出口王仁三郎 文献検索

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物語47-2-111923/01舎身活躍戌 手苦駄女王仁三郎参照文献検索
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第一一章 手苦駄女〔一二四四〕

 人間の肉体は所謂精霊の容器である。そして天人の養成所ともなり、或は邪鬼、悪鬼共の巣窟となるものである。かくの如く同じ人間にして種々の変化を来すのは、人間が主とする所の愛の情動如何によつて、或は天人となり、或は精霊界に迷ひ、或は地獄の妖怪的人物となるのである。さうして、人間が現世に住んでゐる間は、すべての思索は自然的なるが故に、人間の本体たる精霊として、その精霊の団体中に加はることはない、しかしながらその想念が迥然として肉体を離脱する時は、その間精霊の中にあるを以て或は各自所属の団体中に現はるることがある。この時ある精霊が彼を見る者は容易にこれを他の諸々の精霊と分別することが出来るのである。何とならば肉体を持つてゐる精霊は、前に述べた万公の精霊の如く、思ひに沈みつつ、黙然として前後左右に徘徊し、他を省みざること、恰も盲目者の如くに見ゆるからである。もしも精霊がこれとものを言はむとすれば、彼の精霊は忽然として煙の如く消失するものである。人間は如何にして肉体を脱離し、精霊界に入るかと云ふに、この時の人間は睡眠にも居らず、覚醒にもあらざる一種異様の情態に居るものであつて、この情態に在る時は、その人間は、ただ自分は充分に覚醒して居るものとのみ思うて居るものである。しかしてこの際における諸々の感覚は醒々として、恰も肉体の最も覚醒せる時に少しも変りはないのである。五官の感覚も、四肢五体の触覚も特に精妙となることは肉体覚醒時の諸感覚や触覚の到底及ばざる所である。この情態にあつて、天人及び精霊を見る時は、その精気凛々として活躍するを認むべく、また彼等の言語をも明瞭に聞く事を得らるるのである。尚も不可思議とすべきは、彼等天人及び精霊に親しく接触し得ることである。この故は人間肉体に属するもの、少しもこの間に混入し来らないからである。この情態を呼んで霊界にては肉体離脱の時と云ひ、現界より見てはこれを死と称するのである。この時人間はその肉体の中に自分の居る事を覚えず、またその肉体の外に出て居ることをも覚えないものである。人間はその内分即ち霊的生涯において精霊なりといふ理由は、その想念及び意思に所属せる事物の上から見てしか云ふのである。何とならばこの間の事物は人の内分にして即ち霊主体従の法則によつて活動するから、人をして人たらしむる所以である。人はその内分以外に出づることを得ないものであるから、精霊即ち人間である。人の肉体は人間の家または容器と云つてもいいものである。人の肉体にして即ち精霊の活動機関にして、自己の本体たる精霊が有する所の諸々の想念と諸多の情動に相応じて、その自然界における諸官能を全うし得ざるに立到つた時は、肉体上より見てこれを死と呼ぶのである。精霊と呼吸及心臓の鼓動との間に内的交通なるものがある。そは精霊の想念とは呼吸と相通じ、その愛より来る情動は心臓と通ずる故である。それだから肺臓心臓の活動が全く止む時こそ、霊と肉とが忽ち分離する時である。肺臓の呼吸と心臓の鼓動とは、人間の本体たる精霊そのものを繋ぐ所の命脈であつて、この二つの官能を破壊する時は精霊は忽ちおのれに帰り、独立し復活し得るのである。
