出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語62-1-41923/05山河草木丑 神慈王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
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あらすじ
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本文    文字数=9455

第四章 神慈〔一五七九〕

  第二八二

    一

 由良の河瀬の音高く  枕に響く並松の
 松雲閣の離れの間  横に臥しつつ敷島の
 煙にうさを散じつつ  山河草木己丑の
 巻物語初め行く。

    二

 新緑滴る初夏の候  川の流を聞きながら
 猫の産した話なぞ  面白可笑しく聞きながら
 鼻の尖つた北村氏  竿竹姫と諸共に
 讃美歌もどきの雑歌を  あらあらここに詠み出でぬ。

    三

 ほのかに聞ゆる水の音  並松通ふ車の響
 赤児の泣声聞きながら  猫の鳴く音と怪しみつ
 南枕に西向いて  いやいやながら述べて行く。

    四

 筆を含みし麦畑  菜種子の花も彼方此方に
 黄金の色をかざしつつ  いとも静に夏の日を
 迎へゐるこそ床しけれ  流れも清き小雲川
 流れの音の轟々と  世に響くなる言霊の
 三十一文字の物語  筆にとどめて後の世の
 ためしと茲に述べておく。

  第二八三

    一

 日は西に傾きそめて醜神の
  伊猛り狂ふ世とはなりぬる。

    二

 常世行く暗を晴らして昇ります
  月こそ神の守なりけり。

    三

 振ひ立つ枉も御空の月影に
  所得ずして逃げ失せにけり。

    四

 厳御霊瑞の御霊の御守に
  魔の棲む世にも心安かり。

    五

 皇神の大御恵を世に伝へ
  御名を現はす人となりたき。

    六

 苦みの中にも永久の希望あり
  いかに幸あるわが身ならずや。

    七

 皇神の厳の御旨に叶ひなば
  御国の門は独り開かむ。

  第二八四

    一

 伊都の御霊や美都御霊  玉の御声は爽かに
 天津空より聞え来ぬ  あゝ諸人よ諸人よ
 耳をすませて逸早く  神の吹きます角笛の
 御許に勇み寄り集へ  神は愛なり力なり。

    二

 海山隔てし遠方の  異国人に御恵の
 訪れ伝へ得ずとても  せめては間近き住人に
 神の御教を宣べ伝へ  安けき国に導きて
 錦の機の神業に  一人も多く仕ふべく
 諭させ玉へ惟神  御前に畏み願ぎ奉る。

    三

 瑞の御霊の宣り玉ふ  力のこもりし言の葉は
 語り得ずとも村肝の  心の限り身を尽し
 仁慈の神の御心を  洽く世人に布き教へ
 神の御楯と逸早く  ならしめ玉へと願ぎ奉る。

    四

 雲井に高く住む人や  鄙に住へる人々に
 珍の教を詳細に  諭させ玉へと朝夕に
 祈りをこらす神司  卑しき伏屋に身を起し
 女童に至るまで  悟り安きを旨となし
 卑近な言葉を相並べ  厳の言霊打出して
 救ひの栞となし玉ふ  教祖の御功績は
 天地に並ぶものもなし  あゝ惟神々々
 厳の御魂の尊さよ  なす業なしと世の業を
 怠り仇に日を暮す  人はこの世の曲津神
 眼を覚し省みよ  曇り果てたる世の人の
 身魂は亡びに近づけり  神の教を畏みて
 四方にさまよふ同胞に  神の救ひの御声を
 宣べ伝へつつ神の子と  生れ出でたる務めをば
 完全に委曲に尽すべし  神は汝と倶にあり
 人は神の子神の宮。

