出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語26-2-61922/07海洋万里丑 大神宣王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
由良の秋山彦の館
あらすじ
 素盞嗚尊と国武彦の歌。素盞嗚尊は歌い終わり、一同に微笑を与えて、奥の間に姿を隠された。国武彦も、歌い終わり、そのまま御姿は白煙となってその場に消えさせ給うた。
名称
秋彦* 秋山彦* 五十子姫* 梅子姫* お民* 音彦* 久助* 国武彦命 国依別* 言依別命* 佐田彦* 神素盞鳴大神 玉能姫* 玉治別* 常彦* テールス姫* 友彦* 夏彦* 初稚姫* 波留彦* ムカデ姫* 杢助* 紅葉姫* 黄竜姫*
天足彦 天照大神 生神 厳御霊 胞場姫 国常立 国治立大神 木の花姫 探女 醜狐 醜女 皇神 玉照彦 玉照姫 玉依姫 天地の神 常世彦 常世姫 豊国姫 野立彦 野立姫 埴安彦 埴安姫 日の大神 分霊 曲鬼 曲霊 瑞御霊 八咫烏 八十猛の神 八人乙女 八岐大蛇
丹波 天津祝詞 天の石座 綾の聖地 綾の高天 斎苑館 ウブスナ山 桶伏山 自転倒島 九月八日 黄金の玉 言霊 金剛不壊 三千世界 下津磐根 神界 諏訪の湖 高天原 千座の置戸 筑紫 天火水地 天教山 十曜の紋 豊葦原の国 錦の機 錦の宮 如意宝珠 根底の国 一つ洲 ヒマラヤ山 松の神世 松の世 麻邇の玉 五六七の神政 五六七の神世 紫の玉 八州国 八州の国 大和島根 由良の海 四尾山 竜宮城 竜宮の一つ洲 竜の海 蓮華台 和知川
 
本文    文字数=10160

第六章 大神宣〔七七一〕

 素盞嗚尊は儼然として立上り、荘重なる口調を以て歌はせ給うた。

『豊葦原の国中に  八岐大蛇や醜狐
 曲鬼共のはびこりて  山の尾の上や川の瀬を
 醜の魔風に汚しつつ  天の下なる民草を
 苦め悩ますこの惨状を  見るに見兼ねて瑞御魂
 神素盞嗚と現はれて  八十の猛の神司
 八人乙女や貴の子を  四方に遣はし三五の
 神の教を宣べ伝へ  山川草木鳥獣
 虫族までも言霊の  清き御水火に助けむと
 ウブスナ山の斎苑館  後に残して八洲国
 彷徨ふ折りしも自転倒の  大和島根の中心地
 綾の高天の聖域に  この世の根元と現れませる
 国治立大神の  国武彦と世を忍び
 隠れいますぞ尊けれ  この世を救ふ厳御霊
 瑞の御霊と相並び  天地の神に三五の
 教を開き天が下  四方の木草に至るまで
 安息と生命を永久に  賜はむために朝夕を
 心配らせ給ひつつ  三つの御玉の神宝
 高天原に永久に  鎮まりましてまたもはや
 現はれ給ふ麻邇の玉  五づの御玉と照り映えて
 三五の月の影清く  埴安彦や埴安姫の
 神の命と現れませる  神の御霊も今茲に
 いよいよ清く玉照彦の  貴の命や玉照姫の
 貴の命の御前に  納まる世とはなりにけり
 瑞の御霊と現れませる  三五教の神司
 言霊幸はふ言依別の  神の命は皇神の
 錦の機の経綸を  心の底に秘めおきて
 松の神世の来るまで  浮きつ沈みつ世を忍び
 深遠微妙の神策を  堅磐常磐にたてませよ
 神素盞嗚の我が身魂  八洲の国に蟠まる
 八岐大蛇を言向けて  高天原を治しめす
 天照します大神の  御許に到り復命
 仕へまつらむそれまでは  蠑螈蚯蚓と身を潜め
 木の葉の下をかいくぐり  花咲く春を待ちつつも
 完全に委曲に松の世の  尊き仕組を成し遂げむ
 国武彦大神よ  汝が命も今しばし
 深山の奥の時鳥  姿隠して長年の
 憂目を忍びやがて来む  松の神世の神政を
 心静かに待たせまし  竜宮城より現はれし
 五つの麻邇のこの玉は  綾の聖地に永久に
 鎮まりまして桶伏の  山に匂へる蓮華台
 天火水地と結びたる  薫りも高き梅の花
 木花姫の生御魂  三十三相に身を現じ
 世人洽く救はむと  流す涙は和知の川
 流れ流れて由良の海  救ひの船に帆をあげて
 尽す誠の一つ島  秋山彦の真心や
 言依別が犠牲の  清き心を永久に
 五六七の神世の礎と  神の定めし厳御魂
 実に尊さの限りなり  あゝ惟神々々
 御霊幸はへましまして  国治立大神の
 厳の御霊は今しばし  四尾の山の奥深く
 国武彦と現はれて  草の片葉に身を隠し
 錦の宮にあれませる  玉照彦や姫神を
 表に立てて言依別の  神の命を司とし
 深遠微妙の神界の  仕組の業に仕へませ
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも  厳と瑞とのこの仕組
 千代も八千代も永久に  変らざらまし天地の
 初発し時ゆ定まりし  万古不易の真理なり
 万古不易の真理なり  この世を造りし神直日
 心も広き大直日  ただ何事も神直日
 大直日にと見直して  天地百の神人を
 救はむための我が聖苦  思ひは同じ国治立の
 神の尊の御心  深くも察し奉る
 深くも感謝し奉る』  

