出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
出口王仁三郎全集 第8巻 全8巻(復刻) | 1999.03 | 仮面 | 出口王仁三郎 | 参照文献検索 |
キーワード: 27歳 和歌実作 |
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本文 文字数=1717
仮面 二十六七歳の頃
{1897年 明治30年 27歳 年代不詳}
田舎には気のきいた女一人もなしと思へば淋しくなりぬ
甲の女と結婚すれば乙の女が茶茶いれるかと思ひわづらふ
甲も乙も丙丁戊も土臭く気に入らぬとてさまよふ結婚
侠客のむすめ一人吾が家に流連なしてかへるともせず
乙丙の家を訪はむと思へども彼女にさまたげられて意を得ず
○
要領を得むとおもひて不断から不得要領の仮面をかぶる
山に寝ね草に伏しつつ若き日の人目をしのぶラブ・グロテスク
若き日のラブイズベストをとなふれど会心の者なき田舎かな
玉の緒の命のラブはうばひさられやむを得ずして屑のみ拾ふ
○
搾乳もそろそろいやになりにけり仔牛の心おもひはかりて
肝腎の乳はしぼられひよろひよろと瘠せたる仔牛に涙こぼるる
糯米の粥などたきて牛の仔に朝な夕なに喰はせけるかな
数頭の仔牛に夜はおそはれて幾度となく床はね起きたり
○
うばたまの暗き淋しき薮小路も雨ををかして通ふ君許り
田の中の溜池のそば忍びゆけば青き火燃えてぱつと消えたり
人魂は三個ならびてまた出でぬ竹 辰 萬の溺死の亡霊
人魂を淋しき野辺に一人見て胸をののきぬ足はふるひぬ
淋しさと恐さ忍んでたどりゆく夜半の恋路はあさましかりけり
人並に恋は知れども吾若き日は余りにも忙しかりけり