出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語06-5-281922/01霊主体従巳 身変定王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
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あらすじ
 ニ柱の大神は陰陽、水火の呼吸を合わせて、七十五声を鳴り出したまひ、スの言霊をもってこれを統一された。
!注 言霊による神名の説明がされている。難解。
名称

天之御中主 大神 大事忍男神 速秋津姫神 祓戸四柱神
阿波岐原 宇宙 大八嶋国 現幽神の三界 言霊 皇御国 橘の小戸 立花の小戸 立替へ 筑紫の日向 祝詞 ミカエル 御禊
 
本文    文字数=12914

第二八章 身変定〔二七八〕

 ここに二柱の大神は陰陽水火の呼吸を合して、七十五声を鳴り出し給ひ、スの言霊を以てこれを統一し給ふ事となりぬ。
 而してこの七十五声の父音を、立花の小戸と云ふ。祝詞に、
『筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に御禊ぎ祓ひ給ふ時に生坐る』
とあるは、このアオウエイの五大父音より、以下の七十声を生み出し、新陳代謝の機能たる祓戸四柱の神を生み成し給ひて、宇宙の修祓神となし給ひたなり。
 而してこの五大父音を地名に充つれば、
 『ア』は天にして『アジヤ』の言霊となり
 『オ』は地にして『オーストラリヤ』の言霊となり
 『ウ』は結びにして『アフリカ』の言霊となり
 『エ』は水にして『エウロツパ』の言霊となり
 『イ』は火にして『アメリカ』の言霊となる。
 而して『アジヤ』は『ア』と返り、『オーストラリヤ』はまた『ア』に返り、『アフリカ』また『ア』に返り、『エウロツパ』また『ア』に返り、『アメリカ』また『ア』の父音に返る。
 その他の七十声は何れも『アオウエイ』の五大父音に返り来るなり。
 この理によりて考ふるも、『アオウエイ』の大根源たる『アジヤ』に総てのものは統一さるべきは、言霊学上自然の結果なり。而して『ア』は君の位置にあるなり。
 而て『ア』と『ウ』との大根源は、『ス』より始まるなり。『ス』声の凝結したる至粋至純の神国は、即ち皇御国なり。
 二神は先づ天地を修理固成するために、『アオウエイ』の五大父音立花の小戸の言霊によりて、一切の万物を生み成し給ひ、而て『ス』の言霊の凝結せる神国の水火は最も円満清朗にして、大神そのままの正音を使用する事を得るなり。
 その他の国々の言霊のやや不完全なるは、凡て『ア』とか『オ』とか『ウ』または『エ』『イ』等の大父音に左右せらるるが故なり。
 神の神力を発揮し給ふや、言霊の武器を以て第一となし玉ふ。古書に『ミカエル一度起つて天地に号令すれば、一切の万物これに従ふ』といふ意味の記されあるも、『ミカエル』の言霊の威力を示したるものなり。而てこの『ミカエル』の言霊を、最も完全に使用し得る神人は『ス』の言霊の凝れる皇御国より出現すべきは当然なり。
 『ミカエル』とは天地人、現幽神の三大界即ち三を立替る神人の意味なり。詳しく云へば、現幽神三つの世界を根本的に立替る神人、といふ意味なり。
 また男体にして女霊の活用をなし、女体にして男霊の活用をなす神人を称して『身変定』といふ。
 ここに七十五声の言霊の活用、及び結声の方法に就き、言霊の釈歌を添付する事となしたり。

