出口王仁三郎 文献検索

リンク用URL http://uro.sblog.jp/kensaku/genshow.php?CD=13635&T1=&T2=&T3=&T4=&T5=&T6=&T7=&T8=

原著名出版年月表題作者その他
本教創世記2003.11本教創世記03出口王仁三郎参照文献検索
キーワード: 宗教者へ 三大学則 高熊山 精神物質文明 感合法 顕斎と幽斎
詳細情報:
〇明治30年10月に小幡神社で異霊彦命(本田親徳)に三条の学則を教えられる。
〇異霊彦命の三大学則についての教え
 宇宙は霊と力と体との三大元質を以て充たされている。此の活経典を以て、真神の真神たる故由(ゆえ)を知ることを得ん。
〇神について 神という義は、神典に隠身とある、「かくりみ」と云う意である。凡人の眼に隠れて見えぬ故に、「かくりみ」と云うのである。此の四字をつづめて、「か」と「み」とを合せて「かみ」と云うのである。
〇王仁三郎の役目 世界は破滅の極みに達している。因りて神界より王仁三郎を卑しき農夫の家に降して、善く世の辛酸を嘗めしめ千辛万苦を与えて、世の救主と為さんとの神慮である。
〇現代文明 今や物質的文明の壮年時代である。文明利器の交通機関は益々完全に備わり行きて、地球の上皮は追々狭隘となり接近し、衣食住は倍々(ますます)贅沢に流れ、世界の各政府は学術を貴重して科学的智育の普及を計り、名義のみの博士や学士を始め理論に生活する所の一種の動物は雲霞の如くに発生し、空論空議の盛なる、今日より甚だしきはなし。盲目千人の譬に洩れぬ世人は、皆この物質的文明の進歩を謳歌して居る。是れ向後惨澹たる世界の滅亡を来たすべき大原因なるべし。総て精神的神教的文明の相伴わざる物質的文明は、最も恐怖戦慄すべきものにして、決して謳歌すべきものにあらず。

〇感合法 神感法とて神人感合の術なるものは、神様と吾々の霊魂が相一致する道である。帰神のこと。
感合法には無形のものと有形のものがあり、無形の感合法には神感法と他感法と自感法がある。有形にも前述の3つがある。
●高熊山 ここでは、他の聖師伝とは違い、「我は益々幽斎を鍛錬したりしが、この度は神のお告げに従いて、深夜に一週間高熊山という奥山に通い、鎮魂と帰神術とを一心不乱に勉強し、ついに神人感合の妙境に達することを得たるなり」となっている。
備考: 著作集(1) P.68 本教創世記第03章
 
本文    文字数=4904

 右之三条を余に憑りて筆に誌し玉うた。そこで余は謹んで、「吾神畏こし。願わくは其意義を教え玉え」と請う。神即ち教え諭し玉わく、「右三条の学則は、之れ神の黙示なり。汝よく天地に俯仰して観察すべし。宇宙は、この霊と力と体との三大元質を以て充たさるるを知り得ん。此の活経典を以て、真神の真神たる故由(ゆえ)を知ることを得ん。何んぞ人為に成れる書籍を学習するに及ばんや。只宇宙間に不変不易たる真鑑実理あるのみ」と教え諭〔悟〕されけり。余は始めて此の神教を得て、盲亀の浮木に会える如く喜びて、直ちに感謝を捧げ、益々真理の為めに神の守護あらんことを祈願したりけり。

 余は神の意義に就て一言説明し置く必要がある。浅薄なる学者輩は、「神は果して在りとするならそのば、其姿を吾目前に現わすべし」なぞ、尋ぬる者あれども、是等は古流の唯物論の糟粕をなむる者の言であって、採るに足らぬ論拠である。神という義は、神典に隠身とある、「かくりみ」と云う意である。夫(それ)で「神は幽体である」と云う事を先ず弁(わきま)えて居らぬ人には、神の話は何となく怪しき感じが起きて来て、信ずる事が出来ない様に成って来るから、神の道を求めんとするものは、第一着歩として此の問題から解決して掛らねばならぬ。凡人の眼に隠れて見えぬ故に、「かくりみ」と云うのである。此の
四字をつづめて、「か」と「み」とを合せて「かみ」と云うのであるから、神を見んと欲する者は真智の光明でないと見る事が出来ないのである。若し凡夫の目に見ゆるとすれば、夫れは幻影である。妄視の作用である。精神の異常を来たしたるより病的に感ずるのである。人として神にまみえ奉るという事は難いのである。

 神教え諭し玉うよう、「汝宜敷吾言葉を聞くべし。抑々(そもそも)現し世(うつしよ)の状態は如何と思うぞ。真理は深く包まれて一点の光もなく、徳義は破れて人心は腐敗し、自由競争の悪習は最早頂点に達したり。このままにに放任しおかんか、世界の滅亡を招くに至るべし。因りて神界より汝を卑しき農夫の家に降して、善く世の辛酸を嘗(な)めしめ千辛万苦を与えて、世の救主と為さんとの神慮なり。汝は今迄成し来りし事は皆天の為さしめ玉う所なり」と教え玉いければ、余は驚きと喜びとに打たれて、暫時無言のままに神の方をのみ視守り居たりけり。

 神教えて日く。「今や世界の文明は日に月に進歩する一方にある。所謂物質的文明の壮年時代である。理化学上の新発明は、神秘の鍵を以て神門を開きたるが如くに疑わるる迄に進捗〔渉〕し、種々の方面に大競争の状態を現出し、偏窟(へんくつ)なる道徳者哲学者や倫理上の学説は、社会の各方面より奇抜なる声を放ち来りて、世人を迷わせて、偽予言者偽救世主は各所に現われて、数多の人類を欺瞞して、世人は其拠る所を知らず。文明利器の交通機関は益々完全に備わり行きて、地球の上皮は追々狭隘となり接近し、衣食住は倍々(ますます)贅沢に流れ、世界の各政府は学術を貴重して科学的智育の普及を計り、名義のみの博士や学士を始め理論に生活する所の一種の動物は雲霞の如くに発生し、空論空議の盛なる、今日より甚だしきはなし。盲目千人の譬(たとえ)に洩れぬ世人は、皆この物質的文明の進歩を謳歌して居る。是れ向後惨澹たる世界の滅亡を来たすべき大原因なるべし。総て精神的神教的文明の相伴わざる物質的文明は、最も恐怖戦慄すべきものにして、決して謳歌すべきものにあらず。精神的文明の伴わざる物質的文明と、人類の徳義信仰とは両立すべきものに在らず。人類は不完全なる病的智能のみ発達するに従いて、人類の徳義と信仰とは追々浮薄となり、徳義と信仰のなきものがだんだん悪く利口
になる程、国家のため社会の為めに恐るべき事をなし、故に今に当って精神的文明即ち惟神の大道を鼓吹して、全世界を覚醒するに非ずんば、国家も社会も維持する事難く、終に世界の滅亡を招かんこと火を見るよりも明かならん」