 かくて肉体即ち精霊の躯殻はその精霊より分離されたが故に次第に冷却して、遂に腐敗糜爛するに至るものである。
 人間の精霊が呼吸及心臓と内的交通をなす所以は、人間の生死に関する活動に就いては、全般的に、また個々肺臓心臓の両機関に拠る所である。しかして人間の精霊即ち本体は肉体分離後と雖も、尚少時はその体内に残り、心臓の鼓動全く止むを待つて、全部脱出するのである。しかしてこれは人間の死因如何によつて生ずる所の現象である。ある場合には心臓の鼓動が永く継続し、ある場合は長からざることがある。この鼓動が全く止んだ時は、人間の本体たる精霊は直に霊界に復活し得るのである。しかしながらこれは瑞の御霊の大神のなし給ふ所であつて、人間自己のよくする所ではない。
 しかして心臓の鼓動が全く休止するまで、精霊がその肉体より分離せない理由は、心臓なるものは、情動に相応するが故である。凡て情動なるものは愛に属し、愛は人間生命の本体である。人間はこの愛によるが故に、各生命の熱があり、しかしてこの和合の継続する間は、相応の存在あるを以て、精霊の生命尚肉体中にあるのである。
 人の精霊は肉体の脱離期即ち最後の死期に当つてその瞬間抱持した所の、最後の想念をば、死後しばらくの間は保存するものであるが、時を経るに従つて、精霊は元世に在つた時、平素抱持したる諸々の想念の内に復帰するものである。さて此等の諸々の想念は、彼れ精霊が全般的情動即ち主とする所の愛の情動より来るものである。人の心の内分即ち精霊が、肉体より引かるるが如く、また殆ど抽出さるるが如きを知覚し、かつ感覚するものである。古人の諺に最後の一念は死後の生を引くと云つてゐるのは誤謬である。どうしても平素の愛の情動がこれを左右するものたる以上は、人間は平素よりその身魂を清め、善を云ひ善のために善を行ひ、かつ智慧と証覚とを得ておかなくてはならないものである。
 さて治国別、竜公は極めて謹慎の態度を以て、赤、白の守衛がここに進み来る精霊との問答を一言も洩らさじと、小男鹿の耳ふり立てて聞き入つた。そこへノコノコやつて来たのは男女二人の精霊であつた。赤面の守衛は両人に向ひ、
『ヤアヤアそれなる両人、しばらく待て。ここは八衢の関所だ。汝生前の行動に就いて取査べる必要がある』
と呶鳴りつけた。二人はオヅオヅしながら、
『ハイ』
と云つたきり、路上にうづくまつてしまつた。
『その方両人は何者だ』
『ハイ、私は呉服屋の番頭で徳と申します』
『私は叶枝と申す芸者でございます』
『ウンさうだらう、その方両人は情死を致して、ここまで気楽相に手に手を取つて意茶ついて来たのだらう。さてもさても暢気な代物だなア』
『ハイ、誠に面目次第もございませぬ。中々どうしてどうして、気楽所か、今この先で、三途の川を渡り、お婆アさまに散々膏をとられた上、いろいろと恥をかかされ、ヤツとのことで此処まで逃げて参りました』
『その方徳とやら、しばらく此方へ来て待つてをれ。女の方から査べてやる』
『ハイ、どうぞ一緒に、なることならば………査べて頂きたうございます。二世も三世も、仮令野の末山の奥、どこへ行つても離れないといふ固い約束を結んで参つたのでございますから、仮令一分間たりとも離れることは出来ませぬ』
『そんな勝手な事が、霊界では通ると思ふか。しばらく控へて居らう………オイ白さま、しばらくこの徳を豚箱の中へ放り込んでおいて下さい』
『コレ徳さま、辛からうが、少時の間だから、マアこちらへ来てゐなさい。三五教の宣伝使も一服してゐられるから………豚箱なんどに入れやしないから、霊界のお茶でも呑んで、叶枝さまの査べが済むまで、此方でお休みなさい』
