出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語73-2-161933/10天祥地瑞子 八洲の河王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
天の八洲河
あらすじ
 太元顕津男の神は栄城山を下り、大御母の神ほかの諸神に送られて、神生み国生みの旅に出た。
 顕津男の神が東北の国原を指して夜を日に次いで進むと、高照山が見える天の八洲河まで来ていた。顕津男の神は、麒麟と共に八洲河に入り、白銀のように輝く水瀬の中に立って歌を詠んだ。
 大御母の神はその山が霊山であると示し、神々の先導をして、河を渡り、先に立って山を登った。
名称
大御母の神 太元顕津男の神
麒麟 月の大神 鳳凰
天の八洲河 宇宙 栄城山 紫微天界 天界
 
本文    文字数=5478

第一六章 八洲の河〔一八四七〕

 茲に月の大神の神霊瑞の御霊太元顕津男の神、栄城山を下り、大御母の神その他の諸神に送られて、神生み国生みの旅に就かせ給ふ。数百頭の麒麟は神々を背に負ひながら、カコクケキの言霊清しく鳴り鳴り出でつつ諸神を送り、鳳凰の群は各々諸神を翼に乗せ、タトツテチの言霊を鳴り出でながら、東北の国原を指して夜を日に次いで進ませ給ふ。行き行けば前途に巍峨として高く聳ゆる秀嶺あり。顕津男の神は高く御手を差翳し秀嶺を望み給ふに、山頂より紫の雲気立昇り目もまばゆきばかりなり。
 茲に顕津男の神は広く長く横はれる天の八洲河に麒麟諸共に立ち入り給ひ、白銀の如く輝く水瀬の中に立ちて御歌詠ませ給ふ。

『見渡せば紫の雲立ち昇る
  遥の高根の荘厳なるかな』

 大御母の神は直に謡ひ給はく、

『見はるかす春の高根は天界に
  その名も著き高照の山

 高照の山は遥けく見ゆれども
  吾には近き住所なりけり』

と謡ひ給ひて、永久に住み給ふ御舎の霊山なることを示し給へば、顕津男の神は威儀を正し双の手を拍ち合せ、タカの言霊を鳴り出で礼拝稍久しうなし給ふ。
 顕津男の神は足下を流るる清泉を賞め讃へながら、

『いすくはしこれの流は主の神の
  天津真言のみたまなるらむ

 霧雲の雨とかはりて足引の
  山にくだちし恵の露かも

 この水は瑞の御霊のかげ写し
  神代を照す真寸鏡かも

 山川は清くさやけし我は今
  八洲の河原に水鏡見つ

 この水の滞りなく流るごと
  わが経綸を進ませ給へ

 夕されば月の流るる八洲河の
  清瀬に立ちてもの思ふかな

 八柱の宿に残りし比女神に
  この水鏡見せたくぞ思ふ

 滞みなく千代に流るる八洲河の
  清きは瑞の御霊なるらむ

 母神の我に賜ひし珍の獣
  逆さに写るこの水鏡よ

 真清水の鏡に写し眺むれば
  我も逆さに写りてあるも

 百神の我宣る道を逆しまに
  見るも宜なり瑞の御霊よ

 八洲河の堤に生ふる常磐木は
  我神業を明して立てるか

 常磐木の松にかかれる天津日の
  影清しもよ御空晴れつつ

 照渡る天津日懸る常磐木の
  松のこずゑに露光るなり

 鳳凰は翼を揃へ世を謳ひ
  麒麟は足を揃へて言祝ぐ

 大御母神の恵みに我は今
  八洲の河原の清瀬を渡る

 主の神の恵の露に生ひ立ちし
  麒麟に跨り国生みなさばや

 神を生み国魂を生む神業を
  助くる麒麟はわが宝なり』

 かく謡ひながら大御母の神の御後に従ひて八洲の河原の東の岸に安々着き給へば、諸神もわれ遅れじと一斉に岸に上らせ給ひ、
 「ウーアー、ウーア」の厳の言霊宣り上げ給ふ。故天界の諸山諸川を初めとし、森羅万象悉く震動して言霊歌を謡ひ踊り狂ひ舞ふ。
 大御母の神は麒上高く御声爽かに謡ひ給ふ。

『久方の天の八洲河安々と
 渡らふ岐美の雄々しき姿よ
 そもこの河を永久に
 流るる清水真清水は
 千早振る遠き宇宙の初めより
 紫微天界の司の河と
 称へ奉られ永久に
 恵の露を流しつつ
 世の雲霧を払ふべき
 百の罪咎洗ふべき
 そもこれの真清水は
 瑞の御霊に主の神の
 与へ給ひし生命の水よ
 汝太元顕津男の神
 この真清水を心とし
 清き流れを教とし
 四方の神々遺ちもなく
 もれなく救へ惟神
 厳の言霊宣り上げて
 主の神初め諸々の
 神の御前に宣り奉る
 天津日は照る照る月は冴ゆ
 天に昇りて雲となり
 雨とかはりて地にくだち
 高山短山霑ほして
 百谷千谷の細流を
 一つに集めし神の河
 流るる水は瑞御霊
 四方の神々うるほして
 永久の生命を与へます
 生命の清水真清水よ
 この天界に八洲河の
 流れあらずば如何にせむ
 浜の真砂の数なせる
 星の神霊は輝きて
 天に花咲き地の上は
 白梅匂ひ迦陵頻伽
 清しく歌ひ鳳凰は
 翼拡げて舞ひ遊び
 麒麟は数多の神々を
 背負ひ奉りて八洲の河
 雄々しく清く渡らしぬ
 いざこれよりは高照山の
 尾の上にかけ登り
 貴の宮居を見立て奉り
 主の大神の経綸に
 仕へ奉らむ惟神
 急がせ給へ百神よ』

と謡ひ終り、真先に立ちて麒麟の足許チヨクチヨクと御山を指して急ぎ給ふ。

(昭和八・一〇・一二 旧八・二三 於水明閣 森良仁謹録)



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