出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語07-9-501922/02霊主体従午 三五〇王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
竜宮城
あらすじ
 北光神、祝姫、蚊取別の乗った船はエルサレムには着かず、方向違いの竜宮城の岸についた。そこには月照彦神達が待っていて、三宣伝使を山上へ誘い、四十八個の宝座を案内した。そこでは、現、神、幽三界の実況が鏡のように映しされていた。蚊取別は祝姫と夫婦となれたうえに、このような真実まで見せられて、うれしくて踊りだして、そのまま岩の上に転倒してしまった。
名称
蚊取別 北光神 少名彦 足真彦 月照彦神 祝姫 祝部 弘子彦
瑞月
エルサレム 現幽神の三界 高熊山 宝座 竜宮城
 
本文    文字数=3532

第五〇章 三五○〔三五〇〕

 どうした機みか竜宮城の海面に指しかかつた船は、ヱルサレムには着かずして方向違ひの此方の岸に着きゐたり。
 此処は不思議にも月照彦神、足真彦、少名彦、祝部、弘子彦の五柱が、ズラリと立ちゐたり。さうして北光神、祝姫、蚊取別を麾いた。五柱の神司はものをも云はず、ドンドンと崎嶇たる岩山を目がけて登り行く。三人は何心なく汗を流してその後に跟いて行く。先に立つたる五柱は恰も雲を走るが如き速力で岩山を登つて行く。さうして五柱は時々後を振向きて三人を手招きする。三人は吾劣らじと汗塗になつて岩山を駆け登りける。
 登りて見れば大小四十八箇の宝座が設けられてあり。さうして其処には種々の立派な男神、女神が鎮座して、苦、集、滅、道を説き、道法、礼節を開示して居る。五柱の神司は三人に向ひ、一々その宝座に案内をなし、さうして現、神、幽三界の実況を鏡のごとく写して見せたりける。蚊取別は余りの嬉しさに額をやたらに叩き、
『あゝ今日は何と云ふ結構な日柄であらう。好きな好きな世界で一番好きな、惚れた惚れきつた、可愛い可愛い一番可愛い、美しい美しい世界に無いやうな美しい祝姫の宣伝使と夫婦の約束を結ンだ。あゝ嬉しい嬉しいほンとに嬉しい。これほど嬉しいその上に結構な結構な五柱、立派な立派なほンとに立派な、結構な神司に導かれて、高い高い天ほど高いこの山に導かれ、広い広い限りも無いほど広い、三千世界の有様を綺麗な鏡に写して見せて貰つて、阿呆な私も賢うなつた。真実に誠に賢うなつた。女房喜べ、おつとどつこい祝姫よ。私はお前の夫ぢやほどに、堅い堅いほンとに堅い、この岩の上で堅い堅いほンとに堅い、夫婦の約束結ぼぢやないか、あゝ嬉しい嬉しい、どつこいしよどつこいしよ。たとへ天地が動いても、私とお前は先の世かけて、ミロクの世までも変りはしよまい、北光彦の宣伝使、がんちイヤ片目の神の固めた仲ぢや。千代の礎万代の固め、固い約束、金輪奈落、心の底まで打ち解けて、天と地とに一人の男、天と地とに一人の女、こンな目出度夫婦があろか、俺の頭は南瓜であろが、瓢箪面であらうとも、そンな事にはかぼちや居られない。祝へよ祝へ岩の上、祝へよ祝へ岩の上、踊つた踊つた祝姫よ。どつこいしよう、どつこいしよ。俺が踊るに何故踊らぬか、オツト分つた神様の前ぢや、耻かしがるのも無理はない、祝へよ祝へよ岩の上、どつこいしよ どつこいしよ』
と踊り狂うて、千丈の岩の上からグワラグワラと岩と一緒に谷底へ引繰返つた。その物音に驚いて目を開いて見れば豈に図らむや十三夜の瑞月は天空に輝き、口述著者の瑞月の身は高熊山の蟇岩の麓の松に脊をあてて坐り居たりける。惟神霊幸倍坐世。

(大正一一・二・二 旧一・六 加藤明子録)
(第三九章~第五〇章 昭和一〇・二・二五 於天恩郷 王仁校正)



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