 徳は涙を流しながら………
『ハイ有難うございます。あなたのやうに同情のあるお言葉でいつて下されば、半日や仮令一日位離れた所で別に苦しいことはございませぬ。頭から役人面して、怖い顔で呶鳴り立てられると一寸の虫にも五分の魂、チツとはムカツきますからなア』
 赤は目を怒らし、
『黙れ! 人間の分際として左様なことを申すと直様地獄へ落してやるぞ』
『ハイ………どうせ、私は男地獄、叶枝は女地獄と、娑婆でさへも仇名をとつてきた位でございますから、地獄落は覚悟して居ります。しかしながら、どんな辛い所でも構ひませぬから、二人一緒にやつて下さい。そればつかりが一生の御願でございます』
『エヽ喧しい、白さま、早く徳を隔離して下さい』
『サア徳さま、こちらへお出でなさい』
『オイ、叶枝、おれのことを忘れちやならないよ。俺もお前のこた、一瞬間も忘れないからなア』
 叶枝は何の応答もなく、うつむいてメソメソ泣いて居る。徳は色白き守衛に導かれ館の玄関指して行く。
 赤は帳面をくりながら、
『オイ女、その方は随分悪い事を致して居るが、逐一此処で白状致すのだぞ』
『ハイ、別に悪い事を致した覚えはございませぬよ』
『バカを申せ、その方は芸者で在りながら、芸を売らずに肉を売つてゐるぢやないか』
『ハイ、芸を売つても肉を売つても、商売に二つはございませぬ。歌を唄つたり三味をひいたり、太鼓や鼓を拍つのは遊芸でございます。そして肉をうるのは岩戸開きの神楽舞、曲芸をやつて、お客さまに喜ばせ楽します清き商売でございます。それ故相場師か博奕打のやうに片一方が喜び片一方が悔むといふよなことは、決してやつた覚えはございませぬ。どのお客さまもこのお客さまも、皆、アハヽヽ、オホヽヽ、エヘヽヽと笑ひ興じ、まるで天国の春に逢うたやうだとおつしやつて、喜んで下さる方ばかりでございます。両方のよい商売といふのは、芸者と頬冠り位なものです。これほど人間を喜ばして来た芸者に罪がございますなら、政治家や宗教家、一番悪いのはお医者さま、その外娑婆に居る一般の人間は皆大悪人でございます。私は一旦言ひ交した男に心中立てをして、命まですてて、ここまでやつて来た貞節な女でございます。どうぞ私の清い美しい心をお調べ下さいまして、どうぞ天国へやつて下さいませ。そしてあの徳さまだつて、決して悪い人ぢやございませぬ。どうぞ私と一緒に天国の旅をさして下さいますやうに御願致します』
『馬鹿を申せ、徳のことまで、貴様がゴテゴテ云ふ場所ぢやない。貴様のことばかり白状すればいいのだ。何だベラベラと自己弁護ばかしやりやがつて、おマケに情夫の事まで口出しするとは、中々以ての外の代物だ。かうなるとどうしても、貴様達両人は一緒におくことは出来ぬ』
『あ、左様でございますか、折角ここまでついて来ましたけれど、あなた様の御命令で引分けて下さるのならば、冥土の規則だと思うて、妾はチツとも異議は申しませぬ。実の所私は無理心中をさされましたのです。現界といふ所は思ふやうに行かぬ所でございまして、好きなお方は色々故障が出来て、常住会ふ訳には行かず、お金はなし、これに反して、嫌ひで嫌ひで仕方のない男は金を持つて、丸で大根畑へネチがついたほど、うるさい位しがみつきに来ますなり、本当に浮世がイヤになつてしまつたのですよ。……
 嫌なお客に笑うてみせて
  好きの膝にて泣きくらす

