出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語07-5-241922/02霊主体従午 筑紫上陸王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
筑紫の港
あらすじ
 日の出神は二人の宣伝使と共に筑紫に上陸した。船上の人々の中に、つまらないことを言っていて船の上に糞を垂れた男があった。
名称
船頭 面那芸彦* 祝姫* 日の出神 港の人々
天津御神 木の花姫 純世姫 皇神 真澄姫 木兵衛
冠島 駿河 筑紫の州 常世の国 富士 竜宮
 
本文    文字数=3916

第二四章 筑紫上陸〔三二四〕

 日の出神は唄ひ玉ふ。

『天津御空も海原も  真澄の姫の永遠に
 鎮まりゐます冠島  名さへ目出度き竜宮の
 宝の島を後にして  科戸の風の吹くままに
 流れ流れて今ここに  筑紫の島の島影を
 幽かに眺め皇神の  深き仕組も不知火の
 わが身の魂の愚さよ  心つくしの益良雄が
 深き仕組を駿河なる  富士の御山に千木高く
 鎮まりゐます木の花姫の  神の御言を畏みて
 塩の八百路を渡りつつ  心の空も純世姫
 神の命の永遠に  鎮まりゐますこの島は
 天津御神の造らしし  宝の島と聞ゆなる
 珍の島根を目のあたり  越えてまたもやこの島の
 宝を探る楽さは  黒白も分かぬ闇の世を
 天津日の出の東天に  現はれ給ひし如くなり
 現はれ給ひし如くなり』  

『オイ、今の歌を聞いたか。この昼中に目の玉の闇だとか、暗がりだとかおつしやつたじやらう。東の空から、お日さまが出るとか聞いたじやらう、一寸可笑しいじやないか。日天様は西の空に傾いてゐらつしやるのに、苟くも人を教へる宣伝使ともあるものが何であンな訳の分らぬ事を言ふのだらうね』
『貴様はそれだから困るのよ。何でもかでもチヨツピリと聞きはつりよつて、知らぬ者の半分も知らぬくせに、知つた者のやうにナゼそンな脱線した講釈をするのだ。貴様と一緒に連なつてゐると、俺アもう情ない。あまりわけが分らなさ過らア』
『分らぬ分らぬて、何が分らぬ。分らぬとは貴様のことじやないか。嬶アや子のあるざまをしよつて、五十の尻を作つて居りながら、貴様のとこのおさんの○○へ○○しよつて、嬶アに見つけられ、それがために嬶アは悋気の角を振ひ立てて、死ぬの生きるの暇をくれのと、毎日日日犬も食はぬ喧嘩をおつ始め、近所の大迷惑だつたよ。酋長の木兵衛さまが心配して、いろいろと道理を説き諭して噛ンで飲むやうにおつしやつても、貴様は死ンでも彼奴とは別れぬとか、分らぬとか吐かしたぢやないか。ソレに俺が分らぬもあつたものかい』
『サアサア船が着きましたよ。お客さま、また此処で十日ばかり風を待たな、常世の国へは行けやしない。グヅグヅしとると、この船は何処へ行くか分りやしないぞ。早う立たぬかい』
『八釜しう言うない。立てらりやせぬわ』
『立てないつて貴様何して居るのだい』
『貴様ら先へ上れ、俺は後から上る』
『腹の悪い奴だナ。皆上つた後で何か忘れ物でもあつたら、猫ババでもキメ込まうと思ひよつてケツが呆れらア』
『そのケツだよ』
『貴様ケツて何だい。ははあ坐つたままで、糞を放れよつたのだな。ハヽーそれで読めた。じつとしてをれ。バタバタすると臭いぞ。臭い野郎だナ』
 船頭は心せはし気に、
『おい、早く立たぬか』
『はいはい、今立ちます』
『そのババたれ腰は何だい』
『本当にタレたのだい』
 船頭は真赤になりながら、
『すつくり掃除せい。掃除せにや上がらせぬぞ。糞放奴が』
 日の出神は二人の宣伝使と共に上陸し、またもや宣伝歌を歌ひながら、後をも見ずに奥深く進み行く。

(大正一一・一・三一 旧一・四 桜井重雄録)



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