出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語01-5-491921/10霊主体従子 バイカル湖の出現王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
エデンの城
あらすじ
 竹熊は竜宮城を出入り禁止となったのでエデンの城に帰ろうとしたが、城は鬼熊に占拠されていたので、木常姫に援軍を求め、エデンの城を取り返した。鬼姫は竹熊の十二の玉を抱いてエデンの城から逃げ出した。しかし、国常立尊の命を受けた奇晴彦・村雲別も攻撃を加えたので、鬼姫は地上に落ちて死んだ。鬼姫の落下した場所はバイカル湖となり、鬼姫は黒竜となった。その後、鬼姫は杵築姫となる。
名称
牛熊 牛姫 鬼熊 鬼姫 大八州彦命 杵築姫! 奇晴彦 火竜 木常姫 邪神 高杉別 鷹姫 竹熊 武熊別 魔鬼彦 魔軍 村雲別 森鷹彦
国常立尊 黒竜
ウラル山 エデンの城 鬼城山 バイカル湖 ヨルダン河 竜宮城
 
本文    文字数=2843

第四九章 バイカル湖の出現〔四九〕

 大八洲彦命の仁慈に充てる犠牲的至誠より、竹熊の罪は赦された。しかしながら衆神の手前もあり、竹熊も竜宮城に出入せしむることを禁ぜざるを得ない立場になつた。竹熊はやむを得ず、もとのエデンの城塞に帰らうとした。この時エデンの城塞は既に鬼熊に占領されてゐた。そして鬼熊の滅亡後鬼姫は、牛熊、武熊別を部将とし、あまたの魔軍を集めてこれを死守してゐた。竹熊は高杉別、森鷹彦の心中を少しも知らず、全く自分の無二の味方であると信じてゐた。
 竹熊は高杉別、森鷹彦に命じてエデンの城塞を前後より襲撃し回復せむとした。されどもふたりは言を左右に託して竹熊の命に従はず、かへつて竹熊の暴悪不道の行為を責め門内よりこれを突出し、門扉を固く鎖して、再び竹熊の出入し得ざるやう、きびしく警護した。
 竜宮城の出入を禁ぜられた竹熊は、鬼城山に城塞を構へ数多の魔軍をしたがへ割拠する、木常姫の陣営にむかひ救援を求めた。木常姫は何条否むべき、同志の竹熊にして亡ぼされなば吾が大望を達する望みなしと、ここに魔鬼彦、鷹姫等とともに軍容を整へ、エデンの城塞にむかつて短兵急に攻めいつた。鬼姫は牛熊、牛姫に命じて敵のヨルダン河を渡るを拒止せしめた。木常姫は雲を呼び、風を起し、雨を降らし、死力をつくして争うた。河水はたちまち氾濫し、水量おひおひに増して、エデンの城塞はほとんど水中に没するばかりである。ここに鬼姫は進退谷まり、竹熊より奉れる真贋十二の玉を抱き、従者とともに黒雲に乗じ天空はるかに逃げゆく。天日暗澹として常暗のごとく、鬼姫一行の邪神隊はウラルの山上目がけて一目散に姿を隠した。
 たちまち前方より奇晴彦、村雲別は国常立尊の命を奉じ、火竜となつて中空に現はれ、鬼姫の前後左右より焔を噴きだし攻めきたる。鬼姫の一隊は苦みにたへず、少時は死物狂ひとなつて応戦せしが、つひに力尽きて地上に落下した途端に、大地は大震動とともに陥落し、長大なる湖水を現じた。これをバイカル湖といふ。そして鬼姫は茲に終焉を告げバイカル湖の黒竜となり、再び変じて杵築姫となり、執念深く竜宮城を附け狙うたのである。エデンの城塞はかくして再び竹熊の手に還つた。

(大正一〇・一〇・二六 旧九・二六 加藤明子録)



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