言霊学釈歌

   ○
 久方の天之御中主の神は  五十鈴川の(ス)ごゑなりけり
   ○
 あのこゑは我言霊の上よりは  宇比地邇神、須比智邇神
   ○
 おのこゑは我言霊の上よりは  角杙神、活杙神
   ○
 うのこゑは我言霊に照らし見て  大戸之道神、大戸之辺神
   ○
 えのこゑのその言霊を調ぶれば  面足神、惶根神
   ○
 いのこゑは言霊学の助けより  伊邪那岐神、伊邪那美神
   ○
 あのこゑの活動なすは須比智邇の  神の保てる本能なりけり
   ○
 おのこゑの活動するは活杙の  神の表はす本能なりけり
   ○
 うのこゑの活動保つは大戸之辺  神の表はす本能なりけり
   ○
 えのこゑに万の物の開くるは  阿夜訶志古泥の神の御本能
   ○
 いのこゑの活動なすは伊邪那美の  神の御言の本能なりけり
   ○
 喉頭、気管、肺臓なぞの活用は  国常立の神言守れる
   ○
 口腔口唇、口蓋等の発音の  根本機関は豊雲野神
   ○
 日の本の国の語の源は  ただ五声の竪端の父音
   ○
 多陀用弊流国といふ意義はあおうえい  五声父音の発作なりけり
   ○
 久方の天の沼矛と云ふ意義は  言語の節を調ふ舌なり
   ○
 立花の小戸のあはぎが原に鳴る  おこゑを天の浮橋といふ
   ○
 塩許袁呂、許袁呂邇画鳴すその意義は  おとをの声の活用を云ふ
   ○
 数音を総称ふるを島といふ  淤能碁呂島はをこゑなりけり
   ○
 あおうえい素の五つの父声を  天之御柱神と総称す
   ○
 宇宙に気体の揃ひ在る意義を  我言霊に八尋殿といふ
   ○
 鳴々而鳴合はざるはあの声ぞ  鳴余れるはうこゑなりけり
   ○
 うあのこゑ正しく揃ひて結び合ひ  変転するは美斗能麻具波比
   ○
 うあの声結びてわ声に変化くは  阿那邇夜志愛上袁登古袁といふ
   ○
 えあの声結びてや声に変化くは  阿那邇夜志愛上袁登売袁といふ
   ○
 女人先言不良と言へる神文を調ぶれば  以前の方法形式で
 言霊発達せざるてふ  意義の大要含むなり
   ○
 久美度邇興而子水蛭子  生むはわ声を母音とし
 あ行烏えいを父音とし  わ烏の二声を結び付け
 わ行のう声に変化なし  わゑの二声を結び付け
 わ行のゑ声に変化なし  わいの二声を結び付け
 わ行のゐ声に変化なし  次にや声を母音とし
 あ行お烏えい父音とし  結声変化す意義ぞかし
 やおの二声を結び付け  や行のよ声に変化なし
 や烏の二声を結び付け  や行のゆ声に変化なし
 やえの二声を結び付け  や行の延声に変化なし
 やいの二声を結び付け  や行のい声の変化なす
 この言霊の活用を  久美度邇興而と称ふなり
   ○
 子蛭子生むとふ神文は鳴出る  声音の等しき意義にして
 あ行お声とわ行のを声  あわの行なる烏声とうの神声
 あわやの行のゑ衣延と  いゐ以の声の異性にて
 同声音の意義ぞかし  これぞ水蛭子を産むといふ
   ○
 布斗麻邇々卜相而詔といふ意義は  あ行烏声の活用ぞかし
   ○
 淡道之穂之狭別島といふは  烏うゆ(む声)と結ぶ言霊
 伊予之国二名島といふ意義は  母音む声にいを結び
 み声に変化しむゑ結び  め声に変化しむおを結び
 も声に変化しむあを結び  まごゑに変化すこの故に
 むごゑの父音みめもまの  四声に変化を身一而
 面四有と称ふなり  
   ○
 みのこゑのその言霊の活用を  伊予国愛比売と謂すなり
   ○
 めのこゑのその言霊の幸ひを  讃岐飯依比古と謂ふ
   ○
 ものこゑのその言霊の助けをば  阿波国大宜津比売と謂ふ
   ○
 まのこゑのその言霊の照る時ぞ  土佐国健依別と謂ふ
   ○
 惟神その名の如く性能の  等しく易るを国と謂ふなり
