出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
物語62-2-9 | 1923/05 | 山河草木丑 神子 | 王仁三郎 | 参照文献検索 |
キーワード: 物語 |
詳細情報: 場面:
あらすじ 未入力 名称
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本文 文字数=8264
第九章 神子〔一五八四〕
第三三二
一
幸薄く果敢なき夢の浮世にも
神としあれば楽しかりけり。
二
風荒み雨しきりなる闇の夜も
如何で怖れむ神としあれば。
三
外よりは諸の誘惑内に罪
汚れの絶えぬこの世なりけり。
四
人の世はほほ笑む目にも涙あり
泣いて楽しき神の御教。
五
恐ろしき死出の山路も何かあらむ
教主も一度いでまさむ道。
六
皇神の珍の御声に眼を醒せ
ねむりの深き罪の閨より。
七
我神に遠く放れて現身の
憂世に住めば苦しかるらむ。
八
幸流れ喜び溢るるヨルダンの
水こそ瑞の御霊なりけり。
九
愛善の徳にみたされ円満に
暮すは天津国人なりけり。
一〇
花のごと晴れて曇らぬわが教主の
瑞のみもとの頼もしきかな。
第三三三
一
神の手にねむる正しき信徒の
いまはの面の美はしきかな。
二
引く汐の静なるごと逝く人の
面ざし見れば神と倶にあり。
三
生死の恐れもしらぬ天津国の
その長閑さは春の花園。
四
光闇行き交ふ世をば後にして
天津御国に昇るは安けし。
五
天地の神も祝ぎたまふらむ
信徒達の最後の床しさを。
第三三四
一
春雨のそぼふる梢に萎みたる
花の姿のいとど床しき。
二
春の夜の短き夢にも似たるかな
露の命の散るを思へば。
三
秋風に揺らるる萩の露のごと
おちて消え行く人の玉の緒。
四
花と匂ひ玉と栄えし人の身の
消ゆるを見れば果敢なかりけり。
五
山に野に河の畔に祈りてし
昔の友のいとど恋しき。
六
奥津城に淋しく眠るわが友は
天津御国に栄えますなり。
七
死出の山調の川も手を曳いて
導きたまはむ瑞の大神。
第三三五
一
人はただこの世の命のみならば
如何に悲しきものとこそ知れ。
二
身はたとへ朽ち果つるとも霊魂は
天津御国に永久に栄えむ。
三
死の神も襲ひ来らぬ神の国は
わが玉の緒の住所なりけり。
四
妹と背の契も永久に動かざる
神の国こそ楽しかるらめ。
五
村肝の心直なる人の家は
夜なき国の園に立ちおり。
六
喜びの絶えせぬ歌は神国の
御殿の門に非時ひびくも。
七
朝日影に消えしと見えし月星は
消えしにあらで隠れたるなり。
第三三六
一
皇神の永久にまします故郷に
帰り行く身は死せしにあらず。
二
涙をば絞る眼は閉づれども
栄えに醒むるをなど死と云はむ。
三
世の中の醜の覊絆をときはなし
天翔り往く天晴霊魂。
四
皇神の厳の言葉に招かれし
身は永久に天に栄ゆく。
第三三七
一
親と子を後に残して死る身も
いと安らけし御国思へば。
二
何事も神の御旨と仰ぎつつ
空しき別れを歎かざらまし。
三
永久に滅びず朽ちぬ神国の
恵思へば頼もしきかな。
四
わが命神に受けつつまた神に
召さるも恵の御旨と仰がむ。
第三三八
一
醜雲の四方に閉ざせる世を捨てて
愛児逝きぬ天津御国へ。
二
皇神の愛の燈火きらめきて
愛児の路照させたまひぬ。
三
愛児は天津乙女の懐に
笑みつつ永久の花園に往きぬ。
四
天使の歌や小琴の音の響きに
慰めたまふ逝きし愛児を。
五
逝きし子は天津乙女に抱かれて
夜なき国に生立ちて行く。
六
美はしき天津乙女に抱かるる
その喜びは如何に深けむ。
七
御心のままになりしか愛児は
夢のごとくに現世去りぬ。
八
皇神は生命の元にましまさば
与へたまはむ愛児の命。
第三三九
一
懐しくいと慕はしく思ふかな
天津御国にゆけるわが子を。
二
父母を後に見捨ててわが御子は
夜なき国に昇りけるかな。
三
火に焼けず水に流れぬ天津国の
永久の家路に住むか愛児。
四
現世に老いて艱める吾さへも
若きに帰らむ神の国には。
五
行く先はただ白露の命なれど
神としあらば永久に栄えむ。
六
思はざる嵐に遇ひて愛児は
夜なき国に帰りけるかな。
七
死の川や暗の山路を打越えて
神の御国にわが子昇りし。
八
浪の上救ひの船をさしむけて
拾はせたまへ愛児の霊を。
第三四〇
一
春の花夢と去り往き紅葉散らす
風も身にしむ人の果敢なさ。
二
花を愛で月を賞めつつゑらぎてし
友に甲斐なく今は別れぬ。
三
わが友の昇りし後は遥けしと
思ひし空も近くなりけり。
四
天地は離れ居れども皇神を
称へまつるに隔てこそなき。
第三四一
一
夜も昼も天津御国の幸を
胸にうかべて送る楽しさ。
二
天使称への歌は海山に
みち溢れけり夜も日もたえず。
三
慰めの珍の御声は故郷に
旅立つ人の力とぞなる。
四
言霊の祝詞の声は天地に
響きて霊魂は神国に栄えつ。
五
太祝詞厳の言葉に守られて
安く御許に行くぞ嬉しき。
六
瑞御霊恵の声を聞く時は
嶮しき山路もやすく渡らむ。
七
疲れたる人の霊魂もわが教主の
声をしるべに喜び進まむ。
八
天使の清き御歌を聞く時は
尽きぬ希望の胸に溢るる。
九
暗き夜の雲晴れ渡り天津日の
輝く日まで忍ばせたまへ。
(大正一二・五・一一 旧三・二六 於教主殿 明子録)
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