出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語73-1-71933/10天祥地瑞子 太祓王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
紫微宮
あらすじ
 天之高火男の神、天之高地火の神の二神は、紫微圏界の霊的国土の経営のため、まづ味鋤の神を紫天界に遣わした。紫天界は紫微宮界の中央に位置し、至厳、至美、至粋、至純の透明国である。紫天界を形成した後、蒼天界、紅天界、白天界、黄天界を次々にかたちづくられた。
 紫天界の修理固成の大略。
 天之道立の神は、ウの言霊の御稜威によって神力を発揮し、日照男の神、夜守の神、玉守の神、戸隠の神の四柱に、昼と夜とを分ち、守らせた。紫微圏界では、夜半でも我々の地球の真昼よりも明るく、唯意志想念の上で夜が来たのを感ずる程度のものである。朝は朝の想念起り、昼は昼、夕は夕の想念を感じる程度である。
 天之道立の神は諸神を従えて、紫微圏界に於ける数千億万里の霊界を急速に駆け巡り、神業に活躍した。
 至美、至明、至尊、至厳の霊国も、燃える火の焔の末より出る黒煙のように、鈍濁の気が凝り固まって、次第に美醜善悪の区別を生た。最初の神の意志のように永久に至善、至美、至尊、至厳であることがかなわないことになったのも、霊的自然の結果である。造化の神をもってしても、この醜悪を絶滅する余地はない。つまり、宇宙一切のものには霊的にも、体的にも表裏があり、善悪美醜が混じ交わって、その結果確乎不動の霊物は創造されるものである。
 このように、紫天界の隅々に妖邪の気が発生し、紫天界では擾乱状態の萌芽が見られた。そこで、天之道立の神は、これを深く憂慮され、朝夕天極紫微宮に詣でて、天の数歌を奏上し、かつ三十一文字をもつて、妖邪の気を剿減しようとした。
 紫微圏界は最奥天界で、住んでいる神々は総て裸体であるが、天之道立の神は黄金の肌麗しく、裸体で神前に神嘉言を奏上される。神が太祝詞を宣ると、紫微宮の紫金の扉はキーキー、ギーギーと御音清しく左右にあけ放たれ、キの言霊が鳴り出でて、次にギの言霊が鳴り出でた。それによって、四方の曲津を斬り払ひ、清め澄まし、天清く、神清く、道亦清く、百神の濁った心は清まり、紫微天界では次第次第に妖邪の気が消え失せた。しかし、一日でも大前に神嘉言を怠る時は、再び妖邪の気が湧き出でて、世を曇らせ、諸神は荒び乱れることになる。これが太祓いの道である。
名称
味鋤の神 天之高火男の神 天之道立の神 玉守の神 天之高地火の神 戸隠の神 日照男の神 夜守の神
天津日鉾の神 天之峯火夫の神 宇迦須美の神 キの言霊 ギの言霊 主の大神
天の数歌 妖邪の気 太祓 神嘉言 黄天界 紅天界 最奥天界 蒼天界 紫天界 紫微宮界 紫微圏界 第一天界 地球 天極紫微宮 白天界 三十一文字 霊国 霊的国土 霊的自然 霊的天界
 
