出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語02-7-451921/11霊主体従丑 天地の律法王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
竜宮城
あらすじ
 国治立命、豊国姫命は天道別命と共に天地の律法を定めた。その後は竜宮城も一夫一婦の原則を守りよく治まっていた。
 天地の律法とは、内面的には「省みる 恥ずる 悔ゆる 畏る 覚る」で、外面的には「第一、夫婦の道を厳守し、一夫一婦たるべきこと 第二、神を敬ひ、長上を尊み、博く万物を愛すること 第三、たがひに嫉み、謗り、詐り、盗み、殺すなどの悪事をなすべからざること」である。
 稚桜姫命は玉照彦に心を奪われ寝込んでしまうが、玉照彦を傍に置くと回復した。それからは玉照彦を離さなかった。
名称
天道別命 大足彦 天使大八州彦命 国治立命 玉照彦 豊国姫命 稚桜姫命
大神 常世姫 魔軍
神楽 神界 地の高天原 竜宮城 律法
 
本文    文字数=4213

第四五章 天地の律法〔九五〕

 地の高天原に宮柱太しき立て千木高しりて鎮まりゐます、国治立命、豊国姫命の二神は、神界のかくまで混乱の極に達し、収拾すべからざるにいたりしは、諸神人に対し、厳格なる神律の制定されざるに基づくものなりとし、ここに天道別命とともに律法を制定したまうた。
 その律法は内面的には、「反省よ。恥ぢよ。悔改めよ。天地を畏れよ。正しく覚れよ」の五戒律であつた。また外面的律法としては、「第一に、夫婦の道を厳守し、一夫一婦たるべきこと。第二に、神を敬ひ長上を尊み、博く万物を愛すること。第三には、互ひに嫉妬み、誹り、偽り、盗み、殺しなどの悪行を厳禁すること」等の三大綱領である。
 この律法を天下に広むるに先立ち、まづ竜宮城および地の高天原より実行し、これが模範を天下万神人に伝示し堅く遵奉せしむることと定められた。これより高天原は規律正しく、ことに一夫一婦の道は厳格に守られてゐた。
 竜宮城も地の高天原も、天使大八洲彦命、大足彦らの機略縦横の神策により、常世姫の魔軍を伐ちはらひ、平穏無事に治まり、諸神司は太平の夢に酔ひ、花に戯れ、月を愛で、荘厳なる神楽を奏上して神の御祭を盛大に挙行し、舞ひ遊ぶ黄金時代となつた。
 しかるに遠き国々はいまだ泰平ならず、したがつて大神の律法もゆきわたるまでに至らなかつた。茲において稚桜姫命は天上および天下泰平の御喜びに、盛装を凝らして諸神司の遊楽場へ出場遊ばされ、高座より愉快気にこれを眺めてをられた。このとき、眉目清秀なる年若き男神司は、長き袖の錦衣を着し中央に立ち、音楽につれて淑やかに舞ひはじめた。実に万緑叢中紅一点の観があつた。時に稚桜姫命は、にはかに顔色蒼白となり、吐息をつき、その場に倒れ伏したまうた。
 大八洲彦命以下の神将は驚いて介抱し、奥殿へ送りたてまつり、柔かき夜具を八重に重ね、その上に命を安臥させたてまつり、いろいろと介抱に余念なかつた。神司はめいめいに病床を訪ね、いろいろの薬草を遠近の山々より求め来つてこれを勧めた。されども命は御首を左右に振つてこれを拒絶したまひ、命の様子は日をおふて疲労を増すばかりであつた。神司は種々と手をつくし、心をつくした。されど、命の病気にたいしては何の効能もなかつた。このとき命は思ひ切つたやうに、神楽の舞を見せよと仰せられた。直ちに諸神司は準備に取りかかり、命の御前に神楽を奏上した。音楽につれて数多の乙女は長袖をひるがへし、淑やかに舞ひはじめた。諸神人の歓呼の声、拍手の響きは天に轟くばかりであつた。
 稚桜姫命はその舞曲を一心に眺め、眼を諸方に配り、また「あゝ」と吐息をもらして床上に伏したまうた。大八洲彦命は御病のかへつて重らむことをおそれ、舞曲を中止し、自分はただ一柱枕頭に侍して看護に余念なかつたのである。夜中稚桜姫命は、
『あゝ玉照彦、玉照彦』
と連呼された。大八洲彦命はあわてて、
『玉照彦は如何にいたせしや』
と問ひたてまつつた。命は何の返答もなく、すやすやと眠らせゐたまうのであつた。
 大八洲彦命はただちに玉照彦を招き、命の看護を命じた。それより稚桜姫命の御病は日に日に恢復し、玉照彦は命のそば近く奉仕することとなつた。雨の夜も風の荒き日も瞬時も御傍を離したまはず、玉照彦を掌中の玉のごとくに愛されたまうた。

(大正一〇・一一・八 旧一〇・九 桜井重雄録)



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