出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語26-4-151922/07海洋万里丑 諭詩の歌王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
琵琶湖から綾部へ
あらすじ
 高姫、黒姫、高山彦は竹生島を離れる。湖では水茎文字を見た。また、木の花姫が顕現して、「ここに来させられたのは国依別のせいではなく、皇神の貴い仕組だ。綾の高天に帰り、悔い改めよ」と諭す。
 高姫は「木の花姫など偉いものか。日の出神の生宮、変性男子の系統の自分こそが偉いのだ」と、黒姫、高山彦に忠誠を呼びかける。大津の港では、アールとエースが待っていて、玉を手に入れたと思っていたが、三人は何も話さず、綾の高天へ向う。
 一方、英子姫と亀彦も別の経路で綾の高天へ向った。
名称
アール エース 亀彦 黒姫 木の花姫 大竜 高姫 高山彦 英子姫
秋彦 国依別 言依別神 神素盞鳴大神 皇神 玉能姫 天狗 日の出神の生宮 平和の女神 変性男子 弥陀如来 弥勒菩薩 杢助 八十の曲津 竜宮の乙姫 竜神
逢坂山 綾の高天 嵐山 伊吹山 馬堀 榎木峠 沖の島 大井川 大枝山 大谷 大津 大原 小山 柏原 桂川 唐崎 沓掛 観音峠 小雲川 言霊 小麦山 蒲生野 欣求浄土 三間坂 三千世界 篠村 執着心 須知 須知山 園部 台頭 高熊山 竜の宮居 竹生島 天教山 十曜の紋 鳥羽 長良の人柱 梨の木峠 錦の宮 如意宝珠 比叡山 檜山 広道 琵琶の湖 伏見 保津 松原 三井寺 水茎文字 紫の玉 室河原 桃山 大和魂 淀川
 
本文    文字数=16822

第一五章 諭詩の歌〔七八〇〕

 高姫、黒姫両人は  高山彦と諸共に
 神の社を伏し拝み  顔赭らめてスゴスゴと
 乗り来し船を繋ぎたる  磯辺に行きて眺むれば
 東の空は茜して  浪に閃めく美はしさ
 湖水の底に潜みたる  竜神様のなす業か
 水茎文字の此処彼処  アオウエイ カコクケキ
 サソスセシと現はれぬ  三人は船に飛び乗りて
 艪櫂を操りシヅシヅと  浪に浮んで帰り来る
 湖水は二つに立別れ  現はれ出でし大竜の
 姿は殊に厳めしく  黄金の鱗に太刀の膚
 雲を起して大空に  忽ち昇る凄じさ
 三人は空を打ち仰ぎ  眺むる間に大竜の
 姿は直に雲と消え  涼しき風の共響き
 幽遠微妙の音楽は  何処ともなく聞え来る
 四辺は忽ち芳香に  包まれ心は清々と
 甦りたる思ひして  船を進むる折柄に
 ヒラリヒラリと蓮花  雪の如くに降り来り
 三人が船に堆高く  積り積ると見る間に
 蓮の花は何時しかに  姿変じて美はしき
 平和の女神となり了へぬ  三人はここに合掌し
 欣求浄土の弥陀如来  弥勒菩薩の来迎か
 木花姫の出現か  但は竜宮の乙姫か
 崇高き姿と村肝の  心の底より恭敬し
 思はず頭を下げつれば  女神は言葉淑やかに
 三人に向つてさやさやと  神勅を伝へ給ひけり。

