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原著名出版年月表題作者その他
物語13-0-31922/03如意宝珠子 総説王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
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あらすじ
 大正十年一月号の『神霊界』
 明治三十三年の旧作
 (1)神旗の由来
 (2)霊力体 大本三大学則 1、天地の真象を観察して真神の体を思考すべし 1、万有の運化の毫差なきを視て真神の力を思考すべし。 1.活物の心性を覚悟して真神の霊魂を思考すべし。
 全霊 全体 全力 全智全能の真神
名称

天照大御神 天之宇受売命 天之御中主神 荒魂 活久比 宇比地根 大戸地 大戸辺 面足 開祖 神皇産霊 奇魂 国祖 幸魂 真神 上帝 須比地根 天皇 高皇産霊 玉留魂 直霊 角久比 天神 天帝 常立 豊雲野 和魂
天の岩戸 天の数歌 幽の幽 国体 大地球 鎮魂 天孫降臨 十曜神旗 日本魂
 
本文    文字数=12673

総説

 瑞祥東海の天に靉靆き、金烏皇国の神園に輝く。天孫降臨以来茲に幾万の星霜を数へ大希望と大光明とは、実に六千万同胞の身魂に充満せり。顧みれば天地初発の時、大地球の未だ凝固せざるに当り、天神まづ我国祖に世界肇国の大任を命じて曰く
 『このただよへる地球を修理固成せよ』
と。我祖先神勅を奉じて先づ世界の中心として、我神国を修理固成せられたり。茲において乎万国成る。由来日本民族は神勅を奉じ以て祖先の志を継ぎ、天の下四方の国を安国と平けく治めむと、静に神洲の仙園に修養年を重ぬること幾万歳、漸くその潜勢力を蓄積し、曩には東洋文化の精を吸収し尽し、今また泰西文明を集めたり。
 吾等神洲の神民は、実に世界文化の精粋を一身に集めて、これを消化しこれを精錬し、徐に天祖の遺訓及び父母祖先の志を発揮し、以て世界的文明建設の大業をなすべき一大天職を荷へり。見よ東太平洋を隔てて亜米利加に対し、北支露を通じて欧羅巴の諸列強に連なる。世界海陸交通の軌道は、日々我神洲に向つて万邦のこれに朝宗するものの如し。嗚呼日本国民たる者、過去の歴史に稽へ、また現在の趨勢に微しなば、建国の一大精神が世界人類のために建設せられたるを知るに足らむ。されば現今の世は、正に国民が祖先の大理想を実行する第一歩のみ。かかる大意義を有する大正の聖代に当りては予め大に用意する所なかるべからず、吾人は大本開祖の神訓なる
『お照しは一体、七王も八王も王があれば、世界に苦説が絶えぬから、一つの王で治めるぞよ。日本は神国、神が出て働くぞよ。日本の人民用意をなされよ』
 この活教を遵奉すると共に、天啓の益々現代民心に必要欠くべからざるを深く信ずる次第なり。

     (一)神旗の由来

 大本十曜神旗の義は、専ら日本の国体を晋く世に知らしめ、日本魂の根本を培養せむがために、開祖開教の趣旨に則りて考案せしものにして、上古天照大御神が天の岩戸に隠れ給へる際、天之宇受売命が歌ひ給へる天の数歌に則りしものなり。則ち一より十に至る十球より組織して十曜の神旗と称するなり。
●第一球は正上に位し宇宙の大本たる渾沌雞子の色となし、
●第二球は白色とし、
●第三球は黒色を以て、宇宙の実相たる真如を開発して、陰陽二元となれるに形造りしものなり。しかして、二元感合して、森羅万象を生ずるの理由より、四より十までを七元色に分別して日月火水木金土の七曜に配し、なほ全球を神統に配し奉りて、我国体の真相を知らしめむとするものなり。
仮りに十球の配別を色別、数別、神統別にて記せば、

 色別 数別 神統別
 卵  霊  一 天之御中主大神
 白  力  二 高皇産霊大神、神皇産霊大神
 黒  体  三 国常立尊、伊弉那岐大神、伊弉那美大神
 赤  世  四 天照大御神
 橙  出  五 素盞嗚尊
 黄  萌  六 吾勝尊
 緑  生成 七 二二岐尊
 青  弥  八 神武天皇
 藍  凝  九 今上天皇
 紫  足  十 大本皇大御神