と歌ひ終り、一同に微笑を与へて、奥の間に姿をかくさせ給うた。
 国武彦命は神素盞嗚尊の御後姿を見送り、手を合せ感謝の意を表し、終つて一同の前に立ち、稍悲調を帯びた声音を張り上げ歌ひ給うた。

『天の下なる国土を  汗と涙の滝水に
 造り固めて清めたる  豊葦原の国の祖
 国治立の厳御霊  御稜威も高き貴の宮
 高天原に現はれて  百の神等人草の
 守らむ道を宣り伝へ  神の祭を詳細に
 布き拡めたる元津祖  天足の彦や胞場姫の
 捻け曲れる身魂より  生れ出でたる曲身魂
 八岐大蛇や醜狐  醜女探女や曲鬼の
 怪しの雲に包まれて  さも美はしき国土も
 汚れ果てたる泥水の  溢れ漂ふ世となりぬ
 醜の曲霊に憑かれたる  常世の彦や常世姫
 千五百万の神々の  罪や穢を身に負ひて
 木花姫の守ります  天教山の火口より
 身を躍らして荒金の  地の底まで身を忍び
 根底の国を隈もなく  さ迷ひ巡り村肝の
 心を尽し身を尽し  造り固めて天教の
 山の火口に再現し  野立の彦と名を変へて
 あ真似く国内を駆け巡り  豊国姫の神御霊
 野立の姫と現はれて  ヒマラヤ山を本拠とし
 身を忍びつつ四方の国  夫婦の水火を合せつつ
 世界隈なく検めて  再び来る松の世の
 その礎を固めむと  自転倒島の中心地
 綾の高天と聞えたる  桶伏山の片ほとり
 この世を洗ふ瑞御霊  四尾の山に身を忍び
 五つの御霊の経綸を  仕へまつらむそのために
 日の大神の神言もて  天の石座相放れ
 下津磐根に降り来て  国武彦となりすまし
 神素盞嗚大神の  御供の神と現はれぬ
 この世を思ふ真心の  清き思ひは仇ならず
 現幽神を照り透す  金剛不壊の如意宝珠
 黄金の玉や紫の  貴の宝は逸早く
 自転倒島に集まりて  三千世界を統べ守る
 その礎はいや固く  国常立となりにけり
 またもや嬉しき五つ御玉  波に漂ふ竜宮の
 一つ島なる秘密郷  金波漂ふ諏訪の湖
 底ひも深く秘めおきし  五つの御霊と称へたる
 青赤白黄紫の  光眩ゆき麻邇の玉
 梅子の姫や黄竜姫  蜈蚣の姫や友彦や
 テールス姫の御使に  持たせ給ひて遥々と
 黄金翼の八咫烏  天津御空を輝かし
 雲路を別けて自転倒の  松生ひ茂る神の島
 綾の聖地に程近き  恵も深き由良の海
 その川口に聳り立つ  秋山彦の神館
 心の色は綾錦  空照り渡る紅葉姫
 夫婦の水火も相生の  松葉茂れる庭先に
 十曜の紋の十人連  しづしづ帰り降り来る
 その御姿の尊さよ  いよいよ茲に五つ御玉
 国武彦も永久に  隠れてこの世を守り行く
 玉依姫のおくりたる  麻邇の宝珠は手に入りぬ
 あゝ惟神々々  時は待たねばならぬもの
 時ほど尊きものはなし  この世を造り固めたる
 元の誠の祖神も  時を得ざれば世に落ちて
 苦み深き丹波路の  草葉の影に身を凌ぎ
 雨の晨や雪の宵  尾の上を渡る風にさへ
 心を苦しめ身を痛め  天地のために吾力
 尽さむ由も泣くばかり  胸もはり裂く時鳥
 八千八声の血を吐きて  時の来るを待つ間に
 今日は如何なる吉日ぞや  神世の姿甲子の
 九月八日の秋の庭  御空は高く風は澄み
 人の心も涼やかに  日本晴れのわが思ひ
 瑞と厳との睦び合ひ  八洲の国を照らすてふ
 三五の月の御教の  元を固むる瑞祥は
 この世の開けし初より  まだ新玉のあが心
 あゝ惟神々々  天津御空の若宮に
 鎮まりいます日の神の  御前に慎み畏みて
 国治立の御分霊  国武彦の隠れ神
 遥に感謝し奉る  千座の置戸を身に負ひて
 この世を救ふ生神の  瑞の御霊と現れませる
 神素盞嗚大神の  仁慈無限の御心を
 喜び敬ひ奉り  言依別の神司
 この行先の神業に  またもや千座の置戸負ひ
 あれの身魂と諸共に  三柱揃ふ三つ身魂
 濁り果てたる現世を  洗ひ清むる神業に
 仕へまつらせ天地の  百の神たち人草の
 救ひのために真心を  千々に砕きて筑紫潟
 深き思ひは竜の海  忍び忍びに神業を
 仕へまつりて松の世の  五六七の神の神政を
 心を清め身を浄め  指折り数へ待ち暮す
 あが三柱の神心  完全に委曲に聞し召し
 天津御空の若宮に  堅磐常磐に現れませる
 日の大神の御前に  重ねて敬ひ願ぎまつる
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましませよ』

と歌ひ了り給ひ、一同に軽く目礼し、そのまま御姿は白煙となりてその場に消えさせ給うた。一同はハツと驚き、直に拍手し天津祝詞を奏上し、御神慮の尊さを思ひ浮べて、感涙に咽ぶのであつた。

(大正一一・七・一八 旧閏五・二四 松村真澄録)



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