   ○

 天教山に永久に  千木高知りて鎮まれる
 我は木花姫神  汝は高姫、黒姫か
 高山彦よよつく聞け  神が表に現はれて
 善と悪とを立別ける  この世を造りし神直日
 心も広き大直日  ただ何事も人の世は
 直日に見直し聞直し  身の過ちは宣り直せ
 神は汝と倶にあり  神の分霊を享けながら
 小さき欲にからまれて  在処も知れぬ玉探し
 玉を探すは良けれども  天地の神の賜ひたる
 汝が霊魂を何時しかに  八十の枉津に抜きとられ
 見るも穢き醜魂と  スリ変へられて居ながらも
 誠の霊を他所にして  形の玉に目も眩み
 遠き海原乗りきりて  彷徨ひ廻る憐れさよ
 汝高姫、黒姫よ  高山彦よ今よりは
 生れ赤子の魂に  研き返して三五の
 神の教をよく悟り  天地に轟く言霊の
 貴の宝を身に持ちて  天地百の神等や
 百千万の民草を  安きに導き救はむと
 神より出でし神霊  研き澄まして松の世の
 五六七の神業に尽せよや  厳の御魂の系統と
 心驕れば忽ちに  またもや今日の玉騒ぎ
 繰返しつつ拭はれぬ  恥を掻くのは目のあたり
 竜の宮居の乙姫と  曲津の神の囁きを
 大和魂の生粋と  思ひ詰めたる執着の
 心の鬼に責められて  苦しみ悶ゆる可憐らしさ
 木花姫の神言を  真に受けて聞くならば
 天ケ下には仇もなく  枉津の襲ふ術もなし
 神は汝と倶にあり  神の造りし神の宮
 心を正しく清めなば  如何でか枉津の潜むべき
 あゝ惟神々々  神の御言を畏みて
 一日も早く片時も  誠の心に帰れかし
 仕組は深し琵琶の湖  浪に漂ふ竹生島
 神素盞嗚大神の  肉の御宮より生れませる
 神徳高き英子姫  万代祝ふ亀彦の
 三五教の宣伝使  竹生の島にましませど
 汝が身の心闇くして  その御舎も得知らず
 やみやみ帰る哀れさよ  あゝ惟神々々
 尊き神の御言もて  木花姫が今此処に
 汝が身の上憐れみつ  天と地との道理を
 完全に詳細に説き諭す  朝日は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも  仮令大地は沈むとも
 我言の葉は変らまじ  三千世界の梅の花
 一度に開く言霊の  清きは神の心なり
 清きは神の心なり  瑞の御霊の永久に
 鎮まりいます神島に  神の縁に繋がれて
 詣で来れる三人連れ  汝が望みし三つの玉
 神の仕組で永久に  匿されあれば今よりは
 心の底より諦めて  玉に魂をば抜かれなよ
 汝が身の此処に来りしは  国依別や秋彦の
 魂に憑りし天狗の  業にはあらじ皇神の
 尊き珍の御仕組  心を平らに安らかに
 綾の高天にたち帰り  悔い改めて真心の
 証をなせよ三身魂  三五の月の輝きて
 錦の宮の棟高く  きらめき渡る十曜の紋
 神の光と拝みて  心を乱す事勿れ
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましませと
 雲霧わけて大空に  何時しか貴の神姿は
 消えさせ給ひし訝かしさ  あゝ惟神々々
 御霊幸はへましませよ。  

