出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語05-4-231922/01霊主体従辰 神の御綱王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
エルサレム 竜宮城 アーメニヤ
あらすじ
 エルサレムでは怪異が続発し、エデン城は焼け落ち、竜宮城は破壊された。八王大神たちは部下と共にアーメニヤに移った。
 橄欖山の金殿は空に向かって上昇して丁字形の金橋となり、霊線をたらした。言触神は改心した神、因縁の有る神に見えないしるしをつけた。その神人たちは金橋によって釣り上げられた。しかし、大部分の神人は、ウラル彦の宣伝歌に惑わされ、体主霊従の生活を続けた。
名称
天道別命 天真道彦命 磐戸別神 ウラル彦! 太田神 足真彦神 月照彦神 常世彦 常世姫 祝部神 八百万の神人
言触神 天地の神明 八王大神!
アーメニヤ エデン城 エルサレム 橄欖山 警告 黄金橋 体主霊従 地球 天教山 天上の金橋 予言 竜宮城 霊線
 
本文    文字数=5585

第二三章 神の御綱〔二二三〕

 聖地ヱルサレムは常世彦、常世姫らの暴政の結果、天地の神明を怒らしめ、怪異続出して変災しきりにいたり、終にアーメニヤに、八王大神は部下の神々とともに逐電し、エデン城もまた焼尽し、竜宮城もまた祝融子に見舞はれ烏有に帰し、橄欖山の神殿は鳴動し、三重の金殿は際限もなく中空にむかつて延長し、上端において東西に一直線に延長して丁字形の金橋をなし、黄金橋もまた地底より動揺して虹のごとく上空に昇り、漸次稀薄となり、大空において遂にその影を没してしまつた。
 丁字形の金橋は、東より南、西、北と緩やかに廻転し始めた。さうして金橋の各部よりは、美はしき細き金色の霊線を所々に発生し、地球の上面に垂下すること恰も糸柳の枝のごとくであつた。さうしてその金色の霊線の終点には、金銀銅鉄鉛等の鈎が一々附着されてある。これを『神の御綱』ともいひ、または『救いの鈎』ともいふ。
 言触神は遠近の区別なく山野都鄙を跋渉し、櫛風沐雨、心身を惜しまず天教山の神示を諸方に宣伝しはじめた。さうしてその宣伝に随喜渇仰して、日月の殊恩を感謝し、正道に帰順する神人には、おのおのその頭に『神』の字の記号を附けておいた。されど附けられた者も、附けられない反抗者も、これに気付くものは一柱もなかつた。
 中空に金橋廻転し、金色の霊線の各所より放射するを見て、地上の神人は最初はこれを怪しみ、天地大変動の神の警告として、心中不安恐怖の念に駆られて、天に向ひ、何者かの救ひを求むるごとく、合掌跪拝しつつあつた。しかるに日を重ね、月を越ゆるにつれて、これを少しも異しむものなく、あたかも日々太陽の東より出でて西に入るもののごとく、ただ普通の現象としてこれを蔑視し漸く心魂弛み、復び神を無視するの傾向を生じてきた。
 このとき天道別命、天真道彦神、月照彦神、磐戸別神、足真彦神、祝部神、太田神その他の諸神は、昼夜間断なく予言警告を天下に宣布しつつあつた。
 されどウラル彦の体主霊従的宣伝歌に、あまたの神人らは誑惑され、かつ大にこの歌を歓迎し、致る所の神人は山野都鄙の区別なく、

『呑めよ騒げよ一寸先や暗よ
 暗の後には月が出る
 時鳥声は聞けども姿は見せぬ
 姿見せぬは魔か鬼か』

と盛んに謡ひ、酒色と色情の欲に駆られ、暴飲暴食、淫靡の風は四方を吹捲つた。
 言触神の苦心惨憺して教化の結果、得たる神人の頭部に『神』の字の記号を附着されたる神人は、大空の金橋より落下する金色の霊線の末端なる『救ひの鈎』にかけられ、中空に舞上るもの、引揚らるるもの、日の数十となく現はれてきた。八百万の神人の中において、日に幾十柱の神人の救はれしは、あたかも九牛の一毛に如かざる数である。
 この鈎にかかりたる神人は、上中下の身魂の中において、最も純粋にして、神より選ばれたものである。同じ引揚げらるる神人のなかにも、直立して『上げ面』をなし、傲然として頭を擡げ、鼻高々と大地を歩み、または肩にて風をきる神人は、耳、鼻、顎、首、腕などをその鈎に掛けられ、引揚げらるる途中に非常の苦しみを感じつつあるのが見えた。また俯向いて事業に勉励し、一意専心に神を信じ、下に目のつく神は、腰の帯にその鈎がかかつて少しの苦しみもなく、金橋の上に捲き上げられるのであつた。その他身体の各所を、地上の神人の行動によつて掛けられ金橋の上に救ひ上げらるるその有様は、千差万別である。中には苦しみに堪へかねて、折角もう一息といふところにて顎がはづれ、耳ちぎれ、眼眩み、腕をれ、鼻まがりなどして、ふたたび地上に落下し、神徳に外れる者も沢山に現はれた。その中にも頭を低くし、下を憐れみ、俯向きて他の神人の下座に就き、せつせと神業をはげむものは、完全に天上の金橋に救ひ上げられた。
 このとき天橋には、第二の銀色の橋、金橋とおなじく左右に延長し、またその各所よりは銀色の霊線を地上に垂下し、末端の鈎にて『中の身魂』の神人を、漸次前のごとくにして救ひ上げるのを見た。
 次には同じく銅色の橋左右に発生して、前のごとく東西に延長し、銅橋の各所よりまたもや銅色の霊線を地上に垂下し、その末端の鉤にて選まれたる地上の神人を、天橋の上に引揚ぐること以前のごとく、完全に上り得るもあり、中途に落下するもあり、せつかく掛けられしその綱、その鉤をはづして地上より遁去するもあつた。

 図をもつて示せば、前図のとほりである。

(大正一一・一・一〇 旧大正一〇・一二・一三 外山豊二録)



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