出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語25-5-191922/07海洋万里子 竹生島王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
生田の森杢助館
あらすじ
 駒彦が国依別と秋彦を送る歌。前章までの内容。
 高姫と国依別が聖地で諍いを起すだろう。
名称
秋彦 国依別 駒彦
アール エース 大神 お百合 黒姫 鹿公! 高姫 高山彦 玉能姫 天狗 東助 日の出神の生宮 瑞の御魂 杢助 竜宮の乙姫
淡路島 近江 天津祝詞 綾の高天 生田の森 神懸り 現界 黄金の玉 金剛不壊 洲本 瀬戸の海 竹生島 如意宝珠 再度山 紫の玉 幽界 竜宮
 
本文    文字数=4963

第一九章 竹生島〔七六五〕

『金剛不壊の如意宝珠  黄金の玉や紫の
 珍の宝に魂を  抜かれて胸もどきどきと
 浪高姫や黒姫が  高山彦と諸共に
 高山低山野の末や  河の中まで村胆の
 心を配り気を配り  探して見れど影さへも
 見えぬみたまの苦しさに  またも竜宮を後にして
 現界幽界の瀬戸の海  命を的に淡路島
 洲本の郷に名も高き  東助館に立ち向ひ
 虻蜂取らずの問答に  やつさもつさと時移し
 争ふ折しも女房の  お百合の方にうまうまと
 揺り落されて荒浪の  打ち寄せ来る汀より
 またもや船を操りて  再度山のふもとなる
 生田の森に着きにける  高姫黒姫始めとし
 高山彦は黒ン坊の  アール、エースを随へて
 教の館に来て見れば  夕陽西に傾きて
 烏の声も悲しげに  塒求むる宵の口
 門に佇み戸を叩き  モウシモウシと訪へば
 中より聞ゆる婆の声  訝かしさよと高姫は
 戸の隙間より打ち覗き  老婆の声の持主は
 的切男と判明し  お前の声は駒彦か
 馬鹿にするのもほどがある  早く開けと打ち叩く
 是非に及ばず駒彦は  中よりガラリと戸を開けて
 俄に作るおチヨボ口  揉手しながら腰屈め
 優しき女の作り声  高姫さまや御一同
 ようまアお越し下さつた  サアサアお入りなされませ
 私の体は駒彦ぢや  俄に体が変になり
 慄ひ出したる折もあれ  黒姫さまの霊が来て
 重い体を自由自在  婆さまの声を出しました
 続いて憑つた玉能姫  以前に変る淑やかな
 惚れ惚れするよな涼し声  我と我が手に惚ました
 高姫司は横柄に  しからば御免と云ひ捨てて
 高山彦や黒姫を  伴ひ一間に座を占める
 国依別や秋彦は  こりや耐らぬと奥の間へ
 一時逃れに身を隠し  火鉢を前に長煙管
 松葉の粉煙草吸ひながら  カンと叩いた煙管の音に
 高姫一行耳を立て  つかつか奥へ進み入る
 こりや大変と両人は  杢助司の真似をして
 ごろりと転けて足を上げ  チウチウ クウクウ キウキウと
 天井の鼠の真似をする  此処へ高姫やつて来て
 ほんに可愛や両人は  霊肉共に四足に
 なつてしまうたか神様に  お詫申して助けむと
 日の出神の生宮が  竜宮の乙姫諸共に
 ウンとばかりに霊をかけ  天津祝詞を宣りつれば
 国依別は起き上り  坐つたままの神懸り
 ドスンドスンと飛び上り  座敷の中にて餅を搗く
 鹿公までが同じよに  猿の人真似飛び上り
 餅と団子を搗き交ぜて  高姫司を相手取り
 手持無沙汰な顔をして  団子理窟を捏ね廻し
 嘘から生れた大天狗  たうとう真実の鼻高に
 しられてしまひ両人は  引くに引かれぬ当惑の
 締木にかかつた可笑しさよ  駒彦様子を窺へば
 真面目な顔で高姫や  高山彦や黒姫が
 押問答のいがみ合ひ  吹き出すばかり思はれて
 臍茶を沸す苦しさに  外の景色を眺めやり
 可笑しさ紜らす窓の口  セツパ詰つた国依別は
 たうとう天狗になり済まし  高姫司をチヨロまかし
 近江の国の竹生島  瑞の御魂の聖場へ
 高山彦も黒姫も  やつてしまうた御手際に
 駒彦胸を撫で下し  生田の森の留守番を
 仰せつけられました故  確り後を守ります
 国依別や秋彦の  三五教の宣伝使
 どうぞ御無事でお達者で  綾の高天に恙なく
 早く安着遊ばせよ  孰れ高姫一行は
 綾の聖地に帰りませう  その時こそは国依別と
 高姫さまの争の  立派な花が咲くであろ
 今から思ひやられます  あゝ惟神々々
 御霊幸倍ましまして  国依別や秋彦に
 敗北を取らして下さるな  三五教の大神の
 宇都の御前に駒彦が  心を正し身を正し
 慎み敬ひ願ぎまつる』  

と別れの祝歌を歌つて両人が聖地へ参向の首途を見送るのであつた。あゝ惟神霊幸倍坐世。

(大正一一・七・一二 旧閏五・一八 加藤明子録)



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