出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
物語62-5-24 | 1923/05 | 山河草木丑 神瑞 | 王仁三郎 | 参照文献検索 |
キーワード: 物語 |
詳細情報: 場面:
あらすじ 未入力 名称
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本文 文字数=9320
第二四章 神瑞〔一五九九〕
第四八二
一
大空ゆ黄金の鳩は下りけり
御文啣へて綾の聖地に。
二
御教と御名を広けく伝ふべく
天翔り往く八咫烏は。
三
永久に身は奥津城の墓を蹴り
白鳥となりて天翔りましぬ。
四
吹き棄つる伊吹の狭霧にあれませる
剣の御霊瑞の大神。
第四八三
一
生命の主はヨルダンの 河瀬の波を押しわけて
聖き御園に来りまし 天津御国の音づれを
委細に宣らす珍の声 風のまにまに聞えけり
黄金の鳩は御空より 神の御園の嫩葉をば
含みて清く下り来る 神の選みし大聖地
都の空ぞ美しき。
二
栄えの園にいそいそと 進み往く身は五十鈴の
河の流れに御禊して 罪の跡なき神御霊
神の御足の跡を追ひ 夜なき国へ上り往く
永久の備へのためぞかし
三
いと新しき奥津城の 深きに隠れたまひたる
教御祖の霊は 天津使に伴はれ
日の若宮に昇りまし 老いず死らず喜びと
栄えに充てる楽園に 御跡とどめて葦原の
下津御国の人草に 恵の露を垂れたまふ
あゝ惟神々々 恩頼を給へかし。
第四八四
一
水仙の花は散れども惜むまじ
神の御園の種を残せば。
二
白雲にまがふばかりの花の山を
仇に散らすか醜の曲風。
三
故郷に帰りて如何に詫びぬべき
醜の嵐に散りし花の身は。
四
花とばかり輝く月にあこがれて
知らず知らずに神国に入る。
五
御空照る月の光のなかりせば
夜の旅路を如何に進まむ。
六
さやかなる月の御顔を拝まむと
出でにし庭に松の露散る。
七
科戸辺の風の姿は見えねども
真帆の孕みを眺めてぞ知る。
第四八五
一
皆人の眠りにつける真夜中に
醒めよと来なく山杜鵑。
二
千早振神の社の大前に
剣かざして大和舞する。
三
忍び音に啼く杜鵑声涸れて
今は血を吐くよしもなきかな。
四
風雅人の耳には入らぬ杜鵑
嘆きの声は杣人のみ聞く。
五
杜鵑声は御空に啼き涸れて
月の影のみ後に慄へる。
六
杜鵑啼く音を聞けばしかすがに
心悲しくもなりにけるかな。
七
山々を啼き渡りつつ杜鵑
賤が伏屋の空に来にけり。
八
清き友の寄りて仕ふる赤心を
雲井につげよ山杜鵑。
第四八六
一
足曳の山の彼方に月澄みぬ
仰ぎ慕へよ瑞の光を。
二
月の神闇を晴らして円山の
清き御空にのぼらせたまふ。
三
電燈の光も月の出でぬれば
うとまれにけり道行く人に。
四
草の葉におく白露のいと清く
月の光の添ひて守れる。
五
夕立の雲晴れゆきて大空に
涼しき月の影さやかなり。
六
駒留めてしばし拝まむ円山の
珍の御空に輝く月を。
七
小雲川波も静に水の面に
うつれる月の影は砕けつ。
八
水底に影をうつせし松ケ枝に
月は澄みけり魚も住みけり。
第四八七
一
天の河小雲の川にうつせしか
機織姫の衣を洗へる。
二
月沈む綾の大橋うちわたり
高天原にのぼる神人。
三
野辺に咲く花の姿にあこがれて
宿りたまふか月の大神。
四
奥山の紅葉の錦散らぬ間に
求ぎて来れよ鹿の鳴く音を。
五
三五の月の光を求ぎて来よ
草葉の露に袖ぬらすとも。
六
神の道踏み分けゆけば嬉し野の
木々の梢に宿る月影。
七
雲の上の貴人達に聞かせたし
谷間に歌ふ鶯の声。
第四八八
一
雁の便りも聞かぬ山の奥に
世を救はむと泣く人のあり。
二
澄み渡る秋の月影眺むれば
瑞の御霊の偲ばるるかな。
三
荒風に吹き捲られて白露に
おく月影も散りてけるかな。
四
草の葉の露に宿れる月影を
醜の嵐の散らすうたてさ。
五
幾褥重ねてさへも寒き夜半
御空の月は霜に宿かる。
六
老いぬれど澄みきる月を眺むれば
また若がへりたる心地こそすれ。
七
花散りて見る影もなき梢にも
月は静に輝きにけり。
八
夕暮に悲しげに鳴く秋の虫の
声聞くごとに世をば果敢なむ。
第四八九
一
虫の音は早くも絶えて草枯れの
野辺にも清く月は照りぬる。
二
御教を聞きて袂を絞りつつ
露野を分けて参る嬉しさ。
三
白露の光目出度輝くは
月の御神の在せばなりけり。
四
賤ケ家の軒端の菊はしをれけり
ただ一度の霜のいたみに。
五
山々の木草も如何に育つべき
清けき月の露なかりせば。
六
凩や時雨に脆く砕かれて
朝露に匂ふ紅葉散りぬる。
七
照りはえし高雄の山の紅葉も
いつ木枯の吹かぬものかは。
八
高砂の尾上の松も秋の夜の
月しなければ淋しかるらむ。
第四九〇
一
御空飛ぶ高雄の山の紅葉も
色づき初めて冬近づきぬ。
二
変り往く色こそ見えね常磐山
紅葉の色もうつりけるかな。
三
澄み渡る月の桂は清くして
暗き高雄の峰を照らしつ。
四
晴れ曇り時雨往きかふ冬の空に
月の光はひとりさやけし。
五
日に月にうつろひ初めし紅葉の
果敢なく散らむ冬は来にけり。
六
日の光月の恵の露を受けて
唐紅に照れる紅葉。
七
神無しの月の御空は凩の
今吹かずとも紅葉散り行く。
八
千鳥鳴く声も激しき浪の音に
妨げられて聞かぬ時かな。
第四九一
一
室にさく千花の色は赤くとも
神の恵の薫りなきかな。
二
大本に参来集へる信徒は
一度汲めよ玉の井の水。
三
神垣の厳の光を白梅の
薫に心移ろひにけり。
四
袖なしの衣の胸に散る花は
常世の国の姿なりけり。
五
人恋ふる心に道はなきものを
など醜鬼のさやるなるらむ。
六
飽きかけし夫婦の中も草枕
旅にし行けばまた思ふかな。
七
膝元に仕へまつりし時よりも
恋しくなりぬ神の大前。
八
別れてもまた逢阪の関の戸を
開かむ道を備へおかまし。
九
小雲川深き心はとめずとも
また慕はしくなるものぞかし。
(大正一二・五・一四 旧三・二九 於教主殿 明子録)
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