出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語32-3-161922/08海洋万里未 回顧の歌王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
ウヅの館
あらすじ
未入力
名称
国依別 言依別命 末子姫
天足彦 胞場姫 エリナ姫 大足彦 大八州彦命 楓別 神国別 金勝要大御神 国武彦 国魂神 国治立大神 国彦 国大立大神 紅井姫 言霊別 木の花咲耶姫 醜狐 塩長彦 神素盞嗚大神 捨子姫 皇神 高姫 竜世姫 玉照彦 玉照姫 常彦 豊国姫大神 野立彦 野立姫 埴安彦 春彦 日の出神 日の出別 ブール 曲鬼 松若彦 五六七の神世 宗彦 桃上彦 安彦 八岐大蛇
アマゾン河 天津誠 綾の聖地 アラシカ峠 斎苑館 ウブスナ山 エルサレム 自転倒島 シーズン川 高砂洲 高島丸 地教山 テルの港 天教山 豊葦原の瑞穂国 錦の機 錦の宮 根の国 ヒルの国 ブラジル峠 帽子ケ岳 三座山 八頭 八王 四尾山 竜宮海 霊光 黄金山
 
本文    文字数=9524

第一六章 回顧の歌〔九〇七〕

 ウヅの神館の八尋殿に、末子姫の発起として大歓迎会は開かれ、言依別命は立つて、簡単なる祝歌を歌ひ給ふ。

『この世を造り固めたる
 厳の御霊とあれませる
 国治立の大神は
 百八十国の神人を
 おいずまからず永久に
 五六七の神世に救はむと
 天地の律法制定し
 清き教を立て給ひ
 豊国姫の大神は
 瑞の御霊と現はれて
 錦の機を織らせつつ
 天教地教の神の山
 堅磐常磐に鎮まりて
 貴の聖地と諸共に
 教を開き給ひける
 時しもあれや天足彦
 胞場姫二人の霊より
 生れ出でたる曲津神
 八岐大蛇や醜狐
 曲鬼共の現はれて
 豊葦原の瑞穂国
 隈なく荒び猛りつつ
 神のよさしの八王神
 八頭神まで籠絡し
 追々勢力扶植して
 塩長彦を謀主とし
 国治立の大神が
 この世を遂に退隠の
 余儀なきまでに至らしめ
 世は刈菰の乱れ行く
 あゝ惟神々々
 神の主なる厳御霊
 国治立の大神は
 天教山の火口より
 身を跳らして根の国に
 一度は落ちさせ給へども
 この世を思ふ真心の
 凝り固まりて身を下し
 野立の彦と現はれて
 豊国姫の化身なる
 野立の姫と諸共に
 天教地教の両山に
 現はれ給ひて三五の
 教を開き給ひけり
 再び厳の御霊を
 分けさせ給ひて埴安彦の
 厳の御霊や姫命
 時節をまちてヱルサレム
 黄金山下に現はれて
 救ひの道を宣べ給ふ
 その御心を畏みて
 国大立の大神の
 四魂の神とあれませる
 御稜威も殊に大八洲彦
 神の命や大足彦の
 神の命の神司
 神国別や言霊別の
 瑞の御魂と現はれて
 茲に再び三五の
 清き教を四方の国
 開き給ひし尊さよ
 国大立の大神は
 神素盞嗚の大神と
 現はれまして許々多久の
 罪や汚穢を一身に
 負はせ給ひて天地の
 百神等の罪科を
 我身一つに引き受けて
 八洲の国に蟠まる
 八岐大蛇や醜神を
 天津誠の大道に
 言向け和して助けむと
 いそしみ給ふぞ尊けれ
 ウブスナ山の斎苑館
 此処にしばらく現れまして
 日の出別の命をば
 後に残して皇神は
 いろいろ雑多に身をやつし
 島の八十島八十の国
 大海原を打ちわたり
 自転倒島に出でまして
 貴の霊場と聞えたる
 綾の聖地に上りまし
 四尾の山に潜みます
 国治立の御化身
 国武彦の大神と
 互に心を合せつつ
 経と緯との糸筋を
 整へ給ひて世を救ふ
 錦の機を織り給ふ
 錦の宮の神司
 玉照彦や玉照姫の
 貴の命にかしづきて
 八尋の殿に三五の
 神の教を開きつつ
 教主の役を任けられて
 教を開きゐたりしが
 厳の御霊や瑞御霊
 経と緯との大神の
 御言畏み聖地をば
 後に眺めて和田の原
 渉りてここに来て見れば
 思ひがけなき瑞御霊
 神素盞嗚の珍の子と
 生れ給ひし末子姫
 桃上彦の鎮まりし
 教の館に現はれて
 神の教を楯となし
 恵の露を民草の
 頭に下し給ひつつ
 五六七の神世の有様を
 今目のあたり開きます
 かかる尊き霊場に
 参り来りし楽しさよ
 時しもあれや素盞嗚の
 神の尊ははるばると
 これの館に出でまして
 捨子の姫に帰神り
 アマゾン河の曲神を
 言向け和し救へよと
 宣らせ給ひし言の葉を
 謹み畏み屏風山
 帽子ケ岳に立向ひ
 国依別に巡り会ひ
 琉と球との霊光に
 数多の魔神を言向けて
 目出度く凱歌を奏しつつ
 十八柱の神の子は
 ウヅの館に安々と
 帰りて見れば有難や
 神素盞嗚の大御神
 はるばる此処に出でまして
 憩はせ給ふ嬉しさよ
 あゝ惟神々々
 御霊幸はひましまして
 高砂島は云ふも更
 豊葦原の瑞穂国
 百八十島の果てまでも
 恵の露に潤ひて
 世は泰平の花開き
 梅の香りの五六七の世
 松の操のいつまでも
 色も変らず永久に
 栄えましませ惟神
 神の御前に願ぎまつる
 朝日は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも
 誠の力は世を救ふ
 誠の神は今ここに
 現はれ給ひし上からは
 天地と共に永久に
 神の言葉は失せざらむ
 厳の御霊や瑞御霊
 金勝要の大御神
 日の出神や木の花の
 咲耶の姫の神力は
 竜宮海の底深く
 天教山の空高く
 千代に八千代に揺ぎなく
 輝き渡り天地の
 光となりて輝かむ
 あゝ惟神々々
 神の尊き御恵を
 謹み感謝し奉り
 神の司を始めとし
 四方の民草悉く
 神の恵を嬉しみて
 常磐の松のいつまでも
 変らざらまし高砂の
 島根に生ふる青松の
 梢に鶴のすごもりて
 名さへ目出度き尉と姥
 亀の齢のどこまでも
 大海原の波清く
 吹く風さへも朗かに
 静まりませと祝ぎまつる
 あゝ惟神々々
 御霊幸はひましませよ』