本文    文字数=6376

第七章 太祓〔一八三八〕

 天之高火男の神、天之高地火の神の二神は、紫微圏界の国土を経営せむとして、(国土と雖も霊的国土にして、現在の地球の如きものに非ずと知るべし。以下総てこれに準ず)先づ味鋤の神をして紫天界に遣はし給ひぬ。紫天界は紫微宮界の中央に位し、至厳、至美、至粋、至純の透明国なり。先づ紫天界成り終へて、次に蒼天界形成され、次に紅天界、次に白天界、次に黄天界、次々にかたちづくられたり。本章においては先づ、紫微圏界におけるその第一位たる紫天界の修理固成につきその大略を説き明すなり。
 ウの言霊の御稜威によりて天之道立の神は、その神力を発揮し給ひ、日照男の神、夜守の神、玉守の神、戸隠の神の四柱をして昼と夜とを分ち守らせ給ひぬ。玉守の神は朝を守り、日照男の神は日中を守り、戸隠の神は夕を守り、夜守の神は夜を守り給ひて、天界の経綸を行ひ給ふ。しかしながら紫微圏界にては、夜半と雖も我が地球の真昼よりも明るく、ただ意志想念の上において夜の至るを感ずる程度のものなり。朝は朝の想念起り、昼は昼、夕は夕の意志想念に感ずる程度なり。我が地球の如く明暗さだかならざるも、霊的天界なるが故なり。
 天之道立の神は諸神を従へて、紫微圏界における数千億万里の霊界を非常の速力をもつて経繞り、神業に活躍し給へり。至美、至明、至尊、至厳の霊国も、燃ゆる火の焔の末より出づる黒煙の如く、鈍濁の気凝り固まりて、美醜善悪の次第に区別を生じ、最初の神の意志の如く永久に至善、至美、至尊、至厳なる事、全体において能はざるに至れるも、霊的自然の結果にして、如何に造化の神徳と雖も、この醜悪を絶滅する余地なかりしなり。
 総て宇宙一切のものには霊的にも、体的にも表裏あり、善悪美醜混じ交はりて、しかして後に確乎不動の霊物は創造さるるものなり。神は至善至美至愛にましませども、年処を経るに従つて醜悪分子の湧出するは、恰も清水の長く一所に留まれば、次第に混濁して腐敗し、昆虫を発生するが如し。
 天之道立の神は、主の神の至善、至美、至愛の霊性を摂受し給ひて、紫天界を円満清朗にかつ幸福に諸神を安住せしめむと、昼夜守りの四神をして神事を取り行ひ給へど、惟神自然の真理は如何ともするに由なく、さしもの紫天界にも、彼方、此方の隅々に妖邪の気発生し、やうやく紫天界は擾乱の国土と化せむとせり。茲に天之道立の神は、この形勢を深く憂慮し給ひて、天極紫微宮に朝夕を詣で、天の数歌を奏上し、かつ三十一文字をもつて、妖邪の気を剿滅せむと図り給ふぞ畏けれ。
 天之道立の神は黄金の肌麗しく、裸体にて神前に神嘉言を奏上し給ふ。(紫微圏界は最奥天界にして、此所に住する神々は総て裸体にましませり。しかりと雖も身心共に清浄無垢にましませば、現在地球人の如く醜態を感ずることなく、裸体そのものが、却つて美しく、かつ荘厳に輝き給ふなり。よつて最奥天界、第一天界の神人はいづれも裸体に在す事は、今日迄の霊界物語において説明したる如し)
『掛巻も綾に畏きむらむらさきの、極微点輝き、美しき宮居にます主の大神の大御前に斎司、天之道立の神、謹み敬ひ畏み畏み願ぎまつる。抑この紫微圏界は、主の大神とます天之峯火夫の神、宇迦須美の神、天津日鉾の神三柱の広き深き雄々しき御稜威により、一二三の力もて〓怜に委曲に造り固め給ひけるを、日を重ね、月を閲し、年を経るままに御世はややややに濁り曇らひ、いとも美しく、厳かなるべき紫天界の至るところに心汚き神々の現れ来りて、主の大神の大御心に背きまつり、神国を乱しまつる事のいとも畏く、いみじくあれば、夜の守り、日の守りと四柱の神を四方にくまりて教へ諭し守りまつれど、あまりに広き国にしあれば、如何で全きを望み得む。さはあれ吾等は神の大宮に仕へまつる身にしあれば、天津誠の大道を〓怜に委曲に説き明し、もろもろの荒ぶる神達を言向け合はし、大御神の御稜威をかかぶりて紫天界は神の造らしし昔にかへり、曇りなく濁りなく、曲の気だに止めじと、祈る誠を聞し召し、吾に力を与へ給へ。惟神神の大前に一二三四五六七八九十百千万布留辺由良、布留辺由良由良と幣打ち振り、比礼打ち靡け、大御神楽を奏でつつ、左手に御鈴を打ちふり、右手に幣ふりかざし、七十五声の言霊を〓怜に委曲に宣りまつる。この有様を平けく安らけく聞し召し相諾ひ給へと、畏み畏みも願ぎまつる』
 かく太祝詞を宣り給へば、紫微宮の紫金の扉はキーキー、ギーギーと御音清しく左右にあけ放たれ、茲にキの言霊は鳴り出で、次にギの言霊鳴り出でましぬ。これより四方の曲津を斬り払ひ、清め澄まし、天清く、神清く、道また清く、百神の濁れる心は清まりて紫微天界は次第々々に妖邪の気消え失せにける。さりなががら大前に神嘉言一日だも怠る時は再び妖邪の気湧き出でて世を曇らせ、諸神は荒び乱るるに至るこそ是非なけれ。
 茲に天之道立の神は、朝夕のわかちなく、神を祭り、言霊を宣り、妖邪の気を払はむとして払ひ、言葉の功のいやちこなることを悟り、初めて太祓ひの道を開き給ひしこそ畏けれ。再拝。

(昭和八・一〇・九 旧八・二〇 於天恩郷高天閣 加藤明子・森良仁謹録)



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