出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
出口王仁三郎全集 第8巻 全8巻(復刻)1999.03観音堂出口王仁三郎参照文献検索
キーワード: 23歳 和歌実作
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本文    文字数=2387

観音堂 二十三四歳の頃

{1893年 明治26年 23歳  八木弁との恋愛}
{1893年 明治26年 23歳 夏 園部に行き、牧場で働きつつ獣医学の研究}

穴太寺観音堂の法会の夜こころ合ひたる女とかたる
穴太寺春の法会の無縁経に有縁の女と語る楽しさ
観音堂の裏の小暗き庭にたち堅く握りし手は熱かりき
何となく胸をののきて一言も吾が言の葉は出でざりにけり
感激の身をふるはせて彼の女吾と同じくもだし居たりき
手を握り互に目と目をそらしつつ面はほてりぬ息ははづみぬ
漸くに好きと小声に吾いへばにやりと笑ひてすと逃げてゆく
或家の門口あけて彼の女伯母と語れる言葉ふるへる
戸の外にそとたたずみてその女伯母と語れる様子聞き居り
どうしてももう一言を語らねば心すまずと去りがてに居し
屋内にパッと消えたる洋燈に吾あきらめて家路に帰る
わが家に帰れと眼さえにつつ彼女のことのみ夢に見たりき
女の名寝言にいひし翌朝父はほほゑみもらへと語る
ほほゑめる父の面貌のはづかしさ面ほてりつつ知らぬと答へぬ
お互ひの恋の佳境に入りしころ吾は修業のために村去る
小北山南おもては恋ふる人のうからやからの住める里なり
獣医学修業せむとて園部ゆく途中を彼女の家に立ち寄る

   ○
立ち寄れば彼女の父はよろこびて風流談などなして夜明す
一夜さの夢も結ばず小北山越えて園部へ吾は出でゆく
二三日すれば彼女の玉の文盂蘭盆の夜に会はむとしるせり

   ○
{1893年 明治26年 23歳 8月 八木弁との恋愛頓挫する}

この文を見るより盂蘭盆待ちかねて牛飼ふ業も手につかぬ思ひ
盂蘭盆の月を待ちかねて故郷に帰れば伯母にさまたげられたり
喜楽さんお前はすまぬ男よと彼女の伯母は吾をたしなむ
伯母の眼の鋭きままに一言もかはす術なく惜しく別れし
その日より叶はぬ恋とあきらめて吾は園部に立帰りけり