といふ憐れな生涯を続けて来ました。実際のこと申しますれば、あの徳といふ男、御存じの通り、頭までがトク頭病で、そしてヅぬけたトク等の馬鹿でございます。とくとお査べの上、どうぞ私と一所に居らないやうに、特別の御取扱を御願致します』
『アハヽヽヽ、貴様は余程やり手だつたと見えるのう。およそ幾人ばかり地獄へおとしたか』
『ハイ、私が落したのぢやございませぬが、勝手にお客さまの方から落ちたのです』
『それでも貴様が原動力だ。直接におとさいでも、間接に落して居るのだ。現に今来た徳公でもさうぢやないか』
 叶枝は稍言葉馴れ、娑婆で人間をあやつつて来た地金を出し、赤の肩先を平手で三つ四つポンポン叩き、おチヨボ口に袖をあてながら、
『ホヽヽヽヽ、あの六かしい顔わいな。わたえ、そんな赤い面した、目のクルリと大きい、口の大きい男らしい男、本当に好きだワ。なア赤さま、チツと可愛がつて頂戴ね』
『コリヤ怪しからぬ、何と心得てゐる。ここは言はば霊界の予審廷だぞ。審判官に向つて、何といふ失礼なことを申すか』
『ホヽヽヽヽ、あのマア、六かしい顔しやんすことえな。あたえ、ますます可愛くなつてよ』
『エヽ、馬鹿に致すな。何と心得て居る』
『お気に障りましたら御免なさいませ。しかしながら霊界だつて、愛の情動に変りはありますまい。現界の役人だつて六かしい顔をして被告人を裁いてゐやはりますが、女の被告が行きますと、忽ち目を細うし、涎をくらはります。あんただつて、女に対する男やおまへんか、さう七六かしう、四角ばつてゐなしては、世の中が殺風景でたまりませぬワ。どこもかも行詰り、不景気風に吹捲られて、娑婆の人間は青息吐息の為体、憂鬱に沈んでゐる亡者共を、妙音菩薩にも比すべき芸者が、慰安を与へ、小口から天国に救うて上げて来たのですよ。お前さまだつて、何時までもこんな所に、そんな六かしい顔をして、しやちこばつてゐるよりも、私と一緒に天国へでも新婚旅行と洒落たらどうだす………余り悪い心持やしませぬで。わたえの荷位は持たして上げますワ』
『エヽ仕方のない代物だなア。貴様余程娑婆で暴威を揮うて来たのだらう。中々弁舌はうまいものだ』
『ホヽヽヽヽ、その声で蜥蜴くらふか時鳥、外面如菩薩内心如夜叉、表裏反覆常なきは世の中の真相ですよ。お前さまもチツと世間を知つて来なさい。さうすりや、そんな偏狭な頭が改造されて、新しい男の仲間に這入れないものでもありませぬワ、大臣だつて国会議員だつて、元帥だつて、紳士紳商だつて、片つ端からこの靨の中へ、皆吸ひ込んでしまふ技能を持つてゐる、天然の美貌、千変万化の魔力を使ふ女ですもの、門番さまの一人や二人位、噛んだり吐いたりするのは、屁のお茶でもありませぬワ。お前さまも有名な芸者の叶枝にこれだけ言葉をかけて貰うたら、余程の光栄ですよ、本当に仕合せな御方ねえ』
 竜公は思はず知らず、
『ウツフヽヽ』
と吹き出した。
『貴様の調べは一朝一夕に行かない。人の庫を呑み、山を呑み、田畑を呑み、数多の亡者を製造したしたたか者だから、また追つて調べてやる。サア立てツ』
と云ひながら、松の木の荒皮のやうな腕をグツと突出し、葦の芽のやうな柔こい腕をグツと握り、岩の戸をパツとあけて、岩窟内へ放り込みおき、再び徳をこの場に引ずり来り、鹿爪らしい顔をして査べ始めた。
『その方は生前に何商売を致して居つたか』
『ハイ、最前申したやうに呉服屋の番頭に間違ひございませぬ』
『その方は幾らの月給を貰つて居つたか』
『ハイ、月に親方の食事持で十円ばかり頂いて居りました』
『その方は月に十五六回も叶枝の側へ通うたであらう。チヤンとこの帳面に記してあるぞ』
