出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語42-5-231922/11舎身活躍巳 竜山別王仁三郎参照文献検索
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第二三章 竜山別〔一一四八〕

 竜雲は言葉しづかに歌ふ。

『神が出現ましまして  善悪邪正を立別ける
 この世を造りし神直日  心も広き大直日
 直日の御霊を経となし  瑞の御霊を緯として
 織りなされたる綾錦  御旗に輝く十曜の紋
 善をば助け曲津見を  誠の道にまつろはす
 清き正しき神の道  われは竜雲神司
 ウラルの道を遵奉し  セーロン島に打渡り
 彼方此方とさまよひし  時しもあれや神地城
 ケーリス姫のお見出しに  あづかりここに登竜の
 門戸は漸く開け来て  鰻登りに登りつめ
 心傲ぶり末遂に  悪逆無道の限りをば
 尽しをへたる醜司  北光神のお諭しに
 前非を悔いて真心に  復活したる嬉しさよ
 心にかかりし醜雲も  サラリと晴れて日月の
 胸に輝く身となりぬ  これぞ全く三五の
 尊き神の御恵み  御礼は言葉に尽されず
 悪逆無道の竜雲も  仁慈無限の大神の
 尊き心に見直され  聞直されて村肝の
 心に期せぬ修験者  北光神の御教に
 七千余国の月の国  検め巡る嬉しさよ
 沐雨櫛風も何のその  昔の罪に比ぶれば
 万分一の恩報じ  げにも尊き限りなり
 神の恵みの幸はひて  心も清く照り渡る
 清照姫や黄金の  姫命に伴はれ
 入那の都に現はれて  セーラン王の御為に
 心を尽し身を尽し  仕へ奉りし嬉しさよ
 かくなり果てし上からは  入那の都に竜雲は
 心を残す術もなし  あゝ勇ましや勇ましや
 晴れて嬉しき宣伝使  竜山別と改めて
 四方にさやる曲津霊を  風に草葉のなびく如
 一つも残さず言向けて  勝鬨あぐる神の国
 末頼もしき首途かな  いざいざさらばいざさらば
 北光神よセーラン王よ  サマリー姫よカールチン
 左守司のクーリンス  その他百の司たち
 茲に別れを告げまつる  テームス、レーブ、カル司
 いよいよ吾が預かりて  月の御国を巡歴し
 尊き清き大神の  柱と造り育て上げ
 ウブスナ山のイソ館  日出の別の御前に
 いと勇ましく復り言  申しまつらむ惟神
 神の御前に願ぎまつる。  

 千早振る神と君との言の葉を
  普く照らす身こそ嬉しき。

 曲神にかき乱されし吾魂も
  科戸の風に吹払はれにけり。

 いざさらば竜山別と改めて
  世人のために道を伝へむ。

 レーブ、カル、テームス司と諸共に
  荒野を進む身こそ嬉しき。

 惟神尊き神の御守りに
  安く進まむ荒野ケ原を。

 黄金姫神の命の神柱
  進ませ給ふハルナぞ恋しき。

 これよりは月の国々経巡りて
  やがて進まむハルナ都へ。

 君ゆかば鬼熊別の御柱に
  竜山別をよきに伝へよ。

 竜雲の魔神の道にありと聞かば
  鬼熊別も舌をまかさむ。

 さりながら悪しきをすてて真心の
  花咲き出でしわれは真人ぞ』

黄金『竜山別神の司の言の葉を
  わが背の君によきに伝へむ。

 大黒主神の司の耳に入らば
  忽ち心ひるがへしなむ。

 竜雲の神の司を竜山別と
  名乗るも誰か誠とやせむ』

竜雲『竜巻の雲晴れ行きしその後に
  輝き渡る月かげもあり

 日も月も皆竜巻につつまれて
  曇りし空も晴らす松風。

 松が枝を吹渡りゆく科戸辺の
  風こそ神の御水火なりけり』

清照『面白し竜山別のいでたちを
  見送るわれはほほゑまれぬる。

 照りわたる頭に鉢巻しめながら
  出でます姿面白きかな』

竜雲『禿頭ピカピカ光る鉢巻は
  曲に舌をば巻かせむためぞや。

 まかすとは弱きをくじく故ならず
  誠の道にまかすのみなり。

 魔訶不思議悪神忽ち善となり
  今は尊き神の司よ』

ヤスダラ『勇ましき竜山別のその姿
  坊主鉢巻よくも似合へる』

竜山別『いざさらばこれの館を竜山別の
  この武者振をよくみそなはせ。

 野も山も草木も川も忽ちに
  てらしてゆかむこの禿頭。

 照りわたる神の大道を歩む身は
  神ぞ宿りて頭てるなり。

 禿頭隈なく光り清照の
  姫の命と現はれて行く。

 年老いてあが顔色は黄金の
  姫の色香にうつろひにけり』

黄金『馬鹿々々し吾肉体は老いぬれど
  心は若き春の野草よ。

 神国に進み行く身は老と若きの
  隔てなければいつも勇みぬ。

 吾身こそ六十路の坂を越えぬれど
  心は二八の優姿かも』

竜山別『これはしたりわが言霊のすべりすぎて
  思はぬ方におち行きにける。

 黄金の姫の命よ赦せかし
  君を老いしと言ひし過ち。

 諺に雀百まで牡鳥を
  忘れぬと云ふ謎を忘れし。

 何事も広き心に神直日
  見直し給へ黄金姫司』

黄金『不老不死神の御国に身を置いて
  常世の春をゑらぎ楽しむ。

 この世をば捨てて御国へ上るとも
  忘れざらまし君の姿は』

竜山別『竜山別神の命の禿頭
  忘れむとして忘れざらまし。

 月も日もこれの頭にてりわたり
  心にしみて胸明けくなりぬ』

セーラン『面白し誠の道にまつろひし
  人の言の葉罪科もなし』

(大正一一・一一・二五 旧一〇・七 松村真澄録)



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