出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
出口王仁三郎全集 第8巻 全8巻(復刻)1999.03解剖出口王仁三郎参照文献検索
キーワード: 23歳 和歌実作
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本文    文字数=1477

解剖 二十三四歳の頃

{1894年 明治27年 24歳 }

飼犬が発病なしてびつこひき百日余にして斃死なしたり
井上は気管支炎と診断しわれは心臓糸状態虫と断ず
南陽寺の飼犬なれば境内の墓地に住職あつくはうむる
斃れたる犬の病状さぐらむと闇夜墓地にしのびてぞ行く
テーランをとぼして犬の墓を掘り解剖服にてメスふり廻す
第一に心臓部目がけて解剖刀ぐさりとさせば髪の毛よだつ
心臓を解剖すれば糸状虫ウヨウヨとしてわきゐたりけり
獣医術にわれは勝てりと会心の笑みを夜間にもらしたる墓地
テーランに照らされ笑める吾が顔を雛僧便所ゆながめて驚く
心臓をえぐり出して新聞紙に包みふたたび死骸を葬る

   ○
きりとりし心臓を家に持ちかへり井上獣医の目の前に出す
井上は烈火の如くいきどほりコン畜生とこぶしふりあぐ
診察をあやまりおきし井上がかへつて吾に毒つきにけり
コン畜生木つ葉野郎といひながら棍棒ふり上げなぐりにかかる
一斗の大豆みたせし桶を手に兇暴の棍棒受けとめにけり
うけとめしはづみに桶は顛覆し一斗の豆庭にちらばる
こびれたる豆を獣医と吾と二人つぶやきながら拾ひ集むる