出口王仁三郎 文献検索

リンク用URL http://uro.sblog.jp/kensaku/kihshow.php?KAN=02&HEN=1&SYOU=4&T1=&T2=&T3=&T4=&T5=&T6=&T7=&T8=&CD=

原著名出版年月表題作者その他
物語02-1-41921/11霊主体従丑 真澄の神鏡王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
芙蓉山 竜宮城 安泰山
あらすじ
 ニセ美山彦は芙蓉山を訪れて道貫彦を騙そうとしたが、失敗した。万寿山では杵築姫が稚桜姫命に化けていたが、大足彦が真澄の鏡で変装を見抜いたので、高虎姫と棒振彦は正体を現して逃げ去った。
名称
大足彦 天使大八州彦命 杵築姫! 国照姫? 木花姫命 高虎姫! 鷹姫 豊彦 花照姫 棒振彦! 道貫彦 美山彦? 美山彦命
鬼姫 大神 金毛九尾の悪狐 黒竜 木常姫 竹熊 古狸 魔軍 真澄姫 稚桜姫命
天の鳥船 安泰山 地の高天原 バイカル湖 芙蓉山 真澄の鏡 万寿山 竜宮城
 
本文    文字数=3971

第四章 真澄の神鏡〔五四〕

 ここに天使大八洲彦命は竜宮城の勇神、大足彦、花照姫、道貫彦を添へて、木花姫命の鎮まりたまふ芙蓉山を守らしめたまうた。

  不二の山三国一の四方面
  汽車の窓半日のぞく不二の峰

 ここに美山彦、国照姫は、鷹姫とともに雲霧をおこして芙蓉山に翔けのぼり、大足彦に面会を求めた。大足彦は木花姫命の神務を帯びて、遠く安泰山に行かれた後である。そこで花照姫は道貫彦をして代つて応接せしめた。
 美山彦以下二神は「一大秘密あり、願はくは隣神を遠ざけたまへ」と仔細ありげに申しのべた。
 道貫彦は乞ふがまにまに隣神を遠ざけ一間に入りて、
『その秘密はいかに』
と反問した。このとき美山彦は声を密めて、
『竜宮城も地の高天原も既に重囲に陥り危機旦夕にせまる。稚桜姫命はわずかに身をもつてのがれたまひ、万寿山に避難し、ここに再挙を図らせたまふ。しかるに大八洲彦命、真澄姫はすでに棒振彦に帰順し、今や魔軍の将として万寿山に押し寄せむとす。高天原の大事を救ふは今この時なり。智略縦横の大足彦きたりて万寿山の主将となり、大勢を挽回し、大神の神慮を慰めよ、との稚桜姫命の御神命なり。貴神の向背いかん』
と気色をはげまし、刀の柄に手をかけ決心の色を見せながらヂリヂリと詰めよつた。
 花照姫、道貫彦は始終を聞きて心も心ならず、ただちに天の鳥船をもつて、豊彦をして安泰山の大足彦にこの顛末を報告せしめた。時をうつさず西方の天より、大足彦は豊彦とともに帰山し、すでにすでに安泰山において美山彦命と会見してすべての様子を知りゐたるに、ここにまた美山彦命の来れるを聞きて、何となく怪しみに堪へず、山頂の木花姫命の宮にいたり神示を乞ひたまうた。
 木花姫命の神示によりて、天使は心中深く期するところのあるものの如く、花照姫、豊彦その他の神司を芙蓉山に残して守備となし、美山彦一行と共に万寿山に向うた。万寿山には、バイカル湖の邪神となりし鬼姫の再来なる杵築姫は、美々しく変装を凝らして稚桜姫命と化り、大足彦に向つて遠来の労を謝し、かつ地の高天原および竜宮城の回復を命ぜられた。

  這ふて出てはねる蚯蚓や雲の峰

 大足彦は出発の際、木花姫命よりひそかに賜はりたる真澄の鏡をとりいだし、稚桜姫命を照しみれば、こはそも如何に、今まで優美にしてかつ尊厳なりし稚桜姫命は、見るも恐ろしき鬼姫の後身バイカル湖の黒竜と現はれ、東北の天にむかつて黒雲を捲きおこし、雲を霞と逃げ失せた。美山彦はと鏡に照らして見れば、こはそも如何に、竹熊の再来棒振彦の正体あらはれ、高虎姫を見れば木常姫の再来なる金毛九尾の悪狐と化し、鷹姫の姿は大なる古狸と現はれた。
 大足彦は天を拝し地に伏し、芙蓉山にむかつて合掌し神徳の広大無辺なるを感謝した。その後棒振彦、高虎姫は諸方にかけ廻り、このたびは大足彦をいかにもして亡ぼし、真澄の鏡を得むと非常に苦心焦慮した。邪神の去りしあとの万寿山は、実に荒涼たる荒野と化してゐた。あとに大足彦は地を踏み轟かして雄健びしながら、怒りを押さへ直ちに鳥船に乗りて芙蓉山に帰還した。

(大正一〇・一〇・二七 旧九・二七 加藤明子録)



オニドでるび付原文を読む    オニド霊界物語Web