   ○
 むのこゑにうゆを結びてふの声に  変化を隠岐之三子嶋と謂ふ
   ○
 ふのこゑに天之御柱結び付け  はほふへ四声に変化をば
 天之忍許呂別と謂ふ  
   ○
 筑紫島生むと言ふ意義は  はの行のふこゑ烏こゑと結声し
 ぷごゑに変化言霊也  これのぷ声にいえおあの
 四声を漸次に結声し  ぴぺぽぱ四ごゑに変化なす
   ○
 ひのこゑの意義の言霊調ぶれば  筑紫の国の白日別と謂ふ
 ぺのこゑの意義の言霊調ぶれば  豊国豊日別と謂ふなり
   ○
 建日向、日豊久士、比泥別と謂ふは  ほ声の言霊の意義なりけり
   ○
 ぱのこゑの意義の言霊調ぶれば  熊曽の国の建日別なり
   ○
 伊岐嶋、比登都柱と謂ふ意義は  ぷごゑに烏ごゑを結び成し
 ふごゑに変化しふのこゑに  天の御柱あおうえい
 これの素音を結声し  はほへひ四声の言霊に変化せしむる意義なり
   ○
 津嶋天之狭手依比売と謂ふは  ふごゑに烏ごゑを結び付け
 すごゑに変化しあおうえい  これの素音を結声し
 さそすせ四ごゑに変化る意義  
   ○
 佐渡島を生むてふ意義を調ぶれば  すごゑにうごゑを結声し
 すごゑに変化なさしめて  これに素音を結声し
 さ行をざ行に変化する  言霊上の意義なり
   ○
 大倭秋津嶋生むといふは  にりちの父音の言霊を
 生み出したる意義にして  な行にごゑはじい二声
 結声変化しりのこゑは  しいが結声変化なし
 た行ちごゑはひい二声が  結声変化をなす意義ぞ
   ○
 天御虚空豊秋津根別といふ意義は  ちりにの父音に久方の
 天之御柱あおうえい  素音を結声変化して
 たらな三行を結声し  変化せしむる意義ぞかし
   ○
 意義深きわ行や行の言霊は  先所生大八島国
   ○
 吉備児島建日方別と謂ふ意義は  ちじの二声を結声し
 ちごゑに変化し久方の  天の御柱あおうえい
 素音を結ぶ言霊ぞかし  
   ○
 小豆島大野手上比売と謂ふ意義は  ぢいの二声を結声し
 ぎこゑに変化し久方の  天の御柱あおうえい
 素音を結ぶ言霊ぞかし  
   ○
 大嶋や大多上麻流別と謂ふ意義は  ぎいの二声を結び成し
 きごゑに変化し久方の  天の御柱あおうえい
 素音を結ぶ言霊ぞかし  
   ○
 女嶋天一根と謂ふ意義は  か行の音韻かこくけき
 天地貫通の言霊ぞかし  
   ○
 知訶嶋天之忍男と謂ふ意義は  が行の音韻がごぐげぎ
 天機活動を起す言霊  
   ○
 両児嶋天両屋の言霊は  た行の音韻だどづでぢ
 造化発作を起す意義なり  
   ○
 わ行をごゑの言霊の精神的の活用を  大事忍男之神と謂ふ
   ○
 わ行井ごゑの言霊の精神的の活用を  石土毘古の神と謂ふ
   ○
 や行ゐごゑの言霊の精神的の活用を  石巣の比売の神といふ
   ○
 わ行の言霊わをうゑゐ精神的の活用を  大戸日別之神といふ
   ○
 わ行うごゑの言霊の精神的の活用を  天之吹男神といふ
   ○
 や行の言霊やよゆえい精神的の活用を  大屋毘古之神といふ
   ○
 や行よごゑの言霊の精神的の活用は  風木津別之忍男神なり
   ○
 や行ゆごゑの言霊の精神的の活用を  大綿津見の神と言ふ
   ○
 わ行衣ごゑの言霊の精神的の活用を  速秋津彦の神と謂ふなり
 や行延ごゑの言霊の精神的の活用を  速秋津姫の神といふ

(以上六十五首)
 大事忍男神より以下速秋津姫神まで、十神十声の精神的作用は所謂大八嶋国の活用、即ち世界的経綸の活機を顕はす本能を享有する言霊なり。
(第二七章~第二八章 昭和一〇・二・一三 於田辺分苑 王仁校正)



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