出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
ユダヤの救世主が日本に現われる1992.09.30日猶同祖論の紹介中矢伸一参照文献検索
キーワード: 日猶同祖論
 
本文    文字数=2885

 「日ユ同祖論」を最初に唱えたのは、明治維新初期の頃に来日したスコットランド人、N・マクレオドであったと言われる。
 彼は一般の貿易商人であったが、日本の持つ独特の伝統文化や日常の行動などに、他のアジアの国々とは違った印象を受けた外国人の一人だった。
 マクレオドは自らの研究結果を、『日本古代史の縮図』(原題→The Epitome of the Ancient History of Japan)という英文冊子にまとめ、一八七五年、横浜で刊行した。
 その中で彼は、日本と古代ユダヤの伝統文化、風俗習慣などを具体的に例を挙げて比較した上で、日本が他のアジアの国々の中で異質なのは、その祖先が、イスラエルの全十二支族のうち、二五〇〇年前に北イスラエル王朝の滅亡によって忽然と姿を消した十支族、いわゆる「失われた十支族」だからであり、それらユダヤ人が東方に移動して、最終的に日本に住み着いたとすれば、これらの謎はよく理解できるとしたのであった。
 マクレオドのこの説は、あまりに突飛で、根拠に乏しく、西欧社会においてはほとんど受け入れられなかった。しかし、ユダヤ人のラビ(僧侶)、マービン・トケイヤーによれば、ユダヤ人だけは、この本を真剣に受け止めて読んだというのである。
 マクレオドはまた、この本の中で、奇妙な予言をしている。
 それは、日本の天皇家が、イスラエルの十二支族の長であるヨセフの子、エフライムの子孫であり、天子の称号を受けるにふさわしい権利を持っている。そればかりか旧約聖書の『エゼキエル書』に預言として記された、やがて現われてユダヤ民族を救済するであろう「世界の王・ダビデ」は、エフライムの子孫である日本の天皇家から出るであろう、というものであった。
 実際彼は、ユダヤ教の原典である旧約聖書に精通しており、このため古代へブライと日本の文化の共通性に気づくに至ったらしい。
(中略)
 日本には、古代のユダヤから来たとしか思えないような風俗、習慣、伝統文化が、数多く見受けられる。こうした文化的共通点を強調しながら、マクレオド説を受ける形で「日ユ同祖論」を唱えたのが、佐伯好郎、小谷部全一郎といった日本人研究者たちだった。
以来、現在に至るまで、様々な人々が、それぞれの立場における研究成果としての「日ユ同祖論」を説いているが、その謎は尽きることがない。