   ○

 転迷開悟の蓮花  天教山をたち出でて
 三人の心を照らさむと  木花姫の御神が
 心を籠めし御教も  執着心の雲深く
 容易に晴れぬ高姫は  木花姫が何偉い
 日の出神や竜宮の  乙姫さまに比ぶれば
 物の数にも当らない  お釈迦に経を説くやうな
 矛盾だらけの宣言を  他人は知らねど高姫は
 どうしてこれが聞かれうか  馬鹿になさるもほどがある
 木花姫の御言葉を  今に至つて聞くやうな
 優しい身魂の高姫と  思召すかや情ない
 変性男子の系統ぢや  日の出神を何処迄も
 金輪奈落の底深く  信じ奉つた高姫は
 そんなヘドロイ霊でない  金剛不壊の如意宝珠
 何処に匿しありとても  探し当てずに措くものか
 木花姫の男女郎  富士の山から飛んで来て
 三人の者にツベコベと  訳の分らぬ事吐き
 雲を霞と逃げ去つた  その醜態さはなかなかに
 見るも憐れな次第なり  黒姫さまよ高山彦の
 長い頭の福禄寿さま  このやうな事に肝潰し
 心を変へちやならないぞ  トコトンまでも耐りつめ
 変性男子の系統が  日の出神と諸共に
 天晴れ表になるまでは  私の側を離れなよ
 高姫司のへらず口  聞きたうないかは知らねども
 袖振り合ふも多生の縁  躓く石も縁の端
 同じ教の友舟に  乗つた以上は波も立つ
 レコード破りの風も吹く  間にや暗礁に突きあたる
 時には沈没逃れない  それが恐くて三五の
 神の教が開けよか  臆病風に誘はれて
 腰を抜かしちやならないよ  心の弱い黒姫や
 高山彦の友舟は  なんだかちつとも気乗りせぬ
 比叡山颪に吹かれつつ  伊吹の山を仰ぎ見て
 荒波猛る湖面を  渡つて帰る勇ましさ
 仮令何事あらうとも  日の出神の生宮が
 この世にあれますその限り  鬼が出ようとも大丈夫
 鬼に鉄棒大船に  乗り込むやうな心地して
 跟いてござれよ何処迄も  今は言依別神
 有象無象に抱へられ  翔つ鳥さへも落すやうな
 偉い勢であるなれど  驕る平家は久しうない
 桜の花は何時までも  梢に留まるもので無い
 一度嵐が吹いたなら  落花狼藉花莚
 見上げた人の足許に  踏み蹂られて亡び行く
 此処の道理を弁へて  今は冬木の吾なれど
 軈て花咲く春が来る  私の出世を楽しみに
 真心尽して来るならば  仇には捨てぬ高姫が
 肝腎要の片腕と  屹度重く使ひます
 何と言うても系統ぢや  高姫さまには叶はない
 これほど見易い道理が  賢いお前に何として
 分つて来ぬのか妾や不思議  神の奥には奥がある
 そのまた奥には奥がある  十五の空には片割れの
 月はどうして出るものか  世間の亡者は種々と
 理屈ばかりを言ふけれど  三五の月の神教は
 日の出神の生宮を  抜いたら片割れ月ぢやぞえ
 雲に深くも包まれて  その半分はここにある
 片割れ月を喜んで  言依別を始めとし
 杢助親娘や玉能姫  国依別や秋彦の
 訳の分らぬ幹部連  今に高姫帰りなば
 ビツクリ仰天尻餅を  搗いてアフンとするであらう
 必ず気をば腐らさず  夫婦仲良く手を曳いて
 竜宮さまの生宮と  それが違ふが違ふまいが
 初めの言葉を立て通し  途中で屁太つちやなりませぬ
 高山さまは立派なる  男の癖にまたしても
 弱音を吹いて高姫の  心を曇らす弱い人
 黒姫さまもこれからは  ヘイヘイハイハイ何事も
 親爺の言葉に従はず  ちつとは意見をなさいませ
 あまり男を大切に  思ひ過ごして神の道
 チト疎かになりかけた  この高姫が見て居れば
 真に目倦い事ばかり  終にや歯痒うなつて来る
 女房の決心一つにて  男はどうでもなるものだ
 甘い顔して見せる故  高山さまが駄々捏ねて
 高姫までも困らせる  チツトはお気を付けなされ
 チツトやソツトで神の道  さう易々と行くものか
 日の出神が気を付ける  妾の意見と茄子の花は
 千に一つもあだはない  あだに聞いてはなりませぬ
 七重や八重や九重と  花は匂へど山吹の
 結実の致さぬあだ花に  現を抜かして言依別の
 ハイカラ命の花心  盛り短いあだ花に
 心移しちやなりませぬ  苦労の長い梅の花
 冬の寒さをよく忍び  雪の晨や霜の宵
 堪へ忍んで春を待ち  万の花に魁て
 匂ひ出でたる花の香は  天より高い高姫の
 言葉の花に如くはない  黒姫さまよ高山の
 峰に咲いたる松の花  手折る由なき高望み
 スツパリやめて高姫の  日の出神の生宮に
 心を委ね身を任せ  昨夜のやうな馬鹿な事
 決して言ふちやなりませぬ  三歳児に説教するやうな
 気分が致して頼りない  頼りに思うた黒姫や
 高山彦の弱腰に  妾も一寸泡吹いた
 幸ひ此処は湖の上  四辺に人の居らざるを
 見すまし誠を説いて置く  あゝ惟神々々
 御霊幸はへましませよ。  

