出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
物語62-6-31 | 1923/05 | 山河草木丑 神閣 | 王仁三郎 | 参照文献検索 |
キーワード: 物語 |
詳細情報: 場面:
あらすじ 未入力 名称
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本文 文字数=6237
第三一章 神閣〔一六〇六〕
第五五二
一
常闇の夜の帳は降されて
初めて慕ふ月の影かな。
二
足引の五十路の山を二つ越えて
三つの神ます花園に進む。
三
一人行くも惜しくぞ思ふ花の山
ふりかへりつつ招く友垣。
四
暁を告ぐる御殿の太鼓の音に
長き眠りをさましつつゆく。
五
人は皆深き暗路を渡り川
清き流れに更生主一人立つ。
第五五三
一
傾きし月に心の澄みぬれば
仇に一夜も寝られざりけり。
二
紫の雲棚曳きて大空に
傾く月を慕ひ見るかな。
三
大空に慄ひて澄める月影は
地の凩を歎ち顔なる。
四
小夜更けて山川草木静かなり
ただ月のみぞ空に冴えぬる。
五
わくらはに心の月の澄みぬるは
悟りに入るの初めなりけり。
第五五四
一
玉の井の底に沈むも大空に
著けき月も同じ光ぞ。
二
白梅の花は匂ひていつしかに
疎みし人も尋ね来るかな。
三
神垣を後に見捨てて行く雁の
中にも残る一列ありけり。
四
白梅の匂ふも待たで行く雁の
心の空は淋しかるらむ。
五
神垣の春もあさ野の若草に
かくれて雉子鳴き渡るなり。
第五五五
一
円山の木々の梢の呼子鳥
誰を招くらむ声も静けく。
二
神園の梅手折らむと来て見れば
早くも散りて実は結びたり。
三
白梅の外にかぐはし友もなし
散りたる後の心淋しさ。
四
散るとてもまた来る春を松ケ枝に
緑の色のすがすがしくあれ。
五
凩の荒みし跡の円山に
照る月影はいとも長閑けし。
第五五六
一
三五の月は御空をただ一人
わがもの顔に澄み渡るなり。
二
久方の天津日影も月影も
元津御神の光なりけり。
三
時鳥五月の空に里なれて
夜の更くるまで啼き渡るかな。
四
金竜の池のみぎはもさみだれて
菖蒲の花の紫に咲く。
五
皇神の恵もわけて大八洲
松の木の間に迦陵頻伽鳴く。
第五五七
一
和田の原澄み渡りたる月影の
傾く見れば淋しかりけり。
二
金竜の池の氷の解けてより
水底深くうつる月影。
三
空高く立つ河霧の隙間より
漏れ来る月の光慕はし。
四
長き夜も明けて悔しく思ふかな
月の光のあせて見ゆれば。
五
神垣の空を包みし黒雲を
すかして照れる有明の月。
第五五八
一
月出でて松の緑は栄えけり
紅葉散り敷く凩の後に。
二
呉竹の筧の水におく露も
月の光をうけて輝ふ。
三
富士の根に積む白雪のいと清く
永久に消えざる心ともがな。
四
富士の雪の永久に消えざる心もて
清く御前に仕へまつらむ。
五
霜の褥月の枕を数重ね
神国のために道伝へ往く。
第五五九
一
山川に風のかけたる花の橋を
渡らむとすも今の世人は。
二
光無き谷の底にも岩躑躅
月の恵の露に匂へる。
三
世のために建てし宮居を醜司
真金の鉾を打ちふり砕きぬ。
四
世のために尽すと言ひし醜司の
醜の限りを尽したるかな。
五
ひたすらに世を安かれと祈るかな
朝な夕なに神の御前に。
第五六〇
一
神垣の松の心の誓ひにて
主が千歳を朝夕祈る。
二
千早振神代は知らず老松の
梢に澄める月はさやけし。
三
綿津海の真砂の数はかぞふとも
数へきれぬは神の御恵。
四
白梅の花も常磐の色添ひて
八重神垣に匂ひけるかな。
五
世の人の心の闇や晴れぬらむ
澄み渡りたる円山の月に。
第五六一
一
大空の月も澄みけり池水も
澄み渡りたる神垣の庭。
二
御禊する小雲の川の小波の
日数重ねて神に祈りつ。
三
皆人のやがて渡らむ三瀬川
せき留むるよしも無き涙かな。
四
白妙のわが衣手は濡れにけり
露と消えにし可憐児のため。
五
草の葉におく白露のいつまでも
醜の嵐に散らぬものかは。
(大正一二・五・一六 旧四・一 於教主殿 明子録)
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