   ●色別

 神旗十曜の色別は、光学上より色別したるものにして、正上の第一球を卵色となしたるは、天地未剖の前における混沌たる鶏子の色を採り、以て宇宙開発前の一元真如を形造りしもの也。恰も光学上における卵色が各色の光線一様に集まりて物体に吸収されたる時に生ずる色にして何色とも分明せざるは、なほ宇宙真象が万有の終始をなし、統一を保有せるを以て、如此定めたるなり。また第二球を白色第三球を黒色となしたるは、天地剖判の始期、大極動きて陰陽を生じたるに形造りしものにして、恰も光線が全く物体に吸収せられずして反射する時は白色を生じ、反対に全く吸収せらるる時は黒色を生じ二元相交はりて下の七元色より無数の色を生ずるに至るは、なほ陰陽その性全く相反してしかも親しく交はる時は森羅万象を生ずるが如きものあるを以てこれを執りかく定めたり。以下の七元色は順序上の説明によりたるものにして、光線の反射さるる事多ければ多きだけ則ち、白、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、黒となり、吸収さるること多ければ多きだけ即ち漸次、黒、紫、藍、青、緑、黄、橙、赤、白に還る、なほ万有の生滅変化息ざるに同じ。しかして万色の本は黒白の二色にして、二色を統一するものは卵色なり。これ十曜色別の理由とする所なり。

   ●数別

 数別は天の数歌に則れるものなり。天の数歌は天之宇受売命に始まり、後世に到りては鎮魂祭の際に、猿女の君に擬したる巫女が受気槽を伏せて、その上に立ち鉾を槽に衝立てこの歌を謡ひ、以て天皇の御寿命長久を祈りしものなり。国語にて霊妙なることを『ひ』と云ひ、『と』は敏捷なる活気鋭きを云ふ。宇宙の本体は霊妙にして活気の最たるもの、故にこれを『ひと』と云ひ一と数ふ。本体の霊妙活気を他よりこれを見れば『力』なり。力によつて変化す『ふ』は浮出沸騰の義『た』は漂ひ動くの義あり、則ち『ふた』は宇宙の本体霊機の力によりて始めて開発す、故にこれを二となす。本体活動して霊機の凝固するものこれ物体なり。物体は『み』なり、また実なり、充るの意あり、これを三となす。この霊力体なる三大要素ありて始めてここに世(四)、出(五)と数ふ、動物植物蔚然として萌るを(六)と数へ、万有生成(七)弥(八)凝りて(九)人世の事足(十)と本歌の意義を以て十曜の神旗を作成したるもの也。
 我国語における基数は、天地開闢人世肇出の沿革を語るものなれば、大本がこの十曜を組成して神旗となし、この天の数歌に則りしも不知不識の間に宇宙進化の理法より肇国の精神立教の主旨を晋く世人に教へむがためなり。

   ●神統別

 神別に就て略解せむに、先づ宇宙の本体これを人格化して、天之御中主神と称し奉る。宇宙の活動力これを人格化して高皇産霊、神皇産霊の神と称し奉る。渾沌たる無始の始めにおいて三神造化の首をなし、二神夫婦の道を開き給ひて、国土山川を生み、日月星辰を生み、風雨寒暑を生み草木、動物、人類を生み給へり。かくて我肇国の始めに当つて、天神長く統を垂れ給ひ、連綿として今日に及べるなり。然れば
 明治天皇の大勅語に
『皇祖皇宗国を肇むる事宏遠に徳を樹つる事深厚なり』
と宣ひし所以なり。吾人日本国民はこの深厚なる神徳によつて、陛下の民と生れ、陛下は吾等が宗家の嫡子に坐し、今上に在して、下は吾等を治め給ふは、吾等の大祖先が無始際より延長して吾等を愛護し給ふものにして、吾等が報本反始の誠を尽すは、一に忠君愛国に在る事を信仰し、以て天賦の職責を全うし、人生本来の面目を達し、宇宙造化の功に資し奉るを得るは、実に無上無比の至大幸福と謂ふべし。吾人は悠々たる天地の間これを以て生き、これを以て死し、此に住して安心立命し、この境に入りて天国楽園の真楽を稟く。大本が十曜を組成して神旗と定めたるは、実にこの精神に基きしものなり。正上の第一球を一となし正中の一大球を十となしたるも、大本の神旗なる故に大本皇大神を正中に配したる所以なり。

