出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語27-4-141922/07海洋万里寅 草枕王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
比治山から琉球まで
あらすじ
 照子姫と清子姫は豊国姫の比沼真奈井に仕えていたが、豊国姫の宣託によって、秋山彦の館に向った。しかし、竜宮の一つ洲の麻邇宝珠は既に聖地に向って出発した後であった。二人は綾の聖地に行き、玉照彦と玉照姫に「琉球の島へ行く」ように言われて、高熊山で三週間の修行をして、生田の森に立ち寄り、兵庫の港から舟に乗った。
 二人の乗った船は、児島半島で難破したが、そこを二人の男に救われて、琉球の島までたどりついた。

名称
清子姫 照子姫
秋山彦 梅子姫 来勿止神 言依別 駒彦 玉照彦 玉照姫 玉能姫 玉治別 玉依姫 常楠 豊国姫 初稚姫 八咫烏 稚姫君
明石 葦尾 穴太 天田 天津御神の神宮 余の内 綾の大橋 綾の里 綾の聖地 生田の森 池田郷 池の内 伊丹 犬飼 稲野 岩淵 上杉 打出 梅迫 家島 音無瀬 大井村 大野 小山 川関 木部の里 久次 桑津村 児島半島 胡麻の郷 才原 堺山 柴野村 諏訪の湖 小豆島 千妻 曾我谷 園部 高熊山 高砂 鷹栖 田辺 長善寺 千代川 常吉 止止呂美坂 殿田川 鳥羽 豊の島 中河原 中山新田 錦の宮 西島 西の宮 西八田 比治山 比沼真奈井 兵庫の港 広瀬 縁垣 船岡 法貴 本庄 細の川 真倉郷 松原 麻邇宝珠 丸八江 御影町 味方原 三つ葉躑躅 峰山 宮津 紅葉坂 文殊 八木 山家 山田 湯屋ケ谷 由良の港 琉球 竜宮の一つ洲 六箇谷 和知
 
本文    文字数=6023

第一四章 草枕〔七九六〕

 雲に聳ゆる比治山の  麓に清き比沼真奈井
 豊国姫の永遠に  鎮まりゐます聖場に
 朝な夕なに仕へたる  心の色の照子姫
 身魂もすぐれて清子姫  神の御言を蒙りて
 三五教の宣伝使  梅子の姫を始めとし
 初稚姫や玉能姫  玉治別の一行が
 海洋万里の波の上  永久に浮べる竜宮の
 一つ島なる諏訪の湖  麻邇の宝珠を永久に
 守り玉ひし玉依姫の  神の命の御手より
 手づから受けて八咫烏  黄金の翼に跨りて
 大空高く翔めぐり  十重に二十重に包みたる
 天の岩戸も秋山彦の  人子の司の珍館
 常磐の松の茂り生ふ  御苑に降りますと聞き
 二人の女神は大神に  許しをうけて久次の
 錦織なす里を越え  四方の峰山紅葉して
 行く手の道も長善寺  大野、山田を乗り越えて
 神の宮津に着きにけり  天津御神の神宮を
 右に拝してスタスタと  岩淵、文珠、紅葉坂
 荒波たける磯端を  由良の港に辿りつき
 秋山彦の門前に  佇み様子を伺へば
 後の祭か十日菊  麻邇の宝珠は逸早く
 綾の聖地に安々と  着かせ玉ひしと聞くよりも
 二人の女神は気を焦ち  月の顔丸八江の
 田舎を過ぎて田辺宿  日はまた空に余の内
 池の内をば乗り越えて  山と山との谷間の
 日蔭も見えぬ真倉郷  片方の上杉月照りて
 心も開く梅迫や  西八田、縁垣、味方原
 綾の大橋打渡り  小雲の流れに心胆を
 洗ひて進む聖域に  太しき建てる神館
 十曜の神紋キラキラと  月の光に反射して
 絵にもかかれぬ美はしさ  秋は漸く深くして
 木々を染めなす綾の里  錦の宮の御前に
 やうやう辿りて伏し拝み  玉照彦や玉照姫の
 二柱神の御前に  現はれ出でて神勅を
 再度請へば言依別の  瑞の命の口を借り
 言葉静かに宣らすやう  汝はこれより聖地をば
 一日も早く立出でて  南に向ひ瀬戸の海
 浪かき分けて琉球の  神の御島に渡れよと
 宣らせ玉ひし言の葉を  畏み奉り二人連れ
 錦の宮を伏し拝み  小雲の流れを溯り
 山路を駆り鷹栖や  山家、音無瀬、才原の
 細谷路を辿りつつ  流れも広瀬の丸木橋
 渡りて進む和知、本庄  中山、新田、胡麻の郷
 尋ね行くのは殿田川  乗せて嬉しき船岡の
 その行先は千妻や  曽我谷、園部の花の里
 小山、松原後にして  羽はなけれど鳥羽の駅
 道も広瀬や八木の町  深き川関、千代川の
 大川小川を打渡り  神の御稜威も大井村
 天田神徳嬉しみて  玉照彦の生れませる
 穴太の山の奥深く  高熊さして登りゆく
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ
 朝日の直刺す神の山  夕日の日照らす神の峰
 三つ葉躑躅のその下に  小判千両埋けおいた
 黄金の鶏の暁を  告ぐる神代を松林
 折柄吹来る秋風に  木々の梢は自ら
 微妙の音楽奏でつつ  小鳥の歌ふ声清く
 あちらこちらの山柿の  赤き顔してブラブラと
 玉照彦の御姿を  今見る如き照子姫
 神の宝座も清子姫  岩窟の中に忍び入り
 木花姫の神勅を  三七二十一日の
 秋の夜長に細々と  教へ諭され両人は
 深き御徳を拝しつつ  山を降りて谷路を
 スタスタ降る山の神  水音高き滝の辺に
 またもや身魂を洗ひつつ  来勿止神に送られて
 松の大木の大空を  封じて暗き堺山
 息急き登る雄々しさよ  三五の月の光をば
 頭上に浴びて六箇谷  犬飼、法貴、湯屋ケ谷
 崎嶇たる山路分けながら  止止呂美坂や細の川
 またもや渡る中河原  木部の里をば打過ぎて
 思ひも深き池田郷  神田草鞋も桑津村
 足や伊丹の郷こえて  稲野、常吉向う脛
 秋の芒に傷つけて  屡休む柴野村
 日は早空に西の宮  茲に一夜を宿りつつ
 朝日と共に打出て  葦尾痛めん憂もなく
 無事に進むは大神の  ましさく本庄、御影町
 生田の森に名も高き  稚姫君の祀りたる
 玉能の姫の神館  一夜をここに明かしつつ
 心も勇む駒彦に  いと親切に歓待なされ
 兵庫の港に進み行く  浜辺に繋ぎし新船を
 代価をくれて買ひ取りつ  誠明石の海の面
 波高砂の浦を越え  家島、西島、小豆島
 左手に眺めて豊の島  児島半島のそば近く
 進む折しも暗礁に  船乗りあげて両人は
 如何はせんと村肝の  心を苦しむ折柄に
 月照る波を分けながら  此方に向つて馳来る
 一つの船に助けられ  茲に二人の姫神は
 危き所を救はれて  神のまにまに竜宮の
 石松茂る磯端に  船を繋ぎて上陸し
 莓の実る山路を  一行四人の男女連れ
 常楠翁の住家なる  目出度き人に大槻の
 天然ホテルに着きにけり。  

(大正一一・七・二七 旧六・四 松村真澄録)



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