出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語12-1-11922/03霊主体従亥 正神邪霊王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:

あらすじ
 常世彦の後身ウラル彦は盤古神王と詐称し、ウラル山に立てこもり、体主霊従を行おうとしたが、大江山(たいこうざん)の鬼武彦に押さえ込まれていた。また、常世姫の後身ウラル姫は大気津姫と現れて、アーメニアの野に都を作り、筑紫の州を蹂躙して、瀬戸の海や呉の海を根拠と定め活動しようと図ったが、橄欖山に埴安彦神、埴安姫神が現れ、天教山、地教山も呼応してこれに対抗した。そこで、ウラル姫はコーカス山に根拠を定めたが、これも三五教の宣伝使によって追われ、それからは、高砂州、常世州、豊秋津州、竜宮州などで死に物狂いとなって悪逆無道の限りをつくした。
 地上はまた、妖気に充たされ、常世の闇となり、アーメニアやウラル山は看過できない勢力となった。神素盞嗚大神はこれを憂い、「母神のいる月界に帰ろう」とまで心をいためられた。
名称

神伊邪諾大神 磐楠彦 ウラル彦! ウラル姫! 胞場姫 鬼武彦 大気津姫! 国光彦 国治立大神 木花姫命 醜神 醜の枉鬼 少彦名神 神素盞鳴大神 速須佐之男大神 高光彦 玉光彦 足真彦 月照彦 常世彦 常世姫 豊国姫 埴安彦神 埴安姫神 盤古神王! 日の出神 弘子彦神 曲狐 曲津神 瑞霊 八十曲津 八岐大蛇
アーメニア 浦安国 ウラル山 エルサレム 橄欖山! 呉の海 コーカス山 白瀬川 瀬戸の海 タイコウ山 高天原 高砂州 地教山 筑紫の州 天教山 常世州 豊秋津州 豊の国 竜宮州 黄金山
 
本文    文字数=4393

第一章 正神邪霊〔四九七〕

 高天原の神司  神伊邪諾の大神の
 任しのままに海原に  漂う国を治めむと
 速須佐之男の大神は  千々に心を悩ませつ
 御霊幸ひましまして  天津御空に月照彦の
 神の命や足真彦  教を四方に弘子彦の
 神の命を遣はして  大海原に群集る
 百の神人言向けて  直日の道を諭せども
 まつらふ神は少名彦  豊国姫の活動も
 大海原の潮沫と  なりて消え行く浅猿しさ
 八束の髯は胸先に  長き年月世を憂ひ
 神を思ひて泣き給ふ  荒振る神の訪ひは
 五月蠅の如く皆湧きて  万の妖ひ悉く
 むらがり起り青山は  枯山の如泣き涸し
 海河ことごと泣き干しぬ  国治立の大神の
 心を千々に砕かせつ  固め給ひし海原の
 国の八十国八十島は  日の出神や木の花姫の
 神の命の活動に  一度は聖く平けく
 浦安国と治まりて  神人歓ぎ楽しみし
 その祥代も夢の間の  夢と消え果て醜神の
 伊猛り狂ふ世となりて  天足の彦や胞場姫の
 魂より出でし曲津神  八岐大蛇や曲狐
 醜の枉鬼八十曲津  天の下をば縦横に
 荒び疎びて常暗の  世とは復びなりにけり
 神素盞嗚の大神は  地教の山を後にして
 魔神の巣喰ふコーカスの  峰に現はれましまして
 正しき神を招集へ  両刃の剣抜き持たし
 枉言向けて天の下を  浦安国と平らけく
 造り成さむと思召し  千座の置戸を負はせつつ
 世人を救ふ瑞霊  深き恵みを白瀬川
 一二三四五つ六つの瀑布  心筑紫や豊の国
 磐樟彦の珍の御子  高光彦や玉光彦
 国光彦に言依さし  清めますこそ尊けれ。

 常世彦の後身なるウラル彦は、八岐大蛇の霊に憑依されて、自ら盤古神王と詐りウラル山に立籠り天が下四方の国を体主霊従の教に帰順せしめむとし、百方心力を尽しつつあれども、ウラル山に接近せる大江山に鬼武彦数多の眷族を引伴れて、固く守り居れば流石の邪神も、跋扈跳梁するに由なく、一方常世姫の後身ウラル姫は大気津姫と現はれて、アーメニアの野に神都を開き、東西相応じて体主霊従の神策を行はむと、数多の魔神を使役して筑紫の島を蹂躙し、瀬戸の海、呉の海を根拠と定め、縦横無尽に活躍せむとしたるも、エルサレムの旧都に在る橄欖山(一名黄金山)下に埴安彦神、埴安姫神現はれ給ひて、天教、地教の両山と共に相呼応し麻柱の教を以て清き言霊を詔らせ給へば、流石の曲神も進退維れ谷まり、第二の策源地としてコーカス山に根拠を定めたりしが、またもや三五教の宣伝使のために追ひ払はれ、今は殆ど策の施す所なく、アーメニアの都を捨て、八百万の曲神は四方八方に散乱し、筑紫の島を初め高砂島、常世の島、豊秋津島、竜宮島等に死物狂ひとなつて、悪逆無道の限りを尽すこそ歎てけれ。
 地上は復び妖気に充され、天日暗く、邪気発生して草木色を失ひ、闘争所々に起り、悪病蔓延し復び常世の闇と一変して、諸神、諸人の泣き叫ぶ声は、天地に充満するに至れり。しかるに悪神等は、アーメニアを死守して勢ひ侮るべからず、ウラル山また看過すべからざる形勢にあり。変幻出没極まり無き魔神の活躍は、日に月に猛烈となり収拾すべからざる惨状を呈するに至りたれば、神素盞嗚大神は大にこれを憂ひ給ひて、母神の在します月界に還らむかとまで、心を痛め給ひつつありける。
 あゝこの闇黒の世は如何にして、再び元の理想の神世に復るべき道のあるべきや心許なき次第なりける。

(大正一一・三・六 旧二・八 外山豊二録)



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