出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語02-1-71921/11霊主体従丑 天地の合せ鏡王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
高砂島の新高山
あらすじ
 稚桜姫命は天道別命を竜宮城、天真道彦命、神国別に地の高天原、滝津彦に橄欖山、斎代彦に黄金橋を守らせ、大八州彦命、真澄姫、木花姫命とともに高砂島(台湾)に向かい新高山に登った。島の守り神は各種の玉を献上した。帰路、一行を鬼猛彦が襲うが、稚桜姫命は天の真澄の鏡で撃退した。
名称
天使天道別命 天使天真道彦命 鬼猛彦! 大八州彦命 神国別命 金竜 銀竜 奇八玉命 木花姫命 金剛 滝津彦 武清彦 大蛇彦 劒破 斎代彦 速吸別 真鉄彦 魔軍 真澄姫 真道彦命 斎代彦 天使稚桜姫命
悪鬼 厳の御魂 海原彦命 鬼熊 大神 大足彦 国の御柱神 国治立命 黒竜 醜の曲霊 邪気 邪神 正神司 分霊 亡霊 竜馬
天の真澄の鏡 天の八衡 宇宙 ウラル山 紅色の玉 神島 橄欖山 国の真澄の鏡 黄金橋 神界 水晶の宝玉 体主霊従 透明の宝玉 高砂島 地の高天原 天地の律法 日生石の玉 新高山 芙蓉山 竜宮島の湖 竜宮城 霊主体従 黄金の頭槌 黄色の玉 和光同塵
 
本文    文字数=4952

第七章 天地の合せ鏡〔五七〕

 ここに天使稚桜姫命は、天使天道別命をして竜宮城を守らしめ、天使天真道彦命、神国別命をして地の高天原を守らしめ、滝津彦をして橄欖山を守らしめ、斎代彦をして黄金橋を守らしめ、はじめて後顧の憂ひなきをみて、稚桜姫命は金竜にまたがり、大八洲彦命は銀竜に、真澄姫は金剛に、芙蓉山より現はれいでたる木花姫命は劒破の竜馬にまたがり、あまたの従臣を率ゐて天馬空を駆けりて、高砂の島に出で行きたまひ、新高山に下らせたまふ。

  天までも高く匂ふや梅の花

 この高砂の神島は国治立命の厳の御魂の分霊を深く秘しおかれたる聖地であつて、神国魂の生粋の御魂を有する神々の永遠に集ひたまふ経綸地で、神政成就の暁、この聖地の神司の御魂を選抜して使用されむがための、大神の深き御神慮に出でさせられたものである。故にこの島は四方荒浪をもつて囲み、みだりに邪神悪鬼の侵入を許されない。天地の律法まつたく破れて、国治立命御隠退ののちは邪神たちまち襲来して、ほとんどその七分どほりまで体主霊従、和光同塵の邪神の経綸に全く汚されてしまつた。されど三分の残りし御魂は、今に神代のままの神国魂を抱持する厳正なる神々が、潜んで時節を待つてをらるるのである。稚桜姫命はこの中央なる新高山に到着し、あまたの正神司を集め、神界の経綸をひそかに教示しおかれた。
 ここにこの島の正しき守り神、真道彦命は岩石を打ち割り、紫紺色を帯びたる透明の宝玉を持ちだし、これを恭々しく稚桜姫命に捧呈された。この玉は神政成就の暁、ある国の国魂となる宝玉である。
 つぎに奇八玉命は海底に沈み日生石の玉を拾ひきたつて捧呈した。この玉は神人出生の時にさいし、安産を守る宝玉である。この玉の威徳に感じて生れいでたる神人は、すべて至粋至純の身魂を有する霊主体従の身魂である。そこで真鉄彦は谷間へ下りて水晶の宝玉を取りだし、これを稚桜姫命に捧呈した。この玉は女の不浄を清むる珍の神玉である。ここに武清彦は山腹の埴を穿ちて黄色の玉を取りいだし恭しく命に捧呈した。この玉は神人の悪病に罹れるとき、神気発射して病魔を退くる宝玉である。つぎに速吸別は頂上の巌窟の黄金の頭槌をもつて静に三回打ちたまへば、巨厳は分裂して炎となり中天に舞ひのぼつた。空中にたちまち紅色の玉と変じ、宇宙を東西南北に疾走して火焔を吐き、ついで水気を吐き、雷鳴をおこし、たちまちにして空中の妖気を一掃し、美しき紅色の玉と変じ、命の前にあまたの女性に捧持させてこれを命に献つた。この玉はある時は火を発し、ある時は水を発し、火水をもつて天地の混乱を清むるの神宝である。
 稚桜姫命の一行は、馬上はるかに海上を渡りて地の高天原に帰還したまへるとき、天の八衢に鬼熊の亡霊は化して鬼猛彦となり、大蛇彦とともに命の帰還を防止し、かつその神宝を奪取せむと待ちかまへてゐた。ここに稚桜姫命は紅色の玉を用ひるは、いまこの時なりとしてこの玉を用ひむとしたまひし時、木花姫命はこれをとどめていふ。
『この玉は一度使用せば再び用をなすまじ。かかる小さき魔軍にむかつて使用するは実に残念なり。この魔軍を滅ぼすはこれにて足れり』
と懐より天の真澄の鏡をとりだして鬼猛彦の魔軍にむかつて逸早くこれを照らしたまうた。魔神はたちまち黒竜と変じ、邪鬼と化して、ウラル山目がけて遁走した。

 天地の真澄の鏡照りわたり
  醜の曲霊も逃げうせにけり

 稚桜姫命一行は無事帰還された。さうしてこの玉を竜宮島の湖に深く秘めおかれた。さきに木花姫命より大足彦に賜はりしは国の真澄の鏡である。天地揃うて合せ鏡という神示は、この二個の神鏡の意である。また五個の神玉は海原彦命、国の御柱神二神の守護さるることなつた。
(附言)後世女神および婦人らの簪に玉をつけ、また玉を連ねて頸飾りとなして、悪事を払ひ、幸福を求め、賢児を得むとするのはこの因縁に因るものである。

(大正一〇・一〇・二八 旧九・二八 桜井重雄録)



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