出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
物語01-5-471921/10霊主体従子 エデン城塞陥落王仁三郎参照文献検索
キーワード: 物語
詳細情報:
場面:
竜宮城
あらすじ
 武熊別はウラル山の鬼熊と通じて竹熊たちを滅ぼそうとする。鬼熊は妻の鬼姫を竜宮城へもぐりませた。また、世界各所で騒動を起し、稚姫君命が沓島で神事を行ったのに乗じて島を攻めたが、国の御柱命の率いる神軍に破れた。
 武熊別は大八州彦命が竜宮城を留守にしたのに乗じて、「大八州彦命、竹熊はウラル山を攻め落とそうとしている」との虚偽を、鬼熊・鬼姫に吹き込んだので、鬼熊・鬼姫は竹熊のエデンの城を襲い陥落させた。
名称
鬼熊 鬼姫 大八州彦命 鬼神 国の御柱命 黒竜 小島別 神軍 高杉別 竹熊 武熊別 竜世姫 月彦 毒蛇 曲津 真倉彦 真澄姫 森鷹彦 稚姫君命
悪霊 国常立尊 探女 魔軍
秋津島根 ウラル山 エデンの城 沓島 地の高天原 真澄の珠 真奈井の海 目無堅間の船 竜宮 竜宮城
 
本文    文字数=3424

第四七章 エデン城塞陥落〔四七〕

 竹熊は大小十二の各色の玉を得て意気天を衝き、虚勢を張つて横暴の極を尽した。さうして高杉別、森鷹彦を深く信任し、高杉別をして武熊別の地位にかはらしめた。武熊別は竹熊の態度に憤怨やるかたなく、ここに一計をめぐらし、ウラル山に割拠する鬼熊に款を通じ、竹熊、高杉別、森鷹彦を滅ぼさむとした。鬼熊はその妻鬼姫に計を授けて竜宮城の奥深く忍ばしめ、遂には稚姫君命、大八洲彦命のやや信任を得るにいたつた。鬼熊は鬼姫の苦心により、つひに竜宮城に出入を許さるるとこまで漕ぎつけた。さうして鬼熊の子に月彦といふ心の麗しき者があつた。この者は稚姫君命の大変なお気にいりであつた。悪霊夫婦の子に、かくのごとき善人の生れ出でたるは、あたかも泥中より咲く蓮華のやうなものである。ここに稚姫君命は、ふたたび世界の各所に群がりおこる悪霊の騒動を鎮定すべく、国常立尊の神命を奉じ、月彦、真倉彦を伴ひ、目無堅間の御船にのり、真澄の珠を秘めおかれたる沓島にわたり、諸善神を集めて、魔軍鎮定の神業を奉仕されたのである。この時秋津島根に攻めよせきたる数万の黒竜は、竜宮の守り神および沓島の守り神、国の御柱命の率ゐる神軍のために、真奈井の海においてもろくも全滅した。しかるに陸上の曲津らは、勢力猖獗にして容易に鎮定の模様も見えなかつた。これは、ウラル山に割拠する鬼熊の部下の悪霊らの、権力争奪の悪魔戦であつた。鬼熊は部下の者共の統一力なきを憂へ、ここに一計をめぐらし、竜宮城に出入して根本的権力を得、部下の悪霊を鎮定し、すすんで地の高天原を占領せむとする企画をたててゐた。
 稚姫君命一行の沓島に出馬されし後の竜宮城は、大八洲彦命、真澄姫をはじめ、竹熊、高杉別、森鷹彦、竜代姫、小島別等のあまたの神司が堅く守つてゐた。武熊別は如何にもして、竹熊、高杉別を亡ぼさむとし、鬼熊、鬼姫に対し、
『大八洲彦命、竹熊等は神軍を整へ、大挙してウラル山を攻落し、貴下を討滅せむと種々画策の最中なり。われは探女を放ちてその詳細を探知せり』
と種々の虚偽を並べ、鬼熊、鬼姫の心を動かさむとした。ここに鬼熊、鬼姫の憤怒は心頭に達し、
『大八洲彦命、竹熊一派らを亡ぼすは今を措いて好機はなし。今吾、彼らを滅ぼさずんば、吾は彼に早晩亡ぼされむ。機先を制するはこの時なり』
と鬼熊、鬼姫は武熊別を部将として、ウラル山の鬼神毒蛇を引率し、まづ竹熊の屯せるエデンの城を襲ひ、ついで竜宮城を襲撃せむとした。鬼熊の魔軍は驀地にすすんで、八方よりエデンの城塞に迫つた。時しも竹熊は、竜宮城の留守役として不在中なりしかば、エデン城は戦はずしてもろくも鬼熊の手に落ちた。

(大正一〇・一〇・二六 旧九・二六 谷口正治録)



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