出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語02-5-351921/11霊主体従丑 南高山の神宝王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
南高山
あらすじ
 若豊彦が竜宮城に来たが、邪神が憑いていたので、神国別命が審神をして邪神を追い出すと、若豊彦は正神となり言霊別命に仕えた。
 若豊彦は天の高天原に上がり高照姫命を連れてきた。高照姫命は「天上を修理固正するにはまず地上を治める必要あり」と命じた。言霊別命は高照姫命を伴い、南高山の神宝を確認した。
名称
秋足彦 梅若彦 大魔我彦 神国別命 火水姫 言霊別命 高照姫命 花照姫 花森彦 広照彦 真澄姫 道貴彦 村幸彦 稚桜姫命 若豊彦
悪蛇 大神 邪神 狸 大自在天 野狐 野天狗 魔神 美山彦 八王大神
天の磐樟船 天の八衡 カシハ城 審神 醜の磐船 神界 地の高天原 天国 天上 天の高天原 南高山 五六七神政 竜宮城
 
本文    文字数=5173

第三五章 南高山の神宝〔八五〕

 竜宮城の表大門口は花森彦、道貴彦二神司が控へてゐた。この時、天下の形勢を憂へ、四方八方より神業に参加せむとして集まる神司は日増しに殖えてきた。折しも東の空より怪しき光を放つて入り来る神司があつた。この神司を若豊彦といふ。若豊彦は常世の国にありて、数多の神司と共に神界を救ふべく種々の画策をなし、一時は一方の主将となり声望を遠近に轟かした神司である。しかるに時節非にして大自在天の忌諱にふれ、たちまち猛烈なる攻撃にあひ、カシハ城をすて味方は四方に散乱し、自分はわづかに身をもつて免れた。この神司はいかにしても初志を達せむとし、散り失せたる味方の神将を集めむとしたが、カシハ城の陥落のために、目的を達することができなかつた。ここにおいて、地の高天原に稚桜姫命あらはれ神政成就の経綸を起したまふと聞き、自分もその幕下に参加せむとし、はるばる尋ねてきたのである。道貴彦、花森彦は一見してその真偽を疑ひ、これを言霊別命に進言した。言霊別命はただちに神国別命に命じて、その正邪を審判せしめた。八咫の大広間に連れゆき、ここに厳粛なる審神がはじまつた。若豊彦の肉体には数多の邪神がひそかに憑依してゐた。大神の神殿に端座し、神国別命の審神を受くるや、たちまち憑霊現はれて前後左右に飛びまはり、野天狗、野狐、悪蛇、狸の類さかんに飛びだし、その数は幾十百とも数ふるに遑なきほどであつた。これらの数多の邪霊は美山彦の部下の魔神であつて、若豊彦の体に憑依し竜宮城に深く忍び入らむとした。ここに厳粛なる審神によつて邪霊は全部その正体を露はし、四方八方に逃げ散つた。
 邪霊の退きさつた若豊彦は、はじめて本心にたちかへり、正しき神司となつて竜宮城に奉仕することとなつた。そこで言霊別命は花森彦を神務につかしめ、若豊彦には、その後を襲はしめた。それより表大門は道貴彦、若豊彦の二神が厳守することとなつた。若豊彦は漸次すすんで、言霊別命の帷幄に参ずるやうになつた。
 若豊彦は命の内命をうけ天の高天原にいたり、天上において最も有力なる女神の高照姫命を百方力をつくして説きつけ、竜宮城に下つてきた。ここに高照姫命は城内の諸神司に迎へられ、鄭重なる饗応を受け、ついで稚桜姫命に謁し、天上における混乱の状態を詳細に宣り伝へ、かつ天上を修理固成し、真の天国たらしめむとせば、まづ地上の修祓を第一着とするの必要なることを詳細に宣示された。
 稚桜姫命はその真意を諒し、ここに天地相応じて、神業に参加せむことを互ひに相約された。この時、天の八衢より高照姫命の様子をうかがひ、ひそかに跟けきたりし大魔我彦はその場に現はれて、
『吾は両神の秘密の計画を残らず聞きたり。さればこれよりこの一伍一什を八王大神に報告し、もつて根底より破壊せしめむ。後悔するな』
と言ひをはるとともに、姿を消し黒雲となつて逸早く東方の天に向つて去つた。両神司は魔神に神策の暴露せむことを恐れ、奥殿に入つて深く戸を閉ぢ、真澄姫を加へて種々の協議ををへ、その結果、言霊別命を招き神界の秘策を授けられた。
 言霊別命は高照姫命を先頭に、神国別命、花照姫、火水姫、梅若彦、広照彦、秋足彦、村幸彦、若豊彦以下五神将をともなひ、長駆して南高山に微行することとなつた。このときの天の八衢に待ち伏せたる大魔我彦一派は、一行の乗れる天の磐船を覆へさむとし、数多の部下を引き連れ、醜の磐船をあまた狩り集め、中空にありて盛んに攻撃をはじめた。
 高照姫命の一行は、ただちに方向を変じて北方に引きかへし、東方の天にめぐり、つひに東北さして大空高く、やうやくにして南高山に到着した。
 南高山は天上より下りたる種々の神宝の秘蔵されし霊山である。五六七神政成就のために使用すべき種々の神物が充満してゐる。高照姫命は一々その神宝を点検し、一切を言霊別命に授け、若豊彦を従へて一旦天上に帰られた。言霊別命一行は一切の秘密を固く守り、目出たく竜宮城へ帰還した。この南高山の神物は、他の神司には少しも点検を許さず、言霊別命ただ一柱がこれを旧のごとく秘めおかれた。

(大正一〇・一一・四 旧一〇・五 桜井重雄録)



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