出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語62-5-251923/05山河草木丑 神雲王仁三郎参照文献検索
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第二五章 神雲〔一六〇〇〕

  第四九二

    一

 せまり来る神代も更に白河の
  関の戸開く人の少き。

    二

 草枕旅に出でては思ふかな
  綾の高天の大前如何にと。

    三

 白雲の遠く隔ちし国々ゆ
  御稜威慕ひて来る神垣。

    四

 敷島の大和島根の神の庭は
  千代に八千代に動かざらまし。

    五

 さざれ石の巌となれる姿見れば
  神の都の御栄えを知る。

    六

 皇神の珍の教は万代に
  弥広らかに栄えますらむ。

    七

 神垣の木々の緑は萌え出でて
  神代の春を長閑に語れり。

    八

 杜鵑声涸れ果てて御恵の
  露奥津城に忍び音になく。

  第四九三

    一

 四尾山峰の諸木も緑して
  迎へ待つらむミロクの御代を。

    二

 桶伏の山の聖地に杜鵑
  夜な夜な来りてひた啼きになく。

    三

 三千年の長き月日を啼き明し
  今なほ叫ぶ山杜鵑。

    四

 風の宵雨の晨は一入に
  物悲しもよ桶伏の山。

    五

 人の目に壊たれたりと見ゆれども
  珍の高殿永久に建てり。

    六

 本宮山若葉をふくむ山鳩の
  影さへ見えぬ闇夜なるかも。

    七

 谷の戸を押しわけ歌ふ鶯の
  声は常世の春の魁。

    八

 咲くとても手折る人なき松の花
  葉末の露の恵知らねば。

  第四九四

    一

 神垣の松の梢に御空飛ぶ
  鶴舞ひ下り千歳を契る。

    二

 月なくて如何で木草の茂るべきや
  天津光の影のみにして。

    三

 またしても月の面のみを讃め称へ
  焦れ顔なる夕暮の空。

    四

 金竜の池の面に澄む月は
  世の乱れをも知らず顔なる。

    五

 水鳥のいと安らけく浮ぶとも
  足にひまなき月の御心。

    六

 神思ふ珍の心につながれて
  あこがれ出できぬ糸のまにまに。

    七

 君知るや高天原の神の園に
  身はよそながらかかる心を。

    八

 神垣の月の光をながめつつ
  したたる雫に霑ひにけり。

    九

 神垣の松の落葉をかきよせて
  常夜の暗の篝火とせむ。

    一〇

 大丈夫の中に淋しくただ一人
  交こるわが身も神国のため。

  第四九五

    一

 千早振神の教にしたがひて
  御国に尽す外なかりけり。

    二

 楠船ののり越す波のいや深く
  真心ひとつに御国に尽さむ。

    三

 花の色は昔ながらに変らねど
  移ろひにけり心の花は。

    四

 木下蔭に淋しげに咲きし兄の花も
  天津光をうけて栄ゆる。

    五

 空蔽し醜の古木の倒れてゆ
  白梅の花は世に出でにけり。

    六

 山深み日影もささぬ谷の底に
  薫る桜も月の恵ぞ。

    七

 花は散り木の葉も落ちて杣人の
  手斧の錆となる老木かな。

    八

 桶伏の御山の花は散らされて
  わが面影にのみぞ残れる。

  第四九六

    一

 古の神の都に吹き捲る
  嵐の浪の打ちかへしかも。

    二

 科戸辺の風吹きかへす朝ぼらけ
  浪逆まきて仇船沈めむ。

    三

 来て見れば山の諸木は緑すれど
  浦悲しけれ宮居の跡は。

    四

 三千年の醜荒浪に漂ひて
  現れましし神の宮居こぼちぬ。

    五

 桶伏の山登り往く信徒の
  心の空に時雨しにけり。

    六

 宮脇に潜める醜の曲神の
  荒ぶがままに任したまひぬ。

    七