『ハイ仕方がありませぬ、おつしやる通でございます』
『一度遊びに行くと幾らの金が要るか』
『ハイ、少い時が七八円、多い時は五十円も要ります』
『僅か一ケ月十円の給料で、どうしてその金が出来るのだ』
『ハイ、私の役徳によつて、それだけ生み出します』
『バカを申せ。帳面づらをゴマかしたのだらう』
『帳面づらをゴマかすのは悪うございますか。娑婆の人間は筆の先で一遍に五万両、十万両とゴマかして居りますよ。現に積善銀行を御覧なさい。二千万円も筆の先でゴマかしたぢやございませぬか。それでもヤツパリ紳士とか紳商とか、有力者とかの名を恣にして居ります。そして政府は余りこれを厳しく詮議立て致しませぬ。これを思へば一つでもウマく帳面づらをゴマかした奴が、所謂社会の善人です。私のやうな者をお責めなさるよりも、モツと大きな奴をお査べなさりませ。月に金の百両や二百両誤魔化した弱い人間や、米の一升や金の五十銭位盗んだ憐れな人間を査べるよりも、なぜモツと大きな悪人の巨頭をお査べなさらぬのですか。そんなことでどうして八衢審判所の権威が保たれませうか。現界においても微罪不検挙の内規が行はれて居りますよ』
『馬鹿を申せ、現界と違つて、霊界の審判所は、一厘一毛の相違も許さぬのだ。仮令塵切れ一本でも取つた奴は盗人だ』
『それなら何故冥土の法律を現界へ発布して下さらぬのか。私達は現界の最善を尽さうと思へば、霊界へ来て咎められる、本当に善悪の去就に困ります。それほど、今となつて小さいことまで詮議立てなさるのなら、なぜ夢になりとも、冥土の法律はかうだと知らしては下さらぬのだ。丸で人間を陥穽へおとすよな、そんな残酷な法律がどこにありますか。私は決して左様な不徹底な不完全な法律命令には絶対服従致しませぬ。それよりも、あなた、大切な私の女房をどこへ隠しましたか。あべこべに誘拐罪で、冥府の審判所へ告発致しますぞ』
『今の娑婆に居る奴は、ドイツも此奴も、皆弱肉強食、優勝劣敗を以て最善の生活法ときめてゐやがるからサツパリ始末に了へない。スツカリ良心が痳痺し、癲狂痴呆の境遇に陥落して居るのだから、罪の断じやうもない、癲狂者や痴呆に対し、法律の適用は出来ないから、貴様は放免する。その代り一生八衢の四辻に立つて、亡者の道案内なと致すがよからう』
『構うて下さるな、自由の権です。お前さま達が人間を審く権利がどこにあるか。人間を審く者は神様より外にない筈だ。ヘン余り偉相に言ふな、婦人誘拐者奴が、今度は俺の方から承知をしないのだ。サ早く叶枝をここへ出せばよし、出さぬにおいては死物狂ひだ。荒れて荒れて荒れまはしてやらうか』
『あゝあ、困つた気違の夫婦がやつて来たものだなア。現界の人間は何奴も此奴も皆こんなものだ。なア白さま、コリヤ一つ現界から根本改良やらねば駄目だなア』
『あゝさうだから、大神様から厳の御霊、瑞の御霊の神柱を現界に送り、今や改造に着手されつつあるのですよ。やがて四五年も先にゆけばキツと効果が現はれ、癲狂者や痴呆や、盲聾の数が減るでせう。さうすれば吾々も御用が勤めよくなるでせう』
『モシ先生、厳の御霊、瑞の御霊の神柱が現界へ出してあると言はれましたなア。大方変性男子、変性女子の事ぢやありますまいか』
『ウンさうだ。俺達も余程シツカリ致さねばならないわい。お前もこれから十分注意をして娑婆へ帰つたら、舎身的活動をやるのだなア』

(大正一二・一・九 旧一一・一一・二三 松村真澄録)



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