出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語06-8-421922/01霊主体従巳 途上の邂逅王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
イタリア
あらすじ
 雲路別の宣伝使はローマを目指して進んでいる途中で、広道別宣伝使と出会う。
 その後、二人はローマに入り、元照別天使を伊弉諾命の神政に帰順させることになる。
名称
雲路別! 広道別天使
天照大御神 天の御柱大御神 伊弉諾命 ウラル彦 大神 国の御柱大御神 撞の御柱 埴安彦神 久方彦 太玉命! 三葉彦神 元照別天使
天の岩戸 イタリア 胞衣 神政 天教山 中津御国 六合 ローマ 黄金山
 
本文    文字数=3831

第四二章 途上の邂逅〔二九二〕

 東や西に立つ雲の、雲路を分けて進みくる、三五教の宣伝使、黄金山を立ち出でて、久方彦のまたの御名、雲路別の天使は、夜を日に継いで遥々と、宣伝歌を謡ひながら、進み来たるは羅馬の都、心も清き元照別の守ります、伊太利亜さして進みける。
 路傍の石に腰打ちかけ、空を眺めて行く雲の、変る姿を見るにつけ、変り果てたる吾身の姿、可憐しき妻子を振り捨てて、何処を宛とも長の旅、長き吐息を漏らす折柄に、

『この世を造りし神直日  御魂も広き大直日
 ただ何事も人の世は  直日に見直せ聞直せ
 身の過は宣り直せ』  

と声も涼しく謡ひくる宣伝使ありけり。雲路別天使は耳を欹立て、その声を懐かしげに聞き入りぬ。

『天教山に現はれて  撞の御柱廻り合ひ
 天の御柱大御神  国の御柱大御神
 この世の闇を照らさむと  思ひは胸に三つ栗の
 中津御国を胞衣として  国土造り神を生み
 青人草や草や木や  万の物に御恵みの
 乳房を哺ませ永久に  照らさせ給ふ三柱の
 神の御稜威は天が下  四方の国々三葉彦
 神の御勅を畏みて  三五教を開かむと
 心筑紫の蓑笠や  草鞋脚絆の扮装に
 広道別と改めて  神の教の道広く
 塩の八百路の八塩路を  渡り難みて白雲の
 向伏す限り青雲の  靉靆く極み雲路別
 貴の御勅の宣伝使  今は何処に漂らひの
 旅を続かせ玉ふらむ  ここは伊太利の国境
 羅馬の都も近づけど  元照別の神司
 ウラルの神に服従うと  聞きし日よりも村肝の
 心の空は掻き曇る  雨の繁しげ降る中を
 広道別の今日の旅  神と国とのそのために
 黄金山を立ち出でて  歩みも慣れぬ長旅に
 疲れ果てたる吾姿  疲れ果てたる吾姿
 空行く鳥を眺むれば  各々家路に帰り行く
 空飛ぶ鳥も繁りたる  梢に宿を求めつつ
 親子諸共睦び合ひ  心も安く楽しまむ
 頼み難きは人の世の  明日をも知れぬ吾命
 故郷に捨てし妻や子の  心を思ひ廻らせば
 進むも知らに退くも  知られぬ国の暮の空
 あゝさりながら  さりながら  神の恵に生ひ立てる
 吾らは尊き神の御子  神はわが父わが母ぞ
 夕暮淋しき独身の  旅にはあらで御恵の
 いとも厚けき大神の  御魂と共に進むなる
 尊き聖き宣伝使  過ぎにしかたの罪咎を
 直日に見直し聞き直し  宣り直します埴安の
 彦の命ぞ尊けれ  彦の命ぞ尊けれ』

と謡ひながら黄昏の空を、とぼとぼと進みきたる。雲路別天使は広道別天使の姿を見て大に喜び、
『ヤア、広道別天使よ』
と声をかくれば、宣伝使は藪から棒のこの言葉に驚き、熟々眺むれば、雲路別の宣伝使なりき。二神司は茲に相携へて羅馬に入り、元照別天使を帰順せしめ、伊弉諾命の神政に奉仕せしめたりける。
 広道別天使は、天照大御神、天の岩戸に隠れ給ひ、六合暗黒となりし時、岩戸の前に太玉串を捧げ、神慮を慰めたる太玉命の前身なり。

(大正一一・一・二三 旧大正一〇・一二・二六 加藤明子録)



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