と歌ひ了り、末子姫の後を逐ひて、神素盞嗚大神の休ませ給ふ奥殿指して進み入る。
 国依別は立上り、金扇を開いて祝歌を歌ひかつ舞ひ始めた。その歌、

『錦の宮を立出でて  言依別の大教主
 高砂島に出でませる  御供に仕へまつりつつ
 波間に浮ぶ琉球の  宝の島に上陸し
 琉と球との玉を得て  棚無し船に身を任せ
 伊猛り狂ふ荒浪を  乗り切り乗り切り高砂の
 島の手前に来て見れば  高姫一行暗礁に
 船を乗上げ浪の上  渡りて進む時もあれ
 山なす浪に襲はれて  命危く見えければ
 高島丸の船長に  命じて船に救はしめ
 テルの港に来て見れば  先頭一に高姫は
 常彦、春彦伴ひて  姿を早く隠しける
 言依別の神司  われを伴ひ三座山
 国魂神を祀りたる  竜世の姫の神霊地
 集まり来る国人の  霊と肉とを救ひつつ
 しばらく此処に止りて  誠の道を宣り伝へ
 それより進んでヒルの国  楓の別の永久に
 鎮まりいます神館に  出で行く折しも天地は
 震ひ動きて山は裂け  河は溢れて人々の
 住家は砕け諸人は  水と炎に包まれて
 苦み悶ゆる憐れさよ  楓の別の妹なる
 紅井姫の命をば  艱みの中より救ひ出し
 ヒルの館に立向ひ  稜威の言霊宣り上げて
 天変地妖を鎮定し  館を立ちてアラシカの
 峠を越えて日暮しの  館に教を開きたる
 ウラルの道の神司  ブールその他の人々に
 神の教を宣り伝へ  紅井姫やエリナ姫
 二人の女性を預けおき  またもやここを立出でて
 安彦、宗彦従へつ  ブラジル峠に差しかかり
 丸木の橋を危くも  生命カラガラ打ちわたり
 シーズン川を乗越えて  帽子ケ岳に立向ひ
 別れて程経し神司  言依別に巡り会ひ
 手を握りたる楽しさよ  琉と球との霊光に
 アマゾン河や森林の  数多の魔神を言霊の
 御水火に助けしづめつつ  凱歌をあげて十八の
 神の柱は潔く  ウヅの館に来て見れば
 思ひ掛なき末子姫  捨子の姫と諸共に
 貴の教をひらきまし  松の神代と栄えゆく
 その目出度さは言の葉の  尽す限りにあらじかし
 心静かな国彦が  御子の松若彦の神
 主の君によく仕へ  治まるこれの神館
 来りて見れば瑞御霊  神素盞嗚大神は
 はるばるここに出でまして  我等が言霊軍をば
 遥に守り給ひつつ  光り輝き給ふこそ
 実に尊さの限りなれ  あゝ惟神々々
 国依別の神司  厳の御霊や瑞御霊
 日の出神や木の花姫の  貴の命の御前に
 国魂神を通しつつ  嬉しみ尊み祝ぎまつる
 畏み尊み祝ぎまつる』  

と歌ひ終り、欣然として奥殿に進み入る。

(大正一一・八・二三 旧七・一 松村真澄録)



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