出口王仁三郎 文献検索

リンク用URL http://uro.sblog.jp/kensaku/kihshow.php?KAN=02&HEN=7&SYOU=47&T1=&T2=&T3=&T4=&T5=&T6=&T7=&T8=&CD=

原著名出版年月表題作者その他
物語02-7-471921/11霊主体従丑 天使の降臨王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
ウラル山 地の高天原
あらすじ
 常世姫は金毛八尾の悪狐となり、ロッキー山、ウラル山、バイカル湖、死海に伝令を下すと、各地より悪鬼などが現われた。
 八頭八尾の悪竜のコンロン王は金毛九尾の悪狐のコンロン姫を妻とした。しかし、コンロン姫は魔王鬼竜王に通じていたためコンロン王の従臣コルシカに暗殺された。その後、コンロン王と鬼竜王の戦いが盛んになり、常世姫の魔軍も戦いに参加して、敵味方のない大混乱になった。
 地の高天原では、国治立命の命で天則を世界に宣伝させたが、誰も聞く者はなかった。日の大神の使神の高照姫命が天界より降臨して、「地上の混乱が天上に映って天界も大混乱しているから、地上の混乱を静める」よう国治立命に命じた。
名称
大八州彦命 鬼竜王 国治立命 コルシカ コンロン姫 コンロン王 高照姫命 常世姫 八百万の神司
悪鬼 悪狐 悪竜 天足彦 天津大神 胞場姫 金毛九尾の悪狐 金毛九尾の白面の悪狐 金毛八尾の悪狐 怪鳥 地の高天原 魔神 魔軍 魔王 八頭八尾の大蛇
天の鳥船 ウラル山 死海 青雲山 地上 西蔵 天界 天竺 天上 常磐城 常世城 常世国 バイカル湖 仏頂山 揚子江 竜宮城 ロツキー山
 
本文    文字数=4622

第四七章 天使の降臨〔九七〕

 ここに常世姫は、竜宮城に敗れ、金毛八尾の悪狐と変じ、常世城に逃げかへり、魔神八頭八尾の大蛇とともに、天下を席捲せむとし、ロッキー山、ウラル山、バイカル湖および死海にむかつて伝令をくだした。死海の水はにはかに沸騰し、天に冲するまもなく、原野を濁水に変じて悪鬼となつた。つひにウラル山はにはかに鳴動をはじめ、八頭八尾の悪竜と化し、あまたの悪竜蛇を吐きだした。
 バイカル湖の水はにはかに赤色をおび、血なまぐさき雨となつて、四方八方に降りそそいだ。つぎに揚子江の上流なる西蔵、天竺の国境青雲山よりは、しきりに火焔を吐きだし、金毛九尾の悪狐となり、その口よりは数多の悪狐を吐き、各自四方に散乱した。
 天足彦、胞場姫の霊より出生したる金毛九尾白面の悪狐は、ただちに天竺にくだり、ついでウラル山麓の原野に現はれた。ここに常磐城といふ魔軍の城がある。その王は八頭八尾の悪竜の一派にしてコンロン王といふ。青雲山より現はれたる金毛九尾の悪狐は、コンロン王の前に現はれ、たちまち婉麗ならびなき女性と化し、コンロン王に愛されつひにその妃となり、名をコンロン姫とつけられた。
 コンロン姫はウラル山一帯を掌握せむとし、まづコンロン王を滅ぼさむとして仏頂山の魔王、鬼竜王に款を通じてゐた。コンロン王の従臣コルシカはコンロン姫の悪計を悟り、夜陰に乗じてこれを暗殺した。コンロン王は鬼竜王の悪計を知り、悪竜をして、近づき攻撃せしめた。鬼竜王は、死力をつくして戦ふた。このとき常世国ロッキー山より常世姫の魔軍は黒雲となり、風に送られて、仏頂山近く進んだ。空中よりは黒き雲塊雨のごとく地上に落下し、たちまち荒鷲と変じ、猛虎となり、獅子と化し、狼となつて諸方に散乱し、ここに驚天動地の大混乱が始まつたのである。敵味方の区別なく、世界は大混乱状態に陥り、味方の同志討は諸方に勃発した。
 海上には黒竜火焔を吐きつつ互ひに相争ひ、勝敗定まらず、暴風吹き荒み、血雨滝のごとく降り、洪水おこりて山をも没せむとするにいたつた。天空には幾千万とも数かぎりなき怪鳥翼をならべて前後左右にかけめぐり、空中に衝突して、あるひは地上に、あるひは海上に落下し、火焔は濛々としてたちあがり、高き山はほとんど焼けうせ、水上は地震のために巨浪山をなし、天地もほとんど破壊せむばかりであつた。
 このとき地の高天原に、国治立命現はれたまひ、大八洲彦命に命じて、天上の天則をもつて地上に宣伝せむとしたまうた。八百万の神司はこの旨を奉戴し、天の鳥船に乗り諸方に駆けめぐり、天則を芭蕉の葉に記し、世界各地に撒布せしめた。されど一柱とてこれを用ゐる者はなく、かへつてこれを嘲笑するばかりである。大八洲彦命はやむをえず、一まづ地の高天原に帰還された。
 このとき天上より嚠喨たる音楽聞こえ、数多の従神をともなひ、いういうとして地の高天原めがけて降りきたる荘厳な女神があつた。女神は第一着に竜宮城に現はれ、城内にしばし光玉と化して休息し、ふたたび元の女神となり、従神とともに地の高天原なる、国治立命の宮殿に着かせたまひ、
『この度の地上の大混乱たちまち天上に影響し、天上の状態はあたかも乱麻のごとし。一時も早く大地を修理固成し、もつて天上の混乱を治められよ。吾は日の大神の神使、高照姫命なり』
と伝へられた。
 国治立命は神意を畏み、すみやかに地上の混乱を治め、天界を安全ならしめ、もつて天津大神の御目にかけむと答へられた。高照姫命は大いに喜び、大神もさぞ御満足に思召すらむ。妾は急ぎ、貴神の答辞を復命したてまつらむ、と喜び勇んで天上に紫雲とともに帰りたまうた。

(大正一〇・一一・八 旧一〇・九 栗原七蔵録)



オニドでるび付原文を読む    オニド霊界物語Web