  第二八五

    一

 道のため励しめ宣使花における
  きらめく露の消えぬ間にこそ。

    二

 時は過ぎ日は暮れやすし朝日子の
  光照る間に道に励しめ。

    三

 天津日の光輝き給ふ間に
  勉め励しめ神の宣使等。

    四

 日の御足矢よりも速し昼の間に
  神の言葉を宣べ伝へてよ。

    五

 励しみて仕へ奉れよ青田吹く
  涼しき風の通へる間に。

    六

 業休み寝に就く夜はいと早し
  日の入るまでに道に励しめ。

  第二八六

    一

 収穫の時早や迫り来りけり
  何故淋しげに野良に立てるか。

    二

 友来る時を待つ間に日は暮れぬ
  ひきて帰らぬ征矢の如くに。

    三

 夜とならば如何になすべき術もなし
  日影あるうち谷川渡らへ。

    四

 世を恵む神の御旨を畏みて
  仇に暮すな神の御子たち。

    五

 雨の朝風の夕べも厭ひなく
  励しみまつれ惟神の道。

    六

 黄金なす瑞穂の稲を山の如
  収穫果てて倉に納めよ。

    七

 御教の種子をば四方に蒔きし人の
  収穫時の賑しきかな。

    八

 厳御霊瑞の御霊の大前に
  功績を立てて謳ふ嬉しさ。

  第二八七

    一

 皇神の大御心を糧となし
  励しみ勤めよ日々の業務に。

    二

 夢よりも果敢なきこの世の栄えをば
  棄てて神国の栄え楽しめ。

    三

 御栄光と生命の冠を賜ふべき
  時近づきぬ励しみ勤めよ。

    四

 現し世の空しき旅をなす人に
  誠の道を諭せ神使。

    五

 功績もなく仇にこの世を過しなば
  神国の父に会はむ顔なし。

    六

 目を覚し主まつものの頭をば
  撫で慈しむ時は近みぬ。

  第二八八

    一

 常暗の危き旅路を今日までも
  守り玉ひし尊き神はも。

    二

 瑞御霊厳の御栄光あれかしと
  祝ひ謡へよ神の御子たち。

    三

 わが主の御名に頼りて受くるものは
  悪しき汚き影だにもなし。

    四

 玉の緒の命の消ゆる時来れば
  神の御名こそ力なりけり。

  第二八九

    一

 益良夫は世をば恐れず皇神の
  御稜威の光畏れて住むなり。

    二

 強きをば言向和し弱きをば
  助くる人ぞ神の御使。

    三

 村肝の己が心を楯とせず
  神に従ふ人は神なり。

    四

 皇神の掟を守り畏みて
  百の艱難に勝つ人ぞ神。

    五

 世の中の憂に先だちよく憂ひ
  共に喜ぶ人は神なり。

    六

 わが友と仇なす人と区別なく
  誠変へざる人は神なり。

  第二九〇

    一

 麻柱の大神教のそのままを
  過つ事なく語らしめてよ。

    二

 千早振る神の正しき大道に
  まどへる人を救ふ楽しさ。

    三

 飢渇く人の身魂に皇神の
  厳の糧をば恵ませ玉へ。

    四

 皇神の厳の力にわが魂は
  充たされ人を救ふ身となりぬ。

    五

 瑞御霊わが身体に憑りまし
  使はせ玉へ御心のままに。

    六

 天地の厳の喜び身に受けて
  栄光の御顔仰ぐ嬉しさ。

  第二九一

    一

 皇大神の御前を  斎き奉るは外ならず
 神国を望み黄泉の国  百の責苦を怖ぢ恐れ
 逃れむために非ずして  力なき身も厭はずに
 庇ひ玉へる御心の  いと尊さに報ふため。

    二

 皇大神の御恵は  百の艱難を凌ぎつつ
 仇なす身をも恵みまし  天津御国の幸はひも
 根底の国の暗きをも  照させ玉ふ有難さ
 その御恵に報いむと  御祭仕へ奉る。

    三

 神に仕ふる吾々は  何の報いか望むべき
 この世を造り玉ひたる  神の功績を称へつつ
 愛の恵に報いむと  真心こめて大前を
 祝ひまつりつ永久の  守りの主と仰ぐのみ
 あゝ惟神々々  いや永久にましませよ。

(大正一二・五・一〇 旧三・二五 於松雲閣 隆光録)



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