出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語02-1-51921/11霊主体従丑 黒死病の由来王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
長白山
あらすじ
 本物の美山彦命は言霊別命と国照姫は言霊姫と改名した。大八州彦命は長白山に言霊別命を派遣して、神国別命、佐倉姫を地の高天原に招致しようとした。しかし、美山彦が長白山を攻めたので、神国別命、言霊別命は危機に陥った。
 美山彦、国照姫は、死海に沈んだ黒玉を爆発させ、邪気を発生させ、神軍を追い込んだ。これがペストとなった。しかし、佐倉姫が神言を唱えると、天より榊の枝が下され、神軍は生き返り救われた。
名称
悪竜 鬼猛彦! 大八州彦命 神国別命 杵築姫 国照姫! 言霊姫! 言霊別命! 佐倉姫 神軍 邪鬼 邪神 滝津彦 猛虎彦 豊春彦 毒蛇 魔軍 美山彦命! 病魔神
鬼熊 国照姫 国治立命 木常姫 邪気 高虎姫 竹熊 天使 棒振彦 美山彦命 八百万の神司 稚桜姫命
悪霊 神言 黒玉 榊の枝 死海 地の高天原 長白山 ペスト 木星 ロツキー山
 
本文    文字数=3948

第五章 黒死病の由来〔五五〕

 死海の悪霊となりし竹熊、木常姫は、再生して棒振彦、高虎姫と化り、ふたたび初志を貫徹せむため、神界に声望高き美山彦命、国照姫の神名を偽り、種々の謀計をもつて正神界の諸神司を攪乱せむと必死の活動を続けてをる。茲に美山彦命は諸神司の正邪去就の判別に迷はされむことを慮り、稚桜姫命の神命を奉じて言霊別命と改名し、これを諸神司に内報しおかれた。また国照姫も言霊姫と改名されることになつた。したがつて以下述ぶるところの言霊別命は、真の美山彦命のことであり、言霊姫は真の国照姫のことである。さうして美山彦といふのは真の棒振彦のことであり、国照姫といふのは真の高虎姫であることをあらかじめ述べておく。

  月の夜にそのに立出でながむれば 黄菊白菊一つ色なる

 長白山の山腹に古くより鎮まります智仁勇兼備の神将に、神国別命、佐倉姫の二神人があつた。その麾下には豊春彦、猛虎彦ありて一切の神務を掌握し、八百万の神司を集めて天下の趨勢を観望し、鋭気を養ひ、潜勢力を備へて天使の来迎を待ちわびてゐた。この神人は国治立命の御系統にして、木星の精降つてここに顕はれたのである。大八洲彦命は、一旦神界は平穏無事に治まりしといへども、執念深き僣偽の美山彦、国照姫および鬼熊の再生なる鬼猛彦、杵築姫等の、各所に魔軍を集めて、ふたたび世界を撹乱するの気勢明らかとなりたれば、これらの魔軍を殲滅し、世界の憂慮を除かむがために種々の神策をめぐらされた。そこで、言霊別命に滝津彦を副へて長白山にのぼり、神国別命、佐倉姫を地の高天原に招致せむと計りたまうた。神国別命は神命を奉じて豊春彦、猛虎彦をして長白山の神営にとどまつて守備せしめ、みづから進んで地の高天原の部将たるを拝授された。
 このとき偽美山彦の一味の邪神は、言霊別命の長白山に到りしことを探知し、あまたの邪鬼悪竜毒蛇を遣はし、八方より言霊別命、神国別命を攻め悩まさむとした。神国別命は三徳兼備の神将なれども、あまりの巧妙なる邪神の戦略にいかんともする能はず、言霊別命とともに非常なる苦境に陥つた。
 偽美山彦、国照姫は死海に沈みたる黒玉を爆発せしめ、山の周囲に邪気を発生せしめた。この邪気は億兆無数の病魔神と変じ、神国別命の神軍に一々憑依して大熱を発せしめた。神軍はのこらず、この病魔に冒されて地上に倒れ、中には死滅する者も多数に現はれてきた。この病魔は漸次に四散して世界の各所に拡がり、つひにペストの病菌となつた。
 ここに佐倉姫は神軍の惨状を見るにしのびず、天の木星にむかつて救援を請ひ、神言を朗かに奏上された。このとき木星より一枝の榊の枝がくだつてきた。佐倉姫は天の与へと喜び勇んで感謝し、この榊葉に神霊を取懸けて「左右左」と打ちふられた。東風にはかに吹ききたり、長白山の邪気は遠く散逸してロッキー山の方に向かつて消滅した。たちまち神軍は蘇生しその元気は平素に百倍した。ここに神国別命は神恩の深きに感謝し、神授の榊葉を豊春彦に授け、猛虎彦とともに長白山を守らしめ、二神人は地の高天原に参向さるることとなつた。

(大正一〇・一〇・二八 旧九・二八 谷口正治録)



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