出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語02-1-81921/11霊主体従丑 嫉視反目王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
地の高天原
あらすじ
 常世の国から武豊彦、鬼雲彦が神業に参加した。鬼雲彦は神国別命の声望をねたみ、命の身辺を覗わせていた。鬼雲彦の部下の米彦、岡彦は鬼雲彦の邪心にいやけがさし、花森彦に頼んで神国別命の従者に推薦してもらった。
 これを聞いた鬼雲彦は自分を無視したことに怒り、地の高天原を追われて悪鬼となり、国照姫の仲間になった。また、神国別命の従臣の清熊も美山彦の参謀になった。
名称
天道別命 天真道彦命 鬼雲彦 神国別命 清熊 国照姫 言霊別命 武豊彦 花森彦 魔軍 美山彦 米彦 岡彦
悪鬼 大神 大八州彦命 天使稚桜姫命
鬼城山 神政 地の高天原 常世の国
 
本文    文字数=4136

第八章 嫉視反目〔五八〕

 ここに言霊別命は天使稚桜姫命、大八洲彦命の命を奉じ、天道別命、天真道彦命とともに神業に奉仕し、大神の勅を宇内に宣伝し、神国別命は地の高天原にありて神政を総轄することとなつた。
 この時常世の国に武豊彦といふ神司あり、こは正しき神司にして、言霊別命の神業を賛し、数多の神司を率ゐて、神業に参加すべく馳せ参じた。武豊彦は全力を尽して奉仕した。また同じ常世の国より鬼雲彦現はれ、神国別命の神政を輔翼せむとして、急ぎ群神司を率ゐて地の高天原に上り、神政に参加した。鬼雲彦は米彦、岡彦を左右の補佐としてゐた。しかるに鬼雲彦は神国別命の声望をみて深くこれを妬み、米彦、岡彦をして常に神国別命の身辺をうかがはしめてゐた。米彦、岡彦は、神国別命の清廉潔白にして、いささかも野望を懐かず、智仁勇の三徳を兼備したる無比の神将にして、一意専心大神に奉仕し、身をもつて神政に奉職せるその至誠に感ずるとともに、鬼雲彦の奸侫邪智にして野心満々たるに心底より嫌気を生じ、一度の諫言をも試みず鬼雲彦に背きて、神国別命の直轄の配下たらむとし、花森彦を介して神国別命に臣従せむことを願ふた。
 神国別命は一応鬼雲彦の承認を得たる上にてこれを許さむとし、その旨を花森彦に伝へた。花森彦は鬼雲彦のたうてい許さざるを悟り、かつ米彦、岡彦のすでに鬼雲彦にたいして心の離れたるを知悉したれば、神国別命の旨を鬼雲彦に一言も伝へずして、二神司を神国別命の従臣に推挙した。
 ここに鬼雲彦は神国別命、花森彦の吾を排除せるものとなし、いたく怒りて常世の国より上りきたれる武豊彦とともに、神国別命、花森彦を排除し、みづから代りて高天原の神政を総轄せむと計つた。ここに武豊彦は言葉を尽してその非を説き諭した。されど鬼雲彦の心はますます荒びにすさびてこれを用いず、つひには武豊彦を仇敵と見做すにいたつた。
 ここに鬼雲彦は心を決し、言霊別命の前に出て、口を極めて神国別命、花森彦の讒誣を放ち、かつ反逆の準備あることを言葉たくみに進言した。言霊別命は彼我両神司の心中を推知し、鬼雲彦の野望を知りながら、今このとき正邪の裁決をなさば、かへつて平地に浪をおこすのおそれあり、若かず、鬼雲彦に相当の地位を与へ互ひに和衷協同せしめむと苦心した。されど彼我の二神司は言霊別命の真意を悟らず、互ひに対立して正邪を争ひ、鬼雲彦はつひにその勢力を失墜して地の高天原を追はれ、悪鬼と化して東方に去つた。
 鬼雲彦は逃れて鬼城山にいたり、国照姫と力を協せ、言霊別命を亡ぼし、つひに進んで地の高天原を占領せむことを凝議した。国照姫はここに有力なる味方を得たりと打ち喜び、偽美山彦とともに八方に魔軍を募り、種々の準備に着手した。
 ここに清熊といふものあり、神国別命にしたがひて神政に奉仕せしが、鬼雲彦の鬼城山に逃れ、反逆を企てをるを耳にし、われもこれに参加せむとてひそかに款を通じてゐた。清熊は利欲に深き神なれば、清廉潔白なる神国別命の部下にありては、わが欲望を満たすこと能はず、むしろ鬼雲彦に加担して目的を達せむとした。しかるに清熊は言霊別命の神眼に心中を看破され、つひにゐたたまらずして自ら鬼城山に逃れ、美山彦の魔軍に加はり、その参謀役となつた。

(大正一〇・一〇・二八 旧九・二八 加藤明子録)



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