出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語73-1-121933/10天祥地瑞子 水火の活動王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
紫天界
あらすじ
 スの言霊は大宇宙間に火と水との物質を生んだ。火の性質は横に流れ、水の性質は縦に流れるものだ。火は水の力によりて縦にのぼり、水は火の横の力によりて横に流れる。火も水なければ燃えることができず、水も火の力がなければ流動することはできず、ついにこり固まりて氷柱となる。
 太元顕津男の神は高地秀の峰にのぼり、言霊で大太陰を生んだ。天之道立の神は大太陽を機関として、凡百の経綸を行った。
 太元顕津男の神は至仁至愛の神と現じ、瑞の御霊の神霊を世に降されるべく、肉の宮に降りて神代における活動そのままに、迫害と嘲笑との中に終始一貫、尽されている。
 今日では、大太陽に鎮まる厳の御霊と、瑞の御霊が接合して、伊都能売神となって地球の真秀良場に現われている。
「火の系統ばかり処を得顔なる 世は曇るより外に道なし。猛烈なる力をもちて万有を 焼尽するは火の行為なり。火の力のみ活動ける世の中は 乱れ曇りて治まることなし。」
名称
天之道立の神 太元顕津男の神
厳の御霊 伊都能売神 至仁至愛の神
天の御柱 厳の生言霊 宇宙天界 火水 七十五声 紫微天界 ス声 スの言霊 高地秀の峰 大宇宙 大太陰 大太陽 地球 フの霊 物質 真秀良場 霊魂物質
 
本文    文字数=6117

第一二章 水火の活動〔一八四三〕

 大宇宙間に鳴り鳴りて、鳴り止まず、鳴りあまれる厳の生言霊ス声によりて、七十五声の神現れ給ひしことは、既に前述の如し。
 スの言霊は鳴り鳴りて、遂に大宇宙間に火と水との物質を生み給ふ。抑々一切の霊魂物質は何れもスの言霊の生むところなり。しかして火の性質は横に流れ、水の性質は縦に流るるものなり。故に火は水の力によりて縦にのぼり、また水は火の横の力によりて横に流る。昔の言霊学者は火は縦にして、水は横なりと言へれども、その根元に至りてはしからず、火も水なければ燃ゆる能はず光る能はず、水もまた火の力添はざれば流動する能はず、遂に凝り固まりて氷柱となるものなり。冬の日の氷は火の気の去りし水の本質なり、この理によりて水は縦に活用をなし、火は横に動くものなる事を知るべし。
 天界における光彩炎熱も内包せる水気の力なり。紫微天界には大太陽現れ給ひて左旋運動を起し、東より西にコースを取るのみにして、西より東に廻る太陰なし。炎熱猛烈にして神人を絶対的に安住せしむる機関とはならざりしかば、茲に太元顕津男の神は高地秀の峯にのぼらせ給ひ、幾多の年月の間、生言霊を奏上し給へば、大神の言霊宇宙に凝りて茲に大太陰は顕現されたるなり。しかして大太陰は水気多く火の力をもつて輝き給へば、右旋運動を起して西より東にコースをとり、天界の神人を守らせ給ふ。天之道立の神は大太陽を機関として、凡百の経綸を行ひ給ひ、太元顕津男の神は大太陰を機関として宇宙天界を守らせ給へば、茲に天界はいよいよ火水の調節なりて以前に勝る万有の栄を見るに至れり。
 太元顕津男の神は大太陰界に鎮まり給ひて至仁至愛の神と現じ給ひ、数百億年の末の世までも永久に鎮まり給ふぞ畏けれ。至仁至愛の大神は数百億年を経て今日に至るも、若返り若返りつつ今に宇宙一切の天地を守らせ給ひ、今や地上の覆滅せむとするに際し、瑞の御霊の神霊を世に降して更生の神業をよさし給ふべく、肉の宮居に降りて神代における御活動そのままに、迫害と嘲笑との中に終始一貫尽し給ふこそ畏けれ。
 大太陽に鎮まり給ふ大神を厳の御霊と称へ奉り、大太陰界に鎮まりて宇宙の守護に任じ給ふ神霊を瑞の御霊と称へ奉る。厳の御霊、瑞の御霊二神の接合して至仁至愛神政を樹立し給ふ神の御名を伊都能売神と申す。即ち伊都は厳にして火なり、能売は水力、水の力なり、水はまた瑞の活用を起して茲に瑞の御霊となり給ふ。紫微天界の開闢より数億万年の今日に至りていよいよ伊都能売神と顕現し、大宇宙の中心たる現代の地球(仮に地球といふ)の真秀良場に現れ、現身をもちて、宇宙更生の神業に尽し給ふ世とはなれり。

 厳御霊瑞の御霊の接合を
  伊都能売御霊と称へまつらふ

 厳の御霊太陽界に在しまして
  火の活動を行ひたまふ

 瑞の御霊太陰界にましまして
  水の活動を行はせたまふ

 いづいづし厳の御霊の活用に
  宇宙を包む火は光るなり

 みづみづし瑞の御霊は幸ひて
  宇宙に水の力を与ふ

 ここに説く太陽太陰両神は
  我が地より見る陰陽に非ず

 火は水の力に動き水は火の
  力によりて流動するなり

 何事も水のみにしては成らざらむ
  火の助けこそ水を生かすも

 火のみにていかで燃ゆべき光るべき
  水の力をかりて動くも

 火と水の言霊これを火水といひ
  また火水と言ふ宇宙の大道

 水と火の言霊合して水火となり
  宇宙万有の水火となるなり

 火と水は即ち火水なり水と火は
  即ち水火なり陰陽の活動

 水と火の活用によりてフの霊
  即ち力あらはるるなり

 雨も風も雪霜霰も水と火の
  交はる度合によりてなるなり

 大空に輝く日月星辰も
  雷電も水火の力よ

 火の系統ばかり処を得顔なる
  世は曇るより外に道なし

 猛烈なる力をもちて万有を
  焼尽するは火の行為なり

 火の力のみ活動ける世の中は
  乱れ曇りて治まることなし

 地の上の百の国々日に月に
  禍起るは火のみの世なり

 乱れ果てし世を正さむと瑞御霊
  厳の御霊と共に出でませり

 瑞御霊の力のみにて万有は
  如何で栄えむ火のあらざれば

 火と水を塩梅なして世に出づる
  伊都能売神の活動尊し

 伊都能売の神は地上に降りまし
  宇宙更生に着手したまへり

 厳御霊陽気を守り瑞御霊
  陰を守りて国は治まる

 瑞御霊至仁至愛の神と現れて
  天の御柱たつる神代なり

 伊都能売の神の功のなかりせば
  世の行先は亡び行くべし

 万有を育て助くる神業は
  瑞の御霊の力なりけり

 火と水の二つの神業ありてこそ
  天地活動次ぎ次ぎ起る

 われは今伊都能売の神の功もて
  曇れる神代を光さむと思ふ

(昭和八・一〇・一一 旧八・二二 於水明閣 加藤明子謹録)



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