 皇神の心は広し和田の原
  秘密の底は知るよしもなし。

    八

 桶伏の山に夜な夜なただ一人
  祈る真人のありと知らずや。

  第四九七

    一

 白妙の衣の袖に梅薫る
  綾の高天に詣で来しより。

    二

 家族親族うち連れ立ちて神園の
  教の花に酔ふぞ楽しき。

    三

 和衣の綾部に薫る白梅は
  心の花の眼さませり。

    四

 昔見し白梅の木は老いぬれど
  花の色香はいとど目出度し。

    五

 足曳の深山の奥に潜むとも
  花は咲くなり鳥歌ふなり。

    六

 青垣を四方に繞らす山里に
  清き清水の流れけるかな。

    七

 都路の塵に汚れし御霊をば
  来りて滌げ玉の井の水に。

    八

 山里に身は老いぬれど霊魂は
  神の都の花と薫れる。

  第四九八

    一

 神園の松に御霊を取りかけて
  神去りましぬ教御祖は。

    二

 白梅の花に心を残しつつ
  露奥津城に眠りたまひぬ。

    三

 木花の咲耶の姫の生れましし
  黄金の峰は雲に聳えつ。

    四

 瑞御霊珍の教をうつそみの
  世は木の花と永久に栄えむ。

    五

 西へ行く思ひは誰人もあるものを
  見捨てて入るな大空の月。

    六

 憐れみの心は誰も広けれど
  育くむ袖の狭きが憂れたき。

    七

 限りなき恵の御手を差し伸べて
  救はせたまふ瑞の大神。

    八

 頂に霜降り添ひて白雪の
  心の空は清くなりぬる。

  第四九九

    一

 五月蠅なす声は激しくなりにけり
  世の別れ路の近づきしより。

    二

 曲神の荒む闇世もすみがまの
  黒き煙と消ゆる神代なり。

    三

 あゝ神と唱ふる声に夢醒めて
  打ち出て見れば月は傾く。

    四

 厳御霊教の光なかりせば
  如何でか月に心を懸けむや。

    五

 苗代の水は乾きぬ天の河
  放ちてみづの御霊たまひぬ。

    六

 梅散りて御園の桃は咲きにけり
  薫り目出度き神のまにまに。

    七

 春山に朝啼く雉子の声すなり
  神の御教の若芽摘めとや。

    八

 月の夜に生育ちたる姫小松の
  葉末の露は玉と照らへり。

  第五〇〇

    一

 池水にうつりて咲ける梅の花を
  手折るはみづの心なりけり。

    二

 吾行かむ後まで散らず待てよかし
  薫り床しき神園の梅。

    三

 久方の御空に咲ける桃の花を
  手折らむよしも泣き暮しつつ。

    四

 よしや身は山河遠く隔つとも
  心に手折らむ神園の桃。

    五

 真清水も霜にこほればひた曇る
  昔にかへれみづの御霊に。

    六

 山桜彼方此方に立ち交り
  松の緑に眺望添へぬる。

    七

 嵐山花のまにまに緑なくば
  錦の峰と誰か称へむ。

    八

 風に散る花の姿を眺むれば
  人の浮世の憂たくもあるかな。

  第五〇一

    一

 散りてまた再び花の咲く春を
  待つよしもなく滅び行くかな。

    二

 永久の花咲き匂ふ天津国の
  春こそ永久の住家なりけり。

    三

 讃め称へ見上ぐる花の足許に
  散りて踏まるる山桜かな。

    四

 九重に咲く山吹の果敢なけれ
  散りたる後に実さへなければ。

    五

 世の中は往来の道も見えぬまで
  闇の帳に包まれにけり。

    六

 闇の戸を押しわけ昇る朝日子の
  日の出の神を待ちあぐみつつ。

    七

 東雲の空を眺めて神の子の
  月松の代を焦れ慕ひつ。

    八

 露霜の置きて褪せたる白菊の
  花はあやしく葉末に慄ふ。

(大正一二・五・一五 旧三・三〇 於教主殿 明子録)



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