵みを慎みて       老と若きの隔てなく
仰ぎ敬ふ今日の空

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