出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語02-1-61921/11霊主体従丑 モーゼとエリヤ王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
オコック海
あらすじ
 大八州彦命は言霊別命をオコック海に派遣して岩高彦を招致しようとしたが、岩高彦は「ここを離れると邪神に占拠されると」部下の滝津彦を派遣することになった。
 また、言霊別命の援軍として、オコック海より天道別命(天道坊・モーゼ)、西方の海より天真道彦命(天真坊・エリヤ)が現われた。言霊別命は四神を連れて竜宮城に帰還した。
名称
悪竜 天道別命 天真道彦命 岩高彦 言霊別命 邪鬼 滝津彦
悪霊(神) 悪鬼 海原彦命 エリヤ 大神 大八州彦命 国治立命 邪神 天神 天道坊! 天真坊! 魔軍 モーゼ 稚桜姫命
天の磐樟船 オコツク海 神界 神政 高天原 地上 地の高天原 竜宮城
 
本文    文字数=3317

第六章 モーゼとエリヤ〔五六〕

 言霊別命は稚桜姫命、大八洲彦命の命を奉じ、海原彦命の部下の猛将岩高彦はオコツク海方面にありと知り、これを高天原に招致せむとされた。
 言霊別命は天の磐楠船に乗りて、浪風荒き海原を酷烈なる寒気を冒して進まれた。ここに岩高彦は神命を聞きおほいに喜び、われに優渥なる神命の下りしは実に光栄身にあまる次第なり、しかしながら当方は邪神もつとも多く、寸時もわれの不在を許さず、あまたの悪竜神は今やオコツク海を八方より占奪せむとするの真最中なり。ゆえに折角の御神勅なれども命に応ずることを得ず。もしこの一角を魔軍に占領されなば、竜宮城も地の高天原も保ちがたし。われはこの海に隠れて大神のために死力をつくさむ。されども神命を拒否するは心許なければ、部下の神将滝津彦をわれに代つて参向せしめむと答へた。
 言霊別命は、
『理義明白なる貴下の御言葉、げにもつともなり。われは帰りて大神に貴下の赤誠を奏上し奉らむ』
と満腔の感謝を述べられた。このとき天の一方より百雷の一時に轟くごとき大音響を発し、黒雲を押分け降りくる巨神人あり。たちまち天上に群がる悪竜邪鬼を、左右の手に鉄棒を振り廻し縦横無尽にうち悩ませ、悠々として降りきたり、岩高彦に向つて、
『今や地上の世界は悪霊のために大混乱に陥らむとするの兆あり。われは天神の命によりて地上の神政を輔翼し、国治立命とともに、天上の制度を地上に布かむがために降れり』
といと厳かに述べられたり。この神再来して後にモーゼの神人となり、すべて神則を定められた。この神の御名は天道別命といひ、また天道坊と仮称する。
 ここに遠く西方の海より雲霧立昇り、中天において光茫天地を輝かす明玉となつて、大陸を越えオコツク海に落ち、水煙を立て、かつ海面に渦巻をたて、山岳のごとき波間より現はれ出たる巨神人あり、これを天真道彦命といふ。また天真坊と仮称する。
 この神は国治立命の天地剖判のとき、神命を奉じて海中に明玉となつて沈み、神命のくだるを待ちたまうた神である。いまや神界は混乱に混乱を重ね、邪神悪鬼の跳梁跋扈する時機なり、神司は善悪正邪の区別なく右往左往に迷ふのをりからなれば、天地の諸神司にむかつて宇宙一切の道理を説き、因果の神律を開示せむとして現はれたまうた。この神人再生して天下に現はれ、予言警告を発して神人を戒めたまふた。これをエリヤの神といふ。
 言霊別命は二神人の出現に力を得、天にも上る心地して四神人相ともなひ竜宮城に目出度く帰城し、ここにいよいよ大神の神慮を遍ねく天上天下に拡充された。

(大正一〇・一〇・二八 旧九・二八 外山豊二録)



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