出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
物語62-6-28 | 1923/05 | 山河草木丑 神滝 | 王仁三郎 | 参照文献検索 |
キーワード: 物語 |
詳細情報: 場面:
あらすじ 未入力 名称
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本文 文字数=7413
第二八章 神滝〔一六〇三〕
第五二二
一
水晶魂を選りぬいて 身魂のあらためなし給ふ
絶体絶命の世となりぬ この世は変る紫陽花の
早七度も近づきて 神の審判も目のあたり
驚き騒ぐ醜魂の 身の果こそは憐れなり
さは然りながら何人も 心の柱を立直し
誠の道に還りなば 本津御神はよろこびて
平和の御国にやすやすと 進ませたまふぞ尊けれ。
二
こころ改め大道に 向つて進む人々は
神の恵みに助けられ 常世の春に遊ぶべし
悪念晴れず疑ひの 強く神慮に反きなば
心ず懲戒来たるべし 皇大神の御言葉は
巌のごとく山の如 いや永久に動き無し。
三
人の表面は変るとも 易りがたきは霊魂なり
神の御言をかしこみて 天授の魂を良く研き
やがて来らむ皇神の さばきの時の備へせよ
神は愛なり権威なり。
四
わが脚下に注意して かならず過つことなかれ
源涸れて川下の 水汲み得べき道理なし
山野の木草もその如く 根本なければ幹もなく
花咲き匂ふ枝もなし 根本と幹と枝葉とは
同じ一木の身魂なり 根本を大切に守るべし。
五
三千世界の梅の花 一度に開く時は来ぬ
スメール山に艮の 皇大神のあれまして
治めたまはる五六七の代 月日と倶に迫りけり
敬ひ畏み大道に 叶ひまつれよ諸人よ。
第五二三
一
金竜の池の面に清く照る月は
五六七の御代の鏡なるべし。
二
円山の御空に望の月照りて
円く治まる神の御代かな。
三
四方の海皆静かなる神の代は
望の夜の月波間にも澄む。
四
千早振神代ながらの月影を
うつす金竜池の冴やけさ。
五
相恋ふる衣の薫る夏の夜に
しづ心なく月は傾く。
第五二四
一
久方の天の戸開けて厳御霊
降り給ひぬ桶伏の山に。
二
天の川竿をかざして瑞御霊
更生の舟をひきて下りぬ。
三
夕ざれば桶伏山もかすむなり
空にいざよふ月おぼろにて。
四
池の面の波にくだけし月見れば
神の恵の偲ばれにけり。
五
獣等の荒れ狂ひたる神園に
すまし顔なる月の影かな。
第五二五
一
太刀剣弾丸は何処と潜水の
底まで探る獣の愚かさ。
二
四尾山木の葉揺ぎて神の園に
あやしき風の吹き荒みけり。
三
蜘蛛の子を散らすが如く戦きて
果敢なく失せぬ醜の仇司は。
四
小雲川底の月影つかまむと
くだり来れる山の上の猿。
五
頭掻き恥かき己が手をかきつ
神の御園を猿かきまはす。
第五二六
一
玉の井に映る木の実をむしらむと
悶え苦しむ高山の猿。
二
鬼火かと思へば淋し五月雨の
雨に息する螢なりけり。
三
頭には赤き冠をのせながら
尻のみ光螢虫かな。
四
暗夜にはかすかに光る螢虫も
月し出づれば影消ゆるなり。
五
草の上に露の命を保ちたる
螢は月の光を怖づるも。
第五二七
一
夕されば勢ひのよき螢虫も
旭の影に消え失するなり。
二
千早振る尊き聖き神の山に
醜の曲津見登りて驚く。
三
如何にしてこの神山を穢さむと
醜の魔神は心砕きけむ。
四
今しばし時待てよかし円山の
空に輝く黄金の薨を。
五
竜神も時を得ざれば玉の井の
水底深く姿かくしつ。
第五二八
一
月となり竜神となりミカエルと
なりて輝く時近づきぬ。
二
四尾の山に隠れし国武彦の
厳の光を待つ間の久しき。
三
大八洲清く囲れる池水は
瑞の御霊の姿なりけり。
四
澄み渡るこの真清水も夕立の
水呑みあきて濁る忌々しさ。
五
真清水もまた泥水も否まずに
のめどうつらぬ金竜の池。
第五二九
一
月照れる夕の御空静かにて
柳の梢に春は来にけり。
二
大前を恋ふる心のなかりせば
浮世の旅も淋しかるらむ。
三
大道の司の前に口ごもりぬ
思ひの丈を述べむとすれど。
四
何事か思ひの丈を述ぶべしと
教の言葉に口は開けぬ。
五
海山のつもる思ひもしかすがに
言葉の露の慄ふのみなる。
第五三〇
一
千早振る神に親しみ愛すてふ
心ありせば言葉の花咲く。
二
神柱遠く敬ひ居る身には
言霊車押しあぐみつつ。
三
親しみと愛の心を楯として
広く言問へ教司に。
四
わが思ふ心のたけの一節も
神柱の前に語りかねつつ。
五
わが袖の涙の露に月照りぬ
祖神の問はば如何に答へむ。
第五三一
一
夕暮れて妹とし登る円山の
月を仰げば恥しきかな。
二
小雲川水の心を白波の
上漕ぎ渡る汚家の釣舟。
三
月も日も波間に浮ぶ小雲川
清きは神の心なるかも。
四
桶伏の山を写して小雲川
いや永久に清く流るる。
五
小雲川たつ荒浪に驚きて
淵を出でけり竜のおとし子。
(大正一二・五・一六 旧四・一 於教主殿 隆光録)
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