出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語73-2-191933/10天祥地瑞子 高日の宮王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
高照山
あらすじ
 太元顕津男の神は高照山の高日の宮に到着した。大御母の神、眼知男の神、明晴男の神、近見男の神、如衣比女の神が歌を交わす。
 太元顕津男の神と如衣比女の神は、大御母の神のとりもちによって、結婚して、80年の間高日の宮に留まった。
名称
明晴男の神 大御母の神 太元顕津男の神 近見男の神 眼知男の神 如衣比女の神
主の神 月の神
高照山 高日の宮 八尋殿
 
本文    文字数=5014

第一九章 高日の宮〔一八五〇〕

 太元顕津男の神は、大御母の神、眼知男の神の先頭にて万神に送られながら、高照山の山麓高日の宮の清所につき給へば、常磐木の松は昼もほの暗きまで繁り栄え、庭の面は白砂を敷きまはされ、木蔭の庭の上には七色の草花爛漫として咲き乱れ、その荘厳さ麗しさ譬ふるに物なかりける。
 ここに明晴男の神、近見男の神達は、白き薄衣を纒ひながらうやうやしく出で迎へ、先づ大御母の神の乗らせる駒の轡をとらせ給ひて、

『大御母の神の神言の計らひに
  四方の雲霧明け晴れの神

 曇りたる世も今日よりは明晴の
  神の心は楽しかりける』

 大御母の神は馬上より降らむとして、

『主の神の貴の恵にひたされて
  太元顕津男の神を迎へし

 今日よりは高照山の雲霧も
  くまなく晴れむたのもしの世や』

と謡はせつつひらりと駒を降り、顕津男の神の乗らせる駒の轡をとりながら、

『はるばると来ませる神よ此処はしも
  わが住家ぞや早や降りませ

 顕津男の神のこの地にます上は
  これの神国は安く栄えむ』

 顕津男の神は馬上より、大御母の神に御歌にて答へ謡ひ給ふ。

『いく山脈越えてわれをば迎へましし
  岐美の真心かたじけなみおもふ

 岐美が住むうづの清所に導かれ
  嬉しさあまりて言の葉もなし』

 如衣比女の神は馬上を降らむとして謡ひ給ふ。

『山清く水また清く吹く風も
  涼しき清所に甦るかな

 背の岐美の御供仕へてわれは今
  貴の清所に甦りつつ

 大御母神の御言の計らひに
  われあこがれの岐美に逢ひぬる』

 眼知男の神は喜びにたへず、御手を上下左右に振りながら踊り狂ひつつ謡ひ給ふ。

『年といふ年はあれども月といふ
 月はあれども良き日てふ
 八十日びあれど今日の日は
 如何なる神の御恵か
 太元神の現れまして
 われ等に百の福音を
 教へ導き給ひつつ
 これの神国も平らかに
 いと安らかに永久に
 建てさせ給ふぞ尊けれ
 われは神力無き神の
 如何に心をあせれども
 みたまの曇り深くして
 世を照すべき術もなし
 目の神と人はいへどもこの眼
 足下さへも見えわかぬ
 半日先の事さへも
 明らめかぬる魂の
 深きくもりを如何にせむ
 今日より総てを新しく
 眼ひらきて大道に
 仕へまつらむ目の神の
 みたまをあはれみ給へかし
 今日の良き日の佳き辰は
 天地の神の御計らひ
 いよいよ高照山の尾の
 雲霧はれて日月の
 光を近く仰ぐべし
 ああ惟神々々
 恩頼ぞかしこけれ』

 顕津男の神は出迎への諸神に導かれ八尋殿の奥深く入り給ふ。顕津男の神は八尋殿の荘厳さを見て謡ひ給ふ。

『うるはしき広き御殿に導かれ
  わが胸とみに明けはなれけり

 今しばしこれの御殿にとどまりて
  国ひらかばや力の限りを』

 大御母の神はこの御歌を聞きて謡ひ給ふ。

『顕津男の神よつぶさに聞し召せ
  これの清所は岐美のみあらか

 主の神の貴のよさしに汝がために
  われは御殿を造りて待てるも

 この宮は瑞の御霊の月の神
  永久にまつれる清所なるぞや

 月神の御霊と生れし岐美なれば
  安くましませ心おきなく

 汝こそは如衣の比女とみあひまして
  国造りませ〓怜に委曲に』

顕津男の神『百神に神生みの業とざされて
  国造りせむと此処に来にけり

 今日よりは誰憚らず如衣比女と
  力をあはせて神業に仕へむ』

 如衣比女の神は末座に端坐しながら莞爾として謡ひ給ふ。

『幾年を岐美待ちわびし甲斐ありて
  楽しき今日となりにけらしな

 今日よりはわが魂を立て直し
  謹み畏み神業に仕へむ』

 ここに比古比女の二柱神は大御母の神のとりもちによりて、高日の八尋殿に目出度婚ぎの式をとり行ひ給ひ、八十年の間これの宮居に鎮まり給ひぬ。

(昭和八・一〇・一三 旧八・二四 於水明閣 林弥生謹録)



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