出口王仁三郎 文献検索
リンク用URL http://uro.sblog.jp/kensaku/kihshow.php?KAN=62&HEN=6&SYOU=27&T1=&T2=&T3=&T4=&T5=&T6=&T7=&T8=&CD=
原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
物語62-6-27 | 1923/05 | 山河草木丑 神習 | 王仁三郎 | 参照文献検索 |
キーワード: 物語 |
詳細情報: 場面:
あらすじ 未入力 名称
|
本文 文字数=6174
第二七章 神習〔一六〇二〕
第五一二
一
醜草の生茂りたる野路行けば
山犬の声におどろかされぬる。
二
皇神と倶にありせば獅子熊の
吠猛るさへ恵とぞ聞く。
三
道のため荒野を別けて進む身に
醜の曲霊の如何でさやらむ。
四
たそがれて山路に迷ふ旅人を
照して昇る夜半の月影。
五
わざはひの繁き世なれば惟神
御旨にまつろふ外なかりけり。
第五一三
一
嬉しくも浮世の雲をわけ上る
今日故郷の月を見しかな。
二
天伝ふ月の恵も深草や
露野ケ原にも宿りたまひぬ。
三
春の日の花の別れを惜むより
神の御前のわかれ惜めよ。
四
秋深みやがて凩吹き荒む
冬来るらむ備へせよかし。
五
備へとは身体包む衣ならず
いや暖かき心培へ。
第五一四
一
四尾の山の諸鳥声冴えて
峰に残れる有明の月。
二
大庭に燃えたつ珍の紅葉の
赤きは神の心なるかも。
三
秋山の紅葉の色のいろいろに
照りかがやくも神のまにまに。
四
同じ山に照る紅葉もいろいろに
艶を争ふ浮世なりけり。
五
皇神の領有ぎたまふうまし世は
梢の露も御栄えとぞなる。
第五一五
一
神園の松の木蔭に佇めば
思ひがけなき梅が香ぞする。
二
大空に聳えて高き常磐木は
百度千度風に揉まれつ。
三
玉の井の底に宿れる月影の
深き心を汲む人ぞなき。
四
空寒き冬の夕に三日月の
慄ふを見れば淋しかりけり。
五
大空に慄ふと見ゆる月影は
おのが眼の迷ひなりけり。
第五一六
一
大空に引き廻したる闇の幕を
もれて輝く星の数々。
二
立ち迷ふ八重棚雲の綻びゆ
覗き初めたりオリオンの星。
三
選まれし民は照日の下にあり
ただ待ち暮す望月の影。
四
日出づる国の空より輝きの
雲にのりつつ臨む月影。
五
ヨルダンの水底深く照る月の
影は浪間に砕けつつ澄む。
第五一七
一
吹く風に峰の桜は散り果てて
御空に独り月は霞める。
二
花誘ふ嵐いたむか大空に
月は霞みて影朧なり。
三
蜩の声は漸く細りけり
凩荒ぶ冬悲しみて。
四
山の端に恵の月は輝けど
麓の里は光さへ見ず。
五
村雲を蹴散らすごとく進み往く
御空の月の勇ましきかな。
第五一八
一
夜半の暗照してなほも翌昼の
御空に月は輝きわたる。
二
時雨ては晴れゆく後の大空に
冬の夜の月清く慄へる。
三
打ち慄ふ月の姿を眺むれば
常闇のよを歎つべらなり。
四
黒雲の天津日影も隠す世は
曇らざらめや玉の井の月。
五
玉の井の底に宿れる月影も
魂は御空に永久に照る。
第五一九
一
秋の野の木々の梢におく霜を
照して生かす天津日の影。
二
秋の夜に月の光のなかりせば
野山の草木根より枯れなむ。
三
天津日を眺めて遊ぶ人はなし
花見雪見と共に月見る。
四
天地に恵の露を垂れたまふ
月弄ぶ人ぞ礼なき。
五
空冴えて凍るかと見る月影も
降らしたまひぬ恵の露を。
第五二〇
一
桶伏の山に皇神有明の
月こそ人の生命なりけり。
二
百千鳥声さわがしくなりにけり
あかつき近き兆なるらむ。
三
雲霧を払ふ高天の山風に
吹かれて散らむ醜の木の葉は。
四
円山の袖に月影小夜更けて
小雲の川は包まれにけり。
五
真盛りの短き野辺の桜花
春の心を惜むなるらむ。
第五二一
一
散りて往く花の心は知らねども
羨むならむ空の月見て。
二
月毎に輝く月に比ぶれば
花の盛りも物の数かは。
三
野も山も真白に染めし白雪も
朝日の影に果敢なく消えゆく。
四
花紅葉春と秋との錦さへ
月の眺めのながきにしかず。
五
神垣の柳の梢芽含みけり
常世の春の魁として。
(大正一二・五・一五 旧三・三〇 於教主殿 明子録)
オニドでるび付原文を読む オニド霊界物語Web