出口王仁三郎 文献検索

リンク用URL http://uro.sblog.jp/kensaku/kihshow.php?KAN=10&HEN=1&SYOU=15&T1=&T2=&T3=&T4=&T5=&T6=&T7=&T8=&CD=

原著名出版年月表題作者その他
物語10-1-151922/02霊主体従酉 言霊別王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:

あらすじ
 10巻までのまとめ。

***霊界物語の構造***
 すべて地上の神人は、霊より肉へ、肉より霊へと、明暗生死、現幽を往来して神業に従事するものであるから、太古の神人が中古に現れ、また現代に現れ、未来に現れ、若返り、若返りして、永遠に霊即ち本守護神、即ちわが本体の生命を無限に持続するものなるがゆえに、その考えを頭脳においてこの物語を読まねば、幾多の疑惑や矛盾が湧いてくるのは当然である。
名称

鳥の磐樟船 悪鬼 悪狐 悪蛇 天足彦 天の闇戸 天の狭霧 天の狭土 天の鳥船! 伊弉冊命 ウラル彦 ウラル姫 妖魅 胞場姫 乙米姫命 大神 大国治立神 大国彦 大国姫 大宜都姫 大戸惑子 大戸惑女 大山杙 金山彦 金山姫 神皇産霊神 萱野姫 国の闇戸 国の狭霧 国の狭土 国治立命 国祖 言霊別 邪神 高皇産霊神 大自在天 常世神王 常世彦 常世姫 野槌 日の出神? 火の迦々彦! 火の迦具土! 火の焼速男 霊魂 稚桜姫命
天の浮橋 天の瓊矛 幽斎 幽政 顕国玉 ウラル山 妖邪の気 大峠 帰幽 鬼城山 現幽 修羅 神界 神政 神霊界 体主霊従 大洪水 地教山 地の高天原 天教山 天国 天変地妖 常世城 本守護神 幽界 黄泉の国 黄泉国 黄泉島 黄泉比良坂 竜宮城 霊界物語 霊主体従 霊夢 ロツキー山
 
