出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語06-7-411922/01霊主体従巳 桶伏山王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
青雲山 黄金山 桶伏山
あらすじ
 黄金の玉はエルサレムに奉祭された。ウラル彦は玉を狙い、探女醜女を巡礼として送り込んだ。玉を守るために玉守彦が玉を釜に入れておくと、釜は黄金の釜に変わり、玉と釜は鳴動するようになった。これらは、磯輪垣の秀妻の国の淤能碁呂島の桶伏山に隠され、圓山姫に守護させた。
名称
吾妻彦 ウラル彦 玉守彦天使 埴安彦神 埴安姫神 圓山姫
国魂 探女 醜女
東の国 エルサレム 淤能碁呂島 黄金の玉 四恩河 磯輪垣の秀妻の国 青雲山 圓山 蓮華台 黄金山 桶伏山
 
本文    文字数=3038

第四一章 桶伏山〔二九一〕

 光り眩き黄金の、玉を斎きし玉の輿、青雲山の玉の宮、玉守彦や吾妻別、貴の命は前後に、数多の従者を従へて、四恩の河を打ち渡り、夜を日についてやうやうに、古き昔の神都なる、黄金山のその麓、蓮華台上と聞えたる、ヱルサレムの都に、八十の隈路を踏み越えて、やうやうここに着きにける。
 ヱルサレムには、昔の俤は無けれども、美しき神殿を造り、これに黄金の国魂を奉安し、聖地の守神となし玉うたのである。ウラル彦は、この様子を窺ひ知り、数多の探女醜女を参拝者に仕立てて、この国魂を奪取せしめむと計り、昼夜間断なく、ヱルサレムの聖地を巡礼に変装せしめ窺ひつつありける。玉守彦天使は霊夢に感じ、玉を安全に保護すべく、夜窃かに玉の宮に入り、恭しくこれを持ち出し、人々の目を避くるため、釜の中に秘め隠し置きけり。
 かくすること数年を経て、釜は非常なる音響を立てて唸りはじめたり。その唸り声は遠近に響き渡りければ、玉守彦は何事ならむと、宝庫の戸を押し開き見れば、こはそも如何に、鉄の釜は黄金の玉の威徳に感じてや、いつの間にか純金の釜となり、美しき光輝を放ちて、宝庫の内部を眩ゆきばかりに照らしてゐたり。怪しみて身を清め、近寄り熟視すれば、その釜の周囲には自然に上り竜、下り竜が現はれてをり、しかして釜の中の玉はと見れば、これまた玉の表面に多くの竜体が現はれ居たり。しかして玉は、光ますます強く唸り立てたり。玉より出づる声か、釜より出づる声か、たうてい区別がつかぬため、釜の中よりその玉を取り出し、離して据ゑてみたりしに、玉より出づる声は、大なれども遠く響かず、釜より出づる声はやや小なれども、遠方に響き渡ること判明したり。
 何時ウラル彦が、この玉を奪りに来るやも知れぬとの暗示を与へられたれば、玉守彦は、埴安彦神、埴安姫神と計り、窃かに玉の隠し場所を変へる事となしたり。余り近くに隠しては、またもや盗まるる恐れありとし、遠く東の国に持ち行く事となり、粗末なる唐櫃を造り、これに黄金の玉と、黄金の釜を納め、侍者に担がしめ、夜を日に継で、磯輪垣の秀妻の国の淤能碁呂島の中心地なる桶伏山、一名円山の麓に隠し納め、円山姫をして、この神宝の守護を窃かに命じ置きたるなり。アヽ何時の世にか、黄金の玉と釜とが世に現はれ出でて、混濁の代を照らすこととなるならむか。

(大正一一・一・二三 旧大正一〇・一二・二六 藤原勇造録)



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