 漸くにして船は大津辺に安着した。アール、エースの二人は高山彦の帰り来るを今や遅しと湖辺を眺めて待ち倦みつつあつた。

 アール、エースの両人は  永らく湖辺に待たされて
 高山彦のお帰りを  頸を伸ばして待ち居たる
 そこへ荒浪乗り切りつ  恐い顔した高姫が
 漸う此処に帰り来る  アール、エースの両人は
 直ちに側に走り寄り  高姫様かお目出度う
 金剛不壊の如意宝珠  何処に置いてござりますか
 根つから其処等に影もない  大方貴女はお宝を
 丸呑みしたのに違ひない  道理でお腹が膨れてる
 サアサア早く帰りませう  私も永らく待ち佗びた
 黒姫さまは黄金の  尊い玉を手に入れて
 何処へお匿し遊ばした  高山さまも紫の
 玉を首尾よう手に入れて  お帰りましたでありませう
 サアサア一同打ち揃ひ  逢坂山を乗り越えて
 淀の川瀬を川上り  嵐の山や保津の谷
 神の御稜威も大井川  観音峠を乗り越えて
 聖地を指して帰りませう  あゝ惟神々々
 神の御霊の幸はひて  こんな嬉しい事はない
 高山さまのお供して  跟いて参つたその酬い
 私の肩まで広うなる  アール、エースの両人は
 綾の高天に馳せ上り  日の出神のお脇立
 立派な神と謳はれて  聖地の花と咲き匂ふ
 思へば思へば有難し  忝なしと伏し拝む
 その有様の可憐しさ  高姫答ふる言葉なく
 黙然として居たりしが  黒姫忽ちシヤシヤり出で
 お前はアール、エールさま  神の奥には奥がある
 お前の知つた事ぢやない  構ひ立てをばしてくれな
 由縁を言うては居られない  執拗う言へば腹が立つ
 言はぬは言ふに弥勝る  物は言ふまい物言うた故に
 父は長良の人柱  雉子も鳴かねば撃たれまい
 お前はお黙り居りなさい  神が表に現はれて
 善と悪とを立て別ける  この世を造りし神直日
 心も広き大直日  ただ何事も黒姫が
 羽織の紐ぢや胸にある  何にも言はずについて来い
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましませよ。

   ○

 浪に浮べる竹生島  神素盞嗚大神の
 隠れ給ひし仮館  守り給へる英子姫
 三五教の神司  亀彦諸共弁天の
 神の社に拝礼し  綾の聖地に向はむと
 艪櫂を操る舟の上  伊吹颪に吹かれつつ
 心は高天原に沖の島  左手に眺めて漕ぎ渡る
 琵琶の湖水の浪高く  風は俄に吹き荒び
 御舟は将に覆らむと  する時忽ち天空を
 照らして下る一団の  火光は美々しき神となり
 二人が舟に現はれて  声朗かに言霊を
 宣らせ給へばアラ不思議  波は忽ち凪ぎ渡り
 荒風俄に鎮まりて  鏡の如き湖の面
 辷り行くこそ勇ましき  今現はれし神人は
 日の出神の御化身  大津の浜に着くや否
 烟の如く消え給ひ  何処ともなく帰ります
 英子の姫は伏し拝み  神の恵を感謝しつ
 亀彦伴ひ唐崎の  松に名残を惜みつつ
 清き神代を三井の寺  五六七の神に逢坂の
 関路を越えて大谷や  伏見、桃山何時しかに
 後に眺めて進み行く  花の都の傍辺
 浮名を流せし桂川  二人の身魂も堅木原
 足に穿てる沓掛の  関所を越えて大枝山
 子安の地蔵を右に見て  罪も穢も梨の木の
 峠を下り三間坂  夜は明けはなれ明けれど
 名は暗の宮越えて  青草茂る篠村や
 広道、馬堀、柏原  高熊山の霊山を
 左手に眺めてシトシトと  大井の流れに沿ひながら
 羽は無けれど鳥羽の駅  流れも清き室河原
 小山、松原早越えて  花の園部や小麦山
 三十三相名に負ひし  観音峠の頂上に
 息を休めて二人連れ  須知、蒲生野や檜山
 神に由縁の三の宮  榎枯木の峠越え
 大原、台頭、須知山の  谷道下り漸々に
 風光絶佳の並松に  二人は目出度く着きにけり
 流れも清き小雲川  並木の老松色深く
 水に影をば映しつつ  松の梢に魚躍る
 綾の大橋右に見て  愈聖地に着きにけり
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましませよ。

(大正一一・七・一九 旧閏五・二五 北村隆光録)



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