本文    文字数=7919

第一五章 言霊別〔四四五〕

 国祖国治立命出現されし太初の世界は、風清く澄み、水清く、空青く、日月曇なく、星を満天に麗しく輝き、山青く、神人は何れも和楽と歓喜に満され、山野には諸々の木の実、蔓の実豊熟し、人草はこれを自由自在に取りて食ひ、富めるもなく貧しきもなく、老もなく病もなく死を知らず、五風十雨の順序正しく、恰も黄金時代、天国楽園の天地なりき。しかるに天足彦、胞場姫の体主霊従的邪念は、凝つて悪蛇となり、また悪鬼悪狐となり、その霊魂地上に横行濶歩して茲に妖邪の気満ち、貧富の懸隔を生じ、強者は弱者を虐げ、生存競争激烈となり、地上は遂に修羅の巷と化したるのみならず、神人多くその邪気に感染して利己主義を専らとし、遂には至仁至愛の大神の神政を壊滅せむとするに至りける。地上神人の邪気は、遂に世界の天変地妖を現出し、大洪水を起し、一旦地の世界は泥海と化し、数箇の高山の巓を残すのみ、惨状目も当てられぬ光景とはなりぬ。
 この時、高皇産霊神、神皇産霊神、大国治立神は顕国玉の神力を活用し、天の浮橋を現はし給ひて地上の神人を戒め、かつ一柱も残さず神の綱に救ひ給ひ、諾冊二神を地の高天原なる天教山に降して、海月なす漂へる国を、天の沼矛を以て修理固成せしめ給ひ、国生み島生み神を生み、再び黄金世界を地上に樹立せむとし給ひぬ。しかるにまたもや幾多の年月を経て地の世界は悪鬼、悪蛇、悪狐その他の妖魅の跳梁跋扈する暗黒世界と化し、優勝劣敗、弱肉強食の社会を出現し、大山杙、野椎、萱野姫、天の狭土、国の狭土、天の狭霧、国の狭霧、天の闇戸、国の闇戸、大戸惑子、大戸惑女、鳥の石楠船(一名天の鳥船)、大宜都姫、火の焼速男(一名火の迦々彦、火の迦具土)、金山彦、金山姫等の諸神の荒び給ふ世を現出したりける。
 一旦天地の大変動により新に建てられたる地上の世界は、またもや邪神の荒ぶる世となり、諸善神は天に帰り、或は地中に潜み、幽界に入りたまひて、陰の守護を遊ばさるる事となりしため、再び常世彦、常世姫の系統は、ウラル彦、ウラル姫と出現し、ウラル山を中心として割拠し、自ら盤古神王と偽称し、大国彦、大国姫の一派は邪神のためにその精魂を誑惑され、ロッキー山に立て籠り、自ら常世神王と称し、遂には伊弉冊命、日の出神と僣称し、天下の神政を私せむとする野望を懐くに至れり。
 茲に伊弉冊命は、この惨状を見るに忍びず、自ら邪神の根源地たる黄泉の国に出でまして邪神を帰順せしめ、万一帰順せしむるを得ざるまでも、地上の世界に荒び疎び来らざるやう、牽制運動のために、黄泉国に出でまし、次で海中の竜宮城に現はれ、種々の神策を施し給ひしが、一切の幽政を国治立命、稚桜姫命に委任し、海中の竜宮を乙米姫命に委任し、自らロッキー山に至らむと言挙し給ひて、窃に天教山に帰らせ給ひ、またもや地教山に身を忍びて、修理固成の神業に就かせ給ひつつありたるなり。
 天地の神人は、この周到なる御経綸を知らず、伊弉冊命は黄泉の国に下り給ひしものと固く信じ居たるに、伊弉冊命のロッキー山に現はれ給ふとの神勅を聞くや、得たり賢しとして元の大自在天にして後の常世神王となりし大国彦は、大国姫その他の部下と謀り、黄泉島を占領して、地上の権利を掌握せむとしたれば、大神は遂に前代未聞の黄泉比良坂の神戦鬼闘を開始さるるに致りたるなり。
 この戦は、善悪正邪の諸神人の勝敗の分るる所にして、所謂世界の大峠これなり。
   ○
 この物語に就て附言して置きたい事は、諾冊二神が海月成す漂へる国を修理固成して、国生み、島生み、神生み、万の物に生命を与へ給ひし世界以前における常世城と、以後の常世城の位置は非常に変つて居る。また鬼城山その他の神策地も多少の異動があり、国の形、島の形、河川湖水山容等にも余程の変化がある事を考へねばならぬ。一々詳説すれば際限がないから、この物語には煩を避けて省いた所が沢山ある。また第一巻、第二巻に現はれた天の浮橋以前の神が、第二の世界に現はれて、その時よりは若くなつたり、或は一旦帰幽した神人が神界に前の姿を現はして活動してをるのは、常識の上から判断すれば常に矛盾のやうである。また混乱無秩序、支離滅裂の物語と聞えるのは寧ろ当然である。しかし、この物語は総ての神人の霊を主とし、その肉体を閑却したる、いはゆる霊界物語であつて、霊主体従主義であるから、この神人は何時の世に帰幽し、また幾年後に肉体をもつて現はれ、何々の活動をなし、或は善を行ひしとか、悪を行ひしとか、何神の体に宿つて生れたりとか云ふやうな詳細の点は、際限がないから大部分省いてある。
 総て地上の神人は、霊より肉へ、肉より霊へと、明暗生死、現幽を往来して神業に従事するものであるから、太古の神人が中古に現はれ、また現代に現はれ、未来に現はれ、若がへり若がへりして、永遠に霊即ち本守護神、即ち吾本体の生命を無限に持続するものなるが故に、その考へを頭脳に置いてこの物語を読まねば、幾多の疑惑や矛盾が湧いて来るのは当然である。
 数千里の山野河海を一ケ月或は二ケ月に跋渉したり、または一日の間に跋渉する事がある。千変万化、明滅不測の物語も、総て霊界の時間空間を超越したる現幽一貫の霊的活動を物質化、具体化して述べたものである事をも承知して貰ひたい。また北極に夏の太陽が出たり、赤道直下に降雪を見たり、種々の奇怪な物語がある。口述者においても、今日の知識より考へて不可解である。されど永遠無窮に熱帯は熱帯、寒帯は寒帯のまま、何時までも一定不変たる事を得ない。この宇宙は死物ではない限り、気候において位置において変動するも、幾十億万年の間の事であるから、強ち否定する訳にも行くまいと思ふ。故に読者の本書を肯定するも、否定するも、口述者においては何の感じもしないのである。至大無外、至小無内、若無所在、若無不所在、無明暗、無大小、無広狭、無遠近、過去と現在、未来とを問はず時間空間を超越し、人界を脱出し、大宇宙の中心に立つて、神霊界の物語を口述したものである。されど口述者は、決して自己の臆測や推考力によつたものでない。幽斎修業の際、見聞したるそのままの物語であつて、要するに七日七夜の霊夢を並べたものである。しかしながら私としては些しも疑うて居るのではない。また不確実の物語とも思うて居ない事を告白して置きます。

(大正一一・二・二三 旧一・二七 加藤明子録)



オニドでるび付原文を読む    オニド霊界物語Web