     (二)霊力体

 神徳の広大無辺なる、人心小智のよく窺知すべき所にあらず。しかりと雖も、吾人静に天地万有の燦然として、次序あるを観察し、また活物の状態に付て仔細に視察するにおいて明かに宇宙の霊力体の運用妙機を覚知し以て神の斯世に厳臨し玉ふこと、疑を容るの余地無きに至らしむ。
 神の黙示は則ち吾俯仰観察する宇宙の霊、力、体の三大を以てす。
 一、天地の真象を観察して真神の体を思考すべし。
 一、万有の運化の亳差無きを視て真神の力を思考すべし。
 一、活物の心性を覚悟して真神の霊魂を思考すべし。
 以上の活経典あり。真神の真神たる故由を知る。何故人為の書巻を学習するを用ゐむや。ただ不変不易たる真鑑実理ある而己。
 天帝は唯一真神にして天の御中主神と称す。宇宙の神光を高皇産霊と曰ひ、神温を神皇産霊と曰ふ。古事記に曰く
『天地初発之時、於高天原成坐神名、天御中主神、次高皇産巣日神、次神皇産巣日神、この三柱神者並独神成坐而、隠身也』
 天帝は宇宙万有の大元霊にして幽之幽に坐し、聖眼視る能はず賢口語る能はざる隠身たり。また神光はいはゆる天帝の色にして神温は即ち天帝の温なり。共に造化生成の妙機にして独立不倚の神徳なり。
 神は宇宙万有の外に有り、万有の中に在り、故にこれを宇宙の大精神と謂ふ。
 大精神の体たるや至大無外、至小無内、若無所在、若無不所在なり。聖眼これを視る能はず、賢口これを語る能はず。故に皇典にいはゆる隠身也は即ち神の義なり。宜なるかなその霊々妙々の神機。天帝は無始無終なり、既に無始無終の力と無始無終の体とを以て無始無終の万物を造る。その功また無始無終なり。
 天帝は勇、智、愛、親を以て魂となし、動、静、解、凝、引、弛、分、合を以て力となし、剛、柔、流を以て体をなす。

   ●全霊

 全霊は荒魂、和魂、奇魂、幸魂、の四魂也。しかして荒魂は神勇、和魂は神親、奇魂は神智、幸魂は神愛なり。乃ち所謂霊魂にして、直霊なるものこれを主宰す。俗学不識荒和を以て心の体となし奇幸を以て心の用となし、直霊の何物たるを知らず、豈悲しまざるべけむ哉。

   ●全体

 剛、柔、流の三物これ上帝の全体なり。しかして流体を生魂と唱へ葦芽彦遅と称し、剛体を玉留魂と唱へ常立と称し、柔体を足魂と唱へ、豊雲野と称す。
 剛体は鉱物の本質なり、柔体は植物の本質なり、流体は動物の本質なり。
 スピノーザ曰く、本質とは独立して依倚する所なきものの謂なり。更にこれを言へば本質とは吾人これを理会するにおいて一も他の物と比照するを須ひざるものこれなりと、至言と謂ふべし。

   全体の図解

   ●全力

 動、静、解、凝、引、弛、分、合以上八力これを上帝の全力と称す。しかして神典にては動力を大戸地と謂ひ、静力を大戸辺と謂ひ、解力を宇比地根と謂ひ、凝力を須比地根と謂ひ、引力を活久比と謂ひ、弛力を角久比と謂ひ、合力を面足と謂ひ、分力を惶根と謂ふ。皆日本各祖の所名なり。

   全力の図解

 霊、力、体合一したるを上帝と曰ふ。真神と謂ふも上帝と曰ふも皆天之御中主大神の別称なり、左図を見て知るべし。

   全智全能乃真神




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