出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語04-6-341921/12霊主体従卯 紫陽花王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
エルサレム
あらすじ
 国祖の慈愛に触れて、各神々は前非を悔い、至誠を持って神業につくことになる。桃上彦命は天使長となり、竜山別、八十猛彦、百猛彦、鷹住別は天使となった。常世姫は竜宮城の主宰となり、常世彦は天使八王となった。八王八頭の制度は廃止されず、天使長桃上彦命の元でエルサレムや世界は平和に治まっていた。また、鬼武彦、白狐高倉、白狐旭は世界を放浪することになった。
 しかし、桃上彦は母が二度の夫をもつなかれという天則に違反して生れた子供であったので、時がたつにつれて悪化することとなった。そして、八王常世彦らの信望を失墜し、地の高天原の神政を破壊してしまった。

***子供について***
 人たるものは胎内教育をもってもっとも尊重せざるべからず。父母両親の精神行動至正至直なるときに受胎せし生児は、至正至直の人となり、放逸邪険なるときに宿りたる生児は、また放逸邪険の性質をもって生まれ、悪逆無道の精神行動を執りたるとき受胎したる子は悪逆無道の精神をもって生れるものなればなり。
名称
白狐旭 鬼武彦 大島別 大鷹別 春日姫 国治立命 白狐高倉 鷹住別 竜山別 八王常世彦 常世姫 広宗彦 道貫彦 天使長桃上彦命 百猛彦 森鷹彦 八島姫 八十猛彦 行成彦
国祖大神 事足姫 邪神 大自在天 天使八王 春永彦 本守護神 曲神 八頭 八王
宇宙 エルサレム 神政 地の高天原 常世城 南高山 モスコー 竜宮城
 
本文    文字数=3913

第三四章 紫陽花〔一八四〕

 満座の諸神人は、国祖の無限無量の仁慈の有難さにほだされて感涙に咽び、さしもに広き宮殿も寂として水を打ちたるごとく、ただ諸所にすすり泣きの声、感嘆の言葉のひそかに聞ゆるのみなりき。
 国治立命は儼然として正座に直り、言葉をあらためて桃上彦を天使長に任じ、竜山別、八十猛彦、百猛彦、鷹住別を聖地の天使の職に命じ、常世姫は竜宮城の主管者となし常世彦は常世城に帰りて神政を奉仕し、かつ天使八王となり、その他の八王八頭は従前のとほり、誠心誠意神明に奉仕し、天使長桃上彦の指揮に従ふべしと宣示し、満座の神司に一礼し、冠を戴き、頭部の血痕を秘し、憮然として奥殿に入らせ給ひける。
 桃上彦命、広宗彦、行成彦も共に顔を見合せ、大神の大御心に照り合せ、互に心中の不平を根底より科戸の風の天の八重棚雲を吹き払ひしごとく、あたかも光風霽月の心地を遺憾なく色に表はしゐたりける。智略縦横にして、奸佞ならぶ者なき常世彦も常世姫も、大自在天の従臣なる大鷹別以下の暴悪なる曲神も、いまは前非を悔い、誠心誠意国祖大神の御心を体し、忠実に奉仕し、神業の一端たりとも輔佐し奉らむとの本守護神の至誠を発露し、袖をしぼりて歔欷するにいたりぬ。
『あゝ宇宙間何ものといへども、至善至愛の道に敵する者なかるべし』
と神人らは口をそろへて感嘆の辞を洩らしゐたり。強力無双の森鷹彦は許されてふたたびモスコーの従臣となり、鬼武彦、高倉、旭は聖地を離れ、各地に出没して山の尾上や川の瀬に、伊猛り狂ふ邪神を至善至愛の心をもつて帰順せしむることに努力したりける。
 モスコーの城主道貫彦の娘春日姫および南高山の城主大島別の娘八島姫は竜宮城に止り、常世姫の左右の侍女として奉仕することとなり、桃上彦命は聖地ヱルサレムの大宮殿にありて、国祖の大神に奉仕し神務を励み、神政を聞き、下神人にたいし慈愛をほどこし、聖地の神政はふたたび枯木に花の咲きしがごとく隆盛を極めたり。また竜宮城は常世姫の指揮の下に一時は完全に統治されゐたりしに、星移り月更るにしたがひ、桃上彦命はやや神政に倦怠の気運を萌し、自由放埒の所業多く国祖大神の大御心を忘却するにいたり、つひには八王常世彦をはじめ各山各地の神司らの信望を失墜し、政令おこなはれず、つひに地の高天原の神政を破壊し、ふたたび衰亡の悲境に陥らしめたりける。
 前篇に述べたるごとく桃上彦命は御母事足姫の天則を破り、後の夫春永彦と相通じ、その罪悪の血統を享けたる桃上彦なれば、つひにその金箔を剥がし地金を暴露したるもやむを得ざる次第なりといふべし。
 これを思へば、人たる者は胎内教育を最も尊重せざるべからず。父母両親の精神行動至正至直なるときに受胎せし生児は、至正至直の人となり、放逸邪慳なるときに宿りたる生児は、また放逸邪慳の性質をもつて生れ、悪逆無道の精神行動を執りたるとき受胎したる子は悪逆無道の精神をもつて生るるものなればなり。
 故に子の親たるものは、造次にも顛沛にも神を信じ、君を敬ひ、至誠善道を行はざるべからずと知るべし。

(大正一〇・一二・二五 旧一一・二七 桜井重雄録)



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