出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
物語62-6-29 | 1923/05 | 山河草木丑 神洲 | 王仁三郎 | 参照文献検索 |
キーワード: 物語 |
詳細情報: 場面:
あらすじ 未入力 名称
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本文 文字数=6162
第二九章 神洲〔一六〇四〕
第五三二
一
宮柱太敷建てしその昔を
偲ぶは一人われのみならず。
二
円山の姿はとみに変れども
御空の月はいよよさやけし。
三
新聞の記者の囁き腐鶏の
暁またで鳴きたつるかな。
四
円山の宮は再び建ちぬべし
打ち砕きたる醜の哀れさ。
五
醜弓のひきて返らぬ過ちに
的射外せし鬼のはかなさ。
第五三三
一
桶伏の山に八重雲棚曳きて
紫の空に月はかがよふ。
二
紫の御空を広くしめながら
かがやき渡る円山の月。
三
本宮山木の葉のさやぎ静まりて
洗ふが如き夏月照れり。
四
礎の跡を照らして夏の月
恵の露の雨を濺げり。
五
たださへに清けきものを円山の
月にかがやく礎の露。
第五三四
一
円山の底津岩根に厳かに
昔を語る珍の礎。
二
円山の月にあこがれ登り見れば
露を三年の涙あふるる。
三
月清し礎清し円山の
木々の梢はいとど清しも。
四
金竜の池に浮べる魚族も
醜の嵐を恐れざりけり。
五
西東南ゆ北と醜神の
襲ひし昔も夢となりぬる。
第五三五
一
梓弓春の円山緑して
梢の露に月を宿せり。
二
人の世は百度千度移るとも
月は昔の姿なりけり。
三
限りある人の命は草におく
露の干ぬ間の朝顔の花。
四
円山にかかりし雲のあと晴れて
今はさやけき月を見るかな。
五
みちのくの月を見むとて来て見れば
聖地に劣りて濁れる心地す。
第五三六
一
照る月の光に変りなけれども
人の心の空はいろいろ。
二
円山に啼き残したる杜鵑
心悲しげに仇し野になく。
三
何人も御空の月はめづるものを
花に心を取られ往くなり。
四
仇花の茂り合ひたる仇し野に
色香妙なる白梅はなし。
五
皇神の深き恵を白梅の
花手折らむと仇し野彷徨ふ。
第五三七
一
照る月の真下に住めばわが影の
いとも小さく見ゆるものかな。
二
月影の傾く時はわが影の
いと長々しく見ゆるものなり。
三
小夜衣かけはなれても赤心の
通ひし友はなつかしきかな。
四
有難さに落つる涙の玉の神諭は
わが永久の生命なりけり。
五
空包む夜の帳もあきの空に
輝く月の影の恋しさ。
第五三八
一
木の花の神の命の永久に
鎮まり居ます富士の神山。
二
瑞御霊厳島姫永久に
竹生の島に鎮まりたまふ。
三
高熊の峰に現れます玉照彦の
光輝く時は来にけり。
四
黄金なす峰の麓に現れし
玉照姫の御世となりぬる。
五
桶伏の山にひそめる杜鵑
五月の空を待ちつつ経るも。
第五三九
一
一箸の運びの間にも死の影は
人のまはりをつけ狙ひ居る。
二
もてなしのいと懇な昼食こそ
味も殊更美しきかな。
三
花かざす乙女の玉手にくめる湯は
いと香ばしき薫り漂ふ。
四
日に月に清き心のます鏡
のぞくも嬉し金竜のうみ。
五
起き伏しの草の露にも輝きぬ
瑞の御霊の月の御影は。
第五四〇
一
大前に天のさかてをただ一人
うつの山鳩下り来にけり。
二
大前の榊にかけし十寸鏡は
清けき神の心なりけり。
三
曇りなき鏡の面を眺むれば
わが心根の恥かしきかな。
四
円山に昇る月影いと清く
ミロクの御代を守りますらむ。
五
神代より清く流れし和知川の
水瀬に澄める秋の夜の月。
第五四一
一
巌窟をあけし鏡をたづぬれば
御空に澄める月と答へむ。
二
御剣も鏡も玉も瑞御霊
岩戸を開く宝なりけり。
三
神つ代の世の有様をたづねむと
月にとへども月は答へず。
四
地に降り草葉の露に身を寄せて
むかしを語る月の大神。
五
榊葉にたれたる瑞の白木綿は
神も心をかけてや見るらむ。
(大正一二・五・一六 旧四・一 於教主殿 明子録)
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