出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語02-5-281921/11霊主体従丑 高白山の戦闘王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
スペリオル湖 高白山
あらすじ
 言霊別命は猿世彦を助け、常世姫宛てに「悔いるように」と書いた信書を持たせた。
 言霊別命は高白山に向かい、駒山彦の軍を破り、荒熊彦・荒熊姫を救い出した。
名称
荒熊彦 荒熊姫 言霊別命 駒山彦 猿世彦 港彦 元照彦
天軍 常世姫 木乃伊
高白山 神言 スペリオル湖 常世城 常世の国 モスコー ローマ
 
本文    文字数=2849

第二八章 高白山の戦闘〔七八〕

 ここに言霊別命は元照彦と共に、猿世彦の木乃伊にむかひ、前後より神言を奏上し息を吹きかけられた。たちまち猿世彦は体温次第にまし、辛うじて蘇生した。
 猿世彦はわが前に、言霊別命以下の神将の姿を見て大いに驚き、ひたすらに生命を救ひ罪を赦されむことを嘆願した。言霊別命は仁義を重んじ生命を救ひしうへ、一片の信書を認め、これを常世姫に伝達せむことを命じた。
 猿世彦は唯々として命を拝し、かつ救命の大恩を感謝し、尾をふり嬉々として帰国した。
 その信書の文面は、
『言霊別命、元照彦は、勇猛無比の神将をあまた引率れ、スペリオル湖を中心として陣営を造り、大挙して常世城を占領せむとす。汝常世姫すみやかに善心に立帰り、前非を悔い心底より悔い改めよ。しからざれば、われはここに天軍を興して汝を鏖滅せむ』
との意味であつた。猿世彦は虎口を免れ、頭をさげ、腰をまげ尾をふりつつ南方さして遁げかへつた。スペリオル湖畔の陣営は、港彦をしてこれを守らしめ、命は元照彦とともに長駆して高白山に進んだのである。ここは荒熊彦、荒熊姫の二神司があつた。
 この二神司は高白山の守将である。
 高白山は常世姫一派の魔軍に攻め悩まされ、二神司はすでに捕虜となり、岩窟を掘つて取じこめられてゐた。
 このとき言霊別命は、山上より白雲の立上るを見て正しき神司ありと知り、近づき見るに、常世姫の部下駒山彦が包囲してをつた。言霊別命は南方より、元照彦は西方より迂回して北方の背後に出で、前後より高白山を攻撃した。駒山彦は不意の強力なる援軍に背後を衝かれ不覚をとり、はうはうの体にてわづかに身をもつて免がれ、全軍はほとんど四方に潰走した。
 言霊別命、元照彦は、南北両面より高白山にのぼり、白雲の立てる岩窟の戸を打砕き、二神司を救ひ出した。
 ここに荒熊彦、荒熊姫は再生の恩を謝し、みづから乞ふて従臣となり、高白山の城塞を言霊別命に奉献つた。
 言霊別命は元照彦をローマ、モスコーに遣はして、味方の情勢を偵察せしめ、みづからは荒熊彦を部将としてここに根拠を定められた。
 高白山は常世の国の北極にして、世界経綸の神策上もつとも枢要なる地点である。

(大正一〇・一一・二 旧一〇・三 外山豊二録)



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