出口王仁三郎 文献検索

リンク用URL http://uro.sblog.jp/kensaku/kihshow.php?KAN=08&HEN=3&SYOU=14&T1=&T2=&T3=&T4=&T5=&T6=&T7=&T8=&CD=

原著名出版年月表題作者その他
物語08-3-141922/02霊主体従未 秘露の邂逅王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
秘露の都
あらすじ
 清彦の館に日の出神一行が現れた。醜国別は「蚊々虎の話は本当であるが、自分も国治立命に救われたし、清彦も心を入れ替えた」と話した。人々はそれを認めた。日の出神は宣伝歌を歌う。清彦は紅葉彦命という名をもらい、ヒルの国の守護となった。
名称
蚊々虎 清彦 群衆 醜国別 日の出神 桃上彦
伊邪那美之大神 乙米姫命 オド山津見司! 大道別! かねの神 国治立命 駒山彦 猿世彦 大自在天大国彦 埴安彦命 埴安姫命 枉津見 正鹿山津見司! 紅葉彦命!
言霊 照妙城 根底の国 根の国 秘露の国 黄泉比良坂 竜宮城 黄金山 和田の原
 
本文    文字数=4301

第一四章 秘露の邂逅〔三六四〕

 折から表玄関よりツカツカと上り来る三人の宣伝使ありき。宣伝使は直に清彦、蚊々虎の直立せる前に進み寄り、
『オー、清彦殿久し振りだなあ、オー、その方は蚊々虎か』
清彦『ハア、思ひがけなき処にてお目に懸りました。貴下は日の出神様、かかる混乱紛糾の状態をお目にかけ誠に汗顔の至りに堪へませぬ』
と詫入る。蚊々虎は醜国別の顔を熟視し、
『やあ、あなたは御主人様、根の国とやらにお出ましになつたと承はりしに、今どうして此処にお出になりましたか』
と頭をピヨコピヨコさせ手を揉みながら恐さうに挨拶する。清彦は桃上彦を見て驚き、
『やあ、あなたはどうして日の出神様と御同行を何されましたか』
と不思議相に尋ねる。数多の人々はこの光景を見て善悪正邪の区別に迷ひ、各自に耳に口を寄せて種々と囁き始めたり。
 醜国別は一同に向ひ、
『満場の人々よ。我は大自在天大国彦の宰相なりしが重大なる罪を犯し、生命を奪はれ根底の国に陥ち行かむとする時、大慈大悲の国治立尊の御取計ひによつて竜宮城に救はれ、乙米姫命の守護らせ給ふ照妙城の金門の守護となり、今までの悪心を改め昼夜勤務を励む所へ、ゆくりなくも日の出神の御来場、茲に救はれて淤縢山津見司となり、桃上彦は正鹿山津見司となり、伊邪那美之大神のお供仕へ奉りて、夜無き秘露の国へ漸く着きたるなり。今清彦の身の上につき蚊々虎の証言は真実なれども、清彦もまた悪心を翻し日の出神の代理として秘露の都に現はれたるものなれば決して偽者に非ず。汝らは清彦を親と敬ひ、よく信じ以て三五教の教理を感得し、黄泉比良坂の大神業に参加されよ』
と宣り了り口を結び玉ふ。拍手の音はさしもに広き道場も揺がむばかりなり。
 日の出神は群衆に向ひ宣伝歌を歌ひ始めたまへば、壇上の四柱もその声に合せて節面白く歌ひかつ踊り舞ひ狂ひける。

『黄金山に現れませる  埴安彦や埴安姫の
 貴の命の作られし  厳と瑞との玉鉾の
 道を広むる神司  大道別のまたの御名
 黒雲四方に塞がれる  暗世を照らす朝日子の
 日の出神と現はれて  善と悪とをそぐり別け
 山の尾の上や河の瀬に  猛り狂へる枉津見を
 真澄の鏡に照しつつ  恵みの剣ふり翳し
 醜の身魂を照さむと  山の尾渡り和田の原
 海の底まで隈もなく  清めて廻る宣伝使
 駒山彦や猿世彦  醜国別や桃上彦の
 貴の命の宣伝使  昔は昔今は今
 時世時節に従ひて  白梅薫る初春の
 優雅心になり鳴りて  吾言霊も清彦の
 教に服へ百の人  教に従へ諸人よ
 世は紫陽花の七変り  天地日月さかしまに
 変り輝く世ありとも  この世を造りし神直日
 心も広き大直日  天地四方をかねの神
 珍の御言の麻柱に  世は永久に開け行く
 世は永遠に栄え行く  誠をつくせ百の人
 神の御言を畏みて  身魂を磨け幾千代も
 ミロクの世までも変らざれ  ミロクの世までも移らざれ
 世は烏羽玉の暗くとも  やがて晴れ行く朝日子の
 日の出国の神国と  なり響くらむ天と地
 天地四方の神人よ  天地四方の神人よ
 海の内外の国人よ』  

との歌につれて数多の群衆は、各自に手を拍ち踊り狂ひ、今迄の騒動は一場の夢と消え失せ、館の外には長閑な春風吹き渡りゐる。これより清彦は紅葉彦命と名を賜り、秘露の国の守護職となりにける。

(大正一一・二・七 旧一・一一 北村隆光録)



オニドでるび付原文を読む    オニド霊界物語Web