出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語NM-99-51924/12入蒙記 蒙古の夢王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
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本文    文字数=2403

蒙古の夢

 その昔  忽必烈なる
 蒙古の英雄  数千隻の戦艦と
 十万の精兵を以て  我辺境を脅かし
 その勢ひ当る可らず  神州の上下
 一時に震撼し  畏くも亀山上皇の
 宸襟を悩ませ奉る  時の執権北条時宗の勇
 力戦苦闘すれ共  目に余る大軍
 容易に退陣の気配無し  日本全国の神明
 膺懲の神軍を起して  敵を西海の波に没せしむ
 アヽ日本の稜威  神明の威力
 遂に大国難を排除し玉ふ  アヽありがたきかな
 皇天皇土の守護  敵軍の無事
 帰還せしもの  僅に三人と伝ふ

   ○

 蒙古十万の精兵  大敗して僅に三人を余したるはこれ
 日本武人の勇にはあらで  畏くも亀山上皇の
 岩清水八幡宮へ  御祈願の結果
 伊勢の神風の佑助なりと云ふ  吁いづこに日本武人の力あるか
 この大国辱大国難  何れも主上と神明の力のみ
 日本男子としての武勇にあらず  吾等の祖先は
 この一大侮辱を受けて  我国民の卑怯さを
 遺憾なく発揮せり  後世の子孫たるもの
 豈この侮辱に対して  会稽の恥を
 雪がざるべけむや  

   ○

 日本男子の気骨を示し  神国臣民の
 勇侠心を発揮し  歴史の汚点を
 払拭せざるべからず  吾少年の頃より
 この蒙古襲来に対して  雪辱の挙に
 出でむと計るや  実に年久し
 アヽ日本男子の本領に対して  

   ○

 徒手空拳  吾は三人の同志と共に
 回天の鴻図を抱いて  我国威を顕彰し
 神州男子の精神を  中外に暉さむがため
 万里遠征の途に上りぬ  漠々たる内外蒙古の大原野
 三軍を叱咤して  東亜存栄のために
 雄図に就き  一時は
 敵軍のために  空しく帰国の止むなきに至りぬ
 アヽ去れど去れど  吾は再び
 アヽ惟神霊幸倍坐世  

(大正一三・一二・